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2025年08月13日 イイね!

【2025年夏 遠征記その7】再び奥羽本線から…鈍行(快速?)旅

【2025年夏 遠征記その7】再び奥羽本線から…鈍行(快速?)旅その6 からの続きです。

少し長くなりますが、東北西部周遊の鉄旅もこちらで最終章になります。

<再び、奥羽本線を行く>
午前5時30分、山形の宿で気持ちよく目が覚めました。

この日は昨日の弘前よりさらに早い列車に乗る予定ですので、目覚ましも30分早くセットしています。

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朝の山形市街地をのぞみます。空はあいにくと曇り模様。

ゆっくり朝シャワーを浴びてチェックアウト。まだ人通りもほとんどない連絡通路を通って駅へ。

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山形駅。
今回の宿泊で、東北地方の県庁所在地都市すべてに宿泊することができました。

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昨日に引き続き、18きっぷを改札に通してホームへ。
この日最初の列車は、6時28分発の奥羽本線(山形線)経由の福島行き各駅停車です。

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隣のホームには山形新幹線「つばさ」が発車待ち中。こちらの方が全然早いのですが、まあ、今日中に帰宅できれば…何なら明日になってもまったく問題ありませんから、のんびりのんびりと向かいます。

定刻になると、「花笠おどり」の音頭がホームに流れて発車。車内は5割くらいの乗車率でしょうか。BOX席の進行方向に向かって座り、車窓を楽しみます。

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山形市の隣、上山市に。温泉と上山城の城下町として知られています。お城が見えないかな?と思っていると希望通りに車窓に上山城が見えてきました。

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「かみのやま温泉駅」に到着。山形新幹線の停車駅でもあります。

乗客の乗り降りはほとんどなく発車。
朝日連峰の山並みも今は雲の中で見えず、低い山並みと田畑、その中に住宅地が点在する車窓風景が続きます。

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赤湯駅。
南陽市の中心駅で、ここからは米坂線の今泉駅をつなぐ「フラワー長井線」が分岐します。
米坂線、一度乗りたいと常々思っているのですが、あいにくと災害のためバス運行が続いています。いつか復旧してほしいと祈るばかりです。

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米沢駅に到着。ホームに鎮座する、でっかい米沢牛の像が目を引きました。
僅かな停車時間でホームに降りれず、米沢牛も駅名標も写すことがで着なかったのが心残り。

米沢駅を発車すると、一気に山の中に分け入ります。いよいよ奥羽本線一の難所、奥羽山脈を越える板谷峠に分け入りますが、列車は勾配をものともせず、グイグイと登り始めました。

ここから福島県の庭坂駅までは、鉄道ファンには有名な箇所。
かつては米沢から2つ先の駅である大沢駅から、峠駅、板谷駅、赤岩駅と4駅連続でスイッチバックの駅が連続していました。

山形新幹線開通でスイッチバックはなくなり、その後、赤岩駅は廃止、そして大沢駅も全列車が通過する休止駅となり、普通列車が停車するのは峠駅と板谷駅(こちらも冬期間は通過)となってしまいました。

スノーシェルターで覆われた大沢駅を通過し、峠駅に到着(トップ写真)
ホームにはカメラを持った人もいます。私もホームに降りたいのですが停車時間が短く、残念ながら降りることができませんでした。無人駅ですが、有名駅弁「峠の力餅」が今でもホームで購入できるそう…到着時に目を凝らして探しましたが、朝早い時間だからか、売られている様子はありませんでした。

駅前にある「峠の茶屋」というお店で作られていますので、クルマで訪れたら入手しやすいかもしれません。でも、折角ですからホームで列車の停車中に買いたいものです。

次の板谷駅もスノーシェルターの中。

トンネルを抜け、高い鉄橋を渡り…やがて下り基調になり、眼下に福島盆地(信達平野)が見えてきました。

列車は最初は右に、次に左にと大きくカーブを描きながら下ります。峠を越えると青空が見えるようになり、林や畑、原野からなる緑の丘がずっと先まで続き、その向こうに見える山は吾妻連峰、でしょうか。
素晴らしい風景で、写真に収めたかったのですが、沿線の木々や建物に邪魔されない一瞬一瞬の風景を撮るのが難しく、紹介できる写真が取れなかったのが残念。

