エンジンのトルクや出力って何? もう一度確認しよう

2018年9月28日

エンジンメーター

クルマの性能を示すさまざまな数値がありますが、なかでも注目されるのはトルクや出力といったエンジンの性能を示す数字ではないでしょうか? しかしトルクや出力といってもそれがどんなものなのか? その2つの違いは何なのか? なかなか理解しづらいものです。そして単位もいろいろあり、わかりづらいものです。今回は、そのトルクと出力がどんなものなのか、もう一度確認していきましょう。

トルクはどれだけの力が出せるかの指標

車のエンジン

トルクはエンジンを計測機につないで計ることができる数値です。エンジンの出力軸を計測機につないで回転を上げていくと、徐々にトルクが大きくなりその様子が記録されていきます。エンジンのトルクは回転数にある程度比例しますが、最近のクルマは低回転でピークに達し、そのまま高い数値を維持するフラットトルクの特性を持つエンジンが増えています。

トルクの単位には以前はkgmやkg-m、kgf-mなどが使われてきました。fが付くのは力という意味で、質量と分けるためのものなので、普通に考えるときは無視して問題ありません。1kgmは1メートルの棒の片側に1kgの重りを付けたときに、もう片方の端にかかる回転力です。エンジンで言えば逆の動きで、出力軸に1mの棒を取り付け20kgの重りが持ち上げられれば20kgmのトルクを発生しているということになります。kgmという単位はメートル・キログラム・秒(セコンド)を基本単位とするMKS単位系なのですが、世界的に単位の表記を国際単位系に切り替えていこうという動きがあり、国際単位だとNmがトルクの単位となります。

Nmはニュートンメートルと読みます。1kgmは9.80665Nmに値しますので、Nm表示されたものは1桁下げれば以前のkgmで表示されたトルクとの比較が楽に行えます。300Nmはだいたい30kgmという感じです。

出力はトルクから計算される値

出力は直接計測するのではなく、トルクに回転数をかけ算して算出します。ですのでフラットトルクのエンジン特性の場合の出力のカーブは、右方上がりの直線になります。

出力の単位はpsが長きにわたって使われてきましたが、現在はkWが使われるようになってきました。単位が変わったのはトルクの場合と同じで、国際単位への移行の影響です。1psは0.750kWで換算します。psというにはフランス馬力と言われ、そのほかにイギリス馬力(HP)などもあります。トルクはNmで表示されることが多くなりましたが、出力についてはまだまだpsや馬力という単位が使われることが多いのです。それは、トルクよりもなじみのある数値であると同時に、kWは電気の単位としてのほうがなじみがあるからではないでしょうか。

低回転で高トルクが今のトレンド

20世紀は高回転高出力エンジンこそが高性能エンジンの象徴のように思われた時代がありますが、今は低回転で高出力なエンジンこそが高性能エンジンと言われています。それはモータースポーツの世界にまで浸透し、とくに耐久レースで使われるようなエンジンは、低回転でいかに高トルクを発生できるかが大きなポイントと言われています。何馬力のエンジンという時代から、何ニュートンメートルのエンジン、と言われる時代に移りつつあるのかも知れません。


(諸星陽一)

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