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ひでじゅのブログ一覧

2023年02月13日 イイね!

Scorpion EXO Covert系 合皮素材の加水分解のお話

Scorpion EXO Covert系 合皮素材の加水分解のお話今回の投稿は、ストリートファイター系ヘルメットとして長く愛され続けている海外モデルのひとつ、Scorpion EXO Covert/Combat(スコーピオン・エクソー コバート、欧州名:コンバット)を例とした、加水分解(かすい-ぶんかい)に関する記録。

この記事が、当該モデルのみならずScorpion EXOや同シリーズのモデル群、ないし海外ヘルメットに興味・ご関心をお持ちの方々への何かしらのご参考になりましたら幸い。もちろん、バイクグッズやアウトドアグッズに多数、用いられている樹脂素材との向き合い方についてお考え中の方にも、何らかのお役に立てましたら幸い。

■加水分解って知ってるかい?

――と、知ったかぶりをかましたい気持ちは山ほどあるものの、わざわざ場末の当コンテンツまで来られるような方々が『加水分解』をご存じない訳が無い――と判断し、一連のうんちくは、すっぱり割愛。

――で。
今回の加水分解の記事の素材となってしまったのが、冒頭でご紹介したスコーピオンのコバート。実際の状況が、こちら。



インナーパッド(※コバートの場合、この部分はネックパッドと呼称)の下面を覆うように用いられている合皮装飾の樹脂素材が、経年の劣化による崩壊を始めている。

かつて集英社の週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画『ピューと吹く!ジャガー』における劇中での描写が元ネタのネットミームのひとつに「おちつけ…大丈夫こんなもんだよ」から始まる切ない独白の一コマがあったりするのだが、この状況は正に、それ。

ちなみに、日焼けした後の皮膚のごとくペロリと浮いている合皮の表皮だが、これは下地である樹脂の層から表皮の層が完全に剥離している証拠。つまり、表面を覆っている合皮素材だけでなく、その下にある下地の層も、激しく劣化していることを意味している。

■遅ればせながらヘルメットの概要のご紹介

Scorpion EXO Covert/Combatについて、かいつまんでお話を。
”EXO Covert”、もしくは”Combat”は、2016年にアメリカ、および各国にて発表・発売されたストリートファイター系モヂュール(モジュール)ヘルメットの一種。名称が複数ある理由は、スコーピオンEXOの販路の都合による(※当該モデルの場合、北米と世界市場向けがコバート、欧州向けがコンバット)。

当時、既にストリートファイター系の始祖たるBell Rogue(アメリカ、2013~)とShark Raw/Drak/StreetDrak(フランス、2013~)が2TOPを形成していたヘルメット市場に、一部から『三匹目のドジョウ』などと揶揄されつつ投入されたコバートだったが、登場するや否や、その攻めに攻めた外観が世界中のマニアから注目を集め、ローグおよびロウと肩を並べられるほどの立ち位置にまで、一気に躍進。

・参考画像 ストリートファイター系モヂュールヘルメット 第一世代


『ジェットヘルメット+フェイスマスク(ないしゴーグルのセット)』、というストリートファイター系の概念に『インナーバイザー(格納式サングラス)』を付け加えた当該モデルは、デュアルスポーツ系を含む後続のモヂュールヘルメット群に大きな影響を与えたように見える。なお、ストリートファイター系モデルの同世代の製品として、Caberg Ghost(イタリア、2016~)が存在する。閑話休題。

・参考画像 ストリートファイター系モヂュールヘルメット 第二世代

登場から長きにわたりメーカーのラインナップに加わり続けてきたコバート/コンバットも、さすがにモデル末期。2023年現在、純正オプションパーツの在庫も欠品が目立つような状況にあり、メーカーも恐らくは同型モデル『EVO』を経て後継モデル『X』『2(※欧州向けCombat)』などの派生商品を主軸に据えたい(挿げ替えたい)のではないだろうか――などと思ったり思わなかったりする今日この頃、自分が所有している2017年購入のモデルも既に5年以上の月日が経過したところで、今回の破損・崩壊を迎えた次第。どこも「かいつまんでいない」というのは、ご容赦いただきたく(打ち込んでいたら止まらなくなり推敲を放棄)。