下りきった先の庭坂駅では、お盆期間でも多くの通勤通学客が待っていました。そう、ここはもう福島市の近郊、しかも時刻はまだ8時前でちょうど今がピークの時間帯でしょう。
立ち客も目立つようになった中、8時01分、終点の福島駅に到着しました。

<東北本線 鈍行列車の旅>
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ここでは8分の接続で、東北本線上り、郡山行きに乗り換えます。

気候は暑いけど空気は爽やかさを感じます。

乗り込むと、乗客は皆、不自然なくらいに進行方向右側に座っています。
空いている左側に座ってみて、その理由がわかりました。朝の陽射しがもろにあたり、JR東日本の近郊型の車両なのでブラインドもありません。前席の左側に座った若い男性も、必死にブラインドを探しています。
しかし、右側は満席なので、暑さは我慢し、陽射しは手で避けながら車窓を眺めることにします。

古関裕而さん作曲「栄冠は君に輝く」のメロディーが流れて発車。JR東日本は、このように発車メロディーが多彩なのが良いですね。

陽射しを我慢しながら車窓を眺めます。右側には安達太良山の山容が見えますが、写真も撮れません。

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郡山に到着、ここからは5分の接続時間で新白河行きに接続します。

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新白河駅の一つ手間、白河は以前街歩きした街、その時に訪れた白河城を車窓右側に見ます。

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新白河からは、11分の連絡で黒磯行きに連絡。

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新白河を発車して23分で、黒磯駅に到着。

山形駅からここまで、僅かな接続時間で、非常にテンポよく黒磯まで来ることができました。ここまで、普通列車の本数は1~2時間に1本ほどと、決して多くありません。山形駅を40分後に出る次の列車から乗り始めると、途中の接続が非常に悪く、黒磯駅着だと3時間近く遅くなってしまいます。
それもあって、朝早い列車に乗ってきた次第。

黒磯駅からも6分の接続で宇都宮行きに接続します。
これまで乗ってきた中でこの列車が一番混雑していて、ロングシートの車内は黒磯発車時で満席。この先もどんどん乗客が乗りこんできて、ラッシュ時並みの混雑で宇都宮駅に到着しました。

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駅舎改装中の宇都宮駅。

ここまでこれば本数も格段に多くなり、選択肢も増えますのでちょっとゆっくりできます。
時刻はちょうど11時過ぎ、ということでここで昼食に。

宇都宮と言えば…これはもう餃子でしょう!
リサーチしていた駅構内の人気店に並びます。
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餃子定食。羽根つきの餃子は外はカリカリ、中は旨味がジュワッと…

その後は駅前を少し散策。
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開通して2年目を迎える宇都宮LRT。渋滞対策と環境対策で今後も地方の中心都市では公共交通の主役となってくるのでしょうか。ドライブ好きではありますが、移動に便利で、街の様子をじっくり眺められる街歩き好きな私にとって、期待大な交通機関です。

<ゆったり静かな湘南新宿ライン>
ここから乗るのは、湘南新宿ライン 逗子行き快速。
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ここはもちろん、グリーン車に。

2階席に腰を落ち着けます。
ゆったりと、ある意味外界から少し隔てた雰囲気の中で寛ぐことができます。コスパも良く、東京駅の混雑の中で新幹線を乗り継ぐことも無いので、湘南新宿や、上野東京ラインのグリーン車は非常に使い勝手がいいと思います。

