納車から一ヶ月が経ち、少し長文になりましたが新しく乗り換えた208の感想を思いつくままにざっと書いてみました。
〈経緯〉
エリーゼから乗り換えるにあたって、メンテナンスを任せられることが大前提でした。そのほかは取り回しに気を使うのでは乗ること自体に億劫になってしまうので取り回しの良い小さいクルマで、今後のことを考えて4人で乗れて後席用のドアが付いているものを選びました。
最初は小さいクルマということでAセグメントのクルマを見ていたのですが、既に販売中止になっていたり、後席用のドアがなかったり、日本に導入されていなかったり、気に入って見ていたクルマは設計が少し前で安全装備が物足りないことや、実際に座ってみて後席が狭いというところでBセグメントになりました。と言うよりも、なんでもデザインで決める性質の私なので、208のデザインに惚れたということが第一で一回り大きくなることやエンジンスペックなどは二の次でした(笑
〈選んだクルマ〉
208のグレード展開は電気自動車のe-208を除くとGT-Line、アリュール、スタイルの3つですが、スタイルは受注生産なので実質は2グレードです。GT-Lineとアリュールの差はホイールアーチの加色(黒塗装)、三本爪モチーフのフルLEDヘッドライト、タイヤサイズ、ブラインドスポットモニター、屋根内張の色程度です。ガラスルーフはGT-Line限定のオプションになります。後席に座った人が窮屈さを感じないようにガラスルーフを付けたかった私はGT-Line一択になってしまいました。賛否が分かれるホイールアーチの加色(黒塗装)も厚いボンネットを薄く見せてくれるので良いデザインだと思います。
横から見るとずんぐりとしています
〈オプション〉
オプションはカタログからガラスルーフ、ドライブレコーダー、ETC、マッドガード、エマージェンシーキットを選択。
ドライブレコーダーは2種のうち国産を選択(セルスター製 CSD-790FHG)。前後カメラ付きで駐車時の監視カメラにもなり(設定した時間orバッテリ電圧の変動で切れる)、GPS付きで事故多発地点などの情報も教えてくれます。ETCは先のことを考えてETC2.0を考えましたが、ディーラーの担当者に必要ないのではとのアドバイスをもらい普通のものに。エリーゼの時に悩まされた泥汚れが軽減できるのではないかと前後のマッドガードを付けました。ディーラーでも初めて付けるとのことで装着車は少ないのではないかと思います。材質が軟質プラでホイールアーチの黒色と質感が異なりますのでデザインを壊しますが、腕があれば質感を合わせた黒のカッティングシートで覆うのもアリかと。エマージェンシーキットは要らないかもしれないですが、あると良いかと思ってなんとなく注文。内容物はライフライト、ライフハンマー、ブースターケーブル、ワークグローブ、ウィンドウ解氷剤、三角停止板です。ウィンドウウォッシャー液がおまけに入っていました。専用の袋に入っていますが置く場所がなくてラゲッジのスペースを取るのでラゲッジを多用する方には邪魔かもしれません。
夜になるとアンビエンスライトが目立ちます
〈3D i-Cockpit〉
運転席に座って目を引くのが、3D i-Cockpitと呼ばれるメーター周りです。普通はステアリングの隙間からメーターを見るのが一般的ですが、ステアリングの上からメーターを見る独自のセッティングをi-Cockpitと呼んで採用してきたプジョーがそのメーターを3D化したものです。3Dの方法はメーターパネルに上方向にある液晶モニタからの映像を反射させて表示するという、知ってしまえばなんていうこともないものですが、インパクトはありますし見ていて楽しいです。プジョーはi-Cockpitの時代からスピードメーターは時計回り、タコメーターは反時計回りとデザインに拘っていてタコメーターが反時計回りに動くのには違和感がありましたがAT車でタコメーターをあまり必要としないこともあって気にしないことにしました。惜しいのはフランス本国ではメーターにナビの表示が出来るのに日本仕様では出来ないところ。理由はあるにせよ変なところでケチらないで欲しかったです。
ステアリングの上から見るメーターもステアリングを下げて腕を楽にしたい私にはもってこいのポジションで違和感はありません。チルト・テレスコピックが出来ますが、ステアリングを高くセットするとメーターが隠れて見えなくなります。ステアリングの径が小さく出来ているのでステアリングの隙間からメーターを見るのは困難です。テレスコピックは私のポジションだとあとステアリングの持ち手一本分くらい手前に引けると良いと思います。
Webカタログから
〈右ハンドル化の弊害〉
グローブボックスを開けると半分をヒューズ箱が占めていてグローブしか入らないですし、ボンネットオープナーが助手席側に付いていたりと、輸入車の洗礼を受けますが、右ハンドル車を作ってくれただけありがたいです。エコ、ノーマル、スポーツのドライブモードセレクタや電動パーキングブレーキのスイッチが運転席側(内側)に無いのも右ハンドル化の影響ですが、自分の体型からか外側にあるほうが使いやすい感じがします(センターコンソールのドリンクホルダーを使うと邪魔になりますが)。
〈シート〉
シートは結構良いのが付いているらしくて、先日の東京ー伊良湖岬往復の中距離ドライブでは疲れませんでした。シートバックも分厚いのでその分後席が狭いです。シートをはじめ内装には青と黄緑のステッチが入っていておしゃれです。
〈アイドリングストップ〉
