ろくむしのブログ一覧

昨日、配達から帰ってきて無印良品号をトラック用駐車場の一番奥に駐車すると、目の前の地面にかわいらしい子犬が一匹(^^)
でも、無印良品号を見るなり、ぴゅーーーっとまるで猫のように、近くにあるプレハブ倉庫の床の隙間に潜り込んでしまいました。。。

でも、トラックを駐車してエンジンを切ると、すぐにごそごそと出てきて、画像の場所にちょこんと座り、ひなたぼっこを始めました。
そして、人が通りかかるとまた急いで倉庫のしたにぴゅーーーっ！　人がいなくなるとまたごそごそと出てきて、同じ場所に座り込む。。これを何度か繰り返していました。

私はというと、この子犬のすぐ近くに駐車した無印良品号の運転席からその様子をずっと見守っていたのですが、どうやら光がフロントガラスに反射しているのでしょう、私のことはこの子犬からは見えてないようなんですね。

なので、間近な位置からこの子犬をしばらく見ていました。まだ生まれて1年も経っていないぐらいでしょうか、まるっきりの子犬というわけでもなさそうですが、まだ成犬でもなさそう。
体格的には、ちょうど我が家に18年も住んでいたミニ柴の「ポチ子」と同じぐらい。

ポチ子は一昨年の春に死んでしまったのですが、ちょうどポチ子がまだ若くてピチピチギャル（死語）だったころになんとなく似ているんですよね、この子犬。
なので、なんとなく懐かしいような、切ないような気持ちでずっとこの子犬を見つめていました。

でも。。。ポチ子とは決定的に違っていることがありました。それは・・目です。目の形はこの子犬も柴犬っぽくて三角形の目をしているんですが・・・なんて言うんでしょう、「まなざし」とでも言いましょうか・・・違うんです。
ポチ子は飼い犬である柴犬の母親から生まれ、生まれてすぐに我が家にもらわれてきて、何の不自由もなく、というよりも買い主の人間よりも自分は格上の存在だと思っていたぐらいの犬でしたから、人間に対しての不信感というものはみじんもない、恵まれた犬でした。家族に限らず、人を見ると尻尾を振って寄っていくような感じだったポチ子の目。

それに比べて、この目の前にいる子犬の目は・・・世の中全てのモノに対する不信感に溢れている。。もの悲しそうなその目には、寝そべって昼寝しているときですら、つねに周囲を警戒し、そして自分の存在を脅かす存在から常に逃げ出す準備をしている。。

トラックの車内で身じろぎをした私に気がついたのか、こちらをじっと見つめるこの子犬の視線は・・・なんともいえない寂しさをたたえたものでした（涙）

市場というところは食品を扱うところです。まして魚市場ともなれば、犬や猫たちの大好物であるナマ魚が溢れている場所でもあり、市場周辺にはけっこう野良猫や野良犬がいっぱいいるんですよ(^^;)
そうした野良犬や野良猫たちは、当然のように市場では「追われる存在」なのです。大事な商品に寄り集まってくる前に、目に付いたら蹴散らされる。そんな中で日々を暮らしているこの子犬には、きっとこの場所は厳しい生存競争の場所であり、常に追われる立場・・弱者としての存在なのでしょう。

そんなことを考えながらこの子犬を眺めていると、なんだか哀しくなってしまいました(^^;)　この子犬を拾ってやることは私にはできないし、なにをどうすることもできない。仮にこの一匹を助けたとしても、同じような立場に置かれた小さな命はこの周りにはいっぱいいる。
なんだか哀しい現実を突きつけられたような気持ちになってしまいました。

やがて、駐車場にまた一台、トラックが入ってきて、この子犬はプレハブ倉庫の床に潜り込んだまま、出てこなくなりました。。。
せめて、元気で大きくなってほしいと、願うことしかそのときの私にはできませんでした。。。逃げるようにトラックから降りて、事務所に戻ったのでした。。

ポチ子の代わりにあの子犬、うちの実家で飼えないものかなぁ？　なんても思ったんですけども・・・あの不信感に満ちた瞳・・・きっと無理なんでしょうね（涙）