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2005年01月17日 イイね!

オイル添加剤とは その1

カー用品店に行くとエンジン保護や性能向上をうたったオイル添加剤が数多く並んでいます。
値段も千円未満から1万円近い物まであり、説明をみると良いのかも~、これは入れなくっちゃと思わせる言葉が並んでいるが本当に良いのだろうか?と車好きなら一度は悩んだことがあるはずです。

現在はネット上でも多くの情報がありますが、添加剤販売側のHPでは存在しない研究機関やNASA等の言葉を引き合いに出したり、自社で実験を行わずに、科学的に根拠のないデータや記事を引き合いに出して売り込んでいるものが多く感じます。

一方で、添加剤アンチ派の情報が正しいかと言えば、研究論文から一部だけ都合のいいところを持ち出したり、しかもそれの元を辿れば誤訳だったりとこちらも情報が一人歩きしている感じがするものが多く、真実が見えない状況だと思います。

添加剤を使用している人の多くは、少しでも車の調子が良くなればと思って使用していると思いますが、自動車メーカー、オイルメーカーで添加剤を推奨している所はなぜ無いと思いますか?

冷静に考えてみると添加剤で主流となっている、テフロン、有機モリブデン、塩素系炭化水素は本当に安い物であり、そんなに効果のあるものならばオイルメーカーが初めからブレンドしているはずです。

特に、添加剤ではテフロン系であるマイクロロン等が高額ですが、添加剤としてみた場合、テフロンは有機モリブデンよりも安く手に入ります。東急ハンズなどでもテフロン粉末を売られていて、それをオイルに混ぜている人をweb上で見かけたりしますが、どうして300万近い高価な車にそんなことが出来るのか不思議でなりません。

私自身、添加剤の効果は否定するものではなく、効果があるのは承知の上で、ある意味添加剤の集合体であるモーターオイルとして、メジャーオイルメーカーがブレンドした完成品に市販添加剤を入れるというのは、価格はもちろん性能のバランスの点で入れない方が良いと考えています。

最も信者の多いマイクロロンと言う製品がありますが、これを入れると確かにエンジン吹けが良くなると言うことで、自動車メーカーにおいても好きな者達が実験を行ったことがありました。

結果は、吹けが良くなる原因は添加剤ではないと言う結論でした。
どう言う事かというとテフロン(これは開発元である米デュポン車の商品名であり、化学名はPTFE:Polytetrafluoroethylene)は化学名が表すように、重合したフッソ樹脂で安定度が高いため長期間エンジンを動かさないと沈殿してしまうため、エンジン動作中にオイルに良く分散させるため洗浄分散剤と入れる必要があり、マイクロロンではこの洗浄分散剤としてフロン溶剤を用いています。

そのため、このフロン溶剤がオイルの粘度を低下させて、マイクロロンによってレスポンスが良くなったと錯覚するのではないかと言う結論になりました。テフロン系添加剤はたいてい同じ現象がみられます。(長期的には溶剤は蒸発するが、粘度が下がっているときは油膜切れが起こりやすい)

オイルというと、中東で油田から吹き出して来るもので、原始的というイメージもありますがなかなか科学的に考えられています。
また、多くの人は、サラダ油などの植物油なんて使えないと考えがちですが、油膜の強さ、粘度など鉱物油にも勝りレースなどで使用された実績もあります。
ただ、植物油はすぐに酸化してしまうため一般に使用するには、安定性の点で難しいですが、私が学生の時に、自動車部が廃車にするスターレットにサラダ油を入れてどれくらい走るか実験をしたら、予想に反して壊れるどころか調子が良くて最後にはオイルを抜いて走り回ったけど、それでも内部に残った分だけで何十kmも走れたということがありました。

そもそも、エンジンオイルはベースとなるオイルに、減摩剤、酸化防止剤、清浄分散剤、粘性維持剤、消泡剤、流動点降下剤となるいわゆる添加剤をブレンドした、添加剤の絶妙なブレンドによって出来ています。

人間の病気の薬でも、多量接種すれば死亡するように、添加剤もバランスを間違えるとオイルの性能の大切な部分を悪くしたり、エンジンにダメージを与えたりします。

市販の添加剤は上記の添加剤作用のうち、オイル粘度を向上させて高温時の油膜とコンプレッションを向上させるタイプ(STPの製品など古くからレースなどで用いられた)と、マイクロロン等に代表される潤滑性能(摩擦低減)を向上させて燃費向上、エンジン保護などを目的とするタイプの2つタイプに分けられると思います。

そして、この2つ目のタイプは成分によって更に大きく3つに分けられる。
1つ目は、テフロン(PTFE)を配合して金属面に定着し、境界潤滑、極圧潤滑性能向上をうたうもの。代表製品として、マイクロロン・SX-6000、SX-8000などなど多数。

2つ目は、塩素系で金属面を改質して境界潤滑性能向上をうたうもの。代表製品としてミリテック・モーターアップなどなど北米に多い。

3つ目は、有機モリブデンを主成分とした境界潤滑性能向上をうたう物です。

エンジンオイルの基礎知識としてはこちらが詳しいので参考にしてください。

http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/oildata.html

つづく
Posted at 2005/01/17 15:03:45 | コメント(1) | トラックバック(2) | 技術解説 | クルマ

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年齢と共に、車に求めるものも速さから快適性に変わってきたような気がします。 冬は、おいしいお酒を求めて、スキーなどに飛び回っていますがアウトバックでなく、...
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