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2023年02月13日 イイね!

Scorpion EXO Covert系 合皮素材の加水分解のお話

Scorpion EXO Covert系 合皮素材の加水分解のお話今回の投稿は、ストリートファイター系ヘルメットとして長く愛され続けている海外モデルのひとつ、Scorpion EXO Covert/Combat(スコーピオン・エクソー コバート、欧州名:コンバット)を例とした、加水分解(かすい-ぶんかい)に関する記録。

この記事が、当該モデルのみならずScorpion EXOや同シリーズのモデル群、ないし海外ヘルメットに興味・ご関心をお持ちの方々への何かしらのご参考になりましたら幸い。もちろん、バイクグッズやアウトドアグッズに多数、用いられている樹脂素材との向き合い方についてお考え中の方にも、何らかのお役に立てましたら幸い。

■加水分解って知ってるかい?

――と、知ったかぶりをかましたい気持ちは山ほどあるものの、わざわざ場末の当コンテンツまで来られるような方々が『加水分解』をご存じない訳が無い――と判断し、一連のうんちくは、すっぱり割愛。

――で。
今回の加水分解の記事の素材となってしまったのが、冒頭でご紹介したスコーピオンのコバート。実際の状況が、こちら。



インナーパッド(※コバートの場合、この部分はネックパッドと呼称)の下面を覆うように用いられている合皮装飾の樹脂素材が、経年の劣化による崩壊を始めている。

かつて集英社の週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画『ピューと吹く!ジャガー』における劇中での描写が元ネタのネットミームのひとつに「おちつけ…大丈夫こんなもんだよ」から始まる切ない独白の一コマがあったりするのだが、この状況は正に、それ。

ちなみに、日焼けした後の皮膚のごとくペロリと浮いている合皮の表皮だが、これは下地である樹脂の層から表皮の層が完全に剥離している証拠。つまり、表面を覆っている合皮素材だけでなく、その下にある下地の層も、激しく劣化していることを意味している。

■遅ればせながらヘルメットの概要のご紹介

Scorpion EXO Covert/Combatについて、かいつまんでお話を。
”EXO Covert”、もしくは”Combat”は、2016年にアメリカ、および各国にて発表・発売されたストリートファイター系モヂュール(モジュール)ヘルメットの一種。名称が複数ある理由は、スコーピオンEXOの販路の都合による(※当該モデルの場合、北米と世界市場向けがコバート、欧州向けがコンバット)。

当時、既にストリートファイター系の始祖たるBell Rogue(アメリカ、2013~)とShark Raw/Drak/StreetDrak(フランス、2013~)が2TOPを形成していたヘルメット市場に、一部から『三匹目のドジョウ』などと揶揄されつつ投入されたコバートだったが、登場するや否や、その攻めに攻めた外観が世界中のマニアから注目を集め、ローグおよびロウと肩を並べられるほどの立ち位置にまで、一気に躍進。

・参考画像 ストリートファイター系モヂュールヘルメット 第一世代


『ジェットヘルメット+フェイスマスク(ないしゴーグルのセット)』、というストリートファイター系の概念に『インナーバイザー(格納式サングラス)』を付け加えた当該モデルは、デュアルスポーツ系を含む後続のモヂュールヘルメット群に大きな影響を与えたように見える。なお、ストリートファイター系モデルの同世代の製品として、Caberg Ghost(イタリア、2016~)が存在する。閑話休題。

・参考画像 ストリートファイター系モヂュールヘルメット 第二世代

登場から長きにわたりメーカーのラインナップに加わり続けてきたコバート/コンバットも、さすがにモデル末期。2023年現在、純正オプションパーツの在庫も欠品が目立つような状況にあり、メーカーも恐らくは同型モデル『EVO』を経て後継モデル『X』『2(※欧州向けCombat)』などの派生商品を主軸に据えたい(挿げ替えたい)のではないだろうか――などと思ったり思わなかったりする今日この頃、自分が所有している2017年購入のモデルも既に5年以上の月日が経過したところで、今回の破損・崩壊を迎えた次第。どこも「かいつまんでいない」というのは、ご容赦いただきたく(打ち込んでいたら止まらなくなり推敲を放棄)。

■加水分解が生じた樹脂との向き合い方は「除去」一択

ここで話を本題に戻し、加水分解を迎えた現物、および現実と向き合い直す。

結論から先に書くと、選択肢は『樹脂が構成していた合皮の部分を全て除去する』、の一択。崩壊した合皮素材を元に戻すことは不可能であるため、修理・修繕とは全く異なるアプローチをする他は無い。これは、経年の劣化により表面がグズグズ・ねちょねちょな状態に陥ってしまったマットペイント・グッズへの対処に似ているが、より抜本的な対策がとれる分だけ、こちらの方が遥かに作業が楽だったりもする。



そんなこんなで、ペロリと浮いてしまっていた表皮の部分を剥ぎ取り、下地を構成している(構成していた)グレー色の樹脂層を露出させた様子。ところどころ薄いクレーターのように点在する段差は、表皮の除去の際に、土台(下地)の樹脂が崩れたところ。

実は、加水分解の被害で最も厄介なのが、この下地層の崩壊。日焼け後の皮のようにペリペリと脱落していく表層の脱落は、着衣や器物の外観の印象を大きく損ない、また、場合によっては機能そのものを失う事にも繋がりかねず、厄介と言えば厄介なものに違いないのだが、多くの場合、下地層の樹脂の劣化が及ぼす面倒臭さは、その比では無かったりする。どれくらい面倒かと言うと、「押し固められていた泥団子の土砂が乾燥と共にボロボロと崩れてくるような風景」を思い描いていただければ、その厄介さがお分かりいただけるかも知れない。

■合皮素材の除去方法・ひたすら擦り落とす&削り落とす

合皮を構成する樹脂は、加水分解という化学反応によって異常に脆く、崩れやすくなっていることが珍しくないが、それは部位ごとに異なるもので、今回のヘルメットのインナーパッドのように「左側はグズグズだが、右側はピンピンしている」といったことが、多分に起こり得る。そうした場合、合皮素材の除去として行う「擦り落とす」「削り落とす」という作業工程に相応な負担が伴うことになりがちなのだが、ここで重宝するのが、次の画像に写っている軟質樹脂製のブラシ。



この樹脂ブラシは、ホームセンターや百貨店、もしくは雑貨店や100円ショップなどにおいて『カーペットブラシ』といったような商品名で取り扱われていることが多い商品。ブラシの毛に相当する部分が、まるでゴムのごとく軟質な樹脂で構成されている点が特徴で、敷物や着衣などの対象物を過度に傷つけることなく、それらに付着している動物の体毛や小さなゴミなどといった異物をかき集めることが可能という、なかなかの逸品。

この類の樹脂ブラシは、お高いところで700円~、お安いところで400円~110円などと価格に大きなバラつきがある訳だが、これは「ブラシと柄の素材が異なっている高級志向の商品(※本物)」から「全体が軟質樹脂で出来ている一体成型の廉価版(※粗悪コピー品含む)」まで類似品・亜種が数多く存在するため。こだわりがないならダイソーやキャンドゥといった100円ショップブランドのお品物で十分、とだけ、書かかせて頂く。

脱線した話を戻させていただくと、加水分解が生じた樹脂を除去する作業において、この軟質樹脂ブラシを用いると、作業時間が大幅に短縮できる。念のために補足しておくと、主に使用する事になるのは先端付近の、固めの毛足のところ。ここでゾリゾリ擦る事で劣化した合皮層は大抵、除去できる。効果はばつぐんだ。
20分間~30分間を要するであろう除去作業が20秒~30秒で終わることすらある――と表現すれば、自身が抱いている、この価値観を少しでもお伝えすることが出来るだろうか。大事な事なので、繰り返したい。効果はばつぐんだ。

そんなこんなで、実際の除去作業を終えたパッドの様子が、こちら。



「最初からこういうヘルメットだ」などと言い張れそうな勢いで違和感のない除去が出来たと、自画自賛したい自分がここにいる。

この「合皮の部分を丸ごと全て除去してしまう」という選択肢は、例えばバッグの持ち手やベルトの保護カバーなどを構成している合皮の部分が加水分解によってグズグズになってしまった場合に用いることが出来るもので、有名ブランド品や外観的な価値を有するグッズで無い限り、ほとんどのケースで「実用レベルで妥協できる状態」に持って行くことが可能。また、合皮素材の除去を手指やスクレーパー(※プラスチック定規などで頑張る方も少なくない)で行われる方もおられるかとは思うが、そこは是非、騙されたと思って前述の軟質樹脂ブラシを活用して頂きたく。しつこいが、効果は(ry



カメラを引いた、全体の様子。
見た目の違和感を防ぐ意味で左右のバランスを取る必要があったため、比較的、素材が無事な状態にあった反対側のネックパッドの合皮部分も全て、除去してある。この「比較的無事な状態」というのは、言い換えれば「加水分解の度合いが低い=合皮が頑丈=そう簡単に崩れない・剥がれない」というコンディションなため、素材の除去には相応の労力を要することになる訳だが、そこは上述の軟質樹脂ブラシさえあれば(ry

■別にスコーピオンEXOのヘルメットが悪いという訳でも無いというお話

既に本文の冒頭からここまでをお読みの時点で、お気付きの方も、おられる事と思うが、今回の作業でご紹介しているオートバイ用ヘルメットは、その消費期限の概念から見た場合、とっくの昔に寿命を迎えていたりする(2017年に利用開始 → 5年後=2022年中が使用期限)。

――というわけで、あっちもこっちもグズグズという悲劇的な結末を迎えたからと言って、スコーピオンEXO USAや母体たるKIDO Sports(※韓国の巨大企業の一角)の品質を批難する必要は、これっぽっちも無い。むしろ、樹脂の加水分解を「良くも悪くも、目で見ることが出来ないヘルメット本体の寿命を露骨に教えてくれている、ある種の目安のようなもの」と考えるのも決して、悪くはないのではないかと考える。



チンストラップのカバーの劣化の様子。
なまじ、帽体を構成するPC(ポリカーボネート)素材などの劣化が全く視認できない分、これら合皮の痛みっぷりばかりが目に付いてしまい残念な気持ちになる訳だが、上に書いた通り、これはヘルメット本体の寿命を(目で見て分かるように)教えてくれている、と解釈するべきなのかも知れない。

■とかなんとか知ったかぶりつつ保護艶出しを施し丁寧に仕舞って終了

いやーまいったなー寿命だわーつれーわー

などと知った風な口をほざきつつ、きっちり静電気抑制成分が含まれた保護艶出し剤を用いて帽体とバイザーを清掃・保護艶出しを施し、作業完了。



結局、何をお伝えしたかったと言うと、恐らくは次の3点。

・海外ヘルメットに用いられている合皮部分は、3年~5年後に崩壊する
・かと言って嘆くことはない(≒その時点でそのヘルメットは寿命を迎えている
・軟質樹脂ブラシは1本くらい持っていてもバチは当たらない

余談ながら、スコーピオンEXOのコバート/コンバットは、サイズ選びが難しい。
何故なら、USとEUで、サイズ表記が異なっている(いた)から。

・USサイズ → Lサイズ:59-60cm(センチメートル表記)
・EUサイズ → Lサイズ:58-59cm(同じくセンチメートル表記)

実物に貼付してあるサイズラベルには間違いなく「59-60」と印字されているものの、どう考えても、このタイトさは異常。ハットサイズ59cmの自分の時点で孫悟空のごとくキリキリと締めあげられている(着用から40分間~50分間後に痛みでヘルメットを脱ぐことすらあるレベル)ことから、普通に考えて「58-59」が正解なのでは?――という疑いが、未だに残っている。

もちろん、スコーピオンEXOのモデル全てがそうという訳でなく、Covert/Combat系の一部(ないしすべて?)のサイズがおかしいのでは、というのが、自身の抱いている疑問。以降、スコーピオンEXOのヘルメットが注文できずにいるのは、このサイズ問題が解決できずにいるから。

海外セラーの指針に従い1サイズ上げのXLを選択するというのが無難というか賢明というか、間違いない選択なのだとは思うが、なんか負けを認めるようで納得がいかない。誰と勝負してるんだ。
Posted at 2023/02/14 15:37:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記
2021年03月08日 イイね!