ラジオアプリ「ラジコ」で好きなラジオ番組をゆったりと聴きながら車窓を眺め続けます。

小山からは快速運転、このまま埼玉県を縦断し、都内へ

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都内に入り、新宿

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恵比寿

スクリーンでも見ているかのように、都内を一気に通過して
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横浜

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大船で下車。列車はここからは横須賀線へと別れていきます。

<すこしずつ日常へ…>
ここからは東海道線下りに乗り換え、熱海からは静岡方面島田行き各駅停車。
乗り慣れたJR東海の列車ですが、冷房が効きすぎて少々寒い中、静岡まで。

静岡からは、接続良く浜松行きのホームライナーに接続できます。
乗車整理券が別に必要ですが、18きっぷで乗車可能、特急型車両で快速運転ですので、今はありがたい存在。

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ホームライナーの車内。写真でわかるように皆、前席の背もたれのカバーに乗車整理券を挟んでいますが、前席の人が大きく動くと床に落ちてしまいます(笑)

掛川、袋井あたりでしょうか、長かった1日がようやく暮れようとしていました。
結局この日は、宇都宮での昼食時間以外はほぼ乗りっぱなしですが、おかげで、トータルで新青森からずっと、鈍行と快速列車でここまで戻ってきました!
目新しい奥羽本線だったのと、その後もグリーン車やホームライナーなどの快適な環境での移動が多かったせいか、疲れはそれほど感じません。

浜松から豊橋行き普通列車に。だんだんと日常が戻ってきています。

豊橋駅に到着。こちらで夕食にします。
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ちくわ屋さんがやっているおでんのお店。
やはり赤味噌が恋しくなり、味噌おでん、それに味噌串カツも付きます。

甘みとコクのある赤味噌が沁み沁みのおでん、これが美味しくて…あえてお酒は頼みませんでしたが、豊橋なら早く終わった会社帰りなどで、反対方向の列車で1本。帰りも1本で帰れますので、またいつでも行く機会があり、そのときの楽しみにします。

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本日11本目、そして本日最後となる列車は、新快速米原行きです。

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煌々と輝く駅名標。
お盆期間だからでしょうか、ホームに立つ人はそこまで多くありません。
いつも最後の1本の列車に乗るときには、どこか帰宅した時のような安心感を感じます。

街歩きにローカル線の旅に絶景にグルメに…色々と体験できた暑い夏の遠征は、期待以上に充実した時間でした。
そのせいでしょうか…いつもにも増して…清々しい遠征からの帰路となりました。

ということで、長きにわたった夏の遠征記、ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

Posted at 2025/09/07 21:35:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2025年08月12日 イイね!

【2025年夏 遠征記その6】山形の夜

【2025年夏 遠征記その6】山形の夜その5 からの続きです。

新庄駅を発車した山形行き各駅停車列車、駅に停まるにつれて車内が賑やかになってきます。
観光客は、私のような乗り鉄客がごくわずかに見かける以外は見かけません。ほぼ、地元の人らしき買い物などのお出かけ客が大半でした。

お天気は曇り気味で、せっかくの出羽三山もその姿はまったく見ることができません。私も日常モードで、向かいの車窓や駅の様子を見るともなしに見ながら…で過ごします。

村山、東根、天童と、村山地域の各都市を巡りながら列車は進み、夕刻の山形駅に到着。
この日の宿泊地です。

山形県では、以前、米沢に宿泊したことがあるだけで、山形市に宿泊するのは初めて。まずは宿にチェックイン後、早速、夕食と夜の散策で街へ。

先ほどの列車の中で、山形駅周辺のグルメをリサーチしていました。その中で選んだのは、駅近くの人気中華料理店。
お店に赴くと、すでに長い列ができていました。

待つこと15分ほどで店内に通されます。

山形と言えば、ラーメン消費量日本一、さらには「冷たいラーメン」が名物、ということで惹かれますが、店員さんに聞いた所、スープには豚骨も入っている、とのこと。
非常に悩みましたが、明日は今日よりさらに出発時間が早く、乗り継ぎも分刻み、ということで諦めます。