3気筒1.2Lのターボエンジンは、100ps(74kw)/5500rpm、205Nm/1750rpm。非力なエンジンですが8ATとの組み合わせが良いのか力不足は感じません。騒音振動も気にするレベルではないと思います。アイドリングストップが付いていて再起動の反応も良いのですが、一旦停止でもエンジンが止まるし、長い信号待ちでパーキングブレーキを引いてブレーキから足を離そうとするとエンジンがかかってしまうのでブレーキを踏んでないといけないし、ちょっと苦手です。アイドリングストップを使わない設定にもできますが、センターモニタを操作して選択しないといけないのが面倒で、イグニッションOFFのたびに設定がデフォルト(アイドリングストップ使用)に戻ってしまうのも面倒です。
〈センターモニター〉
センターモニターは不満なところでフランス本国では10インチの大型のモニタがついているのですが、日本仕様は小さな7インチ。昔のテレビ放送を今のテレビで見た感じのように画面でない余白の部分が左右に出来てしまっています(その部分も液晶でないタッチセンサのスイッチを並べていますが、やっぱり10インチを入れて欲しかったです)
Webカタログから
〈オートブレーキホールド〉
208最大の欠点とまで言われる「オートブレーキホールドがない」ことですが、プジョーのクルマ全てに設定がないので、プジョーのクルマに対する考え方なのかもしれません。しかし電動パーキングブレーキはブレーキをかけていてもアクセルONで走り始めると自動でブレーキを解除してくれる機能があるのでオートブレーキホールドの代わりに使えます。
〈乗ってみて〉
17インチのホイールにミシュランのPrimacy 4の組み合わせ。乗り心地に悪いところは感じません。前車エリーゼからの乗り換えなので何に乗っても乗り心地は良く感じるのでしょうが、エリーゼもそこまで悪いと思っていませんでしたので鈍感なだけなのでしょうか。猫足かと言われても、猫足と呼ばれていた頃のクルマに乗ったことがないのでよくわかりません。プジョー車特有なのか、ブレーキの遊びが無くて、ペダルを踏んだ時に手前から効くので、いつもの調子でペダルを踏むと急ブレーキになるし、遊びがないので力の抜き加減がシビアで信号で止まるときなどカックンブレーキになりがちなので慣れが必要です。
着座位置が高くなったので助手席の窓から見えていた低い塀が見えなくなりました。左下を感じ取れないのが不安ですが、この辺りはもう少しクルマに慣れないといけません。
〈アダプティブクルーズコントロール〉
ACCは良いものが付いている、と巷で言われていますが高速道路で使ってみると流石に良く出来ています。クルマを運転する時には無意識に舵角を変えて走行路の真ん中へクルマを誘導していますが、それをクルマ任せに出来るだけでも疲れ方が違います。前車追従でセットしておけば車間を保って追いかけてくれますし、ある程度のカーブなら勝手に曲がってくれます。SVXに乗っていたときにもクルーズコントロール(当時はアクセルを踏んでいなくても車速を維持する程度のものでした)が付いていて試しに使ってはみたものの、その時は活用できませんでした。今回は多用して長距離移動で楽ができそうです。
手放し運転は出来ませんので両手をハンドルに添えていないといけません。センサーがハンドルの9時15分から10時10分あたりにあるらしく、ハンドルの下を持ってリラックスしたいのにハンドルの下を持っているとACCから怒られてしまい、ACCを使って楽をしたいのに楽ができないという矛盾した状態になって葛藤します。
2021/2/23補稿
センサーがステアリングの9時15分から10時10分あたりにある、と書きましたが、センサーで手放し運転を見ているのではなく、クルマのステアリング制御に対するドライバーの反力(抵抗)が無い場合に手放し運転と判断されるようです。今後検証を続けます。
〈ドライブモードセレクタ〉
エコ・ノーマル・スポーツの3種類から選べます。街中を走る分にはエコで充分。スポーツは山道用でしょうか。レスポンスが良くなるらしいのですが、それ以前に擬似エンジン音がスピーカーから添加されるのがどうにも気持ち悪くて慣れません。このご時世なのでまだ山道に行くことが叶わないのですが、山道を走っていればフィーリングが合うのでしょうか。
ディーラーでの試乗をしたときに、次に日本に入港する船(多分2便目)にガラスルーフ付きの青のGT-Lineの空きがあるというので急いで押さえてもらいました。エリーゼの売却や車庫証明などの準備がまだでしたので焦り過ぎた感はありますが良いタイミングではなかったかと思います。良いクルマは次から次へと発売されますし、もっと良いクルマもあったのかもしれませんが良い買い物になったと思います(買ったからには乗ってやらないといけませんね。早くコロナが終息しないかな)
早く走ることを義務付けられたようなクルマではないので、のんびりゆったりと走ることができて気持ちが楽で良いです。日本導入はAT車しかないのでAT車になりましたが、楽だなぁと実感。左足でクラッチを切れば動力伝達が止まるMT車と違うので、自分ではAT車は危ないといったイメージを持っていますが、アクセルとブレーキの踏み間違いには注意したいと思います。急発進するクセがついているといざという時怖いですからクセを付けないようにしたいです。
Posted at 2021/01/15 19:53:08 | |
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