前回に引き続きG-Bowlアプリで躍度を観察します。
G-Bowlログで躍度は何を表すか? 前の記事では...
躍度は加速度(G)の勾配を表します。
このことからGグラフと躍度グラフはタイトル画像のような関係にあります。Gグラフの見方を変えて躍度で見ると今まで気付かなかったことに気付いたり。言い換えると見方を変えただけで新たな物理量を測る訳じゃない。iPhoneに躍度センサーがあるのではなく、Gの測定値から計算で躍度を得ます。そのお陰でVer.5で過去ログを開くとしっかり躍度表示してくれてありがたいことです。
躍度グラフがどう分布するかはGグラフの形次第。Gの測定精度が高ければ躍度グラフからそれなりに意味を読み取れますが、振動ノイズまみれのGグラフから得た躍度は意味不明。
測定時になるべく振動ノイズを含まないようにiPhone設置を工夫します。
特に設置を気遣っていない過去ログでも、路面が良ければそれなりに綺麗なGグラフが得られることもあるので、Ver.5のグラフ編集メニュー Edit > 振動ノイズ除去をやり直す は重宝します。振動ノイズ除去を弱にすることで、微妙なG変化が再現されて躍度分布に反映されます。
ノイズフィルター(NF)を強めれば滑らかなGグラフになるが躍度分布の情報は失われ、弱めればGグラフの再現性は高まるがノイズで躍度が乱れると意味が読みにくい。そのバランスが難しく、結局は測定時に振動ノイズを出来る限り排除してNF弱で読むのが最善です。手っ取り早い方法は公式サイトでお勧めしてる助手席フロア(マットの下など)で測定でしょう。測定中に画面を覗き見出来ませんが。
前置きついでに躍度と加速度(前後方向に絞って)の関係をいくつか例示すると...
水色:躍度 青:減速G 赤:加速G
躍度分布に相当する加速度分布は加速から減速まで様々。でも初期値が違うだけで変化の仕方は同じ。
A:躍度0で一定。Gは一定で変化無し。
B:躍度が正で一定。Gは勾配一定で右肩上がり。
C:躍度が負で一定。Gは勾配一定で右肩下がり。
D:躍度が0から正へ右肩上がり。Gは谷底から下に凸の増大傾向。
E:躍度が0から負へ右肩下がり。Gはピークから上に凸の減少傾向。
F:躍度が正から0へ右肩下がり。Gは上に凸の増大からピークへ収束。
G:躍度が負から0へ右肩上がり。Gは下に凸の減少傾向から一定へ収束。
Gは図に描いてませんが類推できますね。加速度と躍度の関係に限らず、ある量とその変化率(勾配)はこの様な関係にあります。これを知っていると加速度分布から躍度分布は予想でき、逆に躍度分布から加速度がどう変化しているか読み取れます。「正しい(望ましい)躍度グラフはどんな形か?」の問いは「理想の加速度グラフはどんな形か?」の置き換えです。
例えばブレーキ減速→停止を想定して、Eの躍度分布で停止するとカックンブレーキ。理想は速やかな減速から0Gに収束するのでGの躍度分布です。
図に描いてありませんが。
前置きが長引いたので前回の宿題「減速操作開始から目標G到達まで1秒間で完了はどんな躍度分布になるか?」はまた次回に。
[7/18追記]
躍度と加速度の説明図にGを追記して差替え。
Posted at 2018/07/17 22:37:00 | |
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