【意外と忘れがちな換気】走行中に素早く車内の空気を入れ替えるには?

2021年8月13日

空気の入れ替えを知って快適ドライブ!

クルマという閉鎖空間のなかにいると、ついつい忘れがちになってしまうのが空気の入れ換えです。部屋の空気がよどんでいるのが不健康であるのと同じように、車内の空気が入れ替わらずにそのままなのも不健康です。複数人で乗っているときはとくに空気の入れ換えに気をつけたいもの。そこで今回は車中の空気環境についてのお話です。

この記事のPOINT
エアコンの外気循環を活用すると空気の入れ替えが出来る
走行中に窓を対角線上に開けると空気の流れを作ることが出来る

窓を閉めたままでも空気は入れ替わるのか?

クルマのエアコンには内気循環と外気導入の2つモードがあります。このうち内気循環を使っている場合は、基本的に空気は入れ替わりません。内気循環はその名の通り、車内の空気を循環させているだけです。とはいえ、完全に外気が入ってこないわけではありません。車内空間の狭さを考えれば、完全に閉鎖空間としてしまったらあっという間に酸欠になり乗車している人は気を失ってしまうでしょう。内気循環とはいえ、ある程度の外気は入ってきているのです。



一方、外気導入にすると積極的に外気が車内に取り込まれます。ファンを回すとファンの強さに比例した量の空気が取り込まれるほか、走行速度を上げると速度に比例して外気が導入されます。取り入れられた外気に応じて、車内の空気が押し出されます。風などがあまりない穏やかな日に、外気導入でファンを最大に回してクルマの外側(とくに後ろ側)をチェックすると、空気が出ていく場所がわかりますよ。

空気は入れるより出すのが難しい
エアコンにも換気機能がある

クルマは高速で走る乗り物です。地上で秒速20mの風が観測されると強風警報が発令されますが、秒速20mは時速72㎞ですから、普通に高速道路を走るということは強風警報のなかにいるようなものなので、走行中に風を取り入れるのは比較的簡単です。また、ファンもかなり強力です。

逆に、空気を外に出すほうが難しいのですが、これもある原理を利用すると比較的簡単にできます。それは走行中にボディのまわりに発生する負圧。負圧をうまく使うには窓を少し開けることです。大きく開けてしまうと入ってくる空気も発生して乱気流ができますが、窓を少しだけ開けると上手に空気が吸い出されます。ただし、その際の音は発生します。

走行中ならファンを作動せずに空気入れ替えが可能

走行中に窓を大きく開けると、「ボワン、ボワン」という音がします。これは空気が入ったり出たりする音です。逆に窓を少しだけ(1cm弱ぐらい)開けると、空気が出て行くときの「シュー」というような音がするはずです。

負圧はクルマのまわりを流れる空気の速さに影響されるので、前側のほうが強くなります。そのためフロントの窓を少し開けて、その対角線上にあるリヤのドアも少し開けると、フロント側から空気が吸い出され、リヤ側から空気が入ってきます。同じ側を開けるより、対角線上に開けたほうが空気の流れがよくなります。

このようにして空気の入れ換えを行うことで、病原菌やウイルスの濃度も下げることができます。また、停車しているときにある程度車内の温度を上げることで、カビの発生を抑えたり、ダニを死滅させることができます。紫外線による殺菌効果も期待できるので、たまには日なたに停めるのも有効です。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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