
2年に1度、東京で最新、あるいは近い将来の自動車事情を発表する「東京モーターショー」が開催されます。その一般公開日を前に、報道関係者を対象にしたプレスデーが2日間行われるのですが、今年もまたひと足先に行ってきました。
毎度のことながら、プレスと言えど、専門誌だけにコダワリがある方々ばかりなので、その駐車場には最新〜クラシックまでマニアックなクルマが勢揃い。これだけでもちょっとしたショー会場でもあります(笑)。
やはり輸入車の割合がかなり多いものの、そんな中でもロードスターの姿がチラホラ見えるのも、それだけ業界でも認められている証なのかもしれません。
それはさておき、、、。
今回の目玉ときたら、そりゃもう、これしかありません。
マツダ RX-VISION
前回、
マツダのワールドプレミアときたらアクセラCNGだけ!? と、もの凄く寂しい限りでしたが、今回はもう皆さんもご存知の通り、開催前から他社をブッチぎっての話題持ち切りのコンセプトカーです。
マツダファンばかりでなく、クルマ業界きっての注目株だけあり、朝の8時30分と朝イッパツ目のプレスカンファレンスにも関わらず、開始前からのプレスの数と来たらハンパありませんでした。私もギリギリに着いてしまったため、マツダブースに入りきれず、外からなんとなくの様子を見るだけになってしまいました。悔しい。。。
フォトセッション後、ようやくRX-VISIONに近づけたのですが、もう理屈をこねずにカッコイイ!! 4年前に発表された「靭(SHINARI)」の流れを汲むクラシカルなラインもありながら、現代風のエッセンスが散りばめてある姿に目が釘付けになっておりました。
チャキチャキなスポーツカーではなく、GTってのがまた興味をグッと引きます。厳密には違うけれど、雰囲気的にはフェラーリのFFなどにも共通するオトナのGTっていうところが素晴らしいです。
画像だけ見ているとサイズ感がつかみにくいので、スペックを見ると…
全長4389×全幅1925×全高1160mm ホイールベース 2700mm
比較対象がかなり違いますが、身近なところでNDロードスターは…
全長3915×全幅1735×全高1235mm ホイールベース 2310mm
両車を比較した場合、それぞれ+474mm、+190mm、−75mm、+390mm、
フォトセッションでの小飼CEOとの比較を見ての通り、ワイドアンドローがより強調されたフォルムではありますが、スペックよりもギュッと締まった印象があります。
画像では表現できるラインが限られるので、実際目で見た印象とはかなり違ってきます。
ゼヒご自分の目で見るコトをオススメします。
さて、毎回東京モーターショーと言えば、私はマツダデザイン本部の中牟田さんとゆっくりお茶をするのが慣例になっているけれど、今回はかなりお忙しい様子。
今年はブース内で軽くお話をする程度に留まったけれど、それもそのはず。中牟田さん引き入るチームが仕上げたのがこのRX-VISIONなのです。
このところのロードスター関連のイベント、先般の三次50周年記念イベントなどにも行けなかったのは、このプロジェクトが大詰めだったからのようで、ようやく公開できた姿は端から見ていても嬉しそうです。
私が所有している20年以上前のユーノス500とも共通する、薄い切れ長のヘッドライトからの張り出したフェンダーラインが共通性を感じるし、ゼロヨン兄的にこのアングルがかなり好きだったりします。
張りや抑揚がとても分かりやすく、陰と陽がとても表現できる位置だと思っています。
実際、中牟田さんとお話をしていると、
「ユーノス500が好きな人なら、このRX-VISONも好きなんじゃないかな〜」
とニヤリと話しておりました。ヤバイ見抜かれてる(笑)。
以下、中牟田さんと私の会話。
ゼ「セブン(RX-7)は確かにカッコイイけど、どこか子供っぽいじゃないですか?」
中「そうそう。そうなのよ、そうなのよ。」
ゼ「このRX-VISIONはチャチャキのスポーツカーではなくて、
GTってのがまたイイじゃないですか!!」
中「そう。大人のGTね(笑)。目指してたのはまさにそこ。
大人が優雅に乗れるイメージを持ってデザインしています。」
ゼ「今マツダにはこれだけ大きなFRのプラットフォームはないですけど、
何かをベースに作ったんですか?」
中「いや、ゼロから作ったんよ。マツダには今、
FRのプラットフォームはロードスターしかないからね」
ゼ「けど、コレ実際に売るとなれば相当高いですよね〜。最低でも7〜800万円?」
中「800万円? どう思う? やっぱそれくらいになっちゃうかなぁ〜。」
ゼ「ただ、このクラスともなると、
もっと高くてもイイんじゃないですか? 1000万円くらいとか?」
中「そうなんだよね〜。今やNSXやGT-Rは1000万円以上だしね」
ゼ「じゃ、1000万円を少し切るくらいで?
けど、どっちにしても自分は買えないや(失笑)。」
私のつたない撮影技術では、RX-VISIONの姿が余すところ表現できないので、
以下の2枚は広報写真よりチョイス。
撮影できなかったインパネ周りはこのようになっているようです。このところのマツダ車に共通のマツダコネクトなどなく、かなりスッキリした印象です。深いステアリングホイールなどを見ると、60〜70年代のフェラーリやマセラティを思い起こさせてくれます。
室内もシブイ大人の空間が広がっているようです。
さて、注目のロータリーエンジンについて。2007年の東京モーターショーでの「16X」以来8年ぶりに“狼煙”が上がったワケですが、あくまでも私見としては、現段階では本当に“狼煙”が上がっただけに過ぎないと見ています。
ここ数年、業績絶好調のマツダは過去最高利益を叩き出したのはご存知の通り。その恩恵? でようやくロータリーエンジンにも予算が回せる余裕が出ているためか、長いこと開発中断が余儀なくされていた「冬」の状況を脱し、開発が再開したに過ぎないでしょう。
今回発表したRE-VISIONはあくまでも想定、あるいはイメージしているものであって、現状ではこのショーモデルには「SKYACTIV-R」は搭載していないと予想されます。実際には動かす程度の何かの動力源が乗っていることはあっても…。
本当の「SKYACTIV-R」が見られるのはロータリー50周年である2年後の2017年頃が目標であるけれど、このところのマツダの慣例を見れば、このようなコンセプトモデルを発表した背景には、近い将来、このような市販車を手がけているというサインである証拠。
実際にこれだけ低いボンネット内に収めることが可能なユニットといえば、ロータリーエンジン以外考えられないのだから、今後が楽しみじゃないですか。
マツダさん、数年後、また世間を喜ばせる吉報を待ってますヨ!!
Posted at 2015/10/30 12:29:50 | |
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