
今から遡ること2ヶ月ほど前、ユーノス500のデザイナーとしても知られる小泉さんから、今年のオートモビルカウンシルのマツダブースにユーノス500が展示される旨の話を聞いていました。
今年、小泉さんは定年を迎えてマツダを卒業されたものの、マツダから説明員としての要請があり、会場でお会いしましょうと言う旨のメッセージを直々にいただいていた経緯がありました。
そうなればこれはもう行かない理由はない! というわけで、オートモビルカウンシル2025初日のプレスデーに行ってきました。もちろん今日の相棒はユーノス500です。
自分の中では長年、日々の生活の中でそれこそ、まるで空気のように当たり前のような存在として過ごしているユーノス500ではあります。
近年マツダミュージアムの展示車の一員として加わったばかりか、この頃各メディアでの露出やデザインに特化したイベントなどでも改めて取り上げられたことで再び注目を浴びるようになったと感じています。オーナーとしては感慨深いものがあります。
さて、考えてみれば幕張メッセ自体来るのが久しぶりです。幕張でやった最後の東京モーターショー以来足を運んでいないから、十数年ぶりかと。すっかり周囲が様変わりしてたし、東京のビッグサイトに慣れてしまった今では距離が遠くて足が遠のく要因なのかもね…とも思うのでありました。
これまで何かと縁がなく、実は今回初めて来たオートモビルカウンシルですが、今年で開催丸10周年を迎えた記念すべき年だとのこと。とかくクルマイベントとなるとこう言ってはナンですが、現役の!?少々やんちゃな方々を見かけがちです。しかし、オートモビルカウンシルの来場者は年齢層がとても高く、始終オトナの雰囲気が漂っていたのが印象的です。個人的にはもちろんこの方が好きだし、何より落ち着くので、ゆっくりクルマを見られるのが良いところだと思います。
さて、オープン早々にいの一番向かったのは当然ながらマツダブース。小泉さんとはメッセージでのやりとりなどはしていたものの、最後にお会いしたのは2017年の東京モーターショープレスデー後に某所で開かれた
デザイナーズナイト以来ですから実に8年ぶりです。
普段は広島の宇品工場内に併設されるマツダミュージアムに展示されているユーノス500にも、ようやく直接お目にかかれました。メーカーが保有している車両ですからオリジナルが良く保たれています。この車両自体、一般ユーザーから寄贈されたヒストリーを持ち、オドメーターは7万5000kmほど刻んでおりました。ちなみにグレードは黒の本革シートが特徴の前期型の20F-Xになります。
研究家としてずっとずっと気になってたのは、その車体番号! 独自の調査で1200台強が生産された事が分かっている20F-Xという時点で、おおよその生産時期の察しはついていたけれど、これで詳細が確認できたからやっとスッキリしました。
おそらく本邦初公開!? というほど大袈裟ではありませんが、お願いしてエンジンルームを見ることが出来ました。
展示車ということで外観の見える部分に関してはとても良好な状態を保ってはいます。ただ、一般ユーザーの手に渡って実際に公道を走っていた経歴がある車両のため、エンジンルーム内だけは現状ちょっとばかり使用感が出たままの状態ですね。。。
ぶっちゃけ我が家のユーノス500の方がまだキレイなくらいでした。今後も撮影などで使われる個体でしょうから、もう少しエンジンルームの美観を整えてほしいなとは思いました。
しばらく小泉さんと雑談をしていたら、ユーノス500の本
THE MASTERPIECEを自費出版したkahanさんと、この頃すっかり有名人!? であるユーノス500のチーフデザイナーである荒川さんとも偶然10数年ぶりにお会いできました。
荒川さんとは以前、kahanさんと一緒に大磯のJAIA(日本自動車輸入組合)の試乗会に行く機会が2年連続あって、その時に以前私が住んでいた自宅まで迎えにきてくれたことがありました。その時に“自宅割れてますよ〜(笑)”なんて冗談を言っていたことを思い出します。つい最近放送された愛車遍歴での様子を見ていても、相変わらず面白い人だなぁ〜なんて思ったりしてました。
その愛車遍歴でのオフレコの話もしてくれて、ロケまでの数ヶ月の間、制作会社とのやりとりが何度も続いて、丁寧に打ち合わせをしていたようです。その甲斐あって撮影自体はとても気持ち良くできた旨を話しておりました。
ただ、私自身あの放送を見ていて一番引っかかっていたのは登場車両。確かにユーノス500ではあるけれど、よりに寄ってメジャーグレードでない後期型GTIだったので、他に用意すべき車両があったと思っています。その点についても荒川さんご自身も同意見でした。デザインを語る上では黒色のボディカラーは説明が難しかった! とのこと。できればメイプルレッドなど明るい色の方がより良かった旨を話していました。
車両を提供してくれたユーザーさんに非は全くないけれど、撮影現場ではあるもので最善の説明をしなければならなかった旨を話していました。登場させるならば最量販の前期型の20Fの方がより良く、そこはやはり映像製作会社の車両検索の甘さは否めないと感じています。
車内の話についてそれほど広がらなかったのはGTIで黒の内装、そしてバケットシート故のためで、20Fであれば西陣織のテイストを織り込んだコダワリのシート表皮の話ができた旨を話しておりました。実際、その立ち話では京都のサプライヤーさんの話が聞けたので、せっかくユーノス500が取り上げられたのにとても惜しいことをしたなと改めて感じるところでした。
それはさておき、、、荒川さん、実はかなり自由人であっちへこっちへ行ってしまうところがあり、トイレに行くと言ったまま結局この日は画像を撮る事なく終わってしまったのが残念でした。
まぁ、小泉さんと荒川さんと一緒に画像を撮れたら良かったのになぁ…とも思っていたのですが、そこはまぁ…いろいろあるようで、、、。そこは察してくださいネ😅
またの機会があったらそのうちかな…ってところでしょうか。
1日2回開催されるマツダデザイナーによるガイドツアーも目玉の一つです。先着8名と狭き門ですが、もちろん参加しました。
現代の魂動デザインまで連綿と続くマツダデザインストーリーが年代ごとにあり、最初のデザインフィロソフィ“ときめきのデザイン”から“ひびきのデザイン”へ。その後“アスレチックデザイン”そして“NAGRE(流れ)”があり、現在へ繋がったヒストリーに沿った展示についての解説をしていただけました。
その“ときめきのデザイン”から“ひびきのデザイン”へ移行した時にそれを体現した車両として今回ユーノス500の展示されています。その解説として小泉さんが詳細にお話ししてくださいました。
このユーノス500のラフスケッチ自体、当時小泉さんが描いていたスケッチそのものだそうです。このイベントに先だって、個人的に保存していたスケッチの中を探したところ35年ぶりに発掘されたとのことでした。
マツダは最近になってブランド体験推進本部という部門を新たに作っています。ユーノス500に限らず、このようなイベントを通してマツダ車オーナーとしての素晴らしいブランド体験を紹介していきたいとのことで、今後よりユーザーと密接したイベントをサポートしていきたいと考えているようです。
実は以前から小泉さんの方からユーノス500のイベントをやりたいねって話をされているんです。しかし、現実的に参加者があまり見込めない事が予想されるので…と、むしろ私の方が二の足を踏んでいるところがありまして…😅
この新しくできたブランド体験推進本部こそうってつけの存在なので、うまく一緒にやっていけば可能性はあるのでは?という提案を受けています。いつかそれが実現出来たら良いなと希望が持てたかもしれません。