■加水分解が生じた樹脂との向き合い方は「除去」一択

ここで話を本題に戻し、加水分解を迎えた現物、および現実と向き合い直す。

結論から先に書くと、選択肢は『樹脂が構成していた合皮の部分を全て除去する』、の一択。崩壊した合皮素材を元に戻すことは不可能であるため、修理・修繕とは全く異なるアプローチをする他は無い。これは、経年の劣化により表面がグズグズ・ねちょねちょな状態に陥ってしまったマットペイント・グッズへの対処に似ているが、より抜本的な対策がとれる分だけ、こちらの方が遥かに作業が楽だったりもする。



そんなこんなで、ペロリと浮いてしまっていた表皮の部分を剥ぎ取り、下地を構成している(構成していた)グレー色の樹脂層を露出させた様子。ところどころ薄いクレーターのように点在する段差は、表皮の除去の際に、土台(下地)の樹脂が崩れたところ。

実は、加水分解の被害で最も厄介なのが、この下地層の崩壊。日焼け後の皮のようにペリペリと脱落していく表層の脱落は、着衣や器物の外観の印象を大きく損ない、また、場合によっては機能そのものを失う事にも繋がりかねず、厄介と言えば厄介なものに違いないのだが、多くの場合、下地層の樹脂の劣化が及ぼす面倒臭さは、その比では無かったりする。どれくらい面倒かと言うと、「押し固められていた泥団子の土砂が乾燥と共にボロボロと崩れてくるような風景」を思い描いていただければ、その厄介さがお分かりいただけるかも知れない。

■合皮素材の除去方法・ひたすら擦り落とす&削り落とす

合皮を構成する樹脂は、加水分解という化学反応によって異常に脆く、崩れやすくなっていることが珍しくないが、それは部位ごとに異なるもので、今回のヘルメットのインナーパッドのように「左側はグズグズだが、右側はピンピンしている」といったことが、多分に起こり得る。そうした場合、合皮素材の除去として行う「擦り落とす」「削り落とす」という作業工程に相応な負担が伴うことになりがちなのだが、ここで重宝するのが、次の画像に写っている軟質樹脂製のブラシ。



この樹脂ブラシは、ホームセンターや百貨店、もしくは雑貨店や100円ショップなどにおいて『カーペットブラシ』といったような商品名で取り扱われていることが多い商品。ブラシの毛に相当する部分が、まるでゴムのごとく軟質な樹脂で構成されている点が特徴で、敷物や着衣などの対象物を過度に傷つけることなく、それらに付着している動物の体毛や小さなゴミなどといった異物をかき集めることが可能という、なかなかの逸品。

この類の樹脂ブラシは、お高いところで700円~、お安いところで400円~110円などと価格に大きなバラつきがある訳だが、これは「ブラシと柄の素材が異なっている高級志向の商品(※本物)」から「全体が軟質樹脂で出来ている一体成型の廉価版(※粗悪コピー品含む)」まで類似品・亜種が数多く存在するため。こだわりがないならダイソーやキャンドゥといった100円ショップブランドのお品物で十分、とだけ、書かかせて頂く。

脱線した話を戻させていただくと、加水分解が生じた樹脂を除去する作業において、この軟質樹脂ブラシを用いると、作業時間が大幅に短縮できる。念のために補足しておくと、主に使用する事になるのは先端付近の、固めの毛足のところ。ここでゾリゾリ擦る事で劣化した合皮層は大抵、除去できる。効果はばつぐんだ。
20分間~30分間を要するであろう除去作業が20秒~30秒で終わることすらある――と表現すれば、自身が抱いている、この価値観を少しでもお伝えすることが出来るだろうか。大事な事なので、繰り返したい。効果はばつぐんだ。

そんなこんなで、実際の除去作業を終えたパッドの様子が、こちら。



「最初からこういうヘルメットだ」などと言い張れそうな勢いで違和感のない除去が出来たと、自画自賛したい自分がここにいる。

この「合皮の部分を丸ごと全て除去してしまう」という選択肢は、例えばバッグの持ち手やベルトの保護カバーなどを構成している合皮の部分が加水分解によってグズグズになってしまった場合に用いることが出来るもので、有名ブランド品や外観的な価値を有するグッズで無い限り、ほとんどのケースで「実用レベルで妥協できる状態」に持って行くことが可能。また、合皮素材の除去を手指やスクレーパー(※プラスチック定規などで頑張る方も少なくない)で行われる方もおられるかとは思うが、そこは是非、騙されたと思って前述の軟質樹脂ブラシを活用して頂きたく。しつこいが、効果は(ry



