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2019年12月31日

新幹線が採用した「60ヘルツ」

新幹線が採用した「60ヘルツ」 モデル線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

モデル線(モデルせん)、モデル線区(モデルせんく)とは、鉄道において、先進技術などの実験と広報の場として設定された路線およびその区間のこと。本項では東海道新幹線におけるモデル線とその付属施設・組織について記述する。

新幹線計画におけるモデル線、モデル線区とは、東海道新幹線の建設時に旧国鉄が東京大阪間全線に先駆けて完成させた試験用区間である。鴨宮基地(かものみやきち)がおかれ、モデル線管理区がこれを管理した。神奈川県小田原市と綾瀬町(現・綾瀬市)付近を結ぶ約30キロメートルの区間で、全線開通後は東海道新幹線の路線の一部に組み込まれた。開業から50年以上を経た現在では「鴨宮モデル線区」などとも呼ばれる。

[写真・画像] モデル線高架橋として造られたことが分かる「1961-12」の銘板 作成: 2017年5月3日

1 概要
東海道新幹線の建設では、それまでにない広軌高速電車の研究開発から開業までを、1959年(昭和34年)から1964年(昭和39年)までのわずか5年という短期間でやり遂げることが求められていた。東海道線の増設は喫緊の課題だった。

このために、全線開通まで待たなくても試作車両や新設備の実地試験を行える場として、「モデル線」が計画された。モデル線は全線に先駆けて建設され、1962年(昭和37年)から1964年(昭和39年)にかけての約2年間、新型車両と設備の試験、乗員と保線要員の養成、「夢の超特急」の広報と試乗者受け入れを行った。モデル線がなかったら、わずか5年で開業に漕ぎ着けることは難しかったと考えられている[1]。

現地には、車両基地として鴨宮基地が設けられ、現業機関としておかれたモデル線管理区がこれを管理した。区長は田中隆造。モデル線における研究実務は鉄道技術研究所が担当した。
1.1 公式名
新幹線開業当時に国鉄が刊行した公式記録『東海道新幹線工事誌』では、この試験用区間の名は「モデル線」もしくは「モデル線区」と表記されている。モデル線西端近くの鴨宮には「モデル線鴨宮基地」(モデルせん かものみやきち)がおかれた[3]。

新幹線のテスト走行を行っていた1962年(昭和37年)から1964年(昭和39年)にかけて、「モデル線」の名は日本中で知られていた。その走行実験や試乗会はニュースにもしばしば取り上げられた。しかし1964年の開業から長い年月が過ぎると、「モデル線」のみではだんだん通じにくくなり、「鴨宮のモデル線」から転じて、今では「鴨宮モデル線」あるいは「鴨宮モデル線区」と表記されることもある[4]。

3 沿革
3.4 先行建設
3.4.1 関連施設
モデル線の沿線には平塚(大神)・大磯(生沢)・鴨宮の3つの変電所が設置され、大磯は東日本の50サイクルを西日本の60サイクルの電力系統に置換するための周波数変換変電所の役割を持ち(開業後は饋電区分所となり、周波数変換変電所は大井・綱島・西相模・沼津の4カ所に設置)、平塚と鴨宮には新幹線運行管理システムを設置する信号機械室を併設。変電所内には地震発生時に電力供給を遮断して緊急停止させるための地震計(正式名は警報感震器)を設置し、人為的に作動させて運転停止動作を確認した。なお、当時の機械(SMAC型)は落下球式と倒立振り子式の位置エネルギー(運動力学)を用いた単純なもので、地震が発生してから作動するものであったため、後の地震動早期検知警報システム(ユレダス)開発の必要性が既に議論されることになった。

時速200キロを超える高速運転の新幹線では横風安定性の確保が重要で、模型による風洞実験から風速20メートル以上は警戒が必要になることが判明し、モデル線区間では丹沢山地からの丹沢颪(大山颪)が軌道建設中から懸念されていたこともあり、沿線に風速計を設置して運転指令所へ伝送するシステムを構築、その有効性が確認されたため本線開業時に全線で採用された。

3.7 発展的解消
1964年(昭和39年)2月15日、モデル線は西からの上り線と第一熱海トンネル内でつながって、綾瀬 - 三島間77kmが開通した。これをもってモデル線はモデルとしての役割を終えて、当初からの計画通り、東海道新幹線、東京 - 新大阪間の営業路線区間に組み込まれ、モデル線管理区は同年4月下旬に廃された。走行試験は新幹線局運転車両部が引き継いだ。鴨宮基地は、新幹線の鴨宮保線基地として現在も使用されている。

