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2022年11月04日

過去のレストア記録 ~ 昭和31年 大阪電気精器(KDK) 16吋扇風機

これまでレストアしてきた扇風機は、手放した物も含めると恐らく60台程になると思います。
現在手元にあるのは50台程度かと思いますが、学生時代に購入・整備した物もあり、みんカラを始める遥か前の物が多数です。

という事で、記事の充実を図る意味でも、これまでの整備を振り返って投稿したいと思います。
日付は迷いましたが、投稿は現在時間として、本文中に作業した年月を記載する事にします。


レストア振り返り企画の第七弾。
海外向けに今も続く老舗、KDK製の16吋扇風機です。
名称は「FAN CIRCULATING DESK」ですが…これって文になってなくないか?
銘板は最後の方に写真を掲載しますが、型式名もそれらしいものは書かれておらず、逓信省届出番号とも違う謎の長い番号が振ってあります。

一方で扇風機としては大変珍しく、製造年と月まで記入されています。
力の入れどころが分からぬ…

こちらの入手は2016年2月20日でした。
何か冬に買った個体が多いなぁ。



入手時の様子です。
流石に戦前製と比べると格段に奇麗です。動作も普通にしたはず。

写真だと伝わりにくいですが、16吋(40cm)型なので見た目以上に大きく、デザインと色からすると小ぢんまりしたイメージを抱くだけに存在感が半端ないです。
製造年は銘板の通りなので昭和31年ですが、ベースとなっているのは同社の戦前型。
他社に先駆けて目の細かいガードを採用した「うづまき型」をベースとする、単相モートル4段変速タイプです。













いつもの通り分解します。
碍盤をみても戦前型そのもの。終戦から11年目の製品ですが、この頃はまだ戦前型ベースの機種が残っていました。
設計変更を最小限に留める事で安価に製造できたのでしょう、ベーシックな機種として各社残していたようです。

基台裏面に錆びが見て取れる通り、この部分は鋳鉄製。
他社はアルミ合金に置き換えていたのもあったようですが、16吋の羽根を安定して動かすには、この位の重量があった方が良かったのでしょうか?
写真4枚目はいつもの「マイクスタンド状態」ですが、モートルケースは新設計されています。

ギアボックスと仰角調整軸の周辺には、古いグリスが茶色く固着しています。
ある程度は塗装にしみ込んでいるでしょうが、ちゃんと清掃すると奇麗になるはずです。
この辺の作りは各社似てはいるのですが、やはりそれぞれ特徴があります。
KDK製はモートルケースの軸を貫通させ、底部で割ピンを入れて固定する方式になっています。
芝浦や三菱は軸に切り欠きを設け、仰角調整ネジの逆側から段付きビスを入れてロックする方式です。



首振りギアの清掃ですが、何故かこれしか写真がありませぬ。
この辺の機構もまんま戦前型なので、写真を撮る程でもなく慣れていたのでしょうね。
基台は鋳鉄ですが、モートルケースとこの写真にあるエンドベルはアルミ合金になっています。
新設計のケースながらエンドベルは戦前型というのが、当時の事情を窺うポイントでしょうか。



羽根ガードです。
フルサイズキーボードとの比較で大きさが分かるかと思います。
この頃流行した透明プラ製エンブレムが付いており、「DELUXE」とも書かれています。

車のベースグレードがなぜかDXばかりだったのと似ていますが、中身は普通ながら「名ばかりデラックス」というのは扇風機にもあったのですね。
とはいえ、戦前からすれば十分にデラックスな内容だと思いますので、相対的に他が上位クラス化してしまったという事でしょうか。

なお、この円で囲んだ丸ゴシック体のKDKマークは、この年から採用され現在も使用されています。
会社的にはパナソニックエコシステムズとなりましたが、タイやインドネシアなどのアジア圏では定番のブランドとして知られているそうです。
三洋電機も同様の理由から、一部地域では現役のブランドです。



いきなりですが、銘板を磨きました。
ここも戦前と同じ「真鍮地金エッチング+焼き付け塗装」ですが、質が良く大変奇麗になりました。
先に触れた製造年月は、「MFG JUN 56」の部分です。







完成しました。
元の状態が良かったので、ホコリが落ちて輝きを増した程度にしか見えませんね…

オリジナル度も高く、電源プラグがゴムキャップになっていたくらいでした。
それは手持ちの同系色・同年代製に交換し、レストア完了としました。
銘板写真がかぶっていますが、スイッチノブも綺麗になりましたよ…のつもりで。

この年代以降のものは羽根が現代的な形状なので、実用に供してもさして違和感はありません。
動作音が静かで、コイル・モートルのチューニングも違っているので風がある程度穏やかです(ある程度、ですが)。

古い布引き電線の扱いに気を遣う事も無いので、気軽に実用できる最古級の機種…と言えるかもしれません。
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Posted at 2022/11/04 13:31:11

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