「古朝鮮」の 存在根拠が微弱 … 本格的に誇張を減算

◆　古代中国に陥って、歴史を眺める　シム.ジェフン著

論争が多い「上古史論争」に、もう1人の学者が乗り出した。

一種の「歴史矮小コンプレックス」に悩まされてきた韓国の国民に巨大な「古朝鮮」の話は大きい慰めになった嬉しい話だったのだ…
しかし国内でだけ通用される美しい古代史はその存在理由を徐々に喪失している。

このように「刺激的」な話を、前世紀、まさにその「拡大された古朝鮮史」研究を主導したユン.ネヒョン(77)檀国大学名誉教授の愛弟子が書いたので、ますます注目を浴びている。

その主人公であるシム.ジェフン檀国大史学科教授は、最近出した「古代中国に陥って歴史を眺める」で約束通り「古朝鮮のバブル（誇張された部分）を省く」事を試みている。
本は昨年6月から今年4月中旬までにフェイスブックに連載した文をまとめたもので「教養書に近い。 しかし、古朝鮮問題だけは違う。彼は2002年『ハーバードアジア学ジャーナル』に掲載された自分の論文『歴史的時代錯誤として箕子朝鮮に対する新たな理解』をもとに学界の内外の知識人らの古朝鮮論議が持つ「不当な前提によるエラー」を辛らつに論じる。

古朝鮮の代わりに箕子朝鮮をテーマに決めた理由は、箕子朝鮮についての文献的根拠が提示されれば、古朝鮮の存在を論じることができるためだ。 覆して言えば、箕子朝鮮が「立証」出来なければ、古朝鮮は存立根拠が希薄になる。

中国の古代国家の殷の国の人の箕子が東へ来て朝鮮の支配者になったという箕子朝鮮説または箕子東来説は紀元前2世紀頃、秦の博士伏生が編纂した「尚書大伝」に「初めて」登場する。
その内容が事実だと言っても、箕子が東へ行ったのは紀元前11世紀のことだから「檀君紀元」という紀元前2333年とは千年前後の時差がある。
箕子朝鮮の「朝鮮」と古朝鮮の「朝鮮」が同一の政治か別の体形かを論じるとしても、このギャップは埋める術がない。


◆　古朝鮮の議論の前提である『箕子朝鮮』は『作られた歴史』の可能性が高い」