(この記事中の写真は拡大いたしません)
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いただいたのは、定番の炒飯と餃子、これに水割り焼酎!
チャーシューの旨味が沁みこんだしっとり系の炒飯は評判通りです。

食事後は、夜の市内散策。山形市内の散策は、この時以来ですから13年ぶり。

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駅前公園から

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駅前通りへ

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1週間前まで、東北4大祭りのひとつ「花笠まつり」が開催されていました。

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七日町へ。
奥に見えるのが、5年前に閉店した「大沼百貨店」。江戸時代創業の「老舗」百貨店で県を代表する百貨店でした。
手前に見える商業施設「AZ七日町」は今も営業中です。
時刻は20時少し前。写真加工していますが、人通りもあってこの時間も賑やかです。

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「ほっとなる広場公園」付近(レンズ曇りの影響で見づらくなっていてすみません)
かつては商業施設でしたが、撤退後、商店街で「にぎわい創出拠点」として整備し、イベント等が開催されています。また、広場の周りも再開発されて魅力的なお店が集まっています。

山形市七日町の商店街は、「街づくり活性化」が成功したモデル地域、として全国から注目を集めているとか。

あちこち街歩きをしていると、活性化に苦心している商店街も少なくない、ということがよくわかります。
七日町商店街は、はやくから街の活性化に取り組んできました。危機感を持った地域の人が立ち上がり、行政に頼り切ることなく、自分たちでできることを模索、小さくても個性のあるお店を呼び込むところから始まり、さらにはまだそこまで注目されていなかったインバウンドにも注目、やがては行政とも協力した取り組みに発展させてきたそうです。


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水の町屋 七日町御殿堰
七日町の活性化の中心、江戸時代の山形藩政時代に築かれた水路「御殿堰」の一部を中心として、新たに食事処や服飾雑貨のお店が並んでいます。

七日町の街並みは、雑多な雰囲気を一切なくしたかのような、洗練されたモダンな街並みです。それもビルが乱立するわけではなく、低層階のテナントの入る建物が続いていて、どこかヨーロッパの小さな街の街並みを思わせます。そんな中でも和風の建物が並ぶ御殿堰が不思議と溶け込んでいて、これまであまり類を見ない街並みで、歩いていて非常に楽しいです。

七日町の通りを抜けた先はオフィスビルが立ち並び、街路灯の灯りが目立つようになってお店の灯りはぐっと少なくなります。その向こうに何やら煌々と光る看板が…何かと思って近づく
と…
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「花笠まつり」のネオン、その向こうにはライトアップされた「文翔館」が。
ここが、まつりパレードのゴール地点だったようです。看板の明るさが、1週間前の盛大なお祭りの賑わいぶりを、しっかりと残しているようでした。

文翔館を入り口から眺め、戻るときに振り返ると、消灯時間が来たのか看板の灯りが消え、街路灯だけが周りを照らしています。祭りが終わった後のような寂しさを感じつつ、後にします。


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駅前まで戻ります。
お土産屋さんでも…思うも既に閉店後、明日はまた朝早い出立ということでそのまま宿に戻ります。


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今回の宿は高層階。こちらは、チェックイン直後に夕刻の市内を撮ったもの。

こうして、山形の夜は更けていきました。

その7 に続きます。

Posted at 2025/08/31 17:35:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | 街歩き | 日記
2025年08月12日 イイね!

