とある新ブランドの、
とある測定器の、
裏話として書きます。
市販ツーリングカー、スポーツカーのアライメントに的を絞って、アライメントの話を書きます。
現場での質問であり、決めつけのような話、みんなが思ってる疑問、
それは、
「ブッシュの車って再現性がないでしょ!?」
どういう意味かというと、
フォーミュラカーのようにサスペンションの支点がピロボール式ジョイントの車なら、走行前と走行後のアライメント測定値に変化がでないけど、
ゴムブッシュの車は、ブッシュのネジレ、タワミで変化するから、再現性が乏しいでしょ、
という話。
結論から言いますと、それがですね、
走行前と走行後、数値が変化せず、再現性が安定しているんです。
では、なぜ、再現性が乏しいと思い込んでしまっているのか。
問題を、原因と結果の仮定から読み解いてみます。
①再現性が安定しない原因とは?
例えば、ブッシュが割れて、グニュグニョに動いてしまう様な場合は、これは再現性の問題でなく、ブッシュに異常が出てる状態ですよね。
ボールジョイントにガタがあるのと同じことです。
②ブッシュは新品なのに、再現性が安定しない原因は?
それは、どこかにストレスが存在しているのでは?
車を前後に揺すり、タイヤやサスペンションのストレス(引っかかり)を解消する、
③それでも、安定しない・・
測定器本体の再現性は疑いましたか?
ホイルのリムで測定する場合、ホイルには振れがあります。
振れ値は測定済みですか?
カメラ式3D計測の場合、カメラアームや本体の温度変化などによって
測定精度にばらつきが出やすいですが、温度管理できていますか?
ランナウト補正値確認していますか?
ホイルハブ3D計測式の場合、実測値ですか?想定値ですか?
3D式の場合、定期キャリブレーションはどの程度の間隔でされていますか?
汎用トーインゲージの場合、ゼロ点キャリブレーションは信頼できる環境で
出来ていますか?
定盤上の車は水平で、トーインゲージも水平に出来ていますか?
ここまで来ると、経験者は分かりますよね。
ホイル→振れ確認→不安定要素
タイヤ→空気圧、摩耗、製造精度→不安定要素
測定器→測定方法、構造→不安定要素??
要するに不安定要素のオンパレードなんです。
これが、再現性が乏しいと言われる原因になっているのだと思います。
そこで、ダミーホイル(アライメントホイール)を使用し、
各部のストレスを抜くために、ターニングラジアスゲージを使用し、
そして、レベル定盤に設置する。
そいうった環境づくりをすることで、走行前も、走行後も
再現性が確保できるのです。(有名チームのエンジニアのお墨付きです)
こんな書き方とすると、こういう声が聞こえてきそうです。
レベル定盤を設置して、
ターニングラジアスゲージを使って、
ダミーホイル(アライメントホイール)で計測、、
現実的じゃない・・・
どこを現実とするのか、それにもよりますが、
アライメントリフトの設置費用って土間工事いれると、片手いきます。
3Dカメラ式アライメントテスターも片手越します。
そこまでかけたリフトでも車重で歪むんですよ、
水平公差どの程度あるかご存知ですか??
3Dカメラ式は温度や光に弱いのご存知ですか?
測定精度(スペック)ってメーカー公表値ないのってご存知ですか?
そう!
高額、高機能と言われる測定器にも裏の顔があるんです。
あまりいうと、否定だと捉えられると良くないのですが、
新車製造ラインの出荷検査などで、スピーディに、調整ができる!!
最大の売りはここだと思っています。
ただし、条件定義を満たしていれば・・
空調管理され、キャリブレーションの定期管理。
日本の四季を考えると、気温が10度変われば・・・
キャリブレーション・・・ですよね??
5度の季節、15度の季節、25度の季節、35度の季節・・・
高額な機械って、管理が大変!!