ILM ILM-726X Dafima 726X系 ODMヘルメットのお話

ILM ILM-726X Dafima 726X系 ODMヘルメットのお話今回の投稿は前回から続く格好で、海外のマイナーなブランドのヘルメットの類、および購入品に関する知ったかぶりを披露する、自己満足のメモ。あらためて、その道のプロないし、セミプロレベルな諸先輩方を差し置いて、こんな知ったかぶりを披露する無礼をお許しいただきたく。

そして、この記事がインターネット通信販売、ないし海外ヘルメットのご注文をご検討中のライダーにとっての後学の種のようなものにでもなりましたら、幸い。

ちなみに今回ご紹介する例も、前回と同様、去年(2020年)以前の購入品。なぜ、そんな賞味期限が切れたような過去の出来事を投稿するのか――?、その理由は既にご説明した通り、単純に自己満足を満たすための自慢、と言うことで、どうか、ご容赦いただきたく。



◆全部同じじゃないですか(C)中川圭一

あらためて、コミネ最新モデルの一部と同型の既存モデルの、お話を。
2021年6月の発売を予定している、コミネ・HK-173 FLジェット・ヘルメットは、中国企業・ダフィマ・オートパーツ・テクノロジー(Dafima Auto Parts Technology※)が展開するFASEED HELMETSのライン・ナップのひとつ、ハイブリッド・ヘルメトット・FS-726X "TROOPER(トルーパー)"と、かなり似た(共通点のある)内容のヘルメットとなっている。

※うんちく:中国企業・ダフィマ・オートパーツ・テクノロジー(Dafima Auto Parts Technology)…江陰市(こういん-し/Jiangyin City/チャンイン・シティ)に拠点を置く、ODM系中国企業のひとつ。当該記事の作成から数ヶ月後に英字表現が変更(修正)された模様で、2022年秋現在の企業名は、『ダフィーマ・オートモバイル・テクノロジー(Dafeima Automobile Technology Co., Ltd.』となっている。

■参考画像:コミネ HK-173 FL ストリートジェットヘルメット



■参考画像:HK-173 FL ストリートジェットヘルメット マウスガード装着状態



■参考画像:FASEED HELMETS FS-726X TROOPER



ヨーロッパのブランド・FASEED HELMETSの「FASEED」は、イタリア語で「段階的」といった意味合いをもつ言葉。ファ・セドの頭文字であるFSから始まる製品の型番が特徴で、当該FS-726Xには、そのミリタリー感に富んだ外観に合わせて騎兵や落下傘(らっか-さん)部隊員を意味する『TROOPER(トルーパー)』という商品名が与えられている。
磁力着脱式の最新ネック・ストラップこそ装備されていない(※)ものの、全体の構造がコミネ社の商品と似通っている様子は、画像からも見て取れる。

■参考画像:HK-173 FLとFS-726X TROOPER



※うんちく:最新ネック・ストラップこそ装備されていない…ODMヘルメットにはシールド・バイザーやネック・ストラップのクロージャ―(留め具)といった部分で他銘柄との差別化が行われるケースが目立ち、今回のコミネ社の新商品も、その点で差別化が図られているものと推測。



ダフィーマ社供給の726X系ヘルメットは、南米、北米、欧州、極東――世界の各地に同型品が存在する。コミネの製品も、それらに加わる格好となるだろう。その点で、恐らくは現在、世界的に最も高い人気を博し、かつ高い知名度を有しているであろう同型モデルとしては、欧州方面で流通しているアストン・ヘルメットのエレクトロン(Astone Helmets Elektron)を挙げることができる。

■参考画像:Astone Helmets Elektron



FASEEDの726Xと比較し、AstoneのElektronヘルメットの情報は、web検索にヒットしやすい。そのうえで得られた印象としては、おおよそ酷評の類は見当たらず、どちらかと言えば、おおむね好評、好意的に迎え入れられている様子。しかし、本質を言ってしまうと726X系とは「廉価品」そのものであり、品質も機能性も、一般的なモーター・サイクル・ヘルメットと比較すると、(ウッ…!)と、悪い意味で唸らされるところが多々、存在する。詳しくは、後述。



◆アメリカでは存外マイナーな地位に甘んじている?ダフィーマ製品

ダフィーマという業者が製造しているODMヘルメットは、大手~中小規模のショップが提案するプライベート・ブランド品として、ちょこちょこ見かけることがある。そのうちのひとつが、アメリカのILM。

■参考画像:ILM Motor Cycle Helmet ILM-726X



こちらが、北米アマゾン(Amazon.com)の窓口にて提供されている、ILMotor(アイ・ラブ・モーター/I Love Motor)のストリート・ファイター・モデル、ILM-726X。

■参考画像:ILM-726X Amazon.com上での販売ページ(ILM)



――で、自身が購入した品物が他でもない、このILM-726X。この他、南米においてはAVXというブランドからFS-908という商品名にて同型のヘルメットが流通していたりもするが、南米の商品はweb検索が難しく、どこの会社が提供しているブランドなのかまでは確認できず。閑話休題。



◆ILM-726X モジュラー・ヘルメットの率直な感想

ここまで、長々と前置きやうんちくの垂れ流しにお付き合いいただき、恐縮。
肝心の、ヘルメットのお話をば。

第一印象は、「安っぽい」ではなく「確かに安い品物」という、身も蓋も無い現実。実売80USドル以下の典型的な100ドル・メット(※)なので、当たり前と言われてしまえば、当たり前。今夏に発売を控えているコミネ版はフル・セットで標準小売価格が税込19,000円を超える(13,500円+3,800円+消費税10%)のだが、SGおよびPSC、そして最新の磁力クロージャーといったコスト増を考えても、なお、その差は大きいように思えてならない。

※うんちく:100ドル・メット…その文字列の通り、100USドル以内、ないし100USドル前後にある廉価品を意味する言葉。726X系の相場は80USドル、1,500メキシコペソ(MXN、約8,000円)、9,000アルゼンチンペソ(ARS、約1万1千円)といった具合で、100ドル・メットの範疇にある。

■参考画像:ストリート・ファイター系ジェット(モジュラー)モデルとの比較



一番奥に置いてあるのが、726X。
既存のストリート・ファイター系モデルと比較し、サイズ感に大差はなく、むしろ若干は小ぶりかな?というのが、726Xの印象。その大きさに相応しく、確かに軽い、という特徴も。

■参考画像:ILM-726X 安物くさいのではなく、実際に安いヘルメット



この商品のカラーは、マットのメタリック・グリーン。アウトドア用品っぽい色味に対する興味・関心から、思い切って選んでみたのだが、予想に反して質感が低く、安っぽさが、きつい。素直にマット・ブラックにしておいた方が良かったかも。

■参考画像:ILM-726Xのエア・インレット&アウトレット(1)



頭頂部に設けられた、エア・インレットとアウトレットの様子。スイッチのあるスリットに設けらている刻印はOがオープン、Cがクローズ。

開口部が広く見える豪快な造形だが、帽体に空けられている換気口は小径かつ少数で、肝心の機能性は決して高いものではない。どちらかと言えば、デザイン優先。雨の日に上から雨水が侵入するであろう、おバカ構造は、昨今の海外ヘルメットに散見する一種のお約束。試してはいないが、きっと水が染みると信じている。

■参考画像:ILM-726Xのエアインレット・アウトレット(2)



フェイス・マスクの裏側には、換気口の開閉スイッチを装備。上下のスライドで、ON/OFF。この類のヘルメットで、ここの開閉が選択できる構造のフェイス・マスクというのは、正直、珍しいのでは。機能性は、ぼちぼち。

■参考画像:ILM-726Xのエアインレット・アウトレット(3)



726X系の購入&利用者としては、最も腹立たしく、最も忌々(いまいま)しい構造が、こちら。ベースとなったジェット・ヘルメット・726(無印)系から増設されたプラスチック・パーツが、帽体の両サイドに設けられている開口部――サイド・ベント(換気口)を覆っているのだが、この樹脂部品が、このヘルメットを被っていることがバカバカしくなるほどの、強烈な風切り音を発する

■参考画像:FASEED HELMETS FS-726(無印)ジェット・ヘルメット



画像の通り、姉妹品の726(無印)系の耳の外側には、当該パーツは存在せず、内部にメッシュを備えた開口部のみが口を開けた格好となっている。

■参考画像:726(無印)系と同型製品 Acerbis JET Aria



こちらは、ヨーロッパに流通する726系ODMヘルメットの一種・Aria(アリア)。紹介ページには、「Rear and side vents to increase the maximum ventilation.(最大通気性を高めるためのリアベントとサイドベント。)との商品説明が掲載されており、耳の両側に設けられている穴が換気口である事実が、明確に示されている。

問題の726X系の換気口カバーは、恐らくはドレス・アップ・パーツ、「純然たる飾り」として取り付けられたものと考えるが、それにしたって、この音の鳴りっぷりは余りに酷い。バイク用の耳栓をもってすれば、ある程度の騒音は抑制できるわけだが、街乗り用途のジェットヘルメットに耳栓を組み合わせるというのは、それはそれで辛い(※周囲の音まで抑えられてしまうため、危ない)。いっそ、カバーの奥に詰め物をして(穴を)塞いでしまう、というのも、ありかも知れない。



■おまけ参考画像:Astone Helmets Elektronのオプション・バイザー



否定や愚痴ばかりを羅列し続けるのも申し訳ないので、建設的というか、閲覧してくださった方に収穫がありそうなネタを、最後にひとつ。726/726X系のインナー・バイザーには、透明、スモーク、ミラー(複数カラー設定あり)が存在するのだが、供給先の商品によって、標準装備および付属品の内容に、差異がある。

・FASEED → スモーク・バイザーが取りけられた状態で梱包
・ILM → 同上
・Astone → シルバー・ミラーが取り付けられた状態で梱包+クリアーが付属

FASEED/ILM提供地域では、透明なインナー・バイザーが別売のオプション扱いで「transparent(トランスペアレント※ガラスのように透明、の意) Visor」として、設定されている。

「標準でスモーク?お得じゃないですか!」――などと思われるかも知れないが、そこを油断できないのが中華ODMヘルメット。標準スモークの濃さが常用バイザーとしての許容範囲を超えており、日常での使い勝手が、すこぶる悪い。もはや真夏の避暑地で着用する真っ黒なサングラスのような濃さ(暗さ)であり、夜間は言うまでもなく、薄暗い場所で難儀するレベル。

そこで急遽、取り寄せることとなったのが、上の画像のイリジウム・ミラー。その正体は、ヨーロッパで流通しているAstone Elektornのオプションである、リプレイス・バイザーの、レインボー。ここ最近のヨーロッパ地域では、クリアーにミラー・コート、ないし、ソフト・スモークにミラー・コートというリプレイス・バイザーが存在しており、これがまた、利便性の高いものとして重宝されている節がある。今回、取り寄せた商品は正に、その類。

