第26回カッパハーフマラソン　レース

いよいよ10㎞のスタートの号砲が鳴りました。前の方からスタートだったので、遅いランナーに詰まることもなく、自分のペースでスタートできました。おそらく、スタートでのロスタイムも10秒以内かと思います。

1㎞でのラップタイムは3分49秒。僕のレース戦略というか…願望では、3分50秒/kmのペースで、折り返しに50秒の貯金を作りたいと思っていました。膝の痛みも感じず、最初の1㎞は順調でした。ところが、上り坂を挟んだ1～2㎞の区間ラップでは4分でした。それでも気落ちするほどのロスではなく、貯金はまだ10秒持っていると自分に言い聞かせて走りつづけました。

この頃、すでにのどの渇きを感じていました。スタート時ではちょうどいいと感じた気温も、走りはじめると暑く感じました。給水ポイントでは給水が必要と判断しました。

ほぼフラットなコース設定ではありますが、実は緩い傾斜が多く、車で下見した時の楽そうな感じは一切ありませんでした。

貯金をしようと思た3～4㎞区間もラップ4分で、全然貯金が増えません。微妙な上り坂の5㎞折り返し手前、予定通り給水をしましたが、折り返しでストップウォッチをみたら、貯金がなくなっていました。たしか19分58秒くらいだったと思います。

貯金をしようとペースを上げていたつもりなのに、全然ペースが上がっていません、しかも逆にロスしていました。

しかし、のどの渇きも辛かったので、折り返し後の給水もしっかり摂りました。6㎞通過した時点では、24分23秒…なんと貯金どころか20秒ほどタイムオーバーになってしまいました。

しかも、のどの渇きが満たされたわけじゃないし、ロスタイムを取り戻すだけじゃなく、そこから更にペースを上げていかないと目標タイムが厳しくなります。

残り4㎞、全力で路面を蹴りつづけました。

7㎞通過、28分23秒…ラップ4分…気持ちはスピードが上がっているはずなのに、全然スピードが上がっていません。スピードが落ちているわけでもありませんが、どうにもタイムが縮まらない…


苦しい、辛いレースになってしまった…。


そう一瞬思いましたが、ミサンガを思い出しました。来てくれなかった時に、力を出し切れなかったなんて、絶対言いたくない。

全力で前へ行け！！

自分を奮い立たせながら、諦めずにスピードを上げる事だけを考えました。

8㎞付近の最後の給水はスルー…今回のレースは給水でタイムロスしていたので、怖くて水が飲めませんでした。

呼吸は乱れ、両足全体に、交互に響く地面の衝撃…それでも、前へ、全力で！！！


9㎞過ぎ、36分23秒…全くロスタイムを取り返せませんが、逆にタイムロスもしていません。残り1㎞はフラットなので、最後の1㎞に全てを賭けて最後まで力を振り絞りました。


ゴール近くなると、他の部門のランナーが増え、スピードが全く違うランナーとぶつからないように縫いながら…





ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ…


おそらくかなりの呼吸音だったはずです。意識が遠くなりそうな…でも足は動かし続けました。

ゴール地点付近は市街地なので、沿道の声援も大きかった…はずなんですが、僕の記憶には残っていません。ゴール付近には、運動仲間のチームA-GOOのメンバーが応援してくれていましたが、全く気づきませんでした。


そして…





短く長い、苦しいレースが終わるのでした…。



つづく