約一年ぶりの歌舞伎鑑賞。
今回は、六代目中村勘九郎の襲名披露と云う事で、歌舞伎座建て直しになってから、空席が目立つと云われる劇場も、満員の盛況。
はっきり云って、勘九郎と云う名跡は、先代(現勘三郎)が大きくしただけであって、大した名跡ではないのであるが、流石に人気の若手役者だけあって、人が集まるんだろう。
そう云う意味では、松竹の此の興行は成功のようだ。
で、今回見に行ったのは昼の部。
まずは、歌舞伎十八番のひとつ
鳴神(なるかみ)
三ヶ月の間、雨が全く降らず、日照りが続いている。
実は、鳴神上人(中村橋之助)の祈祷のおかげで、帝に王子が誕生したのに、上人の願いである戒壇建立が認められず、朝廷に恨みを持った上人が龍神を滝壺に封じてしまった為。
其処で朝廷は、雲の絶間姫(中村七之助)を上人のもとに遣わし、姫の色香によって上人を堕落させ、雨を降らせようと企む。
上人の庵にやってきた雲の絶間姫は、巧みに上人を誘い、夫婦の盃をかわす。
上人が酔って寝てしまうと、姫は岩屋の注連縄を切って、龍神から雨を降らす事に成功する。
目覚めた上人は、姫によって堕落した事を知り、雷となって荒れ狂い、姫を後を追う。
前半は、雲の絶間姫の鳴神上人を誘惑する台詞劇が見物。
おっぱいをモミモミさせたりして、Hだ(*´∀`)
勘九郎を襲名した兄に比べて、一寸置いて行かれた感じの七之助だったけど、今回は上出来。
後半は、堕落した鳴神上人の荒事が見せ場で、橋之助の線の太さが出てて良い。
次が、勘九郎襲名狂言の
新古演劇十種の内
土蜘蛛(つちぐも)
病で臥せっている源頼光(坂東三津五郎)の所へ、薬を持って侍女の胡蝶(中村福助)が訪れる。
胡蝶は、紅葉の名所を様子を語り、頼光は一時病の事を忘れる。
胡蝶が去ると、現れたのは智籌(ちちゅう)と名乗る僧(中村勘九郎)。
智籌の怪しい姿に、太刀持ちの音若が声をかけると、たちまち智籌は、土蜘蛛の本性を現す。
名刀膝丸で頼光が斬りつけると、智籌は消え失せる。
血の跡を辿って、平井保昌(中村橋之助)と四天王は土蜘蛛退治に向かい、激しい戦いの末、土蜘蛛は退治される。
流石に、若手きっての踊りの名手と云われる勘九郎が見事。
きびきび動いて、足拍子の音も小気味良い。
怪しい僧の不気味さも○
其れと、前シテと後シテの間の間狂言で、勘三郎・中村吉右衛門・片岡仁左衛門が番卒で出てきて華やか。
襲名披露ならではの贅沢。
切りは、仁左衛門の
天衣粉上野初花
河内山(こうちやま)
河内山は、3年前に松本幸四郎で観たので、物語の詳細は
此方にて。
今回は、質見世から始まっていて、物語の展開が分かりやすいので、断然此方の方が良い。
仁左衛門の河内山は、上品ながらも江戸っ子らしさが出ててカッコいい。
新勘九郎の松江出雲守は、初演ながらも彼らしい真面目さが出てて、非常に好感が持てる。
父勘三郎も演じた事の無い土蜘蛛で、新しい勘九郎と中村屋を感じる事が出来た良い舞台でした(^_^)
本日は此れ切り。
Posted at 2012/02/12 23:00:27 | |
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