【
まえがき】
前編 (https://minkara.carview.co.jp/userid/712411/blog/33135706/) の続きである。
初見の諸氏がイキナリ本編をご覧いただいても、のっけ(ノンケではない)から脚本みたな修辞に出くわすことで、意味不明に陥りかねないことと存ずる。
従って、本編に入る前に、できれば前編からお読みいただけたら幸いである。
10日ほど前の名古屋市某所、“中日新聞主催で”開催された、
高野孟なるジャーナリストの講演会。
本編含む前後3部構成の本ブログは、これを聴講した器《Utsuwa》が、当日の講義につき、心のなかで行った反論をまとめたものとなる。
今回の講演会…そこにはブレーンストーミングも、弁証的発展もなく、ただただ突っ込みどころだらけの論調が展開されるばかりであったのだが、まあそれはそれ、お読みいただいた諸氏には、お花畑の連中とのやりとりを行わねばならぬ際のご参考にしていただければ幸いである。
【
TPPについて】
高野
「東アジアの安全保障は、先行参加国に有利な土俵をつくっておいて、最後に中国様を引っ張り込むことで相互依存経済体制をつくる、という段取りなら確立可能だ」
器《Utsuwa》
「シナはそれを嫌がって、ASEAN+10をやろうとしてるんですよねwww
TPPの枠組みにシナを引っ張り込むとしても、金融・サービス・モノを自由化して管理しきれるんですかね?
何よりあの国、先にも述べましたが、生産年齢人口、日本以上の速度で急速減退してますよ?ジニ係数も上がる一方ですよ?
銀行バックレすさまじいですよ?(あれだけシナ進出を推奨した)日本の銀行でさえ、最近ではASEANシフトすごいですよ?
労働市場としても消費市場としても、ましてや金融市場としても、将来成り立ちますかねえ?」
高野
「(『
ポスト覇権の時代:ブレジンスキー元米国家安全保障担当補佐官の言葉 http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/40945』を持ち出す)
曰く『冷戦終了後の13年にわたるアメリカの世界覇権は終結した』
曰く『アメリカはかつての影響力の大部分を失っており、アメリカ政府が少なくとも、今この演説を聴いている人々が生きている間に、世界の覇権大国として、権力を取り戻すことがないだろう』
今後は相互経済依存体制が、一国の軍事覇権を抑止する」
器《Utsuwa》
「まあ、ブレジンスキーの言葉はあたってるね。
でも、残念ながら一次産品を巡る資源戦争や宗教紛争、民族紛争はなくならないよwww
前例としてソ連崩壊後今日に至るまでを再度勉強してみ?
旧共産圏には未だに火種はごろごろあるし、さらに今後は食糧や水資源を巡って、新たに紛争起きる。こんなの、中西輝正先生が30年前から指摘していたことじゃん?
経済による相互依存は、“民主主義・自由経済を採用する国”単位の軍事力を抑止するに限るだろうね。だけどそれ以外の国や地域の安全保障は、決して経済では抑止できない。
あのさあ・・・アンタ“プロ”なら、『成長の限界』や『文明の衝突』、読んだことある・・・よね?
アンタが言うような世界は、世界中の人たちがエゴを捨て、
“仏様”みたいな心で満たされないと絶対にこないよ?
…ま、仏様みたいな“こころ”、そりゃあ私も持ちたいけど、そもそもそれを否定しているのが自由主義経済なんだけどねえ。
“社会的分業が進む中、煩悩による利己主義が市場を生み、それを満たしうる生産活動は綜合的利他主義に進む”ってのが、そもそも自由主義経済のキホン。
当然そこには富める者と窮する者が発生するわけで…だから、
地域紛争・民族紛争はなくならないのだよ」
高野
「鹿児島補欠選挙については、TPP共同声明が選挙前にあったら、自民は負けていた。
聖域4品目は守れない。国民、特に鹿児島の人は騙されている」
器《Utsuwa》
「いや読売が既に“基本合意”と報道してましたが。フロマンが“秘密交渉をバラすな!”って怒ってたでしょ?
報道内容が事実であったにせよないにせよ、全国紙が伝えたから、民意には影響するでしょ?
それとも何か?鹿児島は牛肉にもサトウキビにも興味ないってか?
だから“原発反対”オバサンが負けたってのか?
…というか、ひとつ疑問なんだけど、アンタ、
TPPは反対でFTAやEPAは賛成なの?矛盾してない?」
【
集団的自衛権について】
高野
「制服組トップは疑問を持っている。
アメリカを狙った北朝鮮やシナのミサイルを、海自が迎撃するのは技術的に不可能だからだ。
理由は、中国様や北朝鮮のミサイルは、太平洋ではなく北極を越えて飛行するからであり、日本の領空を横切ることはないからだ。
イージス艦の迎撃射程は500キロ程度であり、日本海側から大陸を越えてこれを迎撃するのは不可能である」
器《Utsuwa》
「あのー、集団的自衛権の意義、わかってますか?15日の安部先生の会見、見ましたか?
