今日は前回に引き続きコカ・コーラコーナ走行ライン最適化の二回目で、前回取り出したコカ・コーラコーナに対して走行ライン最適化を行います。
ところで今回、最適化を行うにあたり2年前に自分が書いた文章とエクセルシートを見返してみたのですが、方向の名前が長くてわかりにくいので名前を変えることにしました。
コーナ中心線方向 → コーナ縦方向
コーナ中心線直角方向 →コーナ横方向
それでは計算結果から見ていきます。
今回も
180°ヘアピンの走行ラインの最適化をしたときと同じようにコーナ縦方向加速度が全体的に高くなるようにコーナ横加速度を設定し走行ラインとタイムを計算しました。
減速時間は下図のコーナ入口側の赤線からコーナ中心線まで、
加速時間はコーナ中心線からコーナ出口側の赤線までの区間タイムです。
まずは減速時間
180°ヘアピンでは最小旋回半径が小さいほどタイムがいいという結果でしたが、今回のコカ・コーラコーナでも同様に最小旋回半径が小さい方がタイムが良いという結果になりました。
加速時間
180°ヘアピンでは最もタイムが良い最小旋回半径がありましたが、今回は最小旋回半径が大きいほどタイムが良いという結果になりました。
コーナ全体(減速+加速)

以前考えた経験式の推奨値は115.5mだったので、最初は116mまでしか計算していなかったのですが、計算をしたところ116mより最小旋回半径が大きい方がタイムがよさそうなので、120mまで計算した結果、半径118~120mくらいが最もタイムがよいという結果になりました。
計算結果的には半径が大きいほどタイムがいいのですが、半径116m以上の区間タイム変化が小さく、かつコーナの最大半径で走行することは実際は難しいので、今回は最小旋回半径116mが最も速いということにして、116mと最も遅かった106mの比較しタイム差の原因を確認したいと思います。
どこで差が付くのか確認するため、車両速度と車両前後左右方向加速度を比較します。
グラフの左側がコーナ入り口で、0秒のときがコーナ中心、グラフの右側がコーナ出口です。

全体的にR116の方が速度が高いので、R116が速そうだということがわかりますが、どの時点で差がつくのかよくわかりません。
そこで、コーナ縦方向の加速度と速度を確認します。
このグラフを見ると、コーナ入口とコーナ出口で差がついていて、逆にコーナ入口、出口以外の場所のコーナ縦方向速度は同じということがわかります。
車両前後方向速度だけを見ていると、コーナ中の最低速度が速くなるとさも速く走っているように見えますが実際はコーナ横方向の速度が高いだけで、コーナ縦方向の速度はほぼ同じということと、差がつくのはコーナ入口と出口だけということが今回の計算により初めてわかりました。
そこで、減速側のコーナ縦方向速度に差がついているコーナ入口の-2.2秒から-2秒くらいの区間でコーナ縦方向速度に差が発生する原因を確認したいと思います。
まず、直線の減速区間はフルブレーキなので、このときの進行方向加速度はR106もR116もどちらも-10.79m/sec2です。
このときの進行方向はコーナ中心線(=コーナ縦方向)に対し57.75°なので、コーナ縦方向の加速度は-10.79×cos57.75°=-5.76(m/sec2)です。
-2.2秒地点でR116は直線減速状態ですが、R106は車両横方向加速度が発生して、コーナリング状態になっています。
この-2.2秒ときの加速度の方向を図で確認すると下図のようになります。
車両横加速度があると、合成加速度の方向が図の下方向に向くため、コーナ縦方向加速度が増加します。
その結果、R106の-2.2秒地点のコーナ縦加速度はフルブレーキ時の-5.76m/sec2から-8.47m/sec2に増加しています。
ちょっと不思議に思うと思いますが、コーナ縦方向の加速度だけに着目するとフルブレーキ時よりもコーナリング状態の方がコーナ縦方向の減速加速度が増加します。
一方、-2.2秒地点のR116は直線減速のため、コーナ縦加速度は-5.76m/sec2のままです。
そのため、この区間ではR106の方がコーナ縦方向の減速加速度が高くなります。
さらに進んで-1.9秒地点の加速度を比較すると下図のようになります。
グラフを見てもわかるように-1.9秒地点ではR116の方がコーナ縦方向の減速加速度が大きく、R116は-10.67m/sec2、R106は-9.97m/sec2となっていますが、コーナ縦方向速度への影響は小さく、ほとんど差がつきません。
-1.0秒地点はコーナ縦加速度はほぼ同じでとちらも-10.60m/sec2です。
減速の途中でコーナ縦方向加速度の大小が入れ替わりますが、ほぼコーナ入り口側の-1.9秒から-2秒くらいまでの間で差がついていて、差がつく理由はR106の方が車両横加速度が発生している時間が長い=コーナリング時間が長いためということがわかりました。
この状態を車両横方向加速度が発生する位置で比較すると下図のようになります。
赤丸、青丸が車両横方向加速度が発生する位置(コーナリング開始位置)で、R106の方が早くコーナリングを開始していることがわかります。
つまり、コーナリング開始地点がコーナ入り口手前側になるような走行ラインにすると、車両横方向加速度が早く発生してその分コーナ縦方向加速度が高くなり、コーナ中心までのコーナ縦方向加速度も全体としてより高くすることができるため、より速く走ることができるということになります。
これは加速区間でも同じことが言えるのですが、減速区間では最小旋回半径が小さい方がタイムがよく、加速側は逆に最小旋回半径が大きい方がタイムが良いので、次回はその理由を確認したいと思います。