EVという乗り物

元号で言ったら二世代前の話になるが（笑）、電気・機械・制御等を高等教育機関で学んだことがある。

自動車という乗り物の歴史において、電気モーターで走るというのが理にかなってはいるのだが、色々な技術的制約があり、「その代替手段として」ガソリンエンジン（内燃機関）による走行という手段が今まで続いてきた、と言うのが当時学んだことだった気がする。

それが実現して自分のいわゆる「足」になる日が来るとは、なかなか感慨深い。


なぜ理にかなっているのかと言えば。

電気（直流）モーターのトルク特性として、停止から動き始める瞬間に最大トルクを発生できる、と言う事なので、物理的に言えば、物体に初速を与える（加速度がいる）ところで一番力が出やすいという電気モーターが自動車のような乗り物に適しているというのは分かりやすい。

ガソリンエンジン（内燃機関）は、ある程度回転数を上げてやることでトルクが増すという特性があるため、その欠点をカバーするための装置が「トランスミッション」であり、初速を得る時に電気モーターが有用という原理を積極的に採用したのがいわゆる「ハイブリッド」システムという事になる。

確か、初代プリウスが発売された当初も、そんなうたい文句（電気自動車は21世紀に間に合いませんでしたが）だったような気もする。

なので、単純にモノを動かす（移動させる）と言う事においては、電気モーターを使う事が合理的…と言うのは、陸上大量輸送で電車が利用されているとか、工作機械の大半（と言うか全部?）が電動という所を見てもそうなんだろうと。

まぁ、自家用車という事になると、移動経路や移動距離、保管場所等々、誰にとっても合理的な道具になるとは言えない訳ですが。


過去10年程度の軽自動車生活において、1日（軽自動車でお泊まりお出かけは想定していないので自宅を出て自宅に戻ってくる期間）の移動距離と言う考え方をした場合、恐らく99%程度を通勤及び通勤距離より短い範囲内での移動と考えられるので、私にとっては合理的な道具であると思われる。

記憶をたどってみると、通夜参列に高山まで（片道120km）、美術鑑賞で近江八幡まで（片道110km）、スポーツ観戦で郡上八幡まで（片道50km）、野暮用で刈谷まで（片道80km）ぐらいかな。

郡上八幡以外は、どこかのタイミングで充電が必要になる距離だと思われるが、いずれの場合も高速道路を使っての移動だったのでどこかでは充電は可能だったと考えられる。
まぁ、高山だったら電車という選択肢は有り、近江八幡は友人との移動だったので友人の車に頼るという選択肢も有り、そもそも我が家はもう一台車が有るので、状況に応じた使い分けをすれば良いだけの話。

電動車は、e-Powerのノートを車検代車で延べ数日間通勤利用の経験があるので快適さは既に経験済み。
これからの毎日が実に楽しみである。