カメラを引いた、全体の様子。
見た目の違和感を防ぐ意味で左右のバランスを取る必要があったため、比較的、素材が無事な状態にあった反対側のネックパッドの合皮部分も全て、除去してある。この「比較的無事な状態」というのは、言い換えれば「加水分解の度合いが低い=合皮が頑丈=そう簡単に崩れない・剥がれない」というコンディションなため、素材の除去には相応の労力を要することになる訳だが、そこは上述の軟質樹脂ブラシさえあれば(ry

■別にスコーピオンEXOのヘルメットが悪いという訳でも無いというお話

既に本文の冒頭からここまでをお読みの時点で、お気付きの方も、おられる事と思うが、今回の作業でご紹介しているオートバイ用ヘルメットは、その消費期限の概念から見た場合、とっくの昔に寿命を迎えていたりする(2017年に利用開始 → 5年後=2022年中が使用期限)。

――というわけで、あっちもこっちもグズグズという悲劇的な結末を迎えたからと言って、スコーピオンEXO USAや母体たるKIDO Sports(※韓国の巨大企業の一角)の品質を批難する必要は、これっぽっちも無い。むしろ、樹脂の加水分解を「良くも悪くも、目で見ることが出来ないヘルメット本体の寿命を露骨に教えてくれている、ある種の目安のようなもの」と考えるのも決して、悪くはないのではないかと考える。



チンストラップのカバーの劣化の様子。
なまじ、帽体を構成するPC(ポリカーボネート)素材などの劣化が全く視認できない分、これら合皮の痛みっぷりばかりが目に付いてしまい残念な気持ちになる訳だが、上に書いた通り、これはヘルメット本体の寿命を(目で見て分かるように)教えてくれている、と解釈するべきなのかも知れない。

■とかなんとか知ったかぶりつつ保護艶出しを施し丁寧に仕舞って終了

いやーまいったなー寿命だわーつれーわー

などと知った風な口をほざきつつ、きっちり静電気抑制成分が含まれた保護艶出し剤を用いて帽体とバイザーを清掃・保護艶出しを施し、作業完了。



結局、何をお伝えしたかったと言うと、恐らくは次の3点。

・海外ヘルメットに用いられている合皮部分は、3年~5年後に崩壊する
・かと言って嘆くことはない(≒その時点でそのヘルメットは寿命を迎えている
・軟質樹脂ブラシは1本くらい持っていてもバチは当たらない

余談ながら、スコーピオンEXOのコバート/コンバットは、サイズ選びが難しい。
何故なら、USとEUで、サイズ表記が異なっている(いた)から。

・USサイズ → Lサイズ:59-60cm(センチメートル表記)
・EUサイズ → Lサイズ:58-59cm(同じくセンチメートル表記)

実物に貼付してあるサイズラベルには間違いなく「59-60」と印字されているものの、どう考えても、このタイトさは異常。ハットサイズ59cmの自分の時点で孫悟空のごとくキリキリと締めあげられている(着用から40分間~50分間後に痛みでヘルメットを脱ぐことすらあるレベル)ことから、普通に考えて「58-59」が正解なのでは?――という疑いが、未だに残っている。

もちろん、スコーピオンEXOのモデル全てがそうという訳でなく、Covert/Combat系の一部(ないしすべて?)のサイズがおかしいのでは、というのが、自身の抱いている疑問。以降、スコーピオンEXOのヘルメットが注文できずにいるのは、このサイズ問題が解決できずにいるから。

海外セラーの指針に従い1サイズ上げのXLを選択するというのが無難というか賢明というか、間違いない選択なのだとは思うが、なんか負けを認めるようで納得がいかない。誰と勝負してるんだ。
Posted at 2023/02/14 15:37:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記
2022年01月30日 イイね!

車両盗難 大阪府 尼崎市 日産 グロリア トラックバック

この記事は、盗難車情報探してるみたいについて書いています。
Posted at 2022/01/30 12:13:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2021年07月17日 イイね!

使い勝手が良くなっているという新しい保護艶出し剤

この記事は、新しくなったエックスマールワン、試してみませんか?について書いています。




熱心な皆さんの記事を拝見し、リンク元を閲覧したところで、かのカー用品メーカー・プロスタッフから定番の保護艶出し剤のひとつ『エックスマールワン』がリニューアルされたことを、今更ながらに知る。