【2025年夏 遠征記その5】奥羽本線を行く

【2025年夏 遠征記その5】奥羽本線を行く その4 からの続きです。

五能線の終点、東能代駅に降り立ちました。
ここから奥羽線を南下し、秋田方面に向かいます。

ちなみに、今回はひさしぶりに「青春18きっぷ」を利用。

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今回の旅の出発前、弘前までの片道分しか用意していませんでした。帰りのルートはほぼ決めていましたが、乗車券をどうするか、弘前に到着するまで迷った挙句、この先は鈍行(快速)列車を乗り通す!という覚悟(?)を決めて、3日間有効の青春18きっぷを、弘前駅で買い求めます。

<東能代駅から秋田駅へ>
東能代駅では、次の列車までに46分の待ち合わせ時間があります。
駅前はごく普通の住宅街で目ぼしいお店もなく…駅構内の待合室で待つことに。
最初は混んでいた待合室も、先に発車する秋田行きの特急が出た後は、一気に静かになりました。
売店で買ったジュースを飲みながら、待合室内のテレビで流れていた高校野球を1イニングほど見ていると、発車時間が近付いたので改札を通ってホームに。

※こちらの記事の写真もクリックで拡大できます
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ホームにはリゾートしらかみ「くまげら」編成を模した待合室がありました。

やってきた秋田行きは通勤列車のようなロングシート車両。乗客はそこまで多くありません。

八郎潟の東側を走ります。さすが米どころ、広大な水田が広がる風景に。
ロングシートで、かつ車内の乗客は日常モードなので写真は撮れませんでしたが、
地平線まで果てしなく稲穂が揺れる風景はなかなか見ることはなく、感動すら覚えます。
秋田市の市街地に入り、12時26分に秋田駅に到着。

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時刻はちょうどお昼時、ここで昼食にします(写真は昼食後です)

<秋田駅にて>
駅ビルの食堂街は帰省客や観光客で大混雑。
郷土料理のお店も満席で、少し待った後にテーブルに通されます。

比内地鶏に稲庭うどん…いろいろな秋田名物に目移りしながら選んだのは下記
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横手焼きそば

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たんぽの味噌焼き
「たんぽ」とはお米をすりつぶして棒に巻いて焼いたもので、その棒を抜いて切ったものがいわゆる「きりたんぽ」です。

食後は、これも秋田ならでは、のお漬物「いぶりがっこ」をお土産に購入、その後は駅前を少し散策と、1時間あまりの乗り換え時間を有効に使うことができました。

<秋田駅から、奥羽本線を新庄駅へ>
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13時45分発の院内行きはすでに入線していました。
こちらも2両編成のオールロングシート。秋田県内の奥羽線はロングシート車両が多いようです。

乗り込んだ時にはポツポツとしかいなかった乗客も、後から次々と乗客が乗り込んできて、発車間際になると満席で立ち客も出るくらいの混雑に。

先程ほど広くは無いのですが水田が広がり、その間に林や原野が続く中を走ります。

車内は混雑したまま、大曲駅に到着。
降車客も多いのですが、同じだけの乗車客もあって混雑ぶりはかわりません。
8分停車しますが、混雑しているのでそのまま車内で待ちます。

大曲駅から約20分で横手駅に到着。これまでで一番広い構内で、ホームも1面半あります。

当初は昼食をこの横手でご当地グルメ「横手焼きそば」とも考えていました。
秋田駅ですぐに乗り継げる横手行きの列車がありましたので、それでいけば横手で1時間ほどの時間ができて、今乗っている列車に乗ることができます。

ただ、横手駅の到着がちょうど14時というのが気になり…あらかじめリサーチしたところ、案の定、ほとんどのお店が営業時間外となる時刻。
ということで、秋田駅で乗る列車を1本後にして昼食時間をとり、横手焼きそばもいただいた、という次第です。

その横手駅で、ようやく車内が少し空きはじめ、その先の湯沢駅で5割くらいの乗車率に落ち着きました。

この列車は湯沢駅から4駅先の院内行きですが、この先に乗り継ぐ新庄行きの列車は院内駅の一つ手前、横堀駅が始発となります。

今は2両目にいますが、ワンマン列車のため、有人駅以外は降りる時は運転士すぐ横の扉からしか降りることができません。

横堀駅での停車時間はわずか。到着直前「前の車両から降りてください」という車内放送を確認して、そそくさと1両目に移動。同じように移動する乗客も多く、大部分の乗客は横堀駅で下車します。

