ミツトヨ(MITUTOYO) , マイクロゲージ M110-25
前回に引き続きバルブクリアランス測定のための工具をご紹介していきます。
知る人ぞ知るミツトヨのマイクロゲージでございます。この品番は0.00~25mmまでの厚みを0.01mm(大雑把なら0.005mm)単位で測定できる計測工具です。25mm以上の物を測る場合は別の品番の工具を新たに買う必要があります。
もちろんこれら測定工具も、先にご紹介しましたシックネスゲージと同様、得体のしれない中華製や日本のメーカーが中国で作った製品もありますが、どうやら測定精度がかなりあやふやなようなので、今回も精度に勝るにミツトヨの日本製をチョイス。
冷間時のバルブクリアランスは0.01mm単位のレベルで合わせていくので、精度がでない製品ははっきり言って使い物になりません。しかも直打式のバルブの測定・交換は非常に面倒な作業を伴うので、そう何度もやれるわけではありませんし。
ということで、下部にバルブクリアランスを測定した結果やら、合わせて同時にチェックいたしましたカムシャフトの受け軸部分=ベアリング部分の写真をいくつか掲載いたしました。
本来ならこれらは整備手帳に掲載すべきところですが、字数制限はないものの整備手帳の掲載画像は最大でも50万画素前後しか掲載できず、鮮明な写真が載せられないので、あえてここに掲載しています。ここなら150万画素ほどの写真を掲載できますので。
本来の撮影写真はここに掲載しているのとは比較にならないほど鮮明に撮影されていまして、スレの様子とかがビックリするほど良く分かるのですが、撮影写真の余白は極力切り落として (トリミング加工)、現時点では最大限高画質になるようにしました。
ところでここに掲載した受け軸のスレの様子とかの写真ですが、私は整備士ではないので、エンジン回転数が元々から高めの軽四車で30万kmも走ればまあこんなものなのか、あるいはこれはかなり劣化しているのか経験が無くて全く分からず、詳しく分かる方がおられるなら見ていただこうとの趣旨で、ここに掲載いたしました。
ご意見等がありましたら、遠慮なくコメントでご指摘くださればうれしく思います。
ちなみに両方のカムシャフトを新品にしますと3万円弱で(以前6万円と書いていましたが、当車の場合は33800円+消費税の間違いでした)、詳細にカム山を見ると、目を凝らしても分からないほどの段付き摩耗が見られました。
いちおう真ちゅう磨きで清掃してみましたが、焼き入れがなされているカム山の修正なんて土台無理なので、タペット動作音の低減には新品交換するしかないようです。我が車は車中泊などのアイドリング状態が多かったから、カム山の段付き摩耗も仕方なさそうです。
現在の使用しているエンジンオイル 100%PAO系のモチュールの8100エクセスなら、極圧性能が良好そうなので摩耗は最低限に抑えられると思われます。
また新車から装着されていたバルブリフターの厚みは本当にバラバラで、クリアランスの測定結果も非常にバラついており、リフター内部に油膜が残っているのか、あるいは新車装着時の測定がいい加減なのか、カムシャフトの受け軸が摩耗しているのか不明ですが、インテークの指定値0.18mm、エギゾーストの指定値0.30mmを下回っている計測値もあり、ちょっと首をかしげざろう得ない測定値も見受けられます。
とりあえず今回初めてリフター厚まで測定できましたが、当然交換部品はこれからということなのですが、もう目前にエンジンオーバーホールをする予定なので、とりあえず誤差の大きいインテーク側の、同一気筒内の左右リフターのみ入れ替えまして元に戻しました。
そしてもう一度面倒なバルブクリアランスを全て測定し直し、合わせてバルブリフター厚も記入しておきました。
エンジンのオーバーホールは主に腰下を中心にと考えておりますが、作業時間が十分に取れたり、あるいは内部の様子や成りゆきによっては腰上整備や、後日カムシャフト自体の交換もやる可能性もあるので、最終的なクリアランス調整は全て終了した時点で、もう一度精密に測定し基準値にピッタリ合わす予定です。
とりあえず今回は基準点から大きく外れている2つのバルブリフターのみ交換し (赤印)、その効果を観察することにします。ちなみに基準値からかなり外れていたIN側の左右リフターを入れ替えただけでも、エンジン音がかなり滑らかになったことを申し添えておきます。
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前項に引き続きバルブクリアランスのお話が続きます。一部分は前項と同じ写真を掲載しています。
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-ドライバーを活用しタイミングチェーンの張力開放に成功。これでバルブリフターの厚みが調べられます。
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タイミングチェーンが落ちないよう、駒ずれしないようひもでくくりつけ、カムシャフトも取り外し。
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誤差が少なく正確なミツトヨのゲージで全12個とも測定。摩耗量は0.01~0.02mmの範囲内でした。
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バルブクリアランスの測定結果に、バルブリフターの厚みを追加で書き込み。しかし使用サイズがバラバラ。
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さてカムシャフトの状態も詳しく観察していきます。こちらは排気カムシャフトを丸写ししたもの。
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排気カムシャフトのチェーン側。チェーン横のベアリングはきれいだが、No.2・3・4番はかなり筋が。
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排気カムシャフトの3番と4番のベアリングもかなりこすれ跡が。涙目のカム山は比較的綺麗なのだが。
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3番のカム山とリフターの中を撮影。中の突起を触ると爪で引っ掛かるので測定結果よりさらに摩耗してそう。
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シリンダヘッドを拡大撮影。こちら側はなぜかベアリング部分に筋は無く、とても綺麗でした。
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吸気側カムシャフトのNo.1ベアリングキャップ。オイル通路はきれいだがわずかにスレが見られます。
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排気側のベアリングキャップを撮影。カム山のキャップは大きくスレています。単品では部品が出ない模様。
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猛暑の中へたばりながらも、とにかくいろいろ観察し写真撮影すると日没となり、元通りに組み立てました。
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今回はリフター厚を初測定したので部品は用意しておらず、IN側の左右リフターのみ入れ替えて再度測定。
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作業完了後、問題は無いか軽く試走。道中にて299800kmに。30万kmまで残り200km。
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