ファイナルギアDIY交換(4.1→4.5)その2
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
2
ピニオンギアの構成です。
2つのテーパーベアリングの間にベアリングのアウターレースが組まれたデフケースが入ります。
ピニオンナットを締め込むとフロント側ベアリングが下側に移動してピニオンスペーサーを潰しながら移動して、デフケースに組んだアウターレースに接触し、その力加減がプリロードとなります。
3
デフケースを上に乗せベアリングスペーサを入れないでピニオンギアを入れます。
この時コンパニオンフランジのスプラインとピニオンギアのスプラインが会っていることを確認して作業します。
プレスしなければコンパニオンフランジ側にピニオンギアのネジ山が出ないのでナットが掛けられません。
ピニオンスペーサーが入っていないのでプレスはベアリングがアウターレースに接触する直前でやめておきます。
4
コンパニオンフランジをカムプーリーホールドレンチで固定して30ミリのソケットでナットを締め付けます。
ナットの回転が固くなるとベアリングがアウターレースに当たったところになります。
5
プレロードを確認し規定値になるまで締め込みます。
ドライブピニオンプレロード
ベアリング新品1.39〜2.49
ベアリング再使用1.01〜1.81
フロント側のベアリングはダメージが入っているので正確なプレロードにはなりませんが、ある程度のプレロードが掛かれば歯当たりやバックラッシュ調整はできます。プレロードが掛かっていないとピニオンギアが飛び出てくる方向になるので調整に問題が出ます。
6
【リングギア取り付け】
リングギアのボルト穴を脱脂します。
デフ本体を写真の向きでリングギアを上から乗せます。
奥まで入りきらなければガスバーナーで軽くリングギアを温めるとカチャっと落ちます。
リングギアを手で触っても温度を感じない程度の温めでも成功します。
リングギアが入ったらボルトを2本程度差し込んでボルト穴を合わせて仮固定します。
7
ボルトも脱脂をし、ネジロック剤を塗布して締め付けます。
97N•m
ここからは外した時と逆の手順です。
ケースベアリングの左右のアウターレースを間違えないように被せてケースに組み込みます。
サイドシムは片側は手で奥まで挿入し、反対側は2/3程度まで手で入れて、あとは丸棒で叩き込みます。
ベアリングキャップを取り付けます
85N•m
コンパニオンフランジを回しながらリングギアをハンマーで軽く叩きケースベアリングを落ち着かせます。
コンパニオンフランジを前進方向に回転させながらリングギアの4箇所に光明丹(新明丹)を塗布します。
以降は正しい歯当たりになるまでピニオンシムを交換し、それに伴ってサイドシムも交換します。
もちろん交換のたびに全分解することになります。
そう考えればウィンターズのクイックチェンジデフは最高ですね!
8
イラスト内指示文字
*a
正しい歯当たり
*b
ヒール当たり
*c
フェース当たり
*d
ドライブピニオンとリングギヤを矢印の方向へ調整する。
*e
トー当たり
*f
フランク当たり
□ 参 考 □
リングギヤ円周上4箇所で当たり状態を見る。
光明丹が示すパターンが歯当たり位置である。
9
1回目
ファイナルギア4.5
サイドシムL:2.937mm
サイドシムR:2.858mm
ピニオンシム2.032mm
バックラッシュ:0.15〜0.16
歯当たり:トー当たり
ピニオンギアとファイナルギアを4.5に変更しシム類は全て同じもので組込。
元の使用よりトー当たりとなりました。バックラッシュは基準値内。
トー当たりはを修正するにはピニオンギアの突き出し量を少なくする=シムを薄くする。その分バックラッシュが大きくなるのでリングギアを内側に寄せる方向にするためリングギア背面のシムを厚くし、その分薄いシムを反対側に入れる。
10
2回目
ファイナルギア4.5
サイドシムL:2.966mm
サイドシムR:2.845mm
ピニオンシム1.992mm
バックラッシュ:0.15〜0.17
歯当たり:トー当たり
1回目よりピニオンシムを1品番分0.03mm薄くしサイドシムもリングギア背面側は1品番分0.02mm厚く反対側は0.02mm薄く変更。
11
3回目
ファイナルギア4.5
サイドシムL:2.988mm
サイドシムR:2.816mm
ピニオンシム1.974mm
バックラッシュ:0.14〜0.16
歯当たり:トー当たり
2回目よりピニオンシムを1品番分0.03mm薄くしサイドシムもリングギア背面側は1品番分0.02mm厚く反対側は0.02mm薄く変更。
12
4回目
ファイナルギア4.5
サイドシムL:3.027mm
サイドシムR:2.778mm
ピニオンシム1.900mm
バックラッシュ:0.13〜0.15
歯当たり:若干トー当たり
3回目よりピニオンシムを1品番分0.03mm薄くしサイドシムもリングギア背面側は1品番分0.02mm厚く反対側は0.02mm薄く変更。
13
5回目
ファイナルギア4.5
サイドシムL:3.027mm
サイドシムR:2.778mm
ピニオンシム1.870mm
バックラッシュ:0.13〜0.14
歯当たり:OK
4回目よりピニオンシムを1品番分0.03mm薄くしサイドシムは手持ちのものが無くなったので4回目と同じものを入れましたがバックラッシュもほぼ変わらず基準値内でOKでした。
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歯当たりとバックラッシュがOKとなればもう一度分解して光明丹(新明丹)の清掃とフロント側ベアリングの交換およびプリロード調整を実施します。
【フロント側ピニオンベアリング交換】
まずケース内にあるベアリングのアウターレースを交換します。