■参考画像:透過率とは裏腹に、なかなかの光具合を見せるレインボー・ミラー



画像では綺麗に外光を反射しているが、実際は(良くも悪くも)光の透過率に優れているため、それほど視界に影響が及ぶことは無い。逆に言えば、日中の日差しなどは確実にサングラスの内側へと届いてしまうため、ライダーの目・鼻・顔・メガネなどは外から丸見え。早朝~夕暮れまでの風除け・水滴除け・軽い日差し除けとしてのサングラスとして考えれば機能性は十分に備わっているが、顔隠しの目的で手を出すのであれば、これは止めておくのが無難。純正スモークの方が、圧倒的に顔は隠れる。



◆ILM-726X モジュラー・ヘルメットのサイズ感

肝心なことが、後回しになってしまった。
海外ヘルメットで忘れてはならない、被り心地について。

コミネのHK-173が、どうなるのかは置いておくとして、既存の製品の状態を率直に申し上げると、726Xはスペイン人などに代表される、前後に長い頭に合ったタイプ。記載こそ見当たらないが、これはOval(楕円)寄り。具体的には、Natural/Intermidiate~Long Oval寄りのShape。昭和世代には「ショウエイ頭」といった比喩表現が、伝わりやすいかも。

※「ナチュラル」「インターミディエイト」とは自然な・普通寄りな楕円形状を表すもので、「ロング・オーバル」は、かなりきつめの(左右が潰れて縦長となった)楕円形状、という意味合いの表現。

普段、自分が選んでいる海外ヘルメットは、L size、59-60cm。
SharkやCabergといったRound Ovalのモデルが、ジャスト・サイズ。
その頭で726Xを被ったところ、横幅こそジャストながら、後頭部をフィットさせるようにアジャストすると、ひたい(オデコ)に手指が1~2本ほど入ってしまう状態。

自分がIntermidiate~Long Ovalのモデルを被ると、まず、そういった状態に陥る。直近ではLS2の現行品・OF599 Spitfireジェット・ヘルメットのLがきつく、ではXLは?と言うと、これが絵に描いたようなOvalで、オデコがスカスカになるという有り様だった。

自分の頭蓋骨は前後に長い形状だ――、との自覚をお持ちの方であれば、FASEED~ILMの帽体(EPS)との相性が良い可能性が、考えられる。そうでない場合、よほどデザインやスタイルが気に入ったとしても、購入は見送られた方が、よろしいのではないか、と考える。



◆ILM-726X モジュラー・ヘルメットの各部あれこれ

インナー・パッドは、そこそこの肉厚と弾力、適度な、もっちり感。
表皮素材は、ちょっと珍しい毛質。ビロード?ベルベット?例えが難しい。触りや質感は上々なのだが、冬物の着衣の表地のような、クマのぬいぐるみの表面のような……、言わば真夏の環境下では肌に密着させたくないような暑苦しさを、想像させるものとなっている(画像を用意するべきだった)。価格帯から予想される通り、内装類の生地には、抗菌や冷感といった機能素材は、用いられていない。

前述の通り、軽さは好印象。公称1,300g、プラスマイナス50g。フル装備状態での体感的な重さは、確かに1,400gのメットのそれくらい。一昔前は「安価なヘルメット=重たい」というのが定説だったが、昨今は「安物のABSメットこそ軽い」というケースも、少なくない。

100ドル・メットゆえのアラはある。具体的には、塗装の異物や荒れ、樹脂パーツの角部のバリ、接着剤のはみ出し、etc……、しかし各部の組立・接着、内装の裁断・縫製は、及第点に思う。総じて、80USドルのオートバイ用DOTヘルメットとしては、無難な感じ。

自分の場合は、送料込みで約120USドルでの入手となったが、それくらいなら、妥協できるかな。アメリカからの空輸料がお高かった点も、ちょっと離れた場所の専売ショップに出向くための往復の高速道路+出先の駐車場代+ガソリン代などの合計~5,000円くらいが一発で飛んだと考えれば、まあ、納得できるかな、と。



◆最後に。

記事内にて使用しているコミネ公式サイト、ならびに各ヘルメット・メーカーにおける製品ページのキャプチャは、引用の目的での記録と加工を施したJPG画像ファイルであり、企業サイトの警告する複製や無断転載の意図、および認識は無く。閲覧者の皆様におかれましては、ご理解をたまわりたく。

このような長々とした駄文、乱文に最後までお付き合いくださったご厚意に、心から御礼申し上げる次第。これに懲りずに、次回もご覧いただけましたら幸い。
Posted at 2021/03/09 00:40:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記
2021年03月01日 イイね!

中国ODMヘルメットメーカー・ダフィーマに関する知ったかぶりメモ

中国ODMヘルメットメーカー・ダフィーマに関する知ったかぶりメモ今回の投稿は、海外のマイナーなブランドのヘルメットの類、および購入品に関する知ったかぶりを披露する、自己満足のメモ。あらためて、その道のプロないし、セミプロレベルな諸先輩方を差し置いて、こんな知ったかぶりを披露する無礼をお許しいただきたく。

そして、この記事がインターネット通信販売、ないし海外ヘルメットのご注文をご検討中のライダーにとっての後学の種のようなものにでもなりましたら、幸い。

ちなみに今回ご紹介する例も、いつぞや同様、2020年以前の購入品。なぜ、そんな賞味期限が切れたような過去の出来事を投稿するのか――?、その理由は以下、本文にて。



◆コミネ、新商品を発表――!…あれ?海外メット?


まずは、今回のブログ投稿に至るまでの、経緯から。

さかのぼること数日前、2021年の2月某日、国内バイク用品メーカー・KOMINE(コミネ)が公式サイトにて新商品情報を発表したところに偶然、遭遇したところに端を発する。そこには、様々な新商品が掲載されていたのだが、ヘルメットのカテゴリーを見進めていくと、そこで、少なくともジェット(モジュール)、フルフェイス、フリップアップ・ヘルメットの計3点が、中国企業・ダフィマ・オートパーツ・テクノロジー(※ → ダフィーマ・オートモバイル・テクノロジー/Jiangyin Dafeima Automobile Technology Co., Ltdに、英字表記を更新)のODMモデルと同型であるという事実に気付く。


■参考画像:KOMINE HK-170 FLとFASEED HELMETS FS-820(画像引用:コミネ・FASEED)




■参考画像:KOMINE HK-171 FLとFASEED HELMETS FS-908(画像引用:コミネ・FASEED)




■参考画像:KOMINE HK-173 FLとFASEED HELMETS FS-726X(画像引用:コミネ・FASEED)



こういったODMモデルの供給自体は、何も非難されるようなことではなく、むしろ海外ヘルメット好きとしては、それまで入手が困難だったモデル&別売品を日本にいながら(比較的容易に)購入できるようになるという発売予定は、むしろ歓迎するところ。なんせダフィーマのモデルと言えば、国際発送が可能な海外の二輪用品店、ないしAliexpressのセーラーあたりから入手するしか、ほぼ選択肢が無かったのだから。

ところが、その直後となる2021年の3月1日に発信された続報――コミネ社による2021年春カタログ(webデジタルカタログ)を見るに至って、話が変わってくる。なんと、そこには、新型ヘルメットのすべてがコミネによる新開発商品であるかのような表現が(画像付きで)掲載されていたのだ。


■参考画像:2021年 コミネ春夏カタログ(2021.03.01)Page 130(画像引用:コミネ)



> since1947
> 60年前コミネはヘルメットの会社だった
> ただヘルメットを売っていただけではない
> 当時の最高の素材と最高の技術で
> 最高品質のヘルメットを自社製造していたメーカーだった
> いつしか忘れさられてしまったそのDNAが
> 現在の最新の技術に独創的なアイデアを加え
> 2021年遂に復活を遂げる
> 60年前と同じマークと共に


最新の技術に独創的なアイデアを加え――???

少なくとも今回のラインナップのうち、170・171・173の3種類に限って言えば、それはダフィーマ社が、あらかじめ、既にODM供給を前提として完成させていた仕事の成果物に他ならない。それらの商品価値として「現在の最新の技術と独創的なアイデア」といった言葉を並べるのであれば、そこはダフィーマ社の名前を表に出すべきだろう。製造元:ダフィーマ、生産国:中国、と、明確に示すべきだ。

しかしコミネ社は、そのようなことはしていない。
うん。この売り方は、どうなんだろう。

先にも記述した通りODMモデルで商売をしていただくのは結構な話で、歓迎もするのだが、それらの研究・設計・開発・製造・生産を担っているサプライヤーの存在を伏せ、あまつさえ、その手柄までもを「(自社の)最新の技術」「(自社の)独創的なアイデア」と吹聴していくスタイルは、どうにも許容し難く、好きにはなれない。

コミネというブランドや会社は嫌いではなく、どちらかと言えば好印象なところがあったのだが、今回の件も含め、少なからず、これまでとは見方は変わったかな。

余談ながらKOMINE HK-170 FL、KOMINE HK-171 FL、KOMINE HK-173 FLの三種と同様の外観を持つモデルは、台湾の『RYO』という二輪用品ブランド(RYO Racing Wear Enterprise Co., Ltd.)からもオリジナル・ヘルメットとして提案されている。RYO版は商品名・型名がFASEEDのそれと同じものであるが、これはODMヘルメット界隈では、珍しくない。その他にも欧州方面においてはヘルメット・ブランドとして比較的、知名度のある『ASTON』からもダフィーマのODMモデルが提案されていたりもするのだが、ダフィーマの製品は北米・南米・欧州・アジア――と世界中に出回っているっぽいので、探せば探すほどに様々な亜種が見つかるのではないか、と考える。



◆実は、ただ自慢したいだけだった――というオチ


――んで。そんなことを書くためだけに、この記事を投稿したの???となるわけだが、正直なところ、このブログをアップロードするに至った本当の動機には、もう一つ、発売予定のHK-173と同型のヘルメットである、ダフィーマ社供給のヘルメット・726X系を、実は自分が既に所有している(※去年購入済み)であることを、このタイミングで自慢したい――!というものが、あったりする(※露骨)。


■参考画像:ILM-726X ILM Open Face Motorcycle 3/4 Half Helmet



FASEED Helmets FS-726Xと同型のODMモデルである、ILMotorのILM-726X。北米公式webサイトにおける“Open Face Motorcycle 3/4 Half Helmet”という微妙に謎めいた表記が愉快なヘルメットなのだが――、詳しいお話は、また後日。
Posted at 2021/03/08 18:31:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記
2020年08月09日 イイね!