跨線橋を渡り、向かい側のホームに停車中の新庄行列車に移動。

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横堀駅にて。
左側がこれまで乗ってきた秋田発院内行き。右側がこれから乗る横堀駅始発の新庄行き。

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横堀駅。
奥羽山脈と出羽山地の間、羽州街道沿いの山あいにある静かな駅です。特にこれといったものは無いのですが、それが逆に旅情を掻き立てられる雰囲気があります。なかなか降り立つ機会が無い駅ですが、印象に残る良い駅でした。

奥羽本線の電化区間は次の院内駅まで。
今年の4月まで、奥羽本線は豪雨の影響で院内駅から先が不通となっていましたが、復旧するときに、敢えて院内駅から新庄駅間は非電化にしています。今後、同様に災害があってもその方が復旧が早い、とのことですが、その関係で列車の運行形態も横堀、院内駅を境に別れています。

これまでのモーター音と違い、ディーゼル音を響かせて走る列車は院内駅を出ると次の及位(のぞき)駅に到着(トップ写真)代表的な難読駅名の一つです。4分ほどの停車時間がありましたので少しでも降りてみようか、と思ったのですが、他に興味を示す乗客が見当たらず、自重…車内から駅名標を撮るだけにとどめました。


ここからは真室川に沿って南下。ただ、そこまで川沿いに走ることは無いので川の風景はほとんどうかがえることが無く、田畑と小さな集落と山林と近くの山並みが混ざり合う風景の中を淡々と進んでいきます。

山形県に入り、沿線のあちこちで、野の中に群集している黄色い花を目にするようになりました。花には詳しくないので違っているかもしれませんが、この時期で山形ですと「べにばな」でしょうか???

羽前豊里駅を過ぎると、新庄盆地に。これまでの山林の続く山あいから、市街地へと車窓は移り変わります。

新庄駅構内に入ると、列車も徐行。
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煉瓦造りの車庫が見えたので、速度がゆっくりなのを幸い、スマホを取り出して撮ることに成功。
後で調べたら、旧国鉄新庄機関庫。明治時代の建築です。

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16時49分、新庄駅に到着。

<新庄駅にて>
山形新幹線の始発駅である新庄駅、接続時間は30分ほどですので、そのまま駅構内をブラブラしながら過ごします。

この駅のホームの構造は大変面白く、秋田方面と福島・山形方面、双方向に行き止まりの櫛型のホームが伸びています。

これまで乗ってきた列車は4番線の行き止まりホームに到着。こちらは在来線の線路幅(狭軌)の線路。
線路が行き止まった先のコンコース(?)を右に曲がると改札口。

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まっすぐ先の正面には別の櫛型ホーム(1・2番線)が福島・山形方向に延びていて、こちらが奥羽本線の山形方面在来線と、山形新幹線の乗り場になっています。線路幅はもちろん新幹線仕様(標準軌)。

唯一、その横のホーム(5番線)の線路だけが構内を貫通していますが、こちらはそのまま陸羽東線へと延びているので在来線の狭軌の線路です。
つまり、高架ではなく、地上の改札口からまっすぐ伸びるコンコースの両側にホームが伸びている構造。正面の改札口からは階段を一切使わずに、在来線も新幹線も乗車ができます。

新幹線も専用の改札口は無いので、そのまま乗車が可能な構造なのが、ちょっと不思議な違和感を覚えます。
もちろん、山形新幹線がある関係でこのような構造になっているもので、奥羽本線もこの先は在来線車両も標準軌です。

青森から秋田回りで山形~福島まで繋がる奥羽本線、電化の狭軌だったり、非電化区間があったり、そして標準軌の区間が続いたり…さらにはその先にスイッチバック駅も連続していたりしますので、興味がある人には非常に面白い路線です。

改札を出ると、吹き抜けフロアに物産館やお土産屋さんなどがあり、名産品などを冷かしているうちに発車時刻が近づいていきます。

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次に乗る山形行き普通列車は、標準軌の4番線ホームに、新幹線と並んで停車していました。

普通列車の車内はオールロングシート。
乗り込んで、少し経つと、先に隣の新幹線が静かに、しかし加速よく発車していきます。

私の乗る普通列車は、発車時刻になるとモーター音を響かせながら、ゆっくりと構内を動き出していきました。

その6 に続きます。

Posted at 2025/08/24 14:45:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2025年08月12日 イイね!

