前編からのつづき
いよいよパイネの景観もこれで見納めです。
穴こを避けながら低燃費運転を心がけて走っていきます。
あいかわらず細い橋を慎重に渡って
アマルガ湖公園管理事務所のところまで戻ってきました。
ここからパイネ国立公園を出て、まっすぐセロカスティージョを目指します。
本当は行きも使う予定だった道です。
さすがパイネとプエルトナタレスやアルゼンチンをつなぐメインルート、未舗装とは言え、けっこう走りやすいです。
分岐でも看板が出ているので、迷うこともなさそうです。
もちろん迷ってもGPSがありますし。
ホーストレッキングはいたるところがコースなんですね~。
公園管理事務所を出発してから車で5分、正面に本物のアマルガ湖が見えてきました。
湖畔ではグアナコのカップル(たぶん)が戯れています。
繁殖行動でしょうか?
アマルガ湖はそれほど大きな湖ではないので、あっという間に通り過ぎます。
その後は緩やかな丘陵地帯をガソリンを食わないようほどほどのペースで走って行きます。
お、あれは、、、、
ようやくグアナコの群れらしい群れに出会いました。
一番右に居る固体は砂浴び中です。
パイネから離れるにつれ、だんだん晴れ間が広がってきました。
パイネ方面はご覧のとおり。
やはり地理的特性上晴れにくい場所ではあるようですね。
しばらく進むと、右手に真っ青な湖が見えてきました。
地図で確認するとサルミエント・デ・ガンボア湖(Lago Sarmiento de Gamboa)のようです。
すれ違う車との相対速度は約160km。
小石が飛んでこないことを祈ります。
サルミエント・デ・ガンボア湖、きれいなコバルトブルーですね~。
ルックアウトポイントがあったので。サルミエント・デ・ガンボア湖越しにパイネを眺めます。
たぶん、向こうからパイネを目指して走ってきたときはここでどか~んとパイネの絶景が広がるのかもしれませんね。
さて、ここから先は快晴地帯です!
分岐を右に曲がり、
絶景の草原の中を走っていきます。
上空の強風で巨大なレンズ雲ができています。
出発してから1時間、舗装道路になりました。
スケール感と風の強さはあいかわらずです。
この雲に蓋をされた感覚が大好きなんです。
大平原の中を道が一本だけ続いています。
セロカスティージョまであと10km、行きはここを右に曲がったのでした。
ガソリンのメーターの減りも予想より遅くまだ大丈夫なようです。
でも、もう17時ですからセロカスティージョで入れておきたいところです。
(TAPI AIKEまで走るという手も無いわけではないです)
お、左手前方にセロカスティージョの街が見えてきました。
街に入るとまっすぐガソリンを売っている場所を目指します。
少しだけ期待して居たのですが、ガススタンドは先日と同じ無人状態です。
たまたま犬の散歩をしていた人が居たので、「ガソリンを入れたいんですけど」と尋ねてみると、「そこの宿に行けば?」と、ガソリンスタンドの正面にある黄色い宿を指差します。
前に聞いたときは昼ごはんの準備をしていたおばあさんに町の中心部に行けと言われたので、違う返事にちょっと期待です。
さっそく宿に行ってみると、どうも人が中に居る気配が感じられません。
呼び鈴を鳴らしてみますが、何の反応もありません。
窓を見るとカーテンは下りているし、電気もついている気配がありません。
う~ん、もしこの宿がガソリンスタンドを経営しているんだとしたら、完璧にアウトです。
いったん車に戻り、紙とボールペンを取り出し、先日尋ねたお婆さんの家に向かいます。前回はどこかに行けと言われたのですが、何を言っているのかちゃんと理解できなかったので、地図を紙に書いてもらおうと思ったわけです。
再びその家に行き、閉まっているドアをノックして「オラー」と言いながら勝手に開けせてもらいます。
すると今回も食事を作っている途中だったらしく中から良い匂いが漂ってきたのですが、お婆さんではなくお爺さんが出てきました。(中にお婆さんや他にも人が居たようですが、中をしげしげと覗き込んだわけではないので、よくわかりませんでした)
お爺さんも英語は理解できないようだったので、「ガソリーナ」と言いながら車を停めたガソリンスタンドを指差します。
すると、お爺さんが「ちょっと待って」みたいなことを言ったかと思うと、部屋の中から携帯電話を取ってきて、どこかに電話をかけはじめました。
