スタッドレスタイヤには装着の向きがあるのはご存じですか?逆に装着したらどうなる?

2020年1月24日

スタッドレスタイヤ

本格的な冬シーズンを迎えておりますが、そして同時に必要となるのがスタッドレスタイヤです。ところでスタッドレスタイヤは回転方向性が決められているものが多いことはご存じでしょうか? この回転方向性はなぜ必要か?そして間違って使ってしまうとなにが起きるのか?について考えてみました。

タイヤに回転方向があるのは性能を向上するため

スタッドレスタイヤに限らず、回転方向を定めているタイヤは数多くあります。こうしたタイヤは回転方向を定めることによって、性能を高めることを目的にしています。スタッドレスタイヤにはサイプと呼ばれるナイフを入れたような細いトレッドパターンが採用されています。このサイプが氷上の水膜を除去したり、氷面をひっかくように作用してグリップする仕組みになっています。このサイプの効果などを効率よく引き出すために回転方向が決められているのです。

タイヤは路面が濡れているときなどはその水分をトレッドにあるグルーブ(溝)を使って排水しています。このとき、ストレートグループと言われる円周方向の溝が効果的に働きますが、そのほかにも斜め方向の溝も排水を担当します。たとえばV字の溝がきざまれていたら、V字の頂点から路面に接していけば排水が効果的に行われます。

ドライ路面重視でも回転方向指定はある

スタッドレスタイヤやウエット路面重視のタイヤに回転方向指定があるだけでなく、ドライ路面重視のタイヤにも回転方向を指定しているものはあります。市販用タイヤはレース用のスリックタイヤの溝なしにするわけにはいきません。そこでトレッドの外側には溝が少なめのスリックタイヤのようなデザインを行うという発想です。

スタッドレスタイヤの溝

逆方向に装着したらどうなる?

たとえばフォークを想像してみて下さい。普通にフォークを使うときは反り上がった方を食べものに向かって刺したほうが効率的です。しかし逆側にしたからといって、まるで機能しないわけではありません。タイヤの回転方向はこのようなもので、逆方向に装着したらといって、機能がゼロになるわけではないのです。

一般的に使われる多くの製品は、誤使用の際の安全性も確保されることが重視されています。タイヤも同様で万が一逆方向に付けたからといって、即座に危険な状況になるわけでありません。しかし、大雨のときなどはその効果が低下しますので、やはりきちんとした回転方向で使うことが大切です。

かつてのバイアスタイヤではタイヤのローテーションの際に左右を入れ替えることがありましたが、現在のラジアルタイヤでは同じ側(右なら右、左なら左)で前後を入れ替えるローテションが推奨されています。この方法を守れば、自分でローテーションした際にもタイヤの回転方向を間違えることはないはずです。

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諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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