「塗って拭くだけ」ないし「塗り伸ばすだけ」というプロスタッフ・タケハラのシリコーン系保護艶出し剤の類は、自分の大好きなカーケア・グッズのひとつで、それは、さかのぼれば同社の名作・スリキズ消しスポットスプレーあたりから「手元(物置)に無かった日は一日も無い」という状況が続くほど。短命で終わったフリーウォッシュのような品物もあれば、その直後に後継品のようなグラシアス クレコが市場に投入されるなど、プロスタッフの商品は飽きることが無く、そのあたりも、自分が同社の製品を追い続ける要因になっているようにも感じる。

かのキイロビンにゴールドが登場したときは、その劇的な変貌っぷりに思わず吹き出してしまったが、その笑いは決して失笑のそれではなく、長年にわたって築き上げた信頼と実績をもつ定番商品すら改善の手を緩めない、その同社の探求心と向上心のあらわれに感動したため(※)。発売から10年を迎えようかというタイミングで続々とリニューアルされた定番商品のCCウォーター系に続き、エックスマールワン・シリーズも刷新されると聞いてしまったからには、期待せずにはいられない。

※…キイロビン ゴールドは、無印キイロビンに対して体感で「数倍は楽ちん」というレベルの作業性の改善を実現させており、使い比べると、その違いに思わず笑ってしまう)

余談。
エックスマールワンと言えば、旧商品のスプレーノズルは長期間の使用において噴霧が正常に行われなくなる傾向(液剤が霧とならずに、ピューッと勢いの良い線状で噴出されるようになる・結構な確率で遭遇)があったりなかったりしたのだが、リニューアル品は、そのあたりもどうなっているのか興味がある。
Posted at 2021/07/17 08:14:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 洗車 保護 艶出し | 日記
2021年05月02日 イイね!

海外通販 AliExpress 不良品に遭遇した際の対処 Dispute 紛争メモ

海外通販 AliExpress 不良品に遭遇した際の対処 Dispute 紛争メモ今回の投稿は、これまた整備手帳に投稿するには微妙に筋違いな印象が否めず、しばらく放置したままとなっていた、海外ヘルメット関連の記録。先に、経緯と結果を書くと、おおよそ次の通り。

・海外ECサイトのAliExpressにて海外ヘルメットの部品を注文
・商品到着 → キズのある不良品と判明
・販売店に連絡 → 店「ごめんなさい。輸送中に傷がつくことがあります。返品・返金の手続きをしてください」
AliExpressにおける返品は返送料が購入者負担になることが多い ← ※重要※
・返品ではなく代金の一部払い戻しを提案 → 店「できます。手続きをしてくだい」
・手続き開始 → 運営が採決 → 一部払い戻し決定 → 返金を確認

――という流れ。

この記事の内容が、海外通販サイトを通じた海外製品の購入に興味をお持ちのお方や、海外ヘルメットおよび、その別売品に関心をお持ちのライダー各位の後学の種にでもなれば幸い。



・AliExpressにてLS2 HelmetsのShield visorを注文 → 不良品が到着の巻

発端は、中国の有名ECサイト・AliExpress内での買い物。
注文した商品は、海外ヘルメット好きの間では比較的、知名度が高めのブランドのひとつであるLS2ヘルメットのフリップアップ・モデル、FF900 Valiant II(バリアント2)向けの交換用シールドバイザー、イリジウムクロームのゴールド。

■参考画像:LS2 Helmets Iridium chrome shield visor for FF900 Valiant II (Valiant 2)

FF900は、2021年初夏時点で日本未発売のモデルのひとつ。
本体は言うまでも無く別売品も海外から入手することになるが、ここで問題となり得る要素が、送料。最安で1,000円台の前半、高額な場合は5,000円台に達するところも珍しくない状況なので、所要時間の長さと事故の発生率の高さといった不安要素には目をつぶり、価格面で優位にあるAliExpressからの入手を選択した次第。

支払はPaypal(ペイパル)の日本円払いで、お値段は31.99USドル≒3,660円。
当該商品の世界的な実売価格は、日本円換算3,500円~。送料&手数料込みで見るならば、まず安い。参考までに。

注文から、約3週間強で日本に到着。
その日のうちに開封し、点検してみると、これが傷の入った不良品であることが発覚。

■参考画像:イリジウムミラーコートの表面の小傷

問題の傷は、製造元の保護フィルムシートで覆われていた範囲の中にあり、見つけた際は異物――ゴミか、もしくは単なる汚れか何かと考えたのだが、レンズ拭き用のクロスを用いても変化がなく、よくよく観察すると、ただの傷。
残念ながら損傷は表層を突破しており、イリジウムクロームの被膜が剥がれてしまっている。