そして、「そこで待ってなさい」みたいな雰囲気の事を言ったので、きっとガソリンスタンドのスタッフを呼んでくれたのだろうと解釈して、お礼を言ってから車に戻りました。
5分ぐらい待っていると、他の乗用車が入ってきたのですが、様子を見ているとどうやらこの人もガソリンを入れる目的で来たようです。
そして、私が先ほどお爺さんに電話をしてもらった建物に顔を出し、なにやら話をしたあと、私の後ろに車を停めました。
やはり、ここで待っていれば良いようです。
さらにのんびり待つこと10分、
ピックアップトラックが一台やってきました。後ろに犬が一匹ついて走って来ています。
おじさんと小さな娘さんが乗っていたので、どうなんだろうと思って見ていたら、おじさんだけ車から降りてきました。
どうやら赤ら顔のこのおじさんがここの経営者のようです。
よかったぁ、これでガソリンを入れられます。
そして、今頃になって3つの建物の意味がわかりました。
左がディーゼル、真ん中が会計用の建物、右側がガソリンを入れるところです。
後ろに停めたおじさんにバックさせてくれと声をかけると、「バックするの面倒だし別にいいじゃん」というジェスチャーが返ってきたので、まぁいいやという事で後ろのおじさんに先にガソリンを入れてもらいました。
赤ら顔のおじさんが小屋の鍵を開けて中に入り、小さな窓からホースを出して後ろの車にガソリンを入れています。
何もかもが手動です。
後ろのおじさんの車がガソリンを入れ終わってどいてくれたので、私の車をバックさせてガソリン小屋の前に停めます。
何リットル入れるか聞かれたので、エルカラファテまで行くんだと答えると、「わかったわかった」というジェスチャーでガソリンを入れはじめました。
本当は25リットルと言いたかったのですが、とっさにベインティシンコって言えなかったので、わかってくれたようでよかったです。
いつの間にかお手伝いさんが来ていて、二人でガソリンを入れています。
この小屋の中にガソリンを入れる機械が入っています。
赤ら顔のおじさんが小屋の中にあるマシンのメーターを見て合図を出し、お手伝いさんがレバー操作をする、そんな人力連係プレイです。
何リットル入れるのか入れ終わった後で小屋を覗き込んでメモリを見てみたら、15リットル入れてくれたみたいでした。
この車、リッター15以上は走っている感じなので、看板で約300km先と書かれていたエルカラファテまでこれでも足りるのでしょうが、かなりぎりぎりな気がします。
でも、来るときの走行距離から考えてセロカスティージョからエルカラファテまでは200km強のような気もします。300kmというのは舗装された道でエスペランサを経由したときの距離ではないでしょうか・・・。
エイビスのセレドンさんはパイネまで片道400kmって紙に書いて計算していたけど、その場合やはりここから300km弱ある計算になるし。
う~ん、どうなんだろう。
そんなことを考えながらフューエルカバーを自分で閉めようとしたら、うまく閉まらず浮いた感じになったので、どうしたんだろうと思って見ていたところ、お手伝いのおじさんがバーンとフューエルキャップを叩いて押し込んでくれました。
会計小屋のところに行くと、赤ら顔のおじさんが待っていて、手元にあった紙に12000と書いてくれたので、12000ペソ(2200円、リッター換算150円)を支払います。
支払った後に、やはり後で余計な心配はしたくないなと思い直し、もう10リットル追加で入れてもらいました。(8000ペソ、合計20000ペソ)
10リットルぴったしを連携プレイで止める技はなかなかのものでした。
車に乗ってメーターを見たらかなり上まで上がっていたので、これなら何の心配も無くエルカラファテまで戻れるでしょう。
すべての心配事が無くなり、すっきりした気分でセロカスティージョの町を走ります。
国境を越える前に来る時にも立ち寄ったこちらのお土産屋さんに顔を出します。
両替をしてくれたお姉さんが居たので、メニューを出してもらい、サンドイッチ(4200ペソ、750円)とカプチーノ(1300ペソ、230円)を注文します。
そうそう、食べたかったのはこれこれ。
今回は最初からケチャップ、マスタード、チリソースの三種類をかけて食べてみます。
ん? 味は前に食べたパイネグランデロッジの方がおいしかったかな?
