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2023年09月20日 イイね!

バネ反発力

以前ニュースで、子供たちが「それってあなたの感想ですよね?」と言って相手に対して優位に立とうするということを報じていました。

友達に対して「それってあなたの感想ですよね?」と言うと仲が悪くなりそうなのであまり良くないと思うのですが、このような考えた方を持つ人が増えるのはいいことだと思います。

今、目の前の相手が話をしていることは、その人の感想なのか?それとも事実なのか?この切り分けができることは社会人にとって重要な能力です。

一方、うちの奥さんは、なにか職場で問題があると帰ってきて自分の感想を述べることが多くあります。
「〇〇さんが、××に関してこんな依頼をしてきて困る、嫌だ」

しかしここで”困る”とか”嫌だ”というのはうちの奥さんの感想です。
感想を聞いても”ご苦労様です”くらいしか返しようがありません。
本来は、所属している団体のルールはどうなっているのか?、そのルールに合っているのか? これが大事なのであって、うちの奥さんが困るかどうか二の次です。

なので、毎回「”困る”とか”嫌だ”というのは、〇〇(うちの奥さん)の感想なので、まずはルールに合っているかどうかを確認した方がいいよ。」と言って聞かせます。

ルールに合っているのであれば、困ろうがどうだろうががんばってやるしかないのです。

ルールに合っていないのであれば「ルールを守ってください」と相手に言うだけです。

東〇大学や京〇大学の人などが口にする「法的根拠を示してください」というのと同じで、まずはルールを確認することはとても重要です。

子供全員がことある度に「法的根拠を示してください」と言うようになったら世も末感がありますが、納得のいかない重要なことについてはそのルールや根拠を確認するようにしておくと将来議論に強い論理的な大人になれると思います。

そういうわけで、今日もしつこくバネのお話です。

今日はバネ反発力に関する補足です。

バネ反発力の意味がわからないとその3で書きましたが、そもそも僕が使っているバネ(の)反力は教科書やJISではなんという言葉で定義されるのだろうか?ということが気になりました。

調べた結果
・教科書:バネ力  (機械力学、振動工学の本など)
・JIS B2704:バネ力

バネを縮めたときに伸びようとする力はバネ反力ではなくバネ力というのが正しいようです。

次に僕の考えるバネ反発力イメージについてです。

まず、下図の②の状態のようにバネ上端に固定された質量を上から手で押して、バネをx0(mm)縮めます。
この状態から手をパっと放します。


この図の質量m=648kg、バネ定数k=160000N/m、初期たわみ量x0=20(mm)として、減衰比0、0.25、1に相当する3種類の粘性減衰係数c=0、5,090、20,360N/(m/sec)についてバネ変位を計算してみました。
(このバネ-マス系の固有振動数は2.5Hzです。)

すると、下のグラフのように減衰比によりバネの伸び方が変わります。
変位0mmのところは上図の①の状態の位置です。



僕が思うのに、”バネの反発力”という言葉を聞いて連想するのはこのグラフのようなことなのではないのでしょうか?

