![ある温泉でのちょっといい話(^_^) ある温泉でのちょっといい話(^_^)](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/030/020/796/30020796/p1m.jpg?ct=984b1a9a52ba)
今日、近所の公園に桜を見に行きましたらまだ蕾でした・・・
まだまだ気温が上がらない北海道ですが、
昨日まである温泉の現場で作業してました。
普段は営業ですが、小さい現場は自分でやってしまいます。
今回は自分の仕事の一部のお話です。
ちょっと専門的なのでわかりにくいかもしれません。
温泉は自噴か井戸を掘って地下のお湯を汲み上げるかの
どちらかですが、自噴は最近はほとんどありません。
下の写真のようなリグという機械で掘り進みます。
今回の話は2月のある日に遡ります。
ある初老の夫婦で経営している温泉施設から電話がありました。
お客様「温泉ポンプが故障したんですが、全く上がらないんです。」
私「何か引き揚げることを試しましたか?」
お客様「2年前に全くポンプが上に引っ張っても上がらず、
去年 クレーンで引っ張ったら配管が切れてしまいました」
私「・・・。 それはかなり厳しいので、相当難しいですよ」
お客様「故障したポンプを交換しないと温泉施設が営業できないんです・・・」
私「うーん、引き揚げる可能性はあまりないので、現場確認してみましょう」
実際に会ってみると、夫婦2人で経営していて、どの業者に頼んでも
断られ、すがる思いでうちに頼んだとのこと。
私はお金をかけて失敗しても申し訳ないので断ろうかと思いましたが、
どうしてもお願いしますと懇願に負けて仕事を受けました。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/008/776/402/a1933b5145.jpg)
準備や業者の日程調整で連休明けに作業を開始しました。
上の写真はインサイドタップと言って、切れた配管に入れて、
ねじを切り、配管をつなぎます。後でどうつながるかわかります。
1日目は切れた配管を引き上げて長さを確認しました。
40mの所で切れていました。ポンプまであと93mあります。
2日目に、上のインサイドタップを入れました。
1回でうまく切れた配管に入り、ねじを切って接続できました。
しかし、押しても引いてもポンプは動きません。
これは予想通りなので、次の作戦は3日目に実施しました。
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3日目は、重量物で叩き、ポンプの位置を下にずらします。
上の写真の上部がハンマー、下がポンプとつながっている掘管です。
1時間半ほど打撃を続け、ポンプが少しずつ動いてきました。
今度は50tジャッキで数cmポンプを上に上げます。
それを2時間程続けるとついにポンプが上がってきました!
とはいえ、途中で落ちる可能性もあるので慎重に引き揚げます。
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インサイドタップは上の写真の通り、きれいに配管とつながっていました。
これで成功する可能性が高くなりました。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/008/777/703/49daa8a03b.jpg)
3日目に作業開始から約6時間、ついにポンプが引き上げられました!
何年も前から引っ掛かっていたポンプはまるでマグロを釣った気分です(^_^;)
温泉施設のご夫婦も感激の瞬間です!
奥様がまた営業再開できると涙ぐんでました。私もジーンときました。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/008/776/445/c5340f96dd.jpg)
今回、引っ掛かっていたのは、このストレーナーという部分が配管の継ぎ目に
当たったためだと思われます。これではいくら引いても上がりません。
井戸の中は見えないため、あらゆる事態を想定、想像しなければなりません。
今回は運よく成功しましたが、常にあらゆる事態を想定しないと失敗の元ですね。
この温泉施設は6月から営業再開できそうです。
自分の仕事が少しは世の中に役立つことがあるのかなと思い、
休日出勤でも嬉しい気持ちになりました。(^_^)
Posted at 2013/05/13 00:53:39 | |
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