「海外ヘルメット好きかい?」「大好きさ!」 改訂版

「海外ヘルメット好きかい?」「大好きさ!」 改訂版今回の投稿は、海外ブランドのヘルメットの類、および購入品に関する知ったかぶりを披露する、自己満足のメモ。まずは、その道のプロないし、セミプロレベルな諸先輩方を差し置いて、こんな知ったかぶりを披露する無礼をお許しいただきたく。
そして、この記事がインターネット通信販売、ないし海外ヘルメットのご注文をご検討中のライダーにとっての後学の種のようなものにでもなりましたら、幸い。

ちなみに今回ご紹介する例の多くは、去年以前(~2019年)の購入品。
なぜ、そんな賞味期限が切れたような過去の出来事を投稿するのか――?、その理由は全く大したものではなく、実は、この度クラウドと外付けのドライブのトラブルを期に、供養的な意味合いで未使用のバックアップ画像を用いたブログをアップロードして、満足したくなっただけ。
閑話休題。

■FC-Motoでお買い物の巻
まずは、注文のお話から。
今回は一例として、いつの頃からか北米アマゾンと同じレベルで警戒心を持たずに利用するようになってしまったドイツの二輪用品販売店、FC-Moto(エフ・シー・モト、以下:FCモト)でのお買い物をご紹介。

FCモト――、それは数多(あまた)の言語と通貨への対応、各国への国際発送、そして確かな清算を実現させる信頼性の高いショッピング・サイトの運営で知られるドイツの二輪用品販売店。日本においても、外国の一流~三流どころのヘルメットをweb検索していると、かなり高めの頻度で商品情報が該当し、結果として店舗名が画面に抽出されることが多いため、知らず知らずのうちに視界に入っているというライダーは、決して少なくないはず。

そんなFCモトは、かの有名なオンライン決済サービス『ペイパル(PayPal)』、そして、知る人ぞ知るAmazon.comの提供する電子マネー決済サービス『アマゾンペイ(Amazon Pay)』に対応している。これが、先ほど触れた「確かな清算」のこと。

本来、ドイツに店舗があるFCモトのショッピングカートは、当然のようにドイッチュランド――つまりドイツアマゾン(Amazon.de)のアマゾンペイに対応しているのだが、実はこれ、北米アマゾン(Amazon.com)のアカウントがあれば(北米のアカウントを経由することにより)その清算(代金支払)方法として普通にアマゾンペイが選択可能であることを、意味している。



こちらは、FCモトの支払方法選択画面をキャプチャした様子。支払い方法としては、最もオーソドックスなクレジットカード情報を入力・送信するという選択肢も用意されてはいるのだが、見ず知らずの外国のwebサイトにカード番号を打ち込むのはちょっと――というのは、誰しもが意識し、そして不安を抱いて然る(しかる)べきところ。という訳で、ここで白羽の矢が立つのが、第三の選択肢・アマゾンペイだったりする(※ちなみに、わたしはAmazon PayもPaypalも利用可能)。



元々はダメ元での入力だったのだが、北米のアカウントを入力すると、これまた全自動でドイツのアマゾンに紐付けされて、登録完了。スゴいね、通信網(ハートマーク)。

そんなこんなで支払いを済ませ、しばらくすると、海を越えてヘルメットがやってくる。きた。では、その荷姿をご紹介。



ケイバーグ――と言うか、カバーグ(CABERG)のヘルメットを購入した際の、段ボール箱。なお、“ケイバーグ”は英語読みで、現地での呼称は、“カーベルグ”。



開梱すると、こう。別売のシールドバイザーは、そのまま(箱の中に)置かれているだけの状態。実は、FCモトには「梱包にエアパッキン(プチプチ)を用いる」という慣習が無く、複数まとめオーダーにおいては、小ぶりサイズの商品が荷物の上に置かれた状態で梱包される(下敷きに置かれていないだけ、まだマシでは、ある)。同時注文のヘルメットのオプション(バイザー)くらい、(対となるヘルメットの)商品の箱の中に収めてくれれば良いのに――と考えてしまう事も、ちらほら。



変わって、オリジネ(ORIGINE)とボゴット(BOGOTTO)のヘルメットを購入した際の、段ボール箱。『オリジネ』はヨーロッパ読みで、アメリカ読みだと『オリジン』となる。『ボゴット』は「ボガット」と表記している日本のショップがあったりもするのだが、ロシアでもドイツでもアメリカでも『ボゴット(ボゴトォ)』と発音している様子がうかがえるので、そのまま(アルファベット通りの)『ボゴット』と言った方が、合っていそうな予感。



オープン・ザ・ダンボール箱。商品同士の隙間に差し込まれているのは、スコーピオンEXO・カバート(コバート/欧州名コンバット)の別売品である、オプションパーツのスカルフェイスマスク(ヨーロッパ仕様)。FCモトでの取り扱いが始まったところで、がっちりゲット。この商品、北米版のグラフィックは非常に醜い豚鼻(ブタバナ)で、欧州版は草食動物を彷彿とさせるスマートな頭骨の図版になっているのが、特徴。

こちらのオーダーにおいては、同梱品の扱いに関して機械翻訳の英語で「プリーズ・インサート・クッション」的なコメントを送信したのだが、やっぱりガン無視。どうやら、箱詰めの仕方は固定されている模様。

■海外ヘルメットの品質・開梱編
海外ブランドのクオリティ――と言うよりも、海外生産品の品質チェックの質の違い、と考えた方が良いのだろうか、どうもヨーロッパの商品は、日本のそれと異なる管理の下で売買されているように思えるふしが、チラホラある。



カバーグのフリップアップヘルメット・ドロイドの内容物。ピンロック・バイザーが同梱されているのだが――、うん、これはちょっと。



近寄った様子が、こちら。キミらの倉庫は屋外に開放されているか、それとも農家の納屋のような環境なのか――などと、問い詰めたくなるレベルで砂埃だらけ。



変わって、オリジネとボゴットのヘルメットをバッグから取り出したところ。左右どちらのモデルも世界中にODM品が存在しており、北米においては、それぞれ左から順にSpeed & StrengthのSS900、そしてSS1600の呼称で通じるくらい、露出の多いヘルメットだったりもする。して、その正体は、H&HのVCAN・V126系、およびJPHのLS2・FF302系(※)。で、一見して、まともな状態で届いたかのように思えたふたつだったが、じっくり確かめると、やっぱり無事だなんてことは無かった。



拡大。



補正で、付着物を強調した画像。
開梱直後、微小な昆虫の群れか何かかと思って叫びそうになったのだが、そ――っと観察すると、それが単なる化学繊維の切れ端と分かり、ほっと胸を撫でおろす。犯人は他でもない、ヘルメットバッグ。樹脂帽体の静電気に吸着されたのだろうか、上から下から端っこまで全体くまなく、びっしり糸くずだらけの状態。隙間にまで吸い込まれているため、もう、除去が大変。



きっちり刺繍で仕上がったロゴなど、ちょっと見た感じではオリジネの方が豪華な印象なのだが――、繊維クズが酷く、ちょっと使用に堪えられない。洗ってみても、やはり厳しい。同様のトラブルは、スコーピオンEXOのバッグでも経験しており、バッグの品質にも様々あるのだな、と。

※JPHのLS2・FF302系…
ODM系ヘルメットには詳細の分からない謎に満ちた製品ばかり存在するのだが、このFF302系も、”君の謎は僕たちの夢”とでも言わんばかりの勢いで謎に包まれたヘルメットとなっている。
具体的に書くと、どうも302系を含む、ある時期に供給されていたLS2のいくつかのヘルメットは、どうもLS2(JPH)が作っていなかったっぽい、のだ。
はっきり分かっている訳では無いが、当時から続く妙な状況から察するにFF302系を含むLS2ヘルメットの一部のモデルは、外部委託によるODMヘルメットだった可能性が高い(あの異様に品質の低いカーボンモデルとかも多分、こっち)。
302系と同型のODMヘルメット類がH&H系の流通に乗っている状況を踏まえると、それらはHehui(ヘー・フイ/Shanghai Hehui Safety Products Manufacture、世界的規模でODM商売を展開している上海の巨大企業)絡みの施設で製造されたものではないか?と考えているのだが、未だ正しい情報は見つからず。お役に立てず申し訳ない所存。
ちなみに302系とはどういうものかと言うと、日本の2りんかんが展開しているオリジナル・ブランド『MOTORHEAD RIDERS(モーターヘッド・ライダーズ)』のオリジナル・ヘルメット『THRASH(スラッシュ)』や、中国の卸問屋ブランド『GXT』の代表作である『GXT999』などが、それにあたる。一見してLS2のそれ以外に見えないため、ついついLS2(JPH)のODMと思い込みそうになる。

■海外ヘルメットの品質・本体編
開梱、開封、そして実際の品物に触れてみて、これは――、という出来事も、海外品ならではと言うべきなのか、そこそこの割合で発生する。



先ほども例に挙げたカバーグのドロイドの帽体表面、マットブラック仕上げの塗装面に広がる、オイル染み。もう、初見のときは血の気が引く勢いで「やられた。ハズレが送られてきた」と、その場で固まってしまったのだが、果たして、この染みはクリーナーで除去でき、難を逃れる。



一応、リカバー作業の様子も。



変わって、オリジネ・GTヘルメットの後頭部、ディフューザー割れ。到着した時点でブリッジ状の造形の根本がバッキリと破損しているように見えたのだが、観察してみると、接着剤による固定部のように見えなくも無い。むしろ、どこからどう見ても部品同士の合いが悪く、何をしようが、足の部分が帽体側に届かない。造形不良なのか破損なのか――、なんにしても接着剤による固定は諦め、そのまま放置に決定。



次の例は、パーツ単位での品質。こちらは、シャークのシールドバイザー。



スパルタンやスクォール向けのダークスモークAR、アンチスクラッチ。やたらと濃い(暗い)ことで知られるシャークのダークスモークは、現地では透過率適合において公道使用不可(不適合)とされる、レース専用パーツ。どれくらい暗いかと言うと、これだけ暗い。



自分は鳥目なので、山陰の薄暗さどころか木陰でもヤバイ――、という危機感を抱くレベル。トンネル?いや、無理。で、問題の品質はそこではなく、製品の包装と、在庫の管理?の点。それが、こちら。



プラスチックバッグ(ビニール袋)なのだが――、とにかく擦れと破れが酷い。擦過傷や打痕のオンパレードで、トドメが、これ。



決して、いわゆる『ウケ』を狙って故意に穴を開けた訳では無く、到着した時点で、この大穴が開いていた。この有様で内容物であるシールド本体の表面が無事だったのは、奇跡的。実際、アメリカから送ってもらったスコーピオンEXOのミラーシールドバイザーは、包装を突き抜けて、最も弧を描く真正面に擦り傷が付いてしまっていた――ということがある。

シャークと言えば、こんなことも。ダラク(DRAK)系の最新アイテムとしてデビューしたATVダラク/Xダラク/Sダラク(ATV-Drak/X-Drak/S-Drak)の新生ダラク三兄弟の中から、最も廉価バージョンである単色のATVダラク(ATV-Drak Blank)を購入した際の出来事。付属品である着脱可能なピークドバイザー(おでこに装着する、日よけ)が箱の中で暴れてしまったようで、その角とぶつかったヘルメットの帽体の表面に、いくつもキズがついていた――、という思い出。



こんなキズが、四か所ほど。どれも除去出来るレベルで良かったが、根本的なところは何も、良くはない。



シャークと言えば、こんなのも。一世を風靡したシャーク・ロウ(SHARK RAW)の後継品であるダラクの迷彩カラー・クオーツカモ(Drak Kurtz Kamo)の、おでこのエンブレムが中心からずれていた――という、稚拙な出来栄えの例。



余談ながらダラク系には、始祖であるロウの初期モデルと後期(改良)モデル、そして刷新された後継品のダラクおよび改変モデルであるストリートダラク(Street Drak)など数多くのバリエーションが存在し、額のエンブレムも立体型からペイントロゴまで様々なものが登場している。



ペイント処理されているロゴは良いのだが、こと立体型のエンブレムに限って個人のブログやレビューなどを閲覧していくと……、かなり適当に貼付されているのだろうか――、傾いていたり寄っていたり、妙にチグハグしていることが分かる。ジグ(治具)などを用いずに貼り付けているのか――、と勘ぐってしまったりもするが本当の所は、分からない。



結局のところ気付いた人≒購入者が直す他は無く、自力での補修・修正となった訳だが、案外と素直な糊(のり)で、貼り直しが容易に可能だったところは、ありがたい。いや、ありがたがるところでは、ないのだが――。

■海外ヘルメットの品質・耐久性
これは使い方次第なのかも知れないので、一概に「こう!」と書く訳にはいかないと思うのだが、それでも、ひとつの例として投稿しておいてもバチは当たらないかな――、というもの。



令和元年・2019年の5月購入、その後、使用回数10回足らずの状態だったオリジネ・GTヘルメットの内装の様子。ある日、部屋のカーペットに黒いクズが落ちていて、なんのゴミだろう――?と、いぶかしがっていたのだが、その原因は、これだった。指で触れると、ボロッと崩れるように剥がれていく。いわゆる、加水分解(かすい-ぶんかい)というダメージ。