いや、でもおなかが膨らんで大満足です。(全部は食べ切れませんでした)
隣のテーブルで若者グループ同士がパタゴニアの情報交換をしていて、その中に日本人に見える東洋人が一人混ざっていたので目をあわせないようにしていたのですが、かなり流暢な英語で話をしていたので、どうやら英語圏で生まれ育った人のようです。
会計を済ませると、おつりで500ペソ「硬貨」(90円)をもらってしまったので、これをどうにかしようと思い、お土産コーナーをうろうろします。
(これが50ペソだったら
こんな話もあったみたいですね)
ついつい写真集を手にとって見てしまったのですが、なるほど晴れているとこんな景色が拝めるんだなぁと、またチャレンジしたい気分になってきます。(しかし、きっと撮影するために何日間も同じ場所で粘るんでしょうね)
それはともかく、500ペソで買えるものは何か無いか物色していたら、来るときにガソリンスタンドまでの地図を書いてくれた英語を話せる親切なおばさんと目があいました。何か500ペソで買えるものが無いか尋ねようと声をかけたところ、
「あら、あなたのこと覚えているわよ」
と、向こうから笑顔で話しかけてくれました。
「こないだはありがとうございました、ガソリンも入れられましたよ」(本日ですが)
と答えると、
「良い写真は撮れた?」
と、首からぶら下げたデジイチを見ながら尋ねられたので
「もちろん。パイネはすばらしい場所でしたよ。たくさん写真をとっちゃいました」
と答えながら、写した写真を何枚か再生して見てもらいます。(ここまでに掲載した写真です)
たぶん、飽きるほど見た景色だとは思いますが、「綺麗ねぇ」と喜んでくれます。
「そういえば、何か質問をしようとしていなかった?」
と、聞かれたので
「500ペソで何か買える物は無いですか?」
と、硬貨を手に取りながら本題に入ると
「それなら」
と、絵葉書コーナーに案内されます。
値段を見ると1枚250ペソ、これなら2枚買えます。
どれもこれも快晴のパイネの写真で、私が見た景色とは微妙に違うのですが、なるべく見た景色に近いものを2枚探します。
おばさんが、「私はこの景色しか見たことが無いの」と、パイネを遠景で望む写真を指差します。
「え? パイネに行ったことないんですか?」
と、驚きながら尋ねると
「ここで3ヶ月間ぐらい休み無く働いて、あとは国に帰っちゃうから」
との返事。
なるほど。(国がどこかは聞き忘れました)
選びに選んだ2枚をおばさんに渡すと、「もう一枚サービスであげるわよ」と、ラックから1枚を抜き取ってくれました。
見ると、ピューマが写っている写真です。
「パタゴニアの王よ。このあたりがあなたに似てるわね」と冗談っぽく笑いながら私の胸をつつきます。
お世辞とわかっていつつも、ダイエット&筋トレ中の私にとってこのほめ方は素直にうれしいですし、さすが南米の女性だなぁって思います。
気分良く500ペソを支払い絵葉書三枚を受け取ります。
さらに、「カメラで撮った写真、メールで送ってくれない?」と言われたので、お安い御用と引き受けお互いメアドの交換をします。
これでおばさんの名前がロッシーさんだとわかりました。
せっかく仲良くなったのと、メールを送る約束までしたので、ロッシーさんの写真を撮らせてもらうお願いをします。
すると、ものすごく恥ずかしがり、「あなたのカメラが壊れるから」と、全力で断られますが、何回かお願いして写真を撮らせてもらいました。
人物を撮るのって慣れていないんですが、こういうときは連続シャッターで複数枚抑えないと駄目ですね。一番良い表情の一瞬を捉えきれず、恥ずかしがって緊張しているロッシーさんの写真を撮ってしまったことに後から気がつきました。
さて、そろそろ出発です。
「また、来ますね」
と、出発することを告げると
「私が生きているうちにね、グッドラック」
と、笑いながら手を差し出してきたので固く握手をして別れます。
ガソリンを入れられて心配がなくなった上に、温かい気分になりました。
セロカスティージョ、万歳!
さ~て、国境を超えますよ~
ゲートの手前にマイクロバスが一台、さらにその先に大きな観光バスが一台停まっています。
中はそれなりに人が居ましたが、特に苦労することなく出国手続きが完了します。
ゲートが開いたので、書類をダッシュボードにしまったりしながら少しだけ遅れて出発します。
すると、その前に停まっていた大型観光バスが私が抜かす正にその時になって慌てて発進し、私の前に出てきました。
げげげ、あの観光バス、乗客何人乗ってるんでしょう?