3.8 記念碑
鴨宮基地は、新幹線試作車両が初めて組み立てられ軌道を走り始めた地である。また、新幹線の車両や設備の実地テスト、要員養成もこの鴨宮が出発点となった。

1974年(昭和49年)8月、国鉄は新幹線開業10周年を記念して、日本国有鉄道新幹線総局長・原田種達の名で、鴨宮基地の跡地の新幹線線路際にモデル線鴨宮基地の記念碑「新幹線発祥之地」を建立している。それは平面御影石に日本列島のレリーフと鴨宮の位置を刻んだシンプルなモニュメントで、横壁には「新幹線発祥之地」というプレートがはめ込まれている。(鴨宮駅から下り側約700m、北緯35度16分24.5秒 東経139度10分20.5秒 付近)

また2009年には、地元市民有志により鴨宮駅南口側に「新幹線の発祥地・鴨宮の記念碑」が建立され、4月19日に除幕式が行われた。

最終更新 2019年12月16日 (月) 01:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。

交流電化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

交流電化(こうりゅうでんか)は、鉄道の電化方式の一つで、交流電源を用いる方式。

1 概要
交流電化には、単相交流を使うものと、三相交流を使うものがある。さらに単相交流には商用周波数(50 - 60 Hz)を使うものと、その2分の1から3分の1の低い周波数を使うものがある。現在、主流は商用周波数の単相交流で、電圧は主に25 kVを使用する。

2 特徴
直流電化と比較して、以下のような特徴がある。

・送電ロスが少なく地上設備のコストが低い
同一電力を送電する場合のロスはおおむね電圧の2乗に反比例することから、電圧はできるだけ高くした方が送電には有利である。同じ電力を送るのに架線で失われる電力損失が少なくて済むことから、交流電化は直流電化に比べ変電所の間隔を長く取ることができ[注釈 1]、直流電化の場合には別途必要となる饋電線(架線に並行した太い電力線)、変電所への送電用の特別高圧線そして、自動閉塞で用いる閉塞信号機で用いる高圧線も不要であり[注釈 2]、全体として地上設備コストの低減が図れる。交流は動力車において変圧器を用い容易に電圧を変えられるため、使用する電動機の電圧に合わせた600 - 3000 Vを用いる直流電化のような電圧の縛りから解放され、任意の高い電圧を選べる。しかし架線電圧が高くなると車両ならびに地上設備の離隔距離[注釈 3]を大きくとらなくてはならず、車両の設計が困難になるばかりか建設費など他のコストが上がってしまう。そのため動力車に供給すべき電力のほか、設備費用など制約条件を総合的に検討した上で11000 - 50000 Vの電圧が選択される。日本においては20000 V(在来線)と、25000 V(新幹線)の2種類の電圧が採用された。

・大容量送電が可能
交流は高電圧を用いることから、直流に比して小さい電流での送電が可能である。そのため、負荷電流が直流方式と比べて1/10以下になり、電車線は細いものですむ、したがって、大きな出力を必要とする電気車両への大容量送電に適している。日本の新幹線は高速走行で大量の電力を必要とするため、交流電化を採用した[注釈 4]。

・粘着係数が高い
交流車は粘着係数が高いという長所を持つ。直流車では低速で電動機を直列につなぐが、電流一定のために、ある電動機で空転が始まってもトルクが下がらず回転数がむしろ上がる傾向になる。一方交流車では一般に並列接続であるので、回転が上がるとその電動機に流れる電流が減少してトルクが下がり、容易に再粘着する。また、以前の直流車で一般的であった抵抗制御では、加速(力行)中に限流値により一段ごと抵抗を抜く時に電流が一時的に増大して空転を起こしやすいのに対し、タップまたはサイリスタにより連続的に電圧を変えられる交流車は優位であり[1]、一時は交流電気機関車のD級(動軸数4)は直流電気機関車のF級(動軸数6)に匹敵すると評された[2]。
ただし、後に直流車・交流車の区別なくVVVF制御方式が主流となり、再粘着制御が容易に行えることから、この点における交流車としての利点は少なくなっている。