確認していくと、帽体の右側に損傷が集中しており、3か所ほどダメになっている。オリジネのヘルメットは、今回のGT以外に触れたことがないのだが、手にもって持ち上げただけでギシギシと音が鳴り出す貧相な樹脂帽体を含め、もしかすると価格と品質が釣り合ってないのではは無いか――と、製品の価値を疑う結果に、近付きつつある。

なお、ORIGINEの供給元であるH&Hの系列のグッズは、TORCやBOGOTTOの他に、有名どころとしてVCAN(ヴィーカン/赤字のVとCANのロゴ、アイテム番号がVから始まる。昔からあるVcanとは、別)がある。日本国内では、福岡県のクレストジャパン(CREST)が販売している製品(ジェット、システムヘルメットなど)が、それ系。ボゴットのシステムヘルメットの代わりにクレストの品物を買ってみようかと考えていた矢先にオリジネGTの内装がこうなってしまったので、しばらく様子見中。

■「海外ヘルメット好きかい?」「うん大好きさ!」
余談ながら、こんな記事を投稿しようとしている間も、海の向こうからは新しいヘルメットが、こちらを目指して移動中。



こちらの商品は、ILM(※…ILMotor、カリフォルニア州都・サクラメントに店舗を持つ二輪用品店。ブランド名は、I Love Motorの略)のスリークォーター・オープンフェイス・ヘルメット、 726X。

ヨーロッパの品物をチェックしているシニョーレにはお馴染み、この製品は、かつて台湾ゼウスが製品を供給していたこともある欧州ブランドとしても知られるASTONE(アストン)のモジュラー・ヘルメットの一種、エレクトロン(ASTONE ELEKTRON)と同型の製品。ベースとなっているのは、中国のダフィマ・オートパーツ・テクノロジーが供給するファセド・ヘルメット(FASEED HELMETS)のFS-726X型ヘルメット。型番を共有するのは、ODMならでは。

色味が違う、ロゴが違う、シールドバイザーのミラーコートが違う――、などなど、エレクトロンと726Xとの仕様の違いは結構なものなのだが、実は販路の違い(ぶっちゃけ、中抜きの違い?)による価格差が相当なもので、欧州版に対して北米版は70ドル~80ドル前後という、ほぼ半額の域の安さで手に入れることが可能。安さで言えば、そもそもアストンは日本でも「はとや」が展開している銘柄のひとつであり、結果としてエレクトロンが「はとや」から提供される可能性も少なからずありそうだったが、コロナ禍によるものなのか(それともアストンの売り上げがアレなのか)一向に音沙汰が無いため、しびれを切らしILM版を注文した次第。

気がかりなのは、ゼウス/アストンは余計な事をしがちなブランドであること。サイジングに至っては、やたら小さい・やたら狭い(ロングオーバル?)ことで困惑させられたライダーが存在しており、その点は結構、心配。もっとも、ダフィマは台湾系ではなく中国系になるのだが、いわゆる『中華』という点では大差なく、むしろLS2(JPH)のような例もある※ので、不安と言えば不安。品質だけは大丈夫だろう――、多分。

※LS2(JPH)のような例もある…中国の大手ヘルメットメーカー・JPHの海外ブランド・LS2の製品は、その多くがロング・オーバル、いわゆる長頭向けの縦長(前後に長い楕円)型の帽体で知られる。海外向けも国内(※中国本土)向けもアジア向けもなく、かつ、全部が全部ロング・オーバルという訳でもない(※商品ごとに内側の形状が異なる)ので、LS2のサイズ選びは、なかなかに難しい。

■追記:Amazon.comで送料が50米ドルを超えていた理由
上述のILM726Xが、あっという間に到着。



やけに早いなと思ったら、案の定、航空便。おかげで早い&荷姿が、とても奇麗。30米ドルの送料でボコボコにされるなら、50米ドルで送ってもらった方が、色々な意味でお得かも知れないな――などと考えてしまったり。
Posted at 2020/08/09 12:00:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記
2018年04月15日 イイね!

ホン・ジンHJC(HJC Helmets/HJCヘルメット)に関する知ったかぶりメモ

ホン・ジンHJC(HJC Helmets/HJCヘルメット)に関する知ったかぶりメモ今回は、世界で最も有名であろうオートバイ・ヘルメット・ブランドのひとつ、大韓民国の『HJC』についてのメモを投稿。

例によって『馬鹿の話は必ず長い』を地で行く雑多な内容&無駄な文字数ながら、人名・地名、および時期や金額といった数値の類は公式なものを引用している(つもりな)ので、調べ物をしている方にとって何らかのお役に立てましたら幸い。以下文中、敬称略。



■HJCとは
HJCヘルメット(HJC Helmets)、通称“HJC”とは、大韓民国(Republic of Korea)の誇る世界的企業・株式会社ホン・ジンHJC(英字表記:Hong Jin HJC、漢字表記:洪進HJC)、もしくは、ホン・ジンHJC社が展開する乗用ヘルメット・ブランドのこと。用途・環境に合わせた豊富なライン・ナップを誇り、また、充実したサイズ設定と多種様々なグラフィックの提案を続けることでも知られる。

韓国においては、「世界的な大成功を収めた(にも関わらず、それとは対照的に知名度が低い)知られざる韓国企業」を意味する“隠れたチャンピオン(英:Hidden champions)※”キャンペーンの一角として、様々な媒体に取り上げられた過去を持つ。

※隠れたチャンピオン…元ネタは、ドイツでマーケティング・グループの会長も務める経済学者・経営思想家のヘルマン・サイモンの著書『グローバルビジネスの隠れたチャンピオン企業(原名:Hidden champions)』。



■HJCヘルメットの特徴
HJCヘルメットが展開するアイテムには、米国本土上陸(1987~)当時のホン社長(※後の会長・詳しくは後述)が掲げた「ふたつの方針」に端を発する明確な特徴を見ることが出来る。この「ふたつの方針」というのはズバリ、日本ブランドへの対抗。
(1)AraiとSHOEIよりも安く売る
(2)日本の2大メーカーが扱っていないアイテム(※半帽)を売る

その具体案として、HJCヘルメットは次の特徴を持つこととなる。
・品種が豊富(※含む半帽/ハーフキャップヘルメット)
・サイズ設定が豊富
・色柄が豊富
・オプションが豊富
・安い(100米ドル~200米ドル圏の廉価グレードが豊富)

ベルやシンプソンなど名立たるブランドで知られるアメリカのマーケットに身を置こうとするなか、あえて極東アジアのちっぽけな島国たる日本の2社を名指しした理由は他でもなく、HJC渡米当時の北米ヘルメット市場における占有率(シェア)の上位に、その2社が存在していたため。厳命を受けた渡米組(HJCアメリカの祖)はホン社長の方針を遵守し、巨大な北米市場で一定の支持を得ることに成功する。

[うんちくメモ:HJCヘルメットの膨大な商品点数]
HJCには『ひとつのヘルメットにおいて288アイテムを用意する』、という逸話がある。具体的には、1モデルに対して8サイズ×6カラー設定×6グラフィック・パターン=最高で288アイテム、という計算。

・参考画像:HJCヘルメット CS-R3


安価な製品であるCS-R3にも、充実したライン・ナップを見ることが出来る。画像にある単色×6カラー+グラフィック・モデル2パターン×各6カラー設定(計3種類)の時点で、合計アイテム数は144。

[うんちくメモ:1980年代当時の5サイズと8サイズ]
今現在の北米市場向けサイジング・チャートの選択肢は計10種類に増えているが、これは「サイズ調整が可能である」旨を意味する提案であって、実際のサイズ展開は月並みなものとなっている。

ちなみに、日本国内におけるフルフェイスのサイズ設定の違いは、次の通り。
・Arai Helmet → レギュラーサイズ5種+2サイズUPまで調整可能
・SHOEI → レギュラー6サイズ
・HJC(日本法人) → レギュラー4サイズ(S/M/L/XL)

[うんちくメモ:モーターサイクル・インダストリー・マガジン]
HJCヘルメット(ホン・ジンHJC社)と言えば、キャッチ・フレーズにも用いられている“#1 IN THE WORLD/全米シェアナンバー1”の言葉。これはHJCの代名詞として大きく掲げられるもので、インターネット上の至る所に散見するが、その確たる根拠として明示される情報ソースこそ、知る人ぞ知る“モーターサイクル・インダストリー・マガジン(Motorcycle Industry Magazine)”。ウェブ検索で抽出される情報のほとんどは、次の英文が参照元として明示されている。
"Refer to Motorcycle Industry Magazine 1992-present."
※Refer to~=~を参照(する)、-present=~から現在(に至る)

大韓民国が誇る世界的企業ホン・ジンHJC社の輝かしい偉業を伝えるモーターサイクル・インダストリー・マガジンだが、その誌面は謎のベールに包まれており、実はどこの誰が発刊しているのかすら判明していない

※2020年5月31日追記
サンフランシスコ在住の写真家である、アーサー・ドマガラ(Arthur Domagala、公式サイト www.arthurdomagala.com)が筆者である可能性が浮上。その氏名がモーターサイクル・インダストリー・マガジン内の該当記事に掲載されている著者名(肩書は“アシスタント・エディター”)と完全に一致しており、経歴に「オートバイ雑誌の編集者」とあることから、間違いないのではないかと考える。肝心の誌面に関する詳細は依然として不明のままだが、アーサー・ドマガラによるモーターサイクル・ヘルメット記事は、1992年度以外にも複数が存在している(していた)模様。



■HJCブランドの販売体系
HJCヘルメットを含むHJCグループの製品は、その内容により、取り扱いの窓口が三つ(+ふたつ)に大別される。

・HJCヘルメット(HJC Helmets)
・HJCスポーツ(HJC Sports)
・HJCモータースポーツ(HJC Motorsports)

・ホン・ジン“ペイヂン”スポーツグッズ(Hong Jin (Beijing) Sports Goods)
・HJCヴィーナ(HJC VINA)

上から順に。
【HJCヘルメット】
HJCブランドのオートバイ・ヘルメット、および、それらに関連する商品の供給者。ホン・ジンHJCの中核であり、一般的に『HJC』という名称は、この部門を指す場合が多い。

【HJCスポーツ】
HJCブランドの自転車用ヘルメット、および、その関連グッズを取り扱う商品供給者。ABS樹脂を取り扱う大阪のOGKがそうであるように、HJCも自転車用ヘルメットを取り扱っている。

【HJCモータースポーツ】
HJCブランドのレーシング・カー・ヘルメット(四輪向け製品)、を取り扱う商品供給者。競技専用の用途に特化した関連アクセサリーや、補修・交換部品なども取り扱う。

【ホン・ジン“ペイヂン”スポーツ・グッズ】
中国法人。HJCチャイナ。HJCヘルメットの廉価カテゴリーにおける中国工場生産品は、この部門の取り扱い。ややこしいことに英字表記においては、“ペイヂン”をカッコ()で括る表記が、正式。

【HJCヴィーナ】
ベトナム法人。HJCベトナム。ジェットヘルメットに代表される廉価カテゴリーは、この部門の取り扱い。ヤマハ純正アクセサリーのワイズギアが販売するメイド・イン・ベトナムのジェットヘルメット(YJ-〇〇)のタグに印字されている製造元が、正にここ。HJCヴィーナの生産コスト削減は通常の日本人ライダーの感覚では想像が追い付かない水準に達しており、同時に、恐ろしく安い人件費でも知られる。

インターネット上には、それぞれ独自のwebサイトを持つものも存在する。
特にHJCスポーツ/モータースポーツは、HJCヘルメットのカテゴリー外の自転車用/四輪車用ヘルメットを提案する窓口として、重要な役割を担う。