■参考画像:ミラーシールド表面の小傷の位置※保護フィルムを戻した状態

前述の通り、傷の位置は保護フィルムシートで覆われていた範囲内。
しかも、このシールドバイザーは冒頭のタイトル画像に示す通り、フィルムシートに加えて保護紙でも覆われていたため、配送中の接触・衝撃によって被った破損でないことは明白。
言わば、メーカーから製品として出荷された時点で傷が存在していた=不良品であった可能性が高く、即、販売店へ連絡を取ることに決める。

AliExpressには、購入者と販売店との連絡をチャット形式で行うことができるメッセージ機能が用意されている。商品の傷に関する報告と、交換ないし返金を含む対処を求める旨を英文で送信したところ、約2時間という僅かな所要時間で販売店からの返信を受信。

> so sorry , it may be scratched during the shipping way
> please open a dispute to ask for return and refund


販売件数の多さに相応しい迅速かつ誠実な提案はありがたいが、AliExpressでの買い物におけるreturn and refundという不良品への対処は「返送料を購入者が負担する返品」を意味することがあるので、それは、こちらが望むところではない。
考えた末、その晩に「こちらが送料を負担するのであれば返品は希望しない」「支払った代金の一部払い戻しを希望することは可能か」と返信。

翌朝、販売店からの返信を受信。

> then you can open a dispute , choose the reason of "Scratched Item", to get a partial refund

販売店からの承諾を得ることが出来たため、partial refund(一部払い戻し)を目的とするdispute(議論)の手続きを開始する。



・AliExpressでのdisputeの手続き → 商品を返さず一部返金を希望するの巻

AliExpressの利用者の間でdisputeという言葉と行為は「紛争」という翻訳で広く知られており、それは実に物騒な印象が否めない表現だが、disputeの実態は中立の第三者=AliExpressを伴う議論であり、売買上の問題を解決する目的で行われる論争。Yahoo!ショッピングや楽天市場などよりも遥かに購入者保護という運営の概念を実感できるという点で、このdisputeというシステムは代え難いものに思う。閑話休題。

disputeの申請を行うにあたり、まずはAliExpressにおける購入履歴を閲覧し、当該商品の注文詳細を画面に表示させる。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(1)

表示の右端に設置されているものが、手続きへの入り口であるOpen Disputeボタン。このOpen~というのは、
・Open War → 開戦(戦争をはじめる)
・Open Dispute → 紛争をはじめる(≒開く)
――のOpen~。
余談だが、日本向けAliExpressにおける謎翻訳システムは、この「Open Dipute」を「公開紛争」と表記することがある。そのため、一部の日本人ユーザーの間では今も、Open Disputeは公開紛争と語り継がれていたりもするのだが……、じゃあ、その紛争は全体に公開されているのか?というと……うん…うん?

そのほか、諸々のまとめ系サイトで見かける「Open Disputeのやりかた」という表現についても、
・「Open Dispute」のやりかた → 「紛争をはじめる」のやりかた
――といったカタコトな日本語みたいになってしまうと思えるのだが……。ニホンゴの書き方のヤリカタ、ベリーとても難しい。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(2)

disputeをopenするボタンをクリックすると、まずは購入者(buyer/バイヤー)として何を望むのか、「払い戻しのみ」もしくは「返品」の二択を通じて、AliExpressへと申告することになる。
冒頭に記した通りAliExpressにおける「返品」とは返送料の自己負担を意味する行為となる場合もあり、また、今回は返品は考えないことに決めたため、ここでは「品物を受け取る」ことを大前提とした「払い戻しのみ」を意味するRefund Onlyを選択し、disputeの手続きを進めていく。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(3)各種申告の内容とRefund Amountを決める

ここからは、画面に用意された選択肢を介しつつ、Refund Onlyに至った経緯をAliExpressへと申告していく。今回は、販売店からの指示に従い、
Refund (払い戻し) の
Request (依頼) の
Reason (理由) として
「破損した商品」 → 「擦り傷がついた商品」を選択する。

この前後の画面はAliExpressの仕様として日本語と英字表現が混在し、意味合いがメチャクチャに表示される項目が発生することもあるため、ブラウザの表示を任意に切り替えテキストボックスの確認を、ひとつひとつ行っていった方が無難。

なお、このdisputeの手続きの初っ端で「販売者が送ってきた指示には従うな」といった助言・苦言を呈(てい)するAliExpress上級者も存在するが、これは場合によるものなので、どの言葉も鵜呑みにせず、落ち着いて検討することをオススメしたい。仮に、それが「荷物が届きません。返金してくれますか?」というdisputeにおいて「分かりました。ではDid you receive the item?の項目にYesのチェックを入れてください」といった指示を送ってくるような販売者のメッセージであったとしても(※)。

※……AliExpressでのトラブルにまつわる都市伝説のひとつ。まるでコントのネタ。
客:荷物が届かないよ。返金してくれる?
店:OK!じゃあ運営から「荷物を受け取りましたか?」と聞かれたら「YES」と答えてあげてね!


