
先日ヤフオクで落札したNA6CE超初期型用のデフAssyを引き取りに行ってきました。
分からない人から見れば、ただの鉄クズにしか見えないこのデフ。見る人が見ればお宝品なんです。
ごくごく初期に作られたNA6CEのデフケースは冷却フィンがないツルツルのタイプなんですね。知る人の間では「うめぼしデフ」とか「ツルツルデフ」と呼ばれるものです。
もちろん変わったコトには理由があります。NA6CEのデフAssyはもともとBFファミリア4WD用をロードスターに流用したものなんですが、発売されるかされないかの間際になって、ハード走行をした場合デフオイルの冷却不足によって油温上昇が判明したんですね。
これで後になって慌ててデフケースに空冷用の冷却フィンがつけられたというのが事の真相であります。話しは少しそれますが、冷却フィンがつけられた対策部品のデフケース、これで油温上昇が解決したワケではなく、根本的に十分な容量を確保出来ていませんでした。後に登場した「M2 1001」にはデフ冷却用のダクトが装着されるなど、いかに厳しい状況だったかが分かると思います。結局デフ容量と油温の問題が解決したのはNA8Cになってからで、これが現在のNBにも受け継がれています。
話しをツルツルデフに戻すと、対策部品が間に合わなかったごく初期に生産されたNA6CE(1989年9月1日以前)にはツルツルのデフケースが付いたものが、市場に出回りました。
ではどれだけ作られたものかというと、初期のパーツカタログには車台番号NA6CE-102622までの車両にはこのツルツルが付いていると記されています。
実際のところは把握できませんが、いずれにしても2622台前後の超初期型車に限って装着された幻のパーツに違いはなく、今日受け取ったデフAssyも、そんな貴重な1台のうちから取られたものになります。というワケで13年経った今となっては、現存数はほとんどないと思われます。
さて、今回手に入れたツルツルデフ、もちろんNRにつけるわけではなく、もう1台ある超初期型NA6のレストア用に手に入れたものです。ちょっとワケあって前オーナーがフィンのあるデフケースに付け替えていたため、これで数年ぶりにオリジナルの姿に戻せます。ここのところ頓挫していたレストア作業が少し前進します(笑)。
厳しい目で見れば機能的には問題のあるパーツではありますが、年々姿を消している超初期型車をなるべくオリジナルの状態を保ったまま、今後も保存していきたいと思っています。7年後開催されると噂される!? 20周年記念イベントには乗っていけたらな…と淡い夢を抱いています。
Posted at 2002/12/23 22:07:08 | |
J58Gレストア日記 | クルマ