[うんちくメモ:Beijing(ペイヂン)]
北京(ペキン)。すわなち中華人民共和国の首都、北京市のこと。アルファベットは、国際的な現代中国語のピン音(ぴん-いん)による。かつての表記は、“Peking(ペキン)”。Peking → Beijingへの移行には、複雑な事情が関係している。ちなみに日本の報道・マスコミは平成どころか令和の時代でも“ペキン”と呼び続けているが、これは「長い歴史の中で既に定着している読みを尊重する考え(指針)」による※この点はNHK/日本放送協会が詳しい。

[うんちくメモ:VINA(ヴィーナ)]
“ベトナムの~”、といった意味で用いる英字表現。HJCヴィーナの正式名称である“Cong ty TNHH(Công ty TNHH)HJC VINA”は、ベトナム社会主義共和国の言葉で『有限会社HJCベトナム』の意。



■HJCの法人と拠点
大韓民国のコリア本社以下、大きく分けてアメリカ法人とヨーロッパ法人が存在する。生産拠点としては韓国工場、中国工場、ベトナム工場の三か所が稼働中。

・HJCコリア
・HJCアメリカ
・HJCヨーロッパ
・HJCチャイナ
・HJCベトナム

コリア:韓国研究開発センターや韓国工場(高級品専門)保有する韓国本社。
アメリカ:北米、ロスアンゼルスあるアメリカ法人。
ヨーロッパ:欧州法人。HJCフランス以下、HJCドイツ、HJCイタリアの計3拠点。
チャイナ:中国工場を擁する、中国法人。大規模な施設と、多数の人員を擁する。
ベトナム:前述したHJC VINA、ベトナム法人。最新の工場。



■HJCヘルメットの生産ライン
製造・生産は、[普及品(含む業務用)]と[プレミアム・ライン]、以上のふたつに大別される。

(1)普及品 → 生産コストの低い中国・ベトナム現地労働者&機械による大量生産
(2)プレミアム・ヘルメット → 『RPHA(アルファ)』シリーズ、韓国工場にて韓国人による手作り

前者は一般的な商品の他、業務用の簡素なヘルメットも含む。
後者は、ハイクオリティでハイパフォーマンスという付加価値をもつプレミアム・ヘルメットの『RPHA(アルファ)』専用の製造ラインが確保された、韓国工場の生産ラインを意味する。モデル11までバージョン・アップされている現行RPHAシリーズは、最廉価となる単色(グラフィックなし)モデルであれば、日本正規品が送料込みでも実売4万円以下で入手が可能。しかし、有名ブランドとのコラボレーション・モデルなどに至っては5万円~6万円台の実売価格が珍しくなく、それらはSHOEIやAraiの、いわゆる“プレミアム・ヘルメット”と同価格帯となっている。

なお、本場である韓国市場においては80万ウォン(約8万円相当)となる高価格帯の最高峰モデル・RPHAは、韓国本土の生産拠点以外での製造が許されておらず、RPHAシリーズと普及品の扱いの差は余りに大きい。同じヘルメット・ブランドの中でRPHAのみを徹底して差別化する方針について、HJCヘルメット韓国ソウル本社ギム・ヨンヘ本部長は次のようなコメントを韓国メディアに表明している。

「(RPHAの生産工程を担う)韓国人技師40名による生産コストは、東南アジアで労働者を1,000人雇用できるレベルにある」
「(高額な人件費を含めて)いかに費用がかかろうとも、プレミアム・ラインだけはソウル本社が責任を負って行う」

[うんちくメモ:人件費に関する仮定]
大韓民国の大企業の収入(2016年)を基準に人件費を仮定すると、大体こんな感じ。
・韓国人技師:日給約15万ウォン(約1万5千円~) → 40名分の日給=約600万ウォン
・東南アジア労働者(1,000人分):約600万ウォン → 一人当たりの日給=約6000ウォン(約600円)
2015年のベトナム・ホーチミン市の最低賃金の日額は、11万ドン(約540円)。韓国HJC本社が示すアジア労働者の人的コストが最低賃金(の10%増し)程度の水準であると仮定した場合、一応は、上記の内容に一致する。

[うんちくメモ:品種による生産元の相違]
高級品は自国生産、廉価品はアジア製造、という手法は韓国のHJC、イタリアのAGVおよびSUOMY(スオーミー)などが有名。それ以外にも、帽体や内装など部品単位での製造を他所の国で済ませたのちパーツ一式を自国に搬入&組み立てと品質確認と梱包の工程を自国で行う事によって「国産(made in xxxxx)」とする、といった手法も存在する。

[うんちくメモ:業務用の簡素なヘルメット]
日本郵便(ジャパンポスト/JP)社の郵便配達員(集配営業部員)が着用しているヘルメットが、正にHJCの業務用ヘルメット。帽体の内側には、HJC製品の証である印紙が貼付されている。おおよそ乗用らしからぬ軽さと安さ(※単価は1,000円前後とも)が特徴で、その構造と品質は土木作業用のJIS安全帽に勝るとも劣らない。



■HJCの業績
北米進出を果たした1980年代以降、HJCヘルメットが更なる飛躍を遂げるきっかけとなった決定的な出来事が、フリップ・アップ・ヘルメット(モジュラー・ヘルメット)の特許取得と、そのカテゴリー商品の爆発的なセールス。韓国・米国・カナダにて特許を獲得したHJCグループが開発・販売した当時の新商品は、年間20万個の販売数を記録し、世界一位獲得へのけん引力となった。

こうして2001年には、820万個市場のモーター・サイクル・ヘルメット・マーケットにおいて120万個にのぼる製品を供給、市場シェア14.64%で1位に輝くこととなる(※注:韓国メディア、および米国モーターサイクル・インダストリー・マガジンによる統計)。

その後、韓国ホン・ジンHJC社は年間、のべ2,000,000個(200万個)を上回る膨大な数のヘルメットを輸出する世界的企業得へと成長、輸出額は、おおよそ1億ドル(約113億円)へと拡大。総売上とされる840億ウォン(約83億円)のうち、その97%は海外輸出による。



■HJCヘルメットの市場シェア
オートバイ・ヘルメットの話題において世界的に知られるもののひとつが、ホン・ジンHJC社の誇るHJCヘルメットの市場占有率、いわゆる市場シェアの高さ。HJCヘルメットは1992年に北米におけるオートバイ・ヘルメットのトップシェアを獲得(Refer to Motorcycle Industry Magazine 1992-present)して以来、一度たりとも、その座を明け渡したことが無い、とされる。

この事実については、2014年の時点で韓国メディアが事実上の続報となる記事を公開しており、その中で記者は、「(1992年のシェア1位獲得からHJCヘルメットは)12年連続でトップ・シェアを維持している」旨を報じている。

2017年現在、他ならぬ日本HJC代理店・RS TAICHI(アールエスタイチ/本社:大阪)がウェブサイト上に「全米シェア ナンバーワン!(※全文ママ)」との宣言を掲げていることからも、韓国HJCの全米トップ・シェアは紛れも無い歴史的事実なのだろう。なお、当初の報道ではHJCヘルメットがシェア1位を獲得した市場が「North America(ノース・アメリカ/北米)」となっていた訳だが、上述の通り正しくは「全米」、らしい。

ちなみに、オートバイ世界選手権・MotoGP(モト・ジーピー)へのスポンサードを開始した2013年度、HJCヘルメットは、その大きな宣伝効果により年間の総輸出量が200万個、金額にして1億ドル(約113億円)相当の輸出額を記録するに至った。この年の年間総売上は、840億ウォン(約83億円)。その97%はアメリカ、およびヨーロッパ諸国を中心とする海外輸出によって得られたもので、世界市場におけるシェアの、おおよそ17%の獲得に成功。これは同シェア2位のイタリア・NOLAN(ノーラン)の占める9%を、2倍近く上回るものだった(※韓国メディア発。欧州もしくは第三者による客観的で明確なソースは明示されていない。念のため)。

これらホン・ジンHJCの素晴らしい偉業の数々は、そのすべてが大韓民国のメディアを通じて韓国国内向けに報道されており、韓国国民の誰しもが自由に、いつでも、好きな時に知ることが出来るようになっている。



■そもそも『ホン・ジン』とは
ホン・ジンHJCのルーツは、1971年創業の“ホン・ジン企業”にある。

韓国語の“ホン・ジン(※ハングル表記は機種依存のため省略)”は漢字表記で「洪進」、「広い世界に進む」を意味する言葉。起業当時の高い志を感じさせる命名だが、それと同時に、この「洪進」という語句には創業者のホン・ワンギ(洪完基、後のHJC名誉会長)による家族への思い、『ホン(洪)兄弟が共にある(翻訳ママ)』という意味が込められている。

上述の通り当初の会社名は“ホン・ジン”であり、後に定着することとなる“HJC”というアルファベット三文字は存在していなかった。その初出となったのは、ホン・ジン企業が北米への進出を果たした1987年1月のこと。渡米の際に米国当局へ持ち込んだ自社ブランド名の『クラウン(Crown)ヘルメット(※)』の名前を冠するかたちで誕生した法人名、『ホン・ジン・クラウン(Hong Jin Crown)』を略した“HJC”が、最初のHJCとなる(※商標の登録などについては未確認)。

[うんちくメモ:クラウン・ヘルメット]
Crown Helmets/クラウン・ヘルメットは、ホン・ジン・クラウン社が製造・販売した乗用ヘルメット・ブランドの名前。日本のヘルメット市場ににおいては、『洪進クラウン』名義でヤマハ発動機のワイズギアなどからライン・ナップされた過去がある(その流れが、今現在のワイズギア・アルファ・シリーズ)。

洪進クラウンのヘルメットは1990年代当時から「安さ」が真骨頂で、ヤマハ車の取り扱いがある二輪販売店では、新車を購入した顧客に対して(例え販売した車両がホンダやスズキのモデルであっても)車両購入特典として無償でクラウン・ヘルメットを提供していた時期があった。余談ながら、ホンジンのホンの字が「洪水(こうずい)」の「洪」という漢字であることから、クラウン・ヘルメットの内側に貼ってあった製品シールの表記は「こうしんクラウン」とも読まれていた。



■『ホン・ジン』から『HJC』へ
上述の米国法人発足に遅れること約半年(同年8月)、韓国本社も「ホン・ジン企業」の商号を、「ホン・ジン・クラウン(Hong Jin Crown/洪進Crown)」へと変更。この時、“H J C”が“H ong J ing Crown”の頭文字を意味するアルファベット三文字であることが示される格好となった。

その後、会社整理などを経て、あらためて発足した韓国法人が、現在の『ホン・ジンHJC』。この体制へと移行したのは、2005年のこと(現地の就職希望者向け情報サイトで創設が2005年と明示されているのは、このため)。業績は良好で、後述のMoto GPへのスポンサードなどを経て、HJCブランドは世界的に認知されていくこととなる。

なお、現在の企業名において『ホン・ジン』と『HJ』が重複していることについては、気にしない方向で(※真面目なところを言えばHJCという英字三文字はブランドの登録名称であり、略語とは別)。

[うんちくメモ:ヘルメットの分野における『クラウン』の意味]
日本において“クラウン(crown)”という言葉は“王冠”を意味する英語として広く知られているが、二輪業界、特に乗用ヘルメットのカテゴリーにおいては“クラウン・パッド(crown pad)”、つまり「頭頂部を内包する部位の内装(パッド)」を示す言葉としても用いられる。
かつてホン・ジン企業が最初に手掛けた乗用ヘルメットの仕事は「ヘルメットの内装の縫製」であり、恐らくはクラウン・パッドの製造にも関与していた可能性は十分に考えられるが、それがブランド名に“クラウン”の言葉を冠するに至る経緯となったのか否かについては、定かではない。



