
うちのことを知ってる人も、知らない人も、
私のことを知ってる人も、知らない人も、
クルマ屋がマシニング買って、3Dスキャナーや3DCADまで導入して、町工場の域を超す設備投資をしている理由とは?
最近、結構、勘違いされることが多く、友人知人でも勘違いしてたり、それをわざわざ訂正する必要もないので、独り言ブログで書こうかと思いました。
うちはチューニングやレストア、コンプリートカーの製作をしている会社です。それがなぜ、本業と平行してここまで設備投資をして、ものづくりに励むのか。
理由は簡単です。
チューニングの質を向上させたり、レストアの質を向上させたいから、です。
旧車屋の宿命のようなものです。
めんどくさい言い回しかもしれないですが、車の修理って、現状復帰がほとんどですよね。
例えば10年経っていたんだ部品を修理したとき、交換した部品は、新品の状態、すなわち新車の状態に戻りますが、その周辺の部品は10年落ちの傷んだ状態です。
新車の性能が100とすれば、交換した単品は100に戻っても、車の性能、機能が100には戻りません。
同時に旧車のチューニングは危うくて、新車で100の性能がある車が50に落ちていたとします。
それをチューニング、改造して、70に上げる、、
それって、なんかおかしくないですか?と思ってしまうのです。
チューニング、改造にはお金がかかるので、費用対効果としては、100の性能に戻さず、50→70に上げる。
体感満足度はありますが、なんだか腑に落ちません。
レストアも同様で、錆びた鉄板を切って貼った修理して、また錆びる修理に費用を投じることが、50を70に上げることなら、
鉄からカーボン化して、50.を150に上げることが出来れば、一番理に叶った、復元と性能向上が出来ると思うからです。
ここで?と思う方もいるかも知れません。
50を100に出来ないの?と。
これこそが、旧車の宿命で、部品が手に入らないのです。
100に上げるハードルは高く、150に上げるハードルは低く、となるのです。
そのハードルを知っていると、無闇に理想を追いかけず、ユーザーの求める50を70に上げた仕事を提供します。その仕事って、尽きないので、商売的には良いですが、ユーザーが疲れて、離れてしまう原因になりかねません。
100のハードルが高い理由。
大衆車の場合、100点💯の部品は量産品です。
金型を使い、大量生産した部品です。
反面、スーパーカーは、品質、性能が高い反面、少量生産の部品です。
市販大衆車の部品は、価格は安いが少量では作りにくく、スーパーカーの部品は価格は高いが少量でも作れるのです。
大衆車の鉄のドアが5万円と、スーパーカーのカーボンドアが150万円の違いです。
話は戻り、設備投資し、ものづくりをしている理由は、チューニングやレストアの品質を向上させ、価値ある状態で提供するためです。
50を70ではなく、50を150にする。
現実的に難しい100を目指すのではなく、達成可能な150を目指す。
これが、ものづくりの原動なのです。
良いものを作ろうとすると、価格が高くなる弊害があるので、価格が高い、を、利益が高い、と勘違いされることもあります。
そんな弊害よりも、こうして生まれた製品を、自社の顧客だけでなく、同じ趣味の人達と、分かち合えて、楽しめたら、とも思って、一般販売しています。
旧車の世界って、ライバルはあってないようなもので、ないものをどこかが作れば、困った人が助かり、走れる車が増え、ユーザーが増える。
結局、巡り巡って、困る人はいないのです。
作ったものを売る、イコール儲けてる、と思う人がいるかもしれないですが、旧車の部品って、ホントに儲からないんです。
例え、一時に儲かったように勘違いしても、絶対的ユーザー数に限りがあるので、長くその利益を維持するのは難しいんです。
それを続けられるとすれば、継続した利益があるので、やめなくて良い、の判断だけです。
旧車の世界に、多くのチューニングショップや多くのメーカーが本腰入れて参入しないのは、採算を取るのが難しいからです。
100に上げるハードルが高く、絶対数が限られるからです。
それを分かって設備投資をする。
実はとてもバカな行為なんですよね。
そんなバカなことをしてると、普通は思わないので、勘違いされる理由なんですね。
うちは、うちのお客さんが、150を目指すための、バカなことに付き合ってくれているので、助けられています。
そんなおバカな旧車屋の話でした😅
インパルス☆おバカ倶楽部。
Posted at 2024/09/15 11:59:30 | |
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