羊をめぐる冒険2日目

稚内で迎えた9月4日の朝は僕の心の如く曇っていました。でも、それは関係ない。なぜなら羊をめぐる冒険だから。
ホテルは9階だったので眺めは良かったです。



ホテルは朝食なしなので、セイコーマートでおにぎりを購入。筋子のおにぎりが120円と安いです。しっかし、カフェ・オ・レとおにぎりは合わない（笑


せっかくの稚内なので、ノシャップ岬へ。誰もいませんでした。


そこから宗谷岬まで一気に走ります。沿岸の道路を時速70～80キロで流します。沿道にはほとんど何もないです。オーストラリアの国道を思い出しました。改めて、本州とは違うんだなと実感。
途中、稚内VORを撮影しました。VORステーションは不思議な形をしていますね。入ったら無精子になってしまうのでしょうか。子供を作る予定はないのでどうでもいいことですが


そして、民間人が立入ることのできる日本の最北端、宗谷岬です。


ついでに寄っただけなので、写真を撮ってさっさと美深町へ車を走らせます。
途中、パーキングシェルターなるものがありました。本州にはない珍しいものです。冬場は雪で死に至ることもある土地柄ならではです。GimmeShelter!


延々と車を走らせること約3時間。やっと『羊をめぐる冒険』に出てくる（とされる）街に到着。中川郡美深町です。
まずは同町の仁宇布地区にある仁宇布駅跡へ。主人公が乗った（とされる）美幸線の終着駅です。当初は美深駅から北見枝幸駅まで結ぶ計画でしたが、美深＝仁宇布までを一部開通、そしてそのまま1985年に廃線となりました。全国一の赤字路線の座を争っていたそうです。
現在は美幸線の線路の一部を利用してNPO法人がトロッコ王国美深なる観光施設を運営しています。運転免許さえ持っていれば自分でエンジン付きトロッコを運転することが出来ます。いつもはかなり賑わっているそうですが、この日は僕だけでした。なかなか面白かったです。途中から熊に出会ったらどうしようと心配になりましたが(笑
↓のような車両を運転します。雨だったので、勢い良くスロットルを踏むと空転しました。


数ある乗り物の中でも、鉄道車両（厳密には違いますが）を運転する機会なんて滅多にありませんね。


仁宇布駅の看板は一部開通のまま廃線を迎えたことを証明しています。


今日の宿はファーム・イン・トント。羊飼いの方が経営しているので、目の前の草原には羊がいます。近づくと逃げますが（笑
ロケーションがなかなか良く、農場の方も村上春樹好きで会話が弾みました。本当に良い宿で、また利用したいと考えています。


さて、物語も美深町で大詰めを迎えます。主人公は札幌の「いるかホテル」で羊博士に出会い、ここに導かれます。鼠の別荘でガール･フレンドは半強制的に物語からフェードアウトさせられます。鼠の別荘で一人、数日を過ごした僕を行方不明だった鼠が訪ねてきます。主人公と鼠は真っ暗闇でビールを飲む。ここのシーンが大好きです。

俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさや辛さも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。君と飲むビールや…


この台詞がたまらなく好きです。果たして俺は自分の弱さを好きになることなんできるのだろうか？
仁宇布地区を回り、僕の北海道旅行の目的は達成されました。後は明日帰宅するだけ。

外の羊はどうやって寝ているのだろう？ 羊の姿を思い浮かべながら部屋の灯を落とす。

2日目終了