■ホン・ジンHJCとホン一族
ホン・ジンHJCは、その創始者であるホン・ワンギ氏のもと、ホン一族が組織運営の中核を担う。

ホン・ワンギ…名誉会長。創業者。洪家7人兄弟の長兄、長男。
ホン・スギ…会長。ホン・ジン社を世界企業HJCへと発展させた立役者。7人兄弟の次男。
ホン・ツナ…中国工場を担当。同五男。
ホン・ヒョギ…資金管理に従事。同六男。
ホン・ウルギー…故人※。元製品開発・元海外営業部課長。7人兄弟の末っ子、七男。

[うんちくメモ:故ホン・ウルギー氏]
1996年1月、カナディアン・ロッキーで行われていたスノーモービル・ヘルメットとチャッター・ボックスの製品テストにおいてスノーモービルを運転中に松の木に接触、雪原に転倒し、死亡。

開発中だった『チャッター・ボックス(chatterbox/直訳:おしゃべり(な人)』とは、「チャット(chat/おしゃべり)のためのボックス」、つまり無線による相互通話を行うためにヘルメットに装着する小型通信装置のこと。古くは小型トランシーバー、今で言うところのインターコム(インカム)、Bluetoothハンズフリー・ヘッドセット的なもの。
『スノーモービル・ヘルメット』とは、電熱線によってシールド・バイザーの曇りを抑制する機能などを持たせた「寒冷地・降雪地域向け装備のヘルメット」のこと。電気の熱による「曇り止め(アンチ・フォグ)」を行うことにより、バッテリーからの電力供給が続く限り、装着者に快適な視界を提供する。

事故後、どちらの試作品装備も、末っ子の死を無駄にせんとしたホン会長主導のもとで、商品化を実現。この時に開発されたHJCスノーモービル・ヘルメットは、同カテゴリーのシェア70%を占有する“親孝行商品”となった、と後年、語られている。



■ホン・ジンHJC社のあゆみ
以下に確かなソースのあるものを抜粋、かつ機械翻訳(から解釈)しつつ、列挙する。

=== 1970年代 ===
* 1970年
** 韓国・漢陽(ハンヤン)大学工業経営学科(後の産業工学科)に通う大韓民国青年・洪完基(ホン・ワンギ、後のHJC会長)が、学校を中退。使い捨て紙コップの特許を取得し、その製造で事業を起こすも、あえなく失敗。無一文と化す。
** ホン青年は、数台のミシンで縫製工場を新たに設立。乗用レザーパンツ(オートバイ向け革ズボン)の製造で再起を図る。

* 1971年
** 縫製工場を元に、オートバイ用衣料製造メーカー・“ホン・ジン企業”を起こす。当初はレザーパンツ、レザージャケット、マスク、グローブなどの縫製・製造を行う。このなかで、バイク運転向けのマスクが反響を呼び、間もなくオートバイ乗用ヘルメット向けの内装製造も手掛けはじめる。

* 1974年
** 経営難に陥った取引先“ソウル・ヘルメット”社の社長から、会社を買ってくれないか、と買収を打診される。若きホン社長は、それを受諾し、親戚への借金によって資金を調達、ソウル・ヘルメット社の買収を実現する。
** ヘルメット製造施設と機材を獲得したホン・ジン社は韓国オートバイ・ヘルメット市場への本格的な参入を果たし、ホン社長はヘルメット事業者へと転身する。

* 1978年
** 市場参入から僅か4年で、韓国オートバイ用ヘルメット市場のシェア1位を獲得。勢いに乗ったホン・ジン社は韓国市場の首位に甘んじることなく、米国および世界市場への進出を決意する。
** この頃に勤務していた韓国人従業員の一人が、現・韓国OGK(オージーケー)のCEOであるパク・スアン(朴秀晏※)。氏は、1977年にホン・ジンFRP工業(当時のHJCの一部)の常務を務めた後に独立、1979年に“ソンウ工業”を起こし、1981年に設立された株式会社・韓国OGK(OGK Korea)の取締役を経て、2001年に同法人代表取締役へと就任、今日に至る。

◆脱線うんちく:パク・スアン(朴秀晏)とOGKとHJC
氏の在籍する“OGK”とは言うまでもなく、日本のOGK技研株式会社、およびオートバイのヘルメットで知られるOGK Kabuto(オージーケーカブト)の“OGK”。勘の良い方は既にお察しの事と思うが、「パク(朴)」の名が示す通り、スアン氏はOGKグループの血縁者。具体的には、OGK技研(※旧称:OGK)の初代の社長である朴祥雨(日本名・木村祥雨)元代表と、その弟であった朴景雨(日本名・木村景雨)元代表の、実の甥にあたる存在。同三代目を襲名した景雨元代表のご長男にあたる朴秀元(日本名・木村秀元)元代表、および同社からの分社により誕生したOGK販売(現:OGK kabuto)の朴秀仁(日本名・木村秀仁)元代表は、それぞれ従兄弟にあたる。

この血縁関係に関しては、氏が2000年に韓国メディアへ寄稿したエッセイの中で次のように触れられている。

"(1980年代当時)日本にOGKという名前の会社は、OGK技研とOGK販売株式会社の2社がある。この2社は、在日同胞の伯父様と従兄弟の会社である"

今日の韓国OGKは、ゴーグル・サングラス・アイウェア類の製造・生産・ODM/OEM(OakleyやSPYといった一流どころのブランドに自社製品を供給している)企業として知られる存在。同社のオートバイ用ゴーグルの製造ノウハウの起源にはOGK技研が日本から提供した樹脂加工の技術が含まれており、日本のOGK Kabuto、およびグループから派生したGLEN FIELD(グレンフィールド:3万円を超える高価格帯のアイウェアを中心に据えた商品展開で知られる会社・OGKグループ木村一族の一員である木村弘道氏が代表を務める)がアイウェア類を商品展開しているのも、この縁による。

なお韓国OGKは、かのホン・ジンHJCにヘルメットのシールド・バイザーを供給していたという輝かしい実績ももつ。この契約も、氏がホン会長自らが率いていた当時のホン・ジン社に勤めていた縁によるもの。1995年、ソウル特別市・衿川区・加山洞(クムチョン区・カサンドン)のカサンドン工場の焼失という悲劇が韓国OGKを窮地に陥れた際、根気よく発注を続けて同社の資金難を支えた大手取引先のひとつが、当時のホン・ジンHJCである。


=== 1980年代 ===
* 海外進出開始。
* 現地の仲卸との取引を始めたものの、強度面および重量面の問題、および欧米人種の頭部に適応していない内部形状(※)など、国際的な安全基準を満たしていない点を理由に現地バイヤーからの評価は低く、製品は「低級品」として扱われてしまう。
※…ホン・スギ会長は当時を振り返り「韓国人向けの内部形状(緩衝材のかたち)が、前後に長い頭部形状の米国人に、合っていなかった」と語っている。

* 1982年
** ソウル特別市・江北区スユドン工場から失火、工場内の設備と製品を焼失。これを受けて、工場の移転を行う。
** 仲卸・バイヤー陣から指摘されていた技術力不足を打開すべく研究を重ねるが、進捗状況が芳しくないことに危機感を抱いたホン・ジン社は、一般に販売されている有名メーカーのヘルメットを入手し、その分解と内部形状の徹底的な調査を開始。更に、他社ヘルメットの分解だけでなく、分解状態の高品質ヘルメットを再び組み立て直すという工程を社内で何度も繰り返し、先行する大手メーカーの製造ノウハウと品質の研究を行う(※)。

※……いわゆる“ベンチマーキング/benchmarking”という手法。世界的に韓国のそれが嫌悪される理由は、いわゆる悪い意味での「パクリ」に相当する行為であるため(有名どころは、軍事技術)。ちなみに「ベンチマーキング」という言葉が一般的でなかった時代に、この手法を取り入れて商品を開発していたメーカーのひとつが創業当時のOGK販売、現・OGK Kabuto。オージーケーやHJCといった韓国系製品群の一部には「〇〇のパクり」と揶揄される商品が存在したが、現実は、おおむね、その通りだったという珍しい例。これらベンチマーキング行為の事実は、他の誰でもない両社の代表自らがインタビューで答えている。

* 1984年
** 2年の月日をかけて行った他社製品の研究により蓄積したノウハウが結実、“辛うじてながらも”アメリカ合衆国運輸省(United States Department of Transportation、通称:DOT)の認証獲得に成功し、対米輸出を開始する。

* 1987年
** 1月:アメリカ合衆国・ロスアンゼルスに米国法人・『HJC』を設立。
** 8月:韓国『ホン・ジン・クラウン(HONG JIN CROWN/洪進CROWN)』社を発足。
** DOTに次いで、SNELL(スネル)認証の獲得に成功。
** 日本市場においては、ヤマハ発動機へ乗用ヘルメットを供給。以降、韓国クラウン・ヘルメットはヤマハ発動機グループ・ワイズギア社の取り扱いの下、ヤマハ純正グッズ(※)となる。
※…ヘルメットのラインナップは、競合相手のクノー工業の製品と同居する体制となっていた。

=== 1990年代 ===
*ヤマハ発動機の純正グッズ向けの新型ヘルメットとして、ヤマハ発動機グループ・ワイズギア社よりCROWN(クラウン)ヘルメットを供給。

* 1991年
** 7月、台風19号(Typhoon Caitlin)がもたらした河川の増水により、工場裏手の堤防が決壊。施設が浸水し、甚大な損害を被る。

* 1992年
** 北米におけるオートバイ向け乗用ヘルメット市場のシェア1位の獲得を、自社発表。このニュースは、一部マスメディアを通じて日本の二輪用品店などでも報じられた。
** ちなみに、上記報道の根拠(情報参照元)は、“モーターサイクル・インダストリー・マガジン誌の1992年度(Refer to Motorcycle Industry Magazine 1992-present)の調査結果”と発表されている。発刊者を含む誌面の詳細が未だ明らかでない点については、他項に記した通り。

* 1997年
** 中国工場、設立。以降のクラウン・ヘルメットおよびHJCヘルメット製品には、既存のmade in Koreaに加え、made in Chinaがライン・ナップに加わる(後年、ベトナム工場も新設)。

* 1999年
** モジュラー・ヘルメット(フリップ・アップ・ヘルメット)の開発に着手。チン・ガードの技術における特許を韓国・アメリカ・カナダにて取得。

=== 2000年代 ===
* ヤマハ発動機の純正グッズ向けの新型ヘルメットとして、ヤマハ発動機グループ・ワイズギア社より“ZENITH(ゼニス)”シリーズを供給。

* 2000年
** 完成したモジュラー・ヘルメット“SY MAX(サイ・マックス)”の販売を開始。年間20万個を超える販売数を記録。

* 2001年
** ヘルメットの年間販売数が120万個を突破。

* 2004年
** 輸出量の増大に対応し中国工場を拡大、設備を増設。

* 2005年
** 韓国ホン・ジン・クラウン社の商号を変更、『ホン・ジンHJC』を設立。

* 2008年
** ベトナムに、現地法人を設立。

=== 2010年代 ===
* ヤマハ発動機の純正グッズ向けの新型ヘルメットとして、ヤマハ発動機グループ・ワイズギア社よりプレミアム・ヘルメット“RPHA(アルファ)”シリーズを供給。

