先週は仕事で、ドイツのシュパイヤーという街に滞在しておりました。
こんな真冬にクソ寒いドイツ出張なんて。。。
シュパイヤーは、フランクフルトから車で1時間あまりの地方都市。
おそらく、日本のどんなガイドブックにも載っていないような小さな街です。
たまたま半日だけ自由時間ができたので、なんぞ観光場所はないかいな、とネットで調べたら、シュパイヤー技術博物館というのが出てきました。
ホテルのフロントで道順を聞いたら、歩く早さにもよるけれど、徒歩10~15分とのこと。
おかしいなあ、地図で見たらもっと掛かりそうなんだけどと訝りつつ、天気も快晴でしたので出かけてまいりました。
結局、早足でも20分以上掛かりましたね。ドイツ人は、どんなけ早足やねん!
なお、こんな機会があるとは予想だにしていませんでしたので、写真はすべてスマホによるものです。
さて、氷点下のもと、白い息を吐きながらようやく到着し、沢山の航空機が展示されている下を潜って入り口で14€支払い、早速進入。
ありゃりゃ、季節はずれの平日の朝とあって、まったく他に客は無し。
完璧な貸しきり状態です。
広い展示館の中には、車や機関車や飛行機が所狭しと展示されており、そのスケールの凄さに圧倒されます。
さらに、屋外にはたくさんの飛行機や潜水艦、船などが展示。
なかでも圧巻は、ルフトハンザのジャンボジェット。
こんな巨大なものが、地上高くに展示されているのです。
地震のある日本では、考えられませんが、物凄い迫力です。
写真ではそのド迫力が伝わらないと思いますが、とにかく圧倒されました。
早速階段を上って中に向かいますが、高所恐怖症だったのをうっかりしておりました。
さて、中ではマネキンが出迎えてくれ、なかなかリアルな展示です。
もしかすると、操縦席に座れるかも、と期待していましたが、残念ながら後ろから眺めるだけ。
航空機関士用の席もありますから、747-200、所謂747クラシックですね。
少し斜めに展示されていますので、長居はできませんでしたが、関空から乗ってきたのがルフトハンザの747-400でしたので、感慨もひとしお。
そういえば25年前のこと。
欧州便は殆どがアラスカのアンカレッジ経由だったのですが、航続距離の長い747-400を前提とし、ルフトハンザが伊丹空港~香港~フランクフルトという南回りの便を就航させました。
私は就航直後の帰国便へ乗ったことがあるのですが、そのとき未だ747-400の就航が間に合わず、航続距離の短い747クラシックの機体で運行されたのです。
まあ747クラシックでも、何とかぎりぎりで香港までたどり着くはずだったらしいのです。
ところが乗っていると、香港到着よりずいぶん早い時間に高度を下げ始めたのです。
ありゃりゃ?と訝しんでいるうち、なななんと、バンコクのドンムアン空港へ降りたのです。
機内放送によると、向かい風が強すぎて、燃料が持たなくなり、給油のための緊急着陸だと。
なんじゃぁ、そりゃぁ!
皆さんご存知のように、伊丹空港は門限がありますから、この時点で、この日のうちに伊丹空港へたどり着くことは不可能になったのです。
結局、香港でトランジットとなり、伊丹へは翌日の午後へ到着しましたが、もしかすると展示されている機体は、その時の物かもしれません。
さて、第一の展示館に戻りますと、中には所狭しとたくさんの車が展示されています。
クラシックカーから、一昔前の車まで様々ですが、やはり殆どがドイツ車です。
BMWが一番たくさん展示されていましたが、一番乗り逃げしたかったのが、503のカブリオレ。
いやあ、この優雅な佇まいは、絶品ですね。
でも、個人的には、このE21後期型のデザインが大好きなんです。
私が昔乗っていたE36もライトレッドでしたので、親近感も抜群。
事情が許せば、E21を綺麗にレストアして置いておきたいところです。
502やイセッタも綺麗な状態でしたが、3.0CSiにカブリオレがあったなんて、まったく知りませんでした。
物凄く綺麗で、これも乗り逃げしたかった1台。
さて、シトロエンはないものかと探してみたら、この11CVが展示されておりました。
一方、たくさんの飛行機のなかで目を引いたのが、メッサーシュミットの銘機Bf109。
以前に、呉のヤマト博物館でゼロ戦の実物をじっくり眺めたことがあるのですが、メッサーシュミットは物凄くロングノーズで、まったくプロポーションが違いますねえ。
どちらも銘機なんですが、設計思想がまったく違いますね。
第二の展示館には、大きなスペースシャトルがド~ンと展示されています。
想像よりはるかに大きいそのスケールに圧倒。
隣には、アポロの着陸船が展示。
本物か否かはわかりませんでしたが、たぶん本物なんでしょうねえ。
また、この展示館にはユンカースの、Ju52(たぶん)もド~ンと展示。
先日見た映画「風立ちぬ」で、たっぷりとユンカースが登場してましたので、これまた感慨ひとしお。
実は私、車だけでなく飛行機も大好きなんです。。。
さて、屋外へ再び戻り、今度はUボートへ向かいます。
狭い急な梯子を降りて中へ入りましたが、いやあ、こんなに狭いのですね。
操舵手が座ると後ろは通れませんし、わたしはちょっと閉所恐怖症の気がありますので、長居はしませんでした。
さて、この博物館には第二次世界大戦当時の軍用車や航空機がたくさん展示されているのですが、目を引いたのがこのネガーと呼ばれる特殊潜航艇です。
下に魚雷を抱えた、まさに人間魚雷。
説明を読んだところ、上部の塔の中に足を前に投げ出すように座り、操縦するようです。
そして、闇夜にまぎれて敵艦に近づき、魚雷を発射するというもの。
呉のヤマト博物館で日本の人間魚雷を見たことがありますが、ドイツのこれは帰還を前提としていたようですが、撃沈されたことが多かったようです。
ということで、飛行機マニアはもちろんのこと、乗り物好きなら間違いなくド迫力に圧倒される、ドイツいち押しの観光スポットです。
フランクフルトから車で1時間なのに、何で日本で殆ど紹介されないのか、摩訶不思議です。
ドイツへ行かれることがあれば、ぜひ訪れることをお勧めします。
ミュンヘンのBMW博物館よりも、遥かに感動すること、間違いなしです。
さて、ぶらぶら歩いて帰る道すがら、ここはシュパイヤーの大聖堂。
世界遺産に登録されているほど素晴らしい建物ですが、こちらも日本では無名ですね。
早速中に入ってみましたが、高い吹き抜けの巨大な規模の聖堂で、壁画も見事でした。
シュパイヤーのメイン通りですが、特に欧州は田舎の景観が美しいですね。
日本とえらい違いです。
帰国の便は、初めて乗るB787。
モニターがとにかく綺麗でしたが、やっぱり航空機会社は日系が良いですね。
メシが美味いし、サービスも段違い。
出張では極めて珍しい、プチ観光の日でした。