多くの乗客が乗っているのだとしたら、レンタカーで空いているタイミングで国境越えるというメリットが無くなっちゃいました。
追い越し禁止の看板が出ているので、抜くに抜けません。
砂埃がすごいので、バスとの車間距離を十分にとります。
これだけ車間を取れば十分でしょう。
と、のんびり走っていたのですが、すぐにアルゼンチンの入出国管理事務所に到着します。
そっか、すぐ後ろを走って行って、到着したら全乗客が降りる前にダッシュで事務所に飛び込めばよかったのだとここで気がついたのですが後の祭り。
事務所の外まで人が並んでいます。
う~、じっと立っていると風が冷たい!
来る時は片方の車線の鎖が外されていましたが、今日は両方ちゃんと鎖がかけられています。
先ほどお土産屋さんで一緒だった若者グループが乗ってきたミニバンはここで引き返すようでした。パイネとここを結ぶシャトルバスがあるって聞いていたので、たぶんそれだったのでしょう。
もちろん、ここからエルカラファテまて行く別の路線バスがあるので、それに乗り継ぐわけです。
すると若者の一人がミニバンを走って追いかけはじめます。どうやら、ミニバンの中に忘れ物をしたようです。
こりゃぁ、間に合わないだろうと思って見ていたのですが、奇跡的にミニバンの運転手さんが後ろから手を振りながら走ってくる男性に気がついたらしく、急ブレーキで停まりバックで後ろに下がり、事なきを得たようでした。
何のポスターでしょう?
(カルチャーって文字が見えるので、文化財か何かの保護のCMでしょうか)
少しずつ列が進み、ようやく中に入れました。
中は温かくてほっとします。
すると、どこからか二匹の黒い子犬がやってきて、本気で喧嘩をはじめます。
まぁ、それ自体は微笑ましい光景ではあるのですが、
なぜに、人の足の上で喧嘩するかね、君たちは?
延々人の足の上で取っ組み合いを続ける子犬達。
最初は他の並んでいる人たちも笑いながらこちらを見ていたのですが、
そのうち、誰も関心を示さなくなりました。
しばらくして、ようやく子犬達も戦場を外に変えてくれてこちらも一安心。
並んでいるうちに車の通行許可をもらう窓口の前を通過したので、中でくつろいでいた係員に声をかけて、先に車の通行許可を出してもらいました。
地図の左のポスター、誘拐関連でしょうか?
こんなポスターが何枚かありました。
さて、すべてのバスの観光客の入国審査が終わり、最後に私の番になったのですが、先日もかなりいい加減だったので、今回もすぐに終わるかと思っていたら
「どこに行くの?」
と、予想外の質問を受けます。
「エルカラファテです」
と、答えると
「エル、カラファート」
と、発音が違うと言わんばかりに大声で返されます。
観光客に対して事務的に処理をしていた時と違って、何か様子が変な感じがします。
二人の係員が居たのですが、二人ともなぜか立ち上がり、首からぶら下げていたカメラを指差し、「そのカメラはいくらするんだ?」
と尋ねてきます。
なるほど、そういうことか、と思いつつ
「800ドルです」
と、答えると
「そんなに安くないだろう」
と、さらに聞いてきます。
「これは中古で買ったカメラです。」
と答えますが、係員はもっと高いと思っていたらしく、納得のいかない表情でカメラを見つめています。
「ほら、こんなに汚れてます」
と、パイネでつけた傷と汚れを見せて、非高級感をアピールします。
係員は少し納得のいかない表情を変えることもなく、「いいよ、後は車の通行許可を取りなさい」とそちらの窓口を指差したので、「もう取りました」と紙を見せてから事務所を出ます。
先ほどのバスはすでに居なくなっていますし、事務所から誰か出てくる気配はありません。
なので、自分で鎖を外してアルゼンチン側に車を進め、再び自分で鎖をかけて、無事に入国完了。
出入国が45分で完了したので、これでもまだ早く終わったほうだと思います。
では、エルカラファテ目指して走りますよ~。(19:00)
ルータ40まで未舗装の丘陵地帯を走っていきます。
もう少しでルータ40のはずです。
お、看板が出ました。
ルータ40にぶつかったので、左折してエルカラファテを目指します。
エルカラファテまで198km、あ~やっぱりガソリンは15リットルで間に合ったようです。
まぁ、安心代ですから良いことにしましょう。
大分陽が傾いてきて影が伸びてきました。
正面方向にいくつもレンズ雲が浮かんでます。
相変わらず強風が吹き荒れています。
それにしても、看板は日本のものとよく似てますね~。
何の意味かすぐにわかります。
真横にパイネの山々を眺めます。
この写真を撮った後、車に戻るときに気がつきました。
フューエルカバー(ガソリン入れるところの蓋)がなくなっていることに・・・・