然る後、払い戻しとして要望する金額を任意に考え、入力を行う。今回は、
(1)損傷の度合いは軽微(傷は小さく、事実上、一か所のみである)
(2)シールドバイザーとしての機能に、差し障りは無い
(3)しかし傷の位置が悪い(真正面、外からも内からも視界に収まる)
(4)新品のシールドバイザーとしては、許容しかねる品質
といった明確な根拠を伴う主張をしつつ、欲張るつもりは無い≒折半(15.99USドルの払い戻しを提案)で痛み分けを望む――といった形を取ることを決断。

このあたりで出てくるproposalとは、自分(buyer)ないし相手(seller)が運営(AliExpress)に行う提案――噛み砕くと「今回の話し合いの場における自分からの提案」を指す言葉。
・sellerの提案 → return and refund(返品を受け付ける、その品物が戻り次第、払い戻しを行う)
・buyerの提案 → partial refund(返品したくないが不満がある、15.99USドルの返金で手を打たないか)

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(4)用意したEvidenceを送信

残す工程は、実際の損傷の度合いをAliExpressに伝えるべく具体的な状態の申請、およびevidence――すなわち「証拠」となる静止画(上限3枚)ないし動画ファイルといった素材の送信、となる。

当該項目はAliExpressのヘビーユーザー、特に商用を目的とする利用者にして「受領品の開梱作業を動画で撮影しておかないなんて考えられない」とまで言わしめる、AliExpress上での売買で特に重要とされる要素のひとつ。その理由は「後で、大変な目に遭うかも知れないから」なわけだが、事例によっては「開ける前から開けたあとまでノンカット(ワンカット)で撮影したビデオ映像がevidenceとして認められなかった」という報告例もある(※)ので、何事も過信は禁物。

※……海外での都市伝説的な報告例のひとつ。どう考えても自分が注文した品とは思えない重量の荷物(※文脈から察するに「異常に軽かった」模様)が届いた海外のバイヤーが、念のために動画を撮影しつつ開梱したところ、危惧した通り、その箱の中には望んでいない別の品物が収められていた。早速、そのバイヤーは記録した動画ファイルを根拠にdisputeを申請したのだが――運営からのproposalは「返品なし・返金0円」という予想外の内容。そして、そこには「提示された動画では、届いたとされる荷物と、その品物の寸法が確認できない。」といったアンビリーバボォな回答が添えられていたという。

話を戻すと、evidenceで意識したいのは「上限3枚」に設定された、静止画の投稿数の制約。不明瞭な申告で第一印象を損なうことは避けたいので、可能な限り、物品の撮影方法やファイルの選抜は、慎重に行いたい。高性能なスマートフォンを所有している購入者であれば、無理に静止画にこだわる必要は無く、明るい場所で不良個所を撮影した方が手っ取り早く、かつ、確実。

――というわけで、各項目に誤りや不適切なものが含まれていないかを点検し終えたのならば、ここでdisputeをAliExpressに送信、submit(提出)ボタンを押下する。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(5)Dispute in progress

すべての項目を正しく申告することが出来たならば、disputeのproposalはAliExpressへと伝わり、画面はAliExpressの処理待ちを意味するDispute in progress――議論の進行・待機状態へと移行される。

今回の場合は、
(a)購入者 → 商品に傷があるので15.99USドルを払い戻して欲しい
(b)販売店 → 購入者が返送料を負担して返品してくれたら返金で対応する
といった互いの要望&対処の提案に対し、AliExpressがどれだけ擦り合わせをしてくれるか――そこが焦点となる。

揉め方によっては数日を要することもあるらしい待機期間だが、今回はあっさり、半ば即日とも言える早さで、AliExpressからのproposalが到着する。それが、次の画像。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(6)紛争拡大――両方の返事を待つ

「紛争拡大」――ますます物騒な表記になっているが、この段階でAliExpressによる各提案の調査・精査が行われ、運営としての解決案が、購入者、そして販売者へと提示されることとなる。では、実際にどのような内容が提示されることとなったのか、それは詳細表示から確認できる。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(7)紛争拡大――承諾するか否か