* 2010年
** ヨーロッパ方面の法人を統合、施設買収。

* 2011年
** 輸出量の増大に対応しベトナム工場を拡大、設備を増設。
** ヘルメット卸売業者を対象とした米国アンケート調査における「最も多く扱うブランドが何なのか」の項目にて、HJCが77%を記録。ショウエイの49%を大きく上回る結果を残す(77と49を足した時点で100を超えてしまうのだが、恐らくHJCが統計上100%を超えるミラクルなパワーを秘めているものと推測)。また、「特に最もよく売れるオフロードヘルメットブランド」を問う項目では56%を記録し、同カテゴリーの競合ブランドであるフルマー(FULMER Powersports、17%)とベガ(Vega Helmets)の8%を圧倒している(どちらもモーターサイクル・インダストリー・マガジンによる統計)。

* 2012年
** YAMAH所属のMotoGPライダーであるホルヘ・ロレンソ選手との間にヘルメット・スポンサー契約を締結(2013年~2014年の2年契約)。

* 2014年
** MotoGPライダー・ロレンソ選手とのヘルメット・スポンサー契約を更改。2年契約を締結(2015年~2016年)。

* 2015年
** 輸出量の増大に対応し、ベトナム工場の組立棟を新設・稼働開始。
** MotoGPライダー・ロレンソ選手との契約(2015年~2016年の2年間)の打ち切りを発表。

* 2016年
** ベトナム工場に金型工場を設立、稼働開始。

* 2018年
** SUZUKI所属のMotoGPライダーであるアンドレア・イアンノーネ選手とのヘルメット・スポンサー契約を締結(2018年~2019年の2年契約)。



■おまけ ホン・ジンHJCとワイズギア

ワイズギアは、ホン・ジン社が韓国工場で普及品の製造と輸出を行っていたクラウン・ヘルメットの時代からHJC製品の輸入・販売を開始し、日本市場における韓国製品の流通実現に貢献し続ける確かな実績をもつ。

1980年代のYAMAHAヘルメット・ワイズギア製品と言えばクノー工業のグッズが有名だが、と同時に、ホン・ジン社の製品も含まれる。当該クラウン製品のタグには、“ホン・ジン・クラウン(CROWN)”、“MADE IN KOREA”の印字を見ることが出来るので、印字が薄れて(消えて)いない限り、競合のクノー工業などとは確実に見分けることが出来る。

昨今のワイズギアにおけるRB(ロール・バーン)、ZENITH(ゼニス)およびRPHA(アルファ)は、おおよそホン・ジンHJC供給によるライン・ナップ構成となっている(※全商品がHJCのOEM供給品というわけではないので、念のため)。

知名度の低いマイナー製品がベースとなっていたロール・バーン・シリーズなどはともかく(失礼)、ことプレミアム・モデル“RPHA”シリーズはHJCの主力製品のロゴ(RPHA)が丸出しの状態であるため、ヘルメットに予備知識のあるライダーにとっては見た瞬間にHJCのそれがベースであることが分かる構造で、ここ数年のRPHA系ワイズギア・ヘルメットは、良くも悪くもOEM供給品っぽくない出来だった、と言うことが出来る。

ちなみに2017年~2018年に入り、ワイズギアのハイ・エンドなフルフェイス・ヘルメットには、新たにSHOEIのヘルメットが採用されている。



■おまけ(2)ホン・ジンHJCとmoto GP

今でこそロードレース世界選手権・moto GP(モト・ジーピー)のスポンサーとしても知られるHJCヘルメットだが、その参入のきっかけとなったのは、欧州ヘルメット市場のシェア争いにおける最大の強敵・欧州最大手のヘルメット・メーカーである、“NOLAN(ノーラン)”の存在があったからこそ。

当時の北米マーケット
シェア1位 → HJC
シェア2位 → NOLAN(X-Lite)

当時の欧州マーケット
苦戦が続くアジアン・ブランド → HJC
高いシェアを誇る大手ヨーロピアン・ブランド → NOLAN(X-Lite)

ノーラン・ヘルメットこそはヨーロッパにおけるヘルメット市場の、おおよそ半分を占めるという有力ブランドの最右翼。ホン・ジン社にとっては正に、「目の上のタンコブ」の存在と言えた訳だが、そこでHJC陣営が繰り出した打開策こそが、(1)巨額の契約金を費やし、当時の最有力優勝候補の一人であったホルヘ・ロレンソ選手への2013~2014シーズンへのヘルメット・スポンサードをノーラン・ヘルメットから奪取、(2)巨額の費用を投じて、世界ロードレース選手権(モトGP)へのスポンサードへと参入、というものだった。

オートバイ・レース・シーンが大きな影響力をもつ欧州方面への積極的かつ、強力な販促活動を開始したHJCの営業活動は大韓民国において偉業そのものであり、当時の韓国メディアは、次のように報じている。

『ホン・ジンHJCが、世界的モーター・スポーツのスポンサードを実現した。これは現代自動車(ヒュンダイ自動車:韓国の自動車メーカー)も、成し得なかったことである。ヨーロッパでのモトGPグランプリ(※)の人気は、想像を絶する。200ヵ国で2億を超える世帯が視聴する、ワールドカップに劣らない人気スポーツなのだ』

※GPグランプリ…原文直訳ママ。恐らく『宇宙スペース』みたいなもの。

―――

果たしてロレンソ選手は、HJCの誇るプレミアム・モデル“RPHA10 Plus”を被り2013年度のモトGPの最高峰・モトGPクラスにヤマハ・ファクトリーから参戦。年間チャンピオンの獲得こそ逃したものの、ランキング総合2位という輝かしい実績を残し、欧州市場への莫大なアピール効果をもたらした。どれほどの効果を生んだのか――当時の韓国メディアは、2013年末にフランスで開催されたパリ・モーター・ショー/Salon de la Moto 2013の様子を、次のように報じている。

『(2013年末にフランスで開催されたパリ・モーター・ショー(Salon de la Moto 2013)において)HJCブースは足の踏み場が無い!』
『(2013年度、のべ1年間だけで)RPHA10は、ヨーロッパで6万個も売れた!』
『(同上)ヨーロッパ市場の売上高の60%を占める商品と化した!』
『世界最大のオートバイ向け乗用ヘルメットの市場であるヨーロッパで、ホン・ジンHJCはシェア15%(推定)でトップ圏に躍り出た!※』

※ヨーロッパで、ホン・ジンHJCはシェア15%(推定)でトップ圏に躍り出た…報道当時。2018年現在、ヨーロッパにおけるHJCヘルメットのオートバイ・ヘルメット・シェアは、なんと20%に達している、らしい(HJCスポーツ公式アナウンスによる)。

その後、マイナートラブルが続いたHJCのヘルメットに起因するあれこれでロレンソ選手とHJCの契約は解消されるに至るが、その後もトップライダーの少なからずがHJCヘルメットとのスポンサード契約を結んでおり、世界最高峰クラスでの活躍と大きな販促効果を生み出し続けている。



■おまけ(3)サウス・コリアのヘルメット・サプライヤーズ

参考までに、大韓民国・韓国のヘルメット・メーカーと、そのブランドを抜粋。日本国内バイクメーカーから純正アクセサリーとして提案されているヘルメットの多くに、韓国企業の製品が採用されている現状は案外、知られていない。

* Hong Jin HJC(ホン・ジンHJC)
** 言わずと知れた全米シェアナンバーワンの世界的企業、HJCヘルメット。
文中でも何度か触れた通りHJCこそは、ヤマハ発動機グループ・ワイズギア/Y'S GEARが提案するヤマハ純正ヘルメットの製造・輸出供給元である(※他メーカ供給の別注品を除く)。

* KIDO SPORTS(キド・スポーツ)
** 韓国の有力企業であるキド産業(KIDO INDUSTRIAL)グループの一角。
かつて日本のスズキ二輪が純正アクセサリーとして採用したヘルメット・SCORPION EXO(スコーピオン・エクソー)は、彼らキド・スポーツの手による。
中国工場であるチンタオ・ゲオサン・スポーツ・ヘルメット・プロダクト(Qingdao Geosung Sports Helmet Product)などを擁する。

* KBC Helmets(ケービーシー・ヘルメット)
** 何げにコリアン・ヘルメットの雄とも呼べる存在、KBC。
アジア圏におけるYAMAHA純正グッズのヘルメットの、供給元のひとつ。
自社ブランド・KBCヘルメットの他、おどろおどろしいグラフィックのスパークス・ヘルメット(Sparx Helmet)を立ち上げたことで、注目を集めた過去を持つ(Sparxアイテムの一部は中国メーカーの外注品)。今から10年ほど前に立ち上げられた“KBC Ed Hardy(ケービーシー・エド・ハーディー)”ブランドは、色々な意味で伝説的。

ちなみに、KBCが手掛けてきたOEMブランドは、次の通り。
・Harley-Davidson
・Polaris(ポラリス・ヘルメット)
・Fox Racing(フォックス・レーシング)
・O'Neal(オニール)
・MSR(エムエスアール)
・Answer Racing(アンサー・レーシング)
・Thor(ソアー)
・Suzuki、Kawasaki(スズキ、カワサキのOEMヘルメット)
・Yamaha(ワイズギアのロール・バーン)

* J-Tech Corporation(ジェイ・テック・コーポレーション)
** コリアン・ヘルメットの中でもマニアック度の高さが際立つ、“ジェイ・テック”。誇り高き大韓民国を連想させる“KOREA”の”K”の頭文字を冠する”KIDOや”KBC”とは対照的に、うっかり“JAPAN”を連想してしまいそうになる”J”の頭文字を頂くところが、なかなかに紛らわしい。

自社ブランド『XPEED(エクスピード)』を展開するJ-Techだが、どちらかと言えば北米の有名ブランド・アイコン・モトスポーツ(ICON MOTOSPORTS/LeMans Corporation)が提供する『アイコン・ヘルメット(Icon Helmets)』の供給元として知られる。

シンプソンなどの老舗を凌ぐ勢いで平成~令和時代のUSA市場を席巻するIconではあるが、実際に供給されるヘルメットのパッケージやインストラクション・マニュアルにはキッチリと、「KOREA」「J-Tech」の文字列が記載されている。

■参考画像 ICON ALLIANCE GT HELMET 取扱説明書(表紙)


※左下を拡大。


日本のホンダが純正アクセサリー・ HONDA RIDING GEAR/ホンダ ライディングギアとして国内ライダーに提案したHondaオリジナルフルフェイス・ヘルメット『XP-512V』系の製造・輸出元も、このJ-Tech。製品番号「XP」は、自社ブランド“XPEED”に由来するもの。なお、このXP-512シリーズは北米FLY RACING(フライ・レーシング)より『Revolt FS(レボルト・エフエス)』として、新たに提案されていたりする。

余談ながら、大阪の二輪用品ブランド・RSタイチは、このページで記述したHJCヘルメットの日本正規代理店であると同時に、このJ-Techヘルメットの輸入販売元でもある(※ホンダXP-512V系を購入すると、RSタイチの名前が明示されている)。




■2017年8月 メモ作成
■2017年9月 推敲 文章整理
■2018年1月 改訂 文章追加
■2018年3月 画像追加
■2018年4月 投稿(下書き保存解除・全体に公開)
■2018年4月 参考リンク追加
■2018年4月 文章手直し リンク追加
■2018年10月 文章修正
■2018年12月 一部書き直し
■2019年1月 編集
■2019年2月 編集
■2019年4月 編集
■2019年5月 編集
■2020年3月 編集
■2020年5月 一部手直し
■2020年5月 「全米ナンバーワン(ソース:Motorcycle Industry Magazine)」に関し加筆 修正
■2020年9月 一部手直し
■2021年3月 編集
■2021年6月 韓国OGKに関する小ネタを追加
■2021年9月 韓国OGKに関する記述を修正・追記
■2024年2月 韓国OGKに関する記述を編集
Posted at 2018/04/15 08:17:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 海外ヘルメット | 日記

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