ケースのリア側から写真赤丸部分にアウターレースが見えているので丸棒を当てがってハンマーで軽く叩くと外れます。
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次に新しいベアリングのアウターレースを設置します。
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古いベアリングのアウターレースをひっくり返して、圧入用の治具を当てがってプレスします。
奥まで入っていないと途中で動いた時にバックラッシュがなくなってピニオンギアが遊んでしまったり、そもそもアウターレースの芯が手でいないのでまともに回らないと思います。
圧入後にデフケースをひっくり返すとぽろっと落ちてしまったのでケースの方が大きいようです。デフオイルを塗って落ちないようにしました。
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いつもの手順でピニオンギアを圧入しますが新品のピニオンワッシャを入れ忘れないように注意します。
写真左は外したもので右が新品です。
上に定規を乗せていますが長さが違います。
潰れることによって決めたプリロードを保持するようになっています。
外したピニオンワッシャの横をプレスし、長さを伸ばして再使用する方もいるようですが一度潰したものは再度伸ばしても弱くなっているのでプリロードが変化しやすくなります。
新品でも走り方によってはピニオンワッシャが潰れるので防止するために潰れずシムでプリロードを調整するディスタンスカラーが売られていたりします。
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【フロント側オイルシール取り付け】
オイルスリンガを入れてリップ部にシリコングリスを塗布したオイルシールを乗せます。
古いフロント側ピニオンベアリングのアウターレースを当てがって均等にハンマーで叩き込みます。
デフキャリア端面より-2mm±0.45mm
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コンパニオンフランジを差し込みピニオンナットで締め付けます。
最初はベアリングが移動するだけなので軽いですが途中でピニオンスペーサーに到達すると急激に固くなります。
カムプーリーホールドレンチにガレージジャッキの持ち手を差し込んでお腹で抑え、600mmのスピンナーハンドルを引っ張るようにして渾身の力で締め込みます。
定期的にコンパニオンフランジを持ち上げカタっと動くとベアリングがアウターレースに届いていない状態ですので動かなくなるまで回します。
その後はコンパニオンフランジを手で回してみて良き重さになったらプリロードを確認します。
ドライブピニオンプレロード
ベアリング新品1.39〜2.49
ベアリング再使用1.01〜1.81
フロント側のベアリングは新品でリア側は再使用のためどちらも適用できる1.39〜1.81N•mの範囲内の1.5N•mに設定しました。
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【デフカバー取り付け】
デフカバーとデフを脱脂してドライブジョイのシールパッキン1281を塗布して指で塗り広げました。
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デフカバーを乗せてボルトを固定します。
47N•m
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【ドラシャ側オイルシール取り付け】
リップ部にシリコングリスを塗布したオイルシールをはめ込み、フロント側ピニオンベアリングのアウターレースを当てがってハンマーで均等に叩き込みます。
デフキャリア端面より0mm±0.5mm
最後に相互プリロードを測定します。
総合プレロード
ケースベアリング再使用、ドライブピニオンベアリング新品1.98〜3.37
ケースベアリング再使用、ドライブピニオンベアリング再使用で1.6〜2.69
2N•mでしたのでOKとしました。
ピニオンナットをかしめておきます。
後は車体に組み付けてシールパッキンを塗ってから1日程度空けてからデフオイルを注入してドライブシャフトを手回ししてギアにオイルを馴染ませて完了!
フィラーボルト49N•m
費用合計(部品のみで工具等は含めない)
・CUSCOファイナルギア 4.556 (中古)
31,500円
・シム関係(18枚購入)
6,537円
・ドライブピニオンスペーサー
714円
・プロペラシャフトナット(再使用不可部品)
920円
・ドライブピニオンナット
227円
・コンパニオンフランジ側オイルシール
464円
・ドライブシャフト側オイルシール
1,186円
・シールパッキン1281
2,861円
・ドライブピニオンベアリングフロント側
3,257円
合計47,666円
ODO:94799
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余ったシムはこのように管理
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セリアの厚手のチャック袋は分厚くて良いです。
サイドシムはB7でピニオンシムはA8がおすすめ
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同じくセリアのこのケースが幅もピッタリで良いです。
全種類のシムを用意しても入ると思います。
倒れないように梱包材を入れておきました。
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