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イイね!
2012年11月16日

エンジンオイルとトライボロジー



みなさんエンジンオイルは何を使っているでしょうか?
僕は写真のカストロールRSです。

理由は
1、安い(ジョイフルホンダで2980円)
2、100%化学合成
3、カストロール
4、10W-50

なのですが、重要視しているのは1の安いと4の10W-50です。
1の安いは、エンジンオイルがあっと言う間になくなっているS2000にとっては非常に大事です。
2と3はどうでもいいと言えばどうでもいいのですが、響きが安心感を生みます。

最も重要視しているのは10W-50の”50”です。
ご存知のようにエンジンオイルの粘度表記は10WのWの前の数字が低温粘度で-の後が高温粘度です。
何度以下が低温で何度以上が高温かはよく知りませんが、低温は0℃くらいで、80℃以上は高温だと勝手に思っています。

ところで10W-50は粘度そのものではなくてSAE粘度規格の粘度番号を表しています。
しゅう動に影響するのは、実際の粘度で、粘性に関するニュートンの法則の式に出てくるηが大事です。


でもってなぜ粘度を重要視しているか?ですが、トライボロジーという言葉を知っているでしょうか。
僕は6年くらい前まで、言葉は聞いたことはあるけど、意味を知りませんでした。
トライボロジーとは、日本語で摩擦摩耗学を意味しています。
とにかく世の中の摩擦と摩耗に関すること全般に渡る学問です。
ただし、人間関係については取り扱っていないので、注意が必要です。

トライボロジーの教科書を読むと”ストライベック曲線”というグラフが出てきます。


このストライベック曲線に出てくる境界潤滑、混合潤滑、流体潤滑の意味は
境界潤滑:固体表面の境界膜が擦れている状態(要は固体同士がゴリゴリ擦れている状態です)
流体潤滑:固体と固体の間に流体(オイルなど)を介してしゅう動する状態
      (雨の日におきるハイドロプレーニングはこの状態)
混合潤滑:上記二つの中間の状態(部分的に固体表面が擦れる)

境界潤滑や混合潤滑の状態では固体間の接触があるので、摩耗が進みます。
エンジンを長持ちさせたい僕としては、なるべく摩耗させたくありません。
そのためには、常に流体潤滑状態にしておきたいわけです。

ストライベック曲線を見るとわかるように、同じ運転状態(しゅう動速度、荷重)であれば、オイルの粘度の値を大きくすることが流体潤滑状態にするためには有効です。

つまり、エンジン長持ちさせたい→摩耗を減らしたい→流体潤滑状態にしたい→オイル粘度高くする
となります。

実際には、ピストンのように上下死点で速度が0になってしまうしゅう動状態では、ストライベック曲線の軸受け特性数が0になってしまうため、どうしても境界潤滑状態を避けることができません。
また、クランクシャフトの軸受け等も長距離走行したものは必ず摩耗しているので混合潤滑状態になることがあります。
なのでそのときのために添加剤が入っています。(それ以外の役割もたくさんあるけど)

そうは言っても、まずは流体潤滑状態を保ちやすくすることが何よりも大事です。
添加剤なんかに頼ってはいけません。
てなわけで、僕はオイルは粘度で選んでいます。

ちなみに、粘度高いとニュートンの法則を見てわかるようにしゅう動抵抗が大きくなります。
そこで低粘度オイルを純正でも採用するようになっているのですが、僕の経験ではサーキット走行では全く差がでません。
もちろん街中の走行では全く違いはわかりません。
そもそも、オイル粘度は温度によってめちゃくちゃ変化するんです。
粘度番号での差よりも温度による差の方が大きいです。
にも関わらず、エンジン油温によってエンジン出力の差を感じないのは、エジンン出力に対するエンジン内部の摩擦損失がそんなに大きくないからです。

しかし、流体潤滑を維持できるかどうかはオイル粘度が直接的に効いてくるので摩耗や焼き付きへの影響は大きいです。
なので、細かいことは気にせず、サーキット走行する人は高粘度オイルを使うことをオススメします。
ちなみにちなみに、本当に大事なのは粘度番号ではなくHTHS粘度(高温高せん断粘度)なので、この数値でオイル選びをしたいのですが、表示されていることはほぼんどなく、粘度番号に対してHTHS粘度の最低値が決められているので、粘度番号の高いオイルを選んでおけば間違いありません。

HTHS粘度とは?
http://www.jalos.jp/jalos/qa/articles/009-208.htm

より正しく、より詳しく勉強したい人はこちら
http://www.geocities.jp/bequemereise/viscosity.html
ブログ一覧 | S2000 | 日記
Posted at 2012/11/16 17:19:48

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この記事へのコメント

2012年11月17日 0:18
RSの2980円は安いよね。
こっちにもジョイフルホンダ出店してほしいよ。

まえまでカストロのXF5w-40入れてた
1980円

これが妻子持ちの限界価格です。
コメントへの返答
2012年11月17日 0:32
宇都宮もなかったけど、4年くらい前に出来ました。

市販車のエンジンはノーマルなら油温の上がりすぎに注意して、普通のエンジンオイルを小まめに変えてれば問題ないから安い方がいいよね。
2012年11月29日 22:52
こんばんは
トライボロジー 機械工学の中ですごく大事な学問です。
(大昔ですが、学校でも必須だった、覚えがあります)

最近流行の低粘度オイル仰るとおり、エンジンには良い事ないですよね
距離走るクルマは特にトラブルの元ではないかと?思います。
(某オイルメーカーの人も認めてました)

うちの2台とも純正指定より粘度上げてます。
ゴルフのほうは15Wがトルクが出て、調子良かったりします。
アルミエンジンのマーチは0w-20を →5w-40に、それでも柔らかいぐらいです。
コメントへの返答
2012年11月29日 23:13
こんばんは。
僕の学校では、なぜかトライボロジーの講義がありませんでした。
倫理とかどうでもいい講義の代わりに教えて欲しかったです。

待ち乗り中心なら低粘度オイルでも問題ないと思いますが、サーキット走行だとちょっと心配ですね。

あと、カムが一番厳しいらしく、昨今のローラフォロアの場合は、境界潤滑にならなくて、低粘度でも問題ないようです。

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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