【2025年夏 遠征記その4】五能線の鉄旅

【2025年夏 遠征記その4】五能線の鉄旅その3 からの続きです。

8月12日、弘前の宿で気持ちよく目が覚めます。

時刻は午前5時20分。宿では5時30分から朝食がいただけます。
通常は6時30分からという所がほとんどで、行程によってはやむを得ず朝食前にチェックアウトすることも珍しくないので、これは非常にありがたいです。

充実した内容でしっかりといただき、6時20分にチェックアウト。

※この記事の写真は、クリックすると拡大します。
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朝の弘前駅は、人も少なく静か。朝、チェックアウトして歩き出す、この瞬間が、旅先で一番気持ちいい瞬間です。

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この日、最初に乗り込むのは、弘前始発、五能線経由の東能代行き快速列車。
ホームに立って少し経つと汽笛と共に入線します。

五能線は、奥羽本線とは岩木山や白神山地を挟んだ向こう側、海沿いを経由して秋田県の東能代駅までを結ぶ、風光明媚なローカル線です。今回の乗り鉄の目的のひとつは、この五能線に乗ることでした。

定刻に発車。
2両編成の列車に乗客は少なく、1車両に十数人程度。車内は地元客と私のような観光客、乗り鉄客が半々くらいの割合でしょうか。

列車は奥羽本線の青森方面へと向かい、2駅先の「田んぼアート」で有名な田舎館村の川部駅から反対方向に分岐します。
分岐後の車窓を考え、弘前発車時は進行方向左側のBOXシートに反対方向を向いて着席。

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車窓には岩木山。
頂あたりに雲がかかってはいますが、久しぶりに目にする山容はバランスが取れていて、やはり美しいです。

次の駅が「撫牛子」…「ないじょうし」と読みます。この先の五能線にも「驫木(とどろき)」「艫作(へなし)」などといった難読駅名が続きます。

川部駅で8分停車後、方向を変えて発車。海側が見える進行方向右側になりました。

さきほど、こちら側に見えた岩木山は反対側に移り、その代わりにリンゴ畑が続く中を快走。リンゴは今の時季、まだ小さくて青い実がついています。
岩木山とリンゴ畑…「津軽に来たなあ」と実感!

途中の駅から乗車したおばあさんが、私の向かい側に腰を下ろします。
持参してきた缶コーヒーを開け、ゆっくりと味わっていました。
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7時31分、五所川原駅に到着。ここで28分停車します。乗客も半分近くがここで降りていきました。
私は、停車時間の間に駅と駅前探索に。

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向こうに見えるのはストーブ列車で有名な津軽鉄道のホーム。太宰治で有名な金木駅を経由し、津軽半島の真ん中、津軽中里まで向かう私鉄です。
昨日の弘南鉄道といい、この辺りには魅力的な私鉄路線があります…いつか…時間ができたらゆっくり乗って巡りたいものです。

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改札を抜けて駅前に。

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駅前の弘南バス発着場と待合室。
現地では待合室に入らなかったのですが、帰宅後に調べると、数年前までは売店や立ち食いソバ店などもあり、レトロ感いっぱいの雰囲気だったそう。

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駅前通り。市街地はこの先に続いています。

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駅舎の向こうには「立佞武多(たちねぶた)」の倉庫。傍に停まっているクルマと比較すると、その高さがわかります。