各論ばっか喋ってますが、“積極的平和主義”の意味、わかってる?それとも“意図的に”曲解させるように話してるのかな♪
アンタの話、ただ重箱の隅をつついてるだけだってこと、自覚してる?」
高野
「また、ミサイル索敵中の米艦を狙う敵機を、日本が迎撃できるわけではない。なぜなら、敵機は日本の艦船にも攻撃をかけてくるからだ」
器《Utsuwa》
「あのー、安保5条よく読んでみ?それと、アメリカって空母があるんですがwww日本には空自があるんですがwwwww」
(おまけ:次の話で『「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書に対する安倍総理の会見』書いとく)
高野
「問題は、個別的自衛権の重要性が疎かになっていないか、ということだ。防衛出動命令なしには、海上自衛隊は保安庁の船さえ守ることができない。」
器《Utsuwa》
「初めてまともなこと、言ったねw
でも石原先生や田母神先生の受け売りだねw」
【
安倍晋三先生について】
高野
「欧米では安部は“revisionist”といってる。(集団的自衛権の解釈明文化と改憲について)安部は、岸信介コンプレックスだと言われている。
靖国の問題は、A級戦犯合祀だ。シナは靖国にA級戦犯が祀られていることを知りつつ、周恩来と田中角栄において国交を樹立させた。その時、周恩来がどれだけ中国様国内を説得するに苦労したかを、安部は知らない。
そして中曽根内閣で、中曽根康弘が胡耀邦と約束したのは、“靖国参拝とりやめ”だった。
これを翻すことは、日中関係に大きな罅を入れることになる。
そもそもこのような問題が起きてしまったのは、戦後東京裁判以来、日本自身が自らを裁く機会を設けなかったことから始まっている」
器《Utsuwa》
「Revisionist発言・・・
N.Y.Timesの引用(http://www.nytimes.com/2014/03/03/opinion/mr-abes-dangerous-revisionism.html)かな?
でも、N.Y.Timesって、昔からアレだよね?
それでも引用するなら、同じく元N.Y.Times記者であるヘンリー・S・ストークスの『日本人はこうした歴史的事実を認識して、東京裁判の意味を見直す必要がある。いつまでも、その呪縛にとらわれたまま、
自国の歴史を他者につくられることを許してはならない。』という報道があることも、
“公正・中立”に語るべきではないですか?
それに、仮にN.Y.Timesが批判したからといって、日本の国益を損なっている現状をないがしろにできるのか?
更には靖国参拝問題についてシナがギャーギャー言ってる背景について、実のところをハッキリ言えよ!
加えてA級戦犯を(ドイツのように)自ら裁かなかったことを指摘しているが、アンタ本当に日本人か?
日本人が日本国内において、亡くなった日本人を裁くことができると思うか?
今日本がなすべきことは、
日本人の宗教観と靖国について理解を求めるべく、ジャーナリズムを以て世界に発信していくことだろう?
アンタの理屈であれば、大戦中市民大量虐殺を行ったアメリカはどうなる?
ハッキリ言えよ、「
日本は負けたから今こうして理不尽を突きつけられている。それ故に日本は“戦後レジーム”から脱却せねばならない」って。陛下を「天皇」と呼び捨て申し上げてる場合か!
・・・ま、確かに戦後すぐにナチスを裁いたドイツのやり方は、ある意味“うまかった”が、ね。」
【
アベノミクスについて】
高野
「永田町の評価は
A・B・Eだ。
つまり、第一の矢(金融緩和と日銀の国債・リスク資産買い入れ)はA、第二の矢(防災はじめ国土強靱化等財政政策)はB、第3の矢(規制緩和と女性の登用)はE、ということだ。」
器《Utsuwa》
「確かにポリシーミックスとしては、第3の矢は疑問だ。それどころか移民による治安悪化、カジノは在日を利するだけ、実力を問わない女性登用は労働力デフレを加速しそうに思える。
しかし、特区構想はまだ進んでないし、規制のユニバーサル化はいずれ効果を出すだろう。法人税減税や賃金上昇もやっと始まったばかりだし、今はまだ結論出せないんじゃないの?
というかこの第3の矢って、ハッキリ言えば、高村や野田、野中、山崎といった自民のリベラル抑えるために、本来やるべきことができなくなっちゃった結果だろ?