・車両コストが高い
特別高圧を電動機が使用可能な電圧に下げるため、車両には重い変圧器を搭載しなければならない。また、主電動機は、直流を電源として用いる直流電動機の場合には、整流器またはサイリスタが必要であり、交流を電源として用いる誘導電動機の場合には、PWMコンバータで直流に変換した後にVVVFインバータで三相交流に変換する主変換装置が必要である。両者とも、重量のある商用電源対応の平滑リアクトル[注釈 5]が必要であり、集電装置も高電圧対応である必要がある。したがって、車両の製作費およびメンテナンスコストが高くなり、重量も大きくなりがちである。
直流直巻電動機を用いた直流電車においては短時間の最高出力は連続定格出力の4、5割増しの大きなものとなる。しかし交直両用車の場合、コストの制約・軸重制約のため、電動機の最高出力時の消費電力よりかなり容量の小さい、連続定格をやや上回る程度の変圧・整流機器となるため、最高出力は直流時をかなり下回る[注釈 6]。

以上が交流電化の特徴であり、地上設備と車両のコストに鑑みると、需要が少ない地域の輸送や動力集中方式に適した方式と従来言われてきた。JR在来線のように交流電化と直流電化が混在する場合、交流直流両用車を使うことになるが、20世紀終盤までは更にコストの高くなる交流直流両用車では交流電化のメリットはほとんど失われ、デメリットのみが残る傾向があった。

21世紀に入ると整流機器が安価になったことにより直流電化の費用が低下したことに加え、電車化の進展やVVVFインバータ制御により直流電車の性能が向上したため、変電所の設置間隔以外で交流電化のメリットは低下し、新幹線のような大電力の必要な高速鉄道や貨物輸送主体の鉄道以外での交流電化の優位は失われてきている。

5 採用事例
5.1 日本
  5.1.4 その他
   5.1.4.1 新幹線と商用周波数
東海道新幹線と北陸新幹線は、2つの周波数地域を跨ぐ路線を持つ。このうち東海道新幹線は、東京駅から静岡県内に至る50 Hz地域でも、綱島、西相模の周波数変換変電所に横軸型同期周波数変換機を備えて、60 Hz電源に統一した。開業当時の技術でも両周波数対応の電車を製作することは可能であったが、50 Hz区間は、東海道新幹線の当初の開業時点でも全体の4分の1程度であり、博多開業を想定すると10分の1程度になる。50 Hz対応のために大部分を占める60 Hz区間で無駄となる装備を載せて走ることは不合理となる。開業時点の車両数の少ない時点では、車上で対応した方が安いと試算されたが、将来的な編成数増加の見込みもあって、経済的な観点から地上で周波数を統一する方式を採用することにしたものである [7] [8]。 なお、開業後に浜松町変電所・沼津変電所にも周波数変換機を設けたため、現在は4箇所に周波数変換変電所が存在する。周波数変換はロスが多く、富士川以西から送電線を整備して60 Hzを給電した方が合理的であるが、電力購入先の規制によりやむなくの東京電力の50 Hz電源を周波数変換のうえ使用している。

一方、北陸新幹線は東京 - 高崎で50 Hzを採用する東北新幹線・上越新幹線に乗り入れるため、複周波数対応の新幹線車両[注釈 11]を使用し、軽井沢駅 - 佐久平駅・上越妙高駅 - 糸魚川駅・糸魚川駅 - 黒部宇奈月温泉駅の3か所で50 Hzと60 Hzとを切り替える。

なお異周波接続の方式に関しても、デッドセクションを参照されたい。
最終更新 2019年12月21日 (土) 03:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。


≪くだめぎ?≫
 今回のテキストは鉄道ジャーナル2019・9月号(7/21発売)「九州の周波数統一と鉄道電化」である。

「1960年まで九州電力は50Hz-60Hz併用であり異周波数の送電網の融通に苦しんであった。当時、西鉄貝塚線名島付近にあった九電・名島発電所に50Hz送電網を支えるのに使用した大型周波数変換器が温存されており、国鉄はそれを譲り受け鴨宮実験線に設置した。」

 60Hzでの発電所が効率が良いと思うが、東電は60Hz送電線を認めても良かったのでは。2重系統送電網は防災の点でも助かるのでは・・。
ブログ一覧 | 交流電化 | 旅行/地域
Posted at 2019/12/31 19:08:13

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