
僕がカーグラフィックTV(以下CG-TV)を初めて見たのは、今でも鮮烈に覚えているアメリカ・カリフォルニアの高級住宅地パサデナで、田辺さんがACコブラ427を取材した回でした。
それまでの僕は日本車くらいしか知らず、世の中にはまだまだ知らない車やこんな凄い車があるんだと開眼した瞬間でもありました。
そんな衝撃と共に読み始めたのがカーグラフィック(以下CG)本誌で、今でも忘れられない1987年5月号からです。当時まだ中学1年生の小遣いで毎月買うにはちょっとだけ高く、そしてズシリと重い雑誌(約1kg)でした。
以後のめり込むようにCG-TVやCG本誌を見たり読んだりしたことで自動車雑誌の世界に憧れを持つようになりその後、紆余曲折を経て、幸いその世界に携わるようになりました。そのキッカケを作ってくれたのもCG-TVやCGと言えます。
さて、そのCG-TV。このほど放送2000回を迎え、それにちなんでトヨタ2000GTを取り上げていました。なんだか最近、違う自動車番組でも似たようなことをやっていたけれど、残念ながらそちらとはもう次元が違うなという感じです。
それはさておき、、、トヨタ2000GT。
そう言えば、かなり昔にとある出版社時代に作った旧車の単発本があって、その取材で2000GTを撮影したっけなぁ…と、当時のことを思い出しました。で、その時の雑誌を引っ張り出して読み返してみたら、かなりビックリなことが判明。
その当時に撮影した車両が今回CG-TVに登場した車両そのものだったのです。
番組中で松任谷さんが何度となく話していた親戚の叔父さんこと“イサムちゃん”がご存命の頃で、ご高齢ながら都内から撮影場所の箱根までこの2000GTを運転して来られました。
撮影は早朝から夕方まで長時間かかっていたこともあり、撮影場所の芝生では、大の字になって気持ちよさそうにお昼寝していたことを思い出しました(笑)。
その当時でもとても貴重な車ではありましたが、後にも先にもこの2000GTを運転させてもらえたことが今でも宝物です。
さて、伊豆山中で撮影を終え、伊豆スカイラインを走って帰ろうとしたら、後ろについていたはずの2000GTがいつまで経ってもやって来ない。この時、僕は撮影車のホンダS800に乗っていて、先頭を走っていたのだけれど、これはおかしいと思って戻ってみると、カメラマンの車と共に路肩に止まっているではないですか!
どうしたのか聞いてみたら、白煙を吹いたと思ったらそれっきり動かなくなってしまったのだそうで。。。どうやらクラッチディスクが完全に擦り減ってしまって、身動きが取れなくなってしまったのでした。
時すでに日が落ち始め、うす暗くなりはじめた伊豆の山中…。万事休す。。。
こうなるともうお手上げで、結局積載車を手配して2000GTは最寄りのトヨタディーラーへ搬送。イサムちゃんはカメラマンさんの車で都内の自宅まで送ってもらう事になりました。
撮影の時には協力していただいたオーナーさんに交通費として僅かばかりの謝礼をお渡ししていたのだけれど、こんな事になってしまって申し訳ないと、イサムちゃんは最後まで受け取ることはありませんでした。なんとか受け取ってもらいたくて、自宅まで送り届けたカメラマンさんに託したものの、結局同じでした。
後日改めて撮影のお礼を兼ねて連絡してみたところ、その後2000GTは入庫したトヨタディーラーで無事クラッチ交換が終わり、自宅に戻った旨を聞いてホッとした記憶があります。
あれから28年…。
放送2000回のお祝いを兼ねてCG副編集長の中村さんにメッセージを送ったら、そんな素敵なエピソードがあったなんて、これもご縁ですね!と、速攻で返事が返ってきました。
しかも数日後に松任谷さんと会うので、このエピソード伝えますねという嬉しいお話まで(^^;
間接的ながら不思議な縁を感じた放送でありました。
なお、このCG-TVの模様はTVerで10月16日23時30分までご覧になれます。
■カーグラフィックTV 2000回
https://tver.jp/episodes/eplnu4p3m7
Posted at 2025/10/12 00:03:44 | |
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