Jタウンネット神奈川版で面白い記事を発見しました。
大阪駅でタクシー乗って「梅田駅まで!」
地元の人にとっては嘘だろと思うような信じられない話かもしれません。
まぁ実際、シャレの通じない人を嫌う県民性だけど、一番シャレが通じてないのは自分たちだということに気づけていない県民性でもあります。
確かに大阪のタクシー事情を知ると「ふざけんなよ!」って怒りたくなる気持ちもわかりますが、これでも乗せないと乗車拒否事案になります。
いや、私でも「親切丁寧に」拒否してました。東京タクシーセンターにチクられたら何回呼び出し食らわなきゃいけなかったかわかりません。
私がタクシー乗務員時代の最短営業距離はなんとたった90mでした(笑)
それは、東京都港区赤坂にある、今の
S-GATE赤坂(当時建設中)のところで渋滞で赤坂サカスの前の信号待ちをしていた時に、息を切らせて走ってきたOLが手を上げました。
リンク先のアクセスマップを見てもらうとわかるのですが、赤坂駅からまさに目と鼻の先です。
ここまで読まれてお察しかと思いますが、乗り込んできたOLが放った言葉は、
「はぁ、はぁ、赤坂駅までお願いします!」
一瞬、「ぶっ!」と吹き出すのをこらえつつ、聞き違いかもしれないので思わず
「ふぇっ?申し訳ございませんがもう一度お願いできますか?」
と返すと、
「はぁ、はぁ、赤坂駅までお願いします!」
(どんだけ走ってきたんだよ、まだ息が切れてるぞ)
「赤坂駅でしたら、すぐそこに見えてますよ。その信号のところですが今渋滞してるので歩いていく方が早いと思いますが。多分1分くらいで着きます」
と、降りろとは言っていない、契約取消という選択肢を客に与えるだけの発言をし、まぁ普通なら降りていくわなって考えたところ、
「え、本当ですか!信号のどの辺ですか?」
「電車にアクセスしやすいのは信号を渡って右に曲がってすぐの入り口ですよ。いつも大体その信号曲がったところでみんな降りて行かれます」
(降りてもいいのよ、どうせその先でそこそこの客拾うから)
因みに当時の初乗り運賃730円です。
しかし、そのOLは
「すみませんが、そこまで行ってくれませんか?せっかく教えてもらったのにタダという訳にはいきませんので。走ってきたのでちょっと休憩したいですし」
そう、世の中情報は本来タダじゃないのです。その情報を得るためには最低でも人件費がかかるのです。それはたったコップ1杯の水だけかもしれませんが、それでもごくわずかな水道代がかかるのです。
見た目30手前くらいでしたが、今時のこの年齢の日本女性にしては珍しい、なんて律義な人だろうと感心しました。
そしてメーターを入れて信号待ち。2分後ようやく信号を曲がって停車。
730円ありがとうございます。
降り際に、
「道に迷ってたので本当に助かりました。おかげで次の商談に間に合いそうです。ありがとうございます!」
今なら420円で済んだんでしょうな。
そのOLにとってのその時の730円は次の商談に間に合わせられるなら安いものだったのでしょう。
この当時私は所謂ママタク(日勤のタクシードライバーのこと。ママさん乗務員がこの勤務形態で乗務していることが多いことから)でしたが、この時すでに昼下がりで、この後しばらくして羽田空港行きのお客さんを乗せたのでした(運賃7000円ほど)
これが、実際にあった信じられない話です。
そして、私は悟りました。
人の信じてることって案外狭い世界のものなんだな、と。
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Posted at
2020/09/19 11:14:47