青色のグラフ(粘性減衰係数c=0N/(m/sec))は、手を放してから元の位置に戻るまでの時間が短いので、これは反発力が高い。

橙色のグラフ(粘性減衰係数c=5,090N/(m/sec))は、手を放してから元の位置に戻るまでの時間が長いので、これは反発力が低い。

まさにバネ定数は同じなのに元の位置に戻るまでの時間に違いあります。

しかし、これは今回の計算のようにバネとは別の減衰器(ダンパー)をバネと並列に付けない限りバネ材の内部減衰違いだけではこのような違いは発生しません。

ところで私、以前 回転軸物の設計開発をしていたことがあります。
材質は鉄鋼です。

鉄鋼材を使った回転軸物設計をしていて悩ましいのは、高回転での捩れ共振や曲げ共振による折損です。

どうしても共振は避けられないのでダンパー付けたりして対応するわけですが、ときどき”内部減衰の猛烈に高い鉄鋼材ってないのかなぁ?”って考えるのです。

内部減衰が高ければ、共振が発生しても振幅が小さく壊れないので内部減衰は高い方が望ましいのです。

しかし!そんな都合のいいものはありません。
ないので、粛々と設計するのです。

話をバネの反発力に戻します。

たぶん、”反発力”という言葉聞いて連想するバネの動きの違いは減衰比の異なる減衰器がついた状態の動きの違いのことです。

もし、そうだとするならば
①バネの伸び縮みに影響するほど内部減衰の大きい鉄鋼材はない。
②バネ材の内部減衰は同じでも、減衰器の減衰比を変えることで伸び縮みの特性を変化させることはできる。

②は要するに、バネを変えなくてもダンパーの減衰調整すればいいという意味です。

反発力ってなんのことを指しているのか誰か教えて下さい!!
Posted at 2023/09/21 00:56:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2023年09月09日 イイね!

バネと乗り心地の関係

以前、家のデスクトップPCをうちの奥さんが使っていてそのままPC前で寝てしまうのでPCが使えないと書いたのですが、5月末にノートPCを購入し自由にPCが使えるようになりました。

その前もノートPC持っていたものの、これまた奥さんが週に1度の在宅勤務で使うので、僕が勝手に設定変えるとなにかと使えなくなってクレームが入るので、今後のことも考えて新たにノートPC買いました。

ここ数日は夜になると涼しいので空調機のない部屋でも快適にPC作業が行えます。

そんなわけで今日もしつこくバネの話です。

そもそも低反発スプリングの話が出るずっと前から自由長の長いバネの方が乗り心地がいいという都市伝説は聞いたことがありました。

みんな自分の経験から自由長の長いバネの方が乗り心地がいいと言っているようで、全てがウソだとは思っていませんが、なぜそうなるのか?ということへの明確な回答を持っている人はいなかったように思います。

ということで僕も自分の経験に基づきバネと乗り心地の関係について語ってみたいと思います。

まずは僕が今までS2000で実際に使ったことのある車高調キットと付属のバネを一覧表にしてみました。



この中で最も乗り心地が良かったのはOHLINS ROAD & TRACKです。
これはバネ定数が前10kgf/mm、後8kgf/mmという〇子供仕様で、ダンパーもそれに合わせた仕様だったので乗り心地が良かったと考えられます。

残りの車高調はバネ定数が16kgf/mmと18kgf/mmがあり、自由長も150mm~200mmまで違いがあります。

バネ重量は同じバネ定数18kgf/mmで比較すると、TEINが1.237kg、KYBが2.01kgなので約1.6倍の違いがあります。

巻き数もバネ定数もTEINが約5巻き、KYBが約6.5巻きで有効部はTEIN約3巻き、KYBが約4.5巻きなので約1.5倍の違いがあります。

なのですが、僕の記憶の中ではどれも「街中の乗り心地は一般公道を走行するにあたり支障はないが、かなり悪い」という感想で、車高調キットによる差を感じたことはありません。

強いて言うと、TEINのバネを16kgf/mmから18kgf/mmに変えたときに微妙に跳ねる気がする・・・程度の差があった気もしますが明確な違いは感じられませんでした。

ダンパーも4種類組み合わせがありますが、どれも減衰力最弱設定にするとほぼ同じ様な乗り心地です。

そもそも乗り心地が悪いから違いがわかりにくいのではないか?と思う人もいるかと思いますが、ダンパーの減衰力設定を変えたり、タイヤをスノータイヤに交換すると明らかに乗り心地に変化があることと比べると、バネ定数16~18kgf/mm、バネ重量0.976~2kgの範囲ではわかりやすく体感できるような差はないということなのだろうと思ってます。

ということで僕の経験から言えることとしては、「バネ重量が1.6倍になって、有効巻き数が1.5倍になっても体感できるような乗り心地の差は発生しない。」です。

それと仮にバネ重量、巻き数が乗り心地に影響があったとしても

ダンパー減衰力の差>>>バネ重量、巻き数の差

だと思うので、同じバネ定数のバネを買って交換するくらいだったらオーバーホールついでにダンパーの仕様変更依頼した方がいいんじゃないかなぁ~って思ってます。
Posted at 2023/09/09 23:00:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2023年09月02日 イイね!