こちらが、詳細画面。前述した(a)と(b)のproposalが、そのままAliExpressによって汲み取られた格好となっている。提案された内容が不適切だと見なされた場合、ここで購入者ないし販売者のproposalがAliExpressに汲み取ってもらえないこともあるようで、例としては「全額払い戻し」のproposalが受け入れてもらえず「半額の払い戻し」といった減額が行われた――などという事例が挙げられるようだが、今回は無事に提案を承諾していただけたようで、一安心。

さて、AliExpressから提示された二つのproposalのうち、そのどちらかを承諾し、採決を求めることになるのだが、こちらとしては無論、自身の提案である「15.99USドルの一部払い戻し」のproposalを、Acceptすることになる。必要項目を選択し、Acceptボタンを押下すると、次の画像の通り、大きなダイアログが出現するのだが、カタコトの英語力でも何となく理解が出来そうな――お察しのとおり、これは「一度Acceptしたら、もう戻れないよ?それでも続ける?」という、警告的な内容。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(8)英字とカタカナのマリアージュ

片や英字、片やカタカナというマリアージュ状態のダイアログの内容を確認し、あらためてAcceptを実行すると、こちらの意思の伝達が確定する。詳細画面は更新され、残すところは先方――つまり、販売店が、どのような選択をするかにかかってくる。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(9)相手の出方次第、結果待ち

――ただし、詳細画面の意味するとおり、今回のdisputeは販売店の主張(≒反論)が無く、また、どちらかと言えばAliExpress任せとも解釈できる内容であり、恐らくはAliExpressのjudgmentですの任せになるのではないか――と勘ぐっていたのだが、結果として、その妄想は当たり、週末を挟んだ三日後にはAliExpressによる採決が下されるかたちとなった。

結果は、こちらのproposalが通り、15.99USドルの一部払い戻しが確定。

■参考画像:AliExpressのOpen Dispute(10)半額相当のpartial refundでFinishedです

新品のヘルメットに傷がついたシールドバイザーを付けるというのも、ちょっとアレな気分な訳だが、約50%OFFのアウトレット相当の品を購入したと考えれば、それはそれで納得できなくもない――かも知れない。考え方次第かな。

ちなみに、PaypalによるUSドル → 日本円への換金手数料(正しくは通貨換算手数料=4%)が差し引かれることから、15.99USドルの払い戻し処理が行われた場合、純然たる50%OFF相当にはならず、若干ながら自身が損をする格好となる・なった。手練れの方などは、そういった手数料分を差し引きに加算するそうだが、自分は心証の点も含め、proposalは折半で良かったと考えている。

それにしても、LS2のシールドバイザー絡みの不良品との遭遇は、これで四度目。NUVOブランドのアンチフォグスモークシールドの表面に小傷×1、交換してもらった同等品に小傷×1、FF900用のピンロックシートに傷×1、そして今回のFF900用イリジウムミラーに小傷×1。しかも、ここには投稿していないが、今回のシールドバイザーは、なんと内側にも小傷がついていた。もう、なんとかしていただきたい。本当に。

■参考画像:おまけ:AliExpressのOpen DisputeからFinishedまでの流れ

参考までに、経緯と結果を示す履歴表示を添付。
2021年04月21日 イイね!

冬物着衣のお手入れ・化繊インナー&アウターウェアの毛玉取り テスコム 毛だまトレタPRO KD901-W 毛玉クリーナー 改訂版

冬物着衣のお手入れ・化繊インナー&アウターウェアの毛玉取り テスコム 毛だまトレタPRO KD901-W 毛玉クリーナー 改訂版今回の投稿は、整備日誌にアップロードするには場違い感が甚だしい(はなはだ-しい)ネタゆえ、こちらのブログを選択することにした、着衣のお手入れの記録。

ぶっちゃけて表現すると、記事の内容は「冬物の毛玉処理」。ライダーはもちろんのこと、がっつり屋外作業に従事しておいでのお方や、屋内外を忙しく行き来するようなお方などに広く愛用されている化学繊維素材のウェアにおいて、何をどうやっても必ずついてまわってくる厄介な存在、『毛玉』のお手入れのお話。