脱線しましたので、
定盤を使うのが、現実的でないに、
話を戻しまして、
じゃぁ、相対値計測の話をします。
車にとって、水平がどれほど大切か、
ボディワークの解説動画でもふれていますが、
ボディ含め、ホイルアライメントを測定するには
絶対的水平が必要になります。
右に傾けば、左右のキャンバー角の差が生まれ、
前に傾けば、トー測定時にキャンバー角が介入する恐れがあります。
水平の状態で、何を測りたいのか、それは絶対値です。
土間やアスファルトの上で、アライメントの計測も出来ます。
それは、絶対値から、相対値の測定数値になります。
絶対値ではトーがゼロだった、
でも、コンクリート土間の上ではトーがイン10分だった。
トーを変更し、イン10分にしようと思っていた、
なら、ひとまずトーをイン20分にしてみると良いですね。
ここでも注意ポイントは、キャンバー角が介入していないかどうか、、
車と測定器の向きがあっているかどうか。
サーキットの場合は、毎回定盤に乗せるチームもあると思いますが、
相対値でセットアップ進めて、夜や朝に、絶対値を確認すれば、
ある一定のルールに基づいた調整は可能です。
どこに視点を置くかですが、
アライメントの計測には、水平が原則、
レベル定盤を使用するメリットは、
工場のどこでも設置できる、サーキットへ持っていける、
備え付けの設備は、そこでしか測定できない、
場合によって、温度管理、遮光対策が必要、
測定前、測定後にキャリブレーションが行えない、
得て不得手、メリットデメリット、
それぞれ、色々あります。
現実的なのは、どこなのでしょうか・・
街中を法定速度で走る(ノーマルの)車には、メーカー基準値内でOKが基本。
ですが、サーキットではタイヤ、ブレーキ、オイル、走行料、などなど、
早く走るために、多額の費用がかかります。
費用に対し、効果を求めるのであれば、
再現性が高く、測定や調整がしやすい、
これに勝るものはないと思います。
アライメントホイールに、トー計測機を取り付けた理由は、いくつかあります。
車体水平と、測定器水平が実現できる。(キャンバー角が介入しない)
操舵時のトー変化を確認できる(アッカーマン)
車両解析に使用できる(ストローク変化によるトー変化)
リアトー調整のカム式による締め付け時の位置ずれ有無が確認ができる。
最後に、水糸整列のみのリスクを回避できる。
リアオフセットのリスクとフロント整列の誤判定を計測できる。
などのように、様々な視点からアプローチができれば、
できなかったことが、できるようになり、
やりたかった人が、やれるようになる。
欲していた人ほど、水を得た魚の様にアライメントを楽しめる。
お役立ちアイテム。
様々な経験をして、
生まれたセッティングツール。
アライメントに悩んでいる
エンジニアさんにも、
ドライバーさんにも、
最高のお役立ちアイテム!
それが、レースゲージです。
今回、ちょっぴり、語ってしまいました。
最後に、
先日の取材のときに、媒体の編集長が面白いこと言ってました。
この測定器があれば、オイル交換とアライメント作業だけでショップさん食べていけますよね、と。
目の付け所がさすがです!
鼻の効くショップさんには、何台で設備投資の元が取れるかが、簡単に計算出来ますし、個人さんは何回やれば、ショップさんに払う費用の元が取れるか・・
僕の経験上、真面目にアライメントに取り組むエンジニアさんって、仕事が出来る人多いです。出来る限り良い作業を提供しようとしてくれるタイプの人っていうか。
昔、86(ZN6)のアライメントを、こういった測定器がないときに、足回りの交換から調整、コーナーウエイト、アライメント調整まで、徹底してこだわった作業がありました。AE86なら1日で終わりますが、リア調整が増えるので、朝から始めて、丸2日かかりました。
今、この道具があれば、どれだけ早くなるのでしょう。
そんな経験から生まれた道具なのですね。
アライメント好きな人と出会うと、何時間でも話し合える、そして刺激になる。
そんな会話を楽しむ人たちの横に、レースゲージが置いてある。
そんな日が来ることがあれば、試行錯誤して作った甲斐があったと微笑みながら通り過ぎていきます。
また語りたくなったら、語ります。
裏話として。
少しでも興味を抱いた人は、是非、ホームページを見てください。
作りかけのホームページですし、情報が少ないかもしれませんが、
それで、製品が気になった人は、営業のTまで相談してください。
ぽっちゃりーずTさんですか?と、優しくいじってあげたら喜びますので。
ダイエットに成功してたら、もう痩せたからぽっちゃりしてない!って
言うかもしれません(笑)
そのときは、おめでとうございます!って言ってあげてください♪
アットホームな営業T氏です。
最後の最後です。
学校関係者の方や、学生の方(クラブ活動)で、アライメントに、とても興味がある方は、遠慮なくご連絡ください。出来る限りの協力をさせていただきます。
アライメントはレースの世界だけではありません。これから、自動ブレーキ、自動運転、直進性、安定性の担保に、これからはホイルアライメントがより一層重要になります。
まずは、アライメントが楽しく出来る。そして車がもっと好きになる。そうなれば素敵なことだと思い、支援し、活動しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
僕からは以上です。