低反発スプリングってナニ? その4

低反発スプリング4回目です。

前回、バネ単独で伸び縮みすることはない!!。ときっぱり書きましたが実はバネ単独で伸び縮みすることがあり、それをバネのサージングと言います。

バネのサージングについては、バルブスプリングの話として聞いたことがある人が多いと思います。
聞いたことはあるけど、実際に見たことや計算をしたことがある人は少ないと思うので、実際に見て、計算してみます。

まずは見てみましょう。
世の中のあらゆる現象が紹介されているYOUTUBEから動画をどうぞ
バルブスプリングの8500rpmの挙動を撮影したものだそうです。
※注意!:音が出ます


めちゃくちゃバネ単独で伸び縮みしていてびっくりしますねぇ。

次はコイルばねのサージング周波数を求める式を見てみます。
加振周波数とコイルバネのサージング周波数が一致したときサージングが発生するので、バネのサージング周波数を計算することで、加振周波数がいくつのときにサージングが発生するのか知るとこができます。

サージング周波数 fs(Hz)は次式で求めます。

fs=1/2・(k/ms)^0.5 (Hz) ・・・②
k:バネ定数(N/m),ms:バネ有効巻き部質量(kg)
または
fs=d/(2・π・n・D^2)×(G/(2・ρ))^0.5 ・・・③
D:コイル巻き中心径(m),d:コイル線径(m),G:材料横弾性係数(Pa),ρ:材料密度(kg/m3)

式②と式③は違う内容を表しているように見えますが、バネの寸法からバネ定数とバネ質量を計算できるので、その値を使って式②で計算すると式③と同じ値になります。

式②を見ると、バネ質量msが大きい場合、つまり重いバネはサージング周波数が低くなるということがわかります。

サージング周波数が低いということは、サージングが起きやすいということを意味します。

例えば、時速100km/hで合法的に道を走行していたとします。
このとき道路上に0.5mおきに凹凸があったとします。
時速100km/hは秒速28m/secなので1秒間に28m進みます。
道路には0.5mおきに凹凸があるので、1秒間に56回振動がバネに伝わります。
周波数では56Hzの振動です。

次に時速200km/hに速度を上げて走行します。
違法な速度なので、一般公道で試さないようにしてください。
この場合、秒速56m/secなので、1秒間に112回振動がバネに伝わります。
周波数では112Hzの振動です。

仮にバネのサージング周波数が100Hzの場合、時速100km/hではサージングが発生しなくても、時速200km/hではサージングが発生することになります。

そういう意味で、バネのサージング周波数が低いとサージングが発生しやすくなるということなのですが、実際の自動車のサスペンション用コイルバネのサージング周波数がどのくらいなのか計算してみます。

僕が以前使っていたHKSの直巻きスプリング16kgf/mmで計算します。

バネ定数(呼称値):160(N/mm)
線径 d:Φ13.4(mm)
コイル巻き中心径 D:Φ78.4(mm)
コイル有効巻き数 n:3.5巻き
横弾性係数 G:78500(MPa)
材料密度 ρ:7850(kg/m3)

この諸元でバネ定数を計算すると190N/mmになって、呼称バネ定数とちょっと差ありますが、ここではバネ定数は呼称バネ定数の160N/mmを使い、バネ質量のみ諸元から算出します。

