リレーアタックって何? 最新の車盗難手口と対策方法について

2020年8月26日

リレーアタック

日本では無頓着になっている人も多いようですが、じつは自動車盗難は頻繁に起きていることです。各社ともに防犯対策を進めているため、減ってきてはいるのですが、それでも2018年で8000件を超える被害が報告されています。そうしたなか、最近問題視されている新しい盗難手口が「リレーアタック」と言われるものです。「リレーアタック」とはどのような手口で、どうすれば防げるか?について解説していきます。

クルマの便利機能を悪用した盗難手口がリレーアタック

昔のクルマは鍵穴に鍵を入れて回してドアを開けたものですが、今はキーを携帯していればクルマに近づいてノブを引くだけでドアロックは解除され、そのままエンジンを始動できます。これができるのはスマートキーを携帯しているからです。スマートキーからは微弱な電波が発信されていて、クルマがその電波を受信することで承認となり、ドアが開きエンジンが始動できます。つまり、キーのボタンを押さないとドアがロックを解除できないタイプのリモコンキーでは、リレーアタックは発生しません。

リレーアタックはこの微弱な電波を利用して車両盗難を行います。たとえば自宅室内にスマートキーを置き、自宅横の車庫にクルマを駐車しているとしましょう。窃盗団は自宅内から漏れてくる電波を受信しアンプで増幅、クルマに送ってドアを開けエンジンを始動し なにごとも無かったかのようにクルマを乗り逃げします。電波を受信して増幅し発信という、電波のリレーを行ってるのでこのように言われます。

リレーアタック

電波を止めればリレーアタックは受けない

リレーアタックが起きるのは電波が発信されているからです。その電波を止めればリレーアタックを避けられます。クルマによっては「節電モード」というものが存在し、節電モードにすればスマートキーからの電波が出なくなるので、リレーアタックはできません。ただ、節電モードからの復帰は「何かのキーを操作すること」で行えてしまうので、普段使っているスマートキーでは設定し忘れやすく、節電モードはあまり現実的ではありません。節電モードはスペアキーで設定するべきなのです。普段使っているスマートキーは別の方法で電波を止めるのがおすすめです。

電波を遮断するキーケースがあります

普段使っているスマートキーは電波を遮断するタイプのキーケースに入れて、クルマに乗るときにキーケースから出すというような使い方が一般的に賢い方法です。こうしたことを考えるとスマートキーであるよりも、従来のリモコンキーで十分だし、安全だと私は思います。

家でスマートキーを保管するときは、電波を遮断するタイプの箱などに入れておくといいでしょう。電波を遮断する箱とは一般的には金属の箱です。金属の箱にスマートキーを入れて、その箱をクルマの近くまで持って行って、ドアロックが解除できなければ電波は遮断されています。

さらに安全性をアップにするには物理的にクルマが動かなくなる方法です。タイヤやステアリングに頑丈なロック器具を取り付けるのは非常に高い効果をはっきします。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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