さっきガソリンを入れるときに浮いているのを無理やり閉めたからか、まっすぐ走るのに苦労するほどの強風で勝手に開いて折れて飛んで行ったか、いずれにしろ、紙のように空を舞ったことが容易に想像されるので、運が悪かったとあきらめることにします。
道は緩やかに右に曲がり東に向かいます。
ガソリンスタンドとレストランがある、タピアイケに到着しました。
ここのガソリンスタンドまでがんばれば走ることもできたような気がするので、ここで入れるのが一番経済的だったかもしれません。
左折してルータ40の未舗装区間を北上します。
ん? 正面に見えているのは・・・・・
うわ~、あれはまさに積乱雲とスコール。
まともに突っ込んだらヤバそうです。
オーストラリアで前が見えない豪雨の中、水没するんじゃないかと焦らされた記憶がよみがえります。
とにかく、道がスコール地帯を避けて通っているか、積乱雲がどこかに去ってくれることを祈ります。
お、ニャンドゥ君、久しぶり。
やはり、観光バスもこんな道を走るんですね。
積乱雲が弱まっているように見えます。
その調子!
この道(ルータ40の未舗装区間)、未舗装ではありますが、絶景が続くのでけっこう好きです。
大平原を走っているなぁって気分になります。
たま~に、こんな圧迫感のある場所もありますが、
ほとんどは地平線を眺めながらのドライブです。
先日通ったときは車1台に出会っただけだったのですが、今回は他の車を追い越したり、
バス以外にもトラックとすれ違ったりしました。
横を見ても地平線、
正面も地平線、
360度地平線が広がっています。
そう言えば、積乱雲、いつの間にかなくなっちゃいましたね。
よかったよかった。
70kmの未舗装区間を走りきり、舗装されている州道5号線と合流する地点に到着しました。
やはり舗装路は快適ですね~
エルカラファテまであと62km、45分ぐらいでしょうか。
先日は登りだった長大な坂を下って行きます。
ん? あれってもしかして・・・
カメラに望遠レンズを取り付けて覗いてみます。
あ、やっぱり。
フィッツロイだ!
明日、麓近くまで行く山です。
坂の途中のルックアウトはこの景色を見るためにあったんですね。
フィッツロイはしょっちゅうガスを被っていてなかなか見られない山らしいので、こんなところから見られてラッキーです。
少なくとも、一度も姿を拝むことなく帰ることになるということは無くなりました。
カーブの続く長い坂を下った後は、緩やかなカーブと直線しか無い道路をひたすら走っていきます。
西に向かって走っているのですが、21時半を回ったところで、ちょうど太陽が正面に沈んできたので眩しいこと、眩しいこと。
太陽が薄い雲に隠れてくれてラッキーと思っていたのですが、
すぐに神々しいまでの光を放って、目を直撃してくれます。
さすがにこの位置に太陽があると、サンバイザーでも防ぎようがありません。
21時40分、エルカラファテの入り口にある警察の検問所に到着。
警察官は片手を上げて合図をしただけで、特に質問されることも無く通過。
街に入ると宿を確保する前に、まっすぐスーパーマーケットに向かいます。
我ながら、22時閉店を思い出してまっすぐここに来たあたり、自分を褒めてあげたい気分です。
肉のコーナー。
ここは充実していますね~。
私も明日からのトレッキングに向けてベーコンを買っておきました。
野菜とジュースコーナー。
これまた大充実のパスタコーナー。
スープパスタの元を買いました。
後は朝食用のサンドイッチをいくつか買い物カゴに放り込み、レジに向かうと長蛇の列が出来ています。
どうせ、もう閉店の時間なので、しばらくしたら空くだろうと、店内を物色してお土産になりそうなお菓子をいくつか調達してからレジに向かいます。
この、自分で台の上に購入したものを並べて置いて、前の人との仕切り棒(ジュースとジュースの間に横たわっている四角い棒)を自分で置くシステムはフランスでも見た気がします。
ベーコンにお菓子にサンドイッチ、後、水1リットルで14ペソ(330円)でした。
さらに、ガソリンスタンドに行き、ガソリンを満タンにしてもらいます。
さて、すでに22時半を回っているのですが、今から宿探しです。
実はパイネグランデロッジで天気予報を見た時に、その後の予定を大きく変えておりまして、まずは12月31日に予約を入れていた宿をキャンセルしなければなりません。
先払いでお金も払っているので、少しでも戻してもらうために、キャンセル申告を早くしなければなりません。
予約を入れていたのは、こちらの先日間違えて入った宿です。
受付に行き、予約表を見せてキャンセルしたい旨を伝えると同時に、できたら今日の宿泊に変更してもらえないか交渉してみます。
受付の男性が端末を操作して確認したところ、本日同じランクの部屋が空いているとの事で、あっさりと宿泊日程を変更できました。
ラッキー!!