バネ(有効巻き部の)質量の計算
本来、バネは斜めに巻かれていますが、ここでは傾き0として計算します。
(単位はmメートルに換算してください)

バネ質量
 ms=n・π・d^2/4×π・D・ρ
   =3.5×π^2×0.0134^2/4×0.0784×7850
   =0.95(kg)

バネのサージング周波数
 fs=1/2・(k/ms)^0.5
  =1/2×(160×1000/0.95)^0.5
  =205(Hz)

となって、0.5mおきに凹凸があるような路面を200km/hで走行してもバネにサージングは発生しなさそうなことがわかりました。

しなさそうだと書いたのは、路面の凹凸から受ける振動はきれいなサイン波ではなく、0.5mおきの荷重だからです。

こういう振動を周波数分析すると、基本周波数(100km/hのときは56Hz)の2倍、3倍の周波数成分があるので、仮に4倍の周波数成分がそれなりに大きいとサージングが発生する可能性があります。

例えば、路面の凹凸によりタイヤがこんな感じで振動したとします。
これは1秒間に4回振動しているので、基本周波数としては4Hzの振動です。


この振動を周波数分析すると下のグラフのようになります。


基本周波数の4Hzが最大で、8Hz、12Hz、20Hzの振動成分があることがわかります。

この4Hz、8Hz、12Hz、20Hzのサイン波を組み合わせて合成すると下のグラフのようになり、ほぼ元の波形と同じ波形が得られます。


冒頭のYOUTUBE動画で、バネのサージング周波数よりもバルブスプリングを押す周波数(カムシャフト1回転で1度押す)の方が低いにも関わらずサージングが発生している理由も、バルブスプリングを押す周波数分析をすると、実際はカムが1回転に1度押す周波数の2倍、3倍の周波数成分があることが原因です。

また、この例のように周期的な振動でなくても、大きな段差を乗り越えたときのように衝撃荷重が加わるときも同様に高周波の振動成分で加振されることになるので、その場合もサージングが発生しやすくなります。

しかしながら、いろいろネット検索しても自動車整備士の試験問題にしか自動車サスペンション用バネのサージングについての記載が見つからなかったので、実際はサージングが発生することはなく心配はいらないようです。

自動車整備士の試験問題
ブーンという異音の原因になるそうです。

一方、鉄道のサスペンションでは昭和20年代にコイルバネのサージングでバネが折損するという記述もありました。→車両用コイルバネの強度

自動車ではサージングの事例が見つからず、鉄道で出てきた理由ですが、僕の推測では鉄道は車輪が鉄でレールも鉄なので、継ぎ目の乗り越え時にそこそこ大きな衝撃荷重が加わることが原因だと思ってます。
自動車は空気入りゴムタイヤを使ってるので、タイヤが衝撃を吸収してサスペンションバネにはあまり大きな衝撃荷重がかからないということなのかもしれません。

ということで最後にまとめです。
1、低反発スプリングは縮み始めのバネ定数が呼称値に対して低い区間が長い
2、低反発スプリングは巻き数が多く、重い
3、コイルバネはバネ定数が同じであれば、巻き数や質量によってバネ反力も反発力も縮んだときのエネルギーにも違いはない。
4、低反発スプリングの”反発”は軟質ウレタンフォームなどで使われる”反発弾性率”とは意味が異なる。(何を意味しているかは不明)
5、重いコイルバネは、より低い周波数の加振でサージングが発生しやすい。
 (ただし、自動車のサスペンション用バネでは気にしなくてもよい) 

低反発スプリングとはナニか?ということで、いろいろ調べてとても勉強になりました。
でも、低反発スプリングは何がよいのか?についてはなにもわからなかったというのが今回の結論です。
Posted at 2023/09/02 19:29:31 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ | 日記

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サーキットで車を速く走らせるために必要なこととはなにか?を研究するのが趣味です。 日光、TC1000、茂原、を毎年走行してます。 2010年まではもてぎで開...
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