これ、安部先生というより
自民の体質の問題だろうが?・・・だから政界再編は必要なんだよ。嗚呼、
創生「日本」・・・」
高野
「あがらない株価の原因は、
ビル・エモットが言うように「第一の矢で終わり」だったからだ(関連:http://kiyoshi-imai.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-206f.html)。
そこへ
“靖国参拝”。これが210兆の緩和を止めてしまった。
1月2月の株価下落は靖国参拝が原因。
日本の政治的失墜が日本売りにつながった」
器《Utsuwa》
「相互依存経済は兎も角、靖国参拝が株価にどう影響するのか教えてくれ。
既に日本の対中投資は激減してるし、今の株価を引っ張ってるのは先進国、とりわけアメリカなんだがw
靖国参拝するとアメリカ投資家が困るのか?どんなバタフライ想像しても思いつかんのだが?
オバマがそっぽ向いてアメリカ投資家が引き上げる?ならば飯島勲氏が言うように『管官房長官が何かのチャンスを捕えて千鳥ヶ淵の墓苑に献花して、アメリカの顔を立ててやればいいと思う』で済むではないか?
経済って、そんなにヤワじゃないよ?
今の株価下落原因には、確かにアメリカの資金引き上げがある。
しかしその背景にあるのは、靖国ではない。
日本の貿易収支と財政収支、少子化といった構造要因と、キャピタルフライト、ウクライナ・ショックによるリスクマネー回避と消費税が生み出した一時的円高、なんかの複合要因がそれだ。
繰り返すが、
経済とは、そこまで被扇動的な動きではないのだ」
高野
「第二の矢は財政再建をぶち壊すだけだ。預貸ギャップは銀行が原因。緩和された金はドルへ回った」
器《Utsuwa》
「いや、だから公共投資で裾野を広げて経済を活性化、そして税収アップというのはケインジアンの最も有効な政策だろうが?
問題は財政政策ではなく、財政政策と民間活性化のリンクがなかなかうまくいかない・・・つまり、
第三の矢にあると思うのだが?
その第三の矢こそが、オマエ等自称リベラルがくだらない難癖つけて機能不全にしてるんだろうがwww
預貸ギャップはまあ、正しいな。緩和したマネーは、確かに国内投資には使われない。しかしだな、だから故に法人税見直しや特区構想、そしてクール・ジャパンの輸出振興も行ってるんだろうが?
確かに政策にはスピードが必要だが、事の判断にはもう少し時間が必要だろ?」
高野
「第3の矢で、日本は
死の商人となる。第三の矢は、原発輸出・リニア技術輸出・武器輸出だ。これでは実体経済につながらない」
器《Utsuwa》
「
ハァ?(゚Д゚)y─┛~~」
高野
「第三の矢に乗るために銀行にカネを出させるには、ビジネスモデルのおもしろさで勝負せよ。土地担保の拡大再生産の時代は終わっている」
器《Utsuwa》
「これは同感。ただ、拡大再生産を行わせなくしたのは、民主時代の超円高ではないでしょうか?そして海外移転を促した結果、日本経済はどうなりましたか?」
高野
「賃上げと設備投資が起こらないのは、
日本の未来が明るくないからだ。だからカネは海外にまわる」
器《Utsuwa》
「日本の未来の暗雲については、百も承知だ。だから今、我々もこうして綴っている。
特に財政危機が成長性を損ない、国内外の投資を阻む要因となっているのもわかってはいる。
しかしそれでも、
“右傾化w”と日本の経済に“成長性がない”ことに、関連性があるとは思えんぞ?
ま、日本の財政と経済については近いうちにきちんと書こう…もちろん、靖国との関連は一切ないがw」
【
本当の成長戦略とは?】
高野
「中国との連携にある。
世界の中心は、確実に西から東へ向かっている。
今やアメリカが頼りにできるのは日本とイギリスくらいになってしまった。それくらい世界はアメリカを見放している。
一方でアメリカはJIBs(日本、イギリス、イスラエル)を厄介者としてみている。日本は東アジアの安定を損ない、イギリスは欧州の秩序=EUをかき乱す。そしてイスラエルはイランはじめ中東への軍事介入を切望する。
世界が向かうべきは、垂直分業による相互依存経済体制だ。日本が生産財を造り、
韓国が中間財を開発し、
中国様がこれを売る。
それが
経済的にも政治的にも最も安定と成長をもたらす道だ」
器《Utsuwa》
「パクス・アメリカーナの終焉は認める。
しかしそれ以外は…
もう笑うしか・・・
折も折、この講演聴いてるときはセフィル沈没はじめ地下鉄衝突の話題で持ちき り、しかもサムスン会長ぶっ倒れてKOSPIが動揺してるときだった。
そしてシナの経済成長が鈍化している発表も、ウィグルの暴動も騒がれていた。
こんな無茶苦茶な国々に、品管やサプライチェーンの安定なんて誰が期待できる?
SC考えるにしても、
もう少し現実みてからにしろやwww」
以上が講演の概容である。
纏めはやっぱり、
「中華思想と事大主義」でしたなw
次編、まとめ!