正面から見た感じよりも実際には部屋数が多く、かつ変わった構造になっているので、でかいバックを抱えたまま、かなり右往左往したあげくに、もう一度フロントで部屋への行き方を聞いてから、ようやく自分の部屋にたどり着きました。
ブラボー!!
この宿、当初の予定(ワシントンの大雪食らう前)では、最終日に宿泊する予定の宿だったので、奮発して1泊5000円もする部屋にしていたのでした。
バスタオル、部屋にトイレにシャワー、ふかふかのダブルベッド。
王様になった気分です。
惜しむらくはすでに23時をまわっていること。
とっとと明日の準備をして寝ないと、朝5時には出発したいので寝る時間がなくなってしまいます。
あわてて準備をした後、ロビーに行ってパソコンを借りて天気予報でもと思って部屋を出たところで気がつきました。
オートロックだったことを。
フロントに行き、鍵を持たずに外に出たことを侘び、スタッフのお兄さんに一緒に部屋まで来てもらい鍵を開けてもらいます。
今度こそ自分の鍵を持ってロビーに行き、パソコンを借りて明日以降の天気を最終確認します。
元々はフィッツロイ付近をトレッキングした後、明後日の12月31日にここに戻って来て一泊してから1月1日の昼の便でブエノスアイレスに飛ぶ予定だったのですが、12月31日は雨が降るという天気予報を見て、12月31日はそのままフィッツロイの麓で停滞キャンプして、1月1日の早朝に御来光を拝んでから、まっすぐ空港目指してフィッツロイの麓から走り、(エルカラファテでガソリンを入れてから)昼の便に間に合わせるというちょっと無茶な計画に変えていたのでした。
なので、それで間違いないかどうか、天気予報の最終確認をします。
(明後日以降の予報なんて、スーパーコンピューターを使っても、下駄を飛ばしても予報の当たる確率は大差無いって言われていますが)
ん? エルカラファテだと元旦も雨になってますね。
こちらの予報だと今日が雨で明日明後日が曇り。
フィッツロイ麓のエルチャルテンだと、パイネで見た天気予報とほぼ同じになってます。
こちらだと、元旦も微妙ですね。
結論、よくわかりません!
まぁ、いいや。
どうせ、パタゴニアの天気は変わりやすいんだし(笑)
さ~て、少しでも高級な部屋を堪能するために、ゆっくり寝ますよ~。
しかし、今日のエルカラファテに到着してからの一連の出来事は、自分の旅だとはとても思えないぐらいスムーズに事が運んだなぁ。
検問で何かトラぶった、スーパーが閉店していた、ガソリン入れ忘れた、宿のキャンセル代を取られた、宿がどこも空いてなかった、宿が汚かった、などなど、私の旅だと何が起こってもおかしくないのですが、まったくもって、すべて順調でした。
なんか、後から反動が来そうで怖いです。
明日から天気が思いっきり雨になるとか、パンクして立ち往生するとか・・・・
いや、これが普通なのか。
そう、旅はスムーズなはずなのです。
この後もスムーズだといいなぁ。
では、おやすみなさい。
つづく
0 1 2 出発・移動
3イグアス
4 5 6パイネまで移動
7 8 9 10パイネトレッキング
11 12 13パイネからエルカラファテ
14 15ブエノスアイレスへ
16 帰国