タイトル画像に写っているのが、作業の主役である毛玉クリーナー・KD901-W。

このモデル900番台は、理美容・調理家電メーカーであるテスコムが提案する『毛だまトレタ』シリーズにおけるフラッグ・シップに相当するもので、商品名は『毛だまトレタPRO(プロ)』。メーカーによる価格設定は、税込4,378円。ネットショップなどを見る限り、実売価格は4,000円弱~3,000円台の半ば(※送料含まず)で、ポイント制の実店舗であれば、そのポイントの差し引きで実売3,000円強~相当あたりの価格帯が目立つが、その安さとは裏腹、秀逸な使い勝手や機能性の高さは、相当なもの。いざ所有してみると、割安感がすごい。

何はともあれ、使っているところをご紹介しないことには話にならないので、ここからは画像を連投。

(1)サンプルとして用意したポリエステル製の冬物着衣・3着

(2)劣化が激しい量販店(カインズ)PB品のジップ・シャツをチョイス※洗ってあって、この状態

(3)素材の確認・ポリエステル繊維100%※毛玉の発生しやすさ・S級

(4)作業前の様子※微グロ画像・お目汚し失礼

(5)作業開始・KD901-Wの通った道に毛玉は残らない――!(注:誇張)

(6)袖で見るビフォアー・アフター

(7)ひたすらジョリジョリジョリジョリと毛玉を刈り取っていく

(8)ここまでの所要時間、おおよそ10分間~15分間

――というわけで、テスコム KD901-Wが1台あれば、あんな着衣やこんな着衣の毛玉が、あっと言う間に処理できてしまう(※)――という、お話(注:誇張)。ちなみに当該900番台のモデルは、一般的な着衣から繊細なタイツなどの薄生地までの対応はもちろんのこと、布生地が用いられた様々な製品にも使用が可能――と、幅広い用途に向けた設計となっている。

ちなみに、やっていることは地道な髭剃りみたいなものなので、素材の表面積の広さ=実作業時間の長さに比例してしまうという現実から逃れる術は無く、手強い相手を処理する=長時間の作業となるのは、如何ともし難く。今回の作業サンプルに用いたような全身毛玉だらけ状態の着衣が相手だと、本当に――冗談抜きで、かなりの時間を要するので、その点は厳しめに考えていた方が無難。
具体的には、XLサイズのトレーナーで60分間~90分間程度が目安。もちろん、丁寧に、じっくりやるという前提で。そのため、スウェットやセットアップといった上下揃いの服となると――、うん。所要時間は、ご想像にお任せ。

率直なところを言わせてもらうと「徐々に飽きが来る」という点も含めて、そこまで現実は甘くも無い――という点は確かではあるのだが、やればやるほどキレイになる様子を目の当たりにするのは、とても楽しい。つきなみながら疲れも吹き飛ぶというもので、時間的な余裕と機械の冷却といった事情さえ許せば、延々と作業を続けることは可能だろう。

また、この類のクリーナーやカッターと言えば取り扱いを誤って生地に穴を開けてしまうというトラブルや失敗談がお約束のように付きまとうわけだが、この器具を使って穴が開く事態を招くことがあるとすれば、それは、すでに衣服の表面を構成する繊維素材が限界を迎えているときか、器具の動かし方が不適切なとき。自分としては、毛玉が「こより」のように成長しすぎた羊毛(ウール)生地の衣服にバンバン穴を開けてしまった思い出と、綿生地のカットソーのロンTの毛玉を除去している最中に余所見をしてしまい、ジャッ!と生地を噛ませた途端に穴を開けてしまった――といった思い出が、挙げられる。



最後に。
こちらの商品の最も大きなところは、やはり「二度と手に入らない服を、綺麗な状態に戻すことができる」という点。「節約」といった類のキーワードばかりが並べられがちな「毛玉取り」だが、お気に入りの着衣を自分の手で綺麗に出来るというのは、実に素晴らしい。何だかんだ言っても、数少ない「買っておいて損はない」と思える家電のひとつに、違いない。



※テスコム KD901-Wが1台あれば、あんな着衣やこんな着衣の毛玉が、あっと言う間に処理できてしまう
同シリーズには価格を抑えた下位モデル(700番台~500番台)が存在し、それらでも十分、毛玉クリーニングは可能。ただし、900番台には切れ味に優れる日本製のカッター刃が装備されていたり、素材の毛足の長さや強度に合わせてカットの高さなどを調整できるオプション・パーツが同梱されている(そのほか、コードレス使用を可能とするバッテリーの搭載)といった明確な差があるため、どうせ1台買うなら、奮発して900番台にしておいた方が……というのが、正直な気持ち。
Posted at 2021/04/21 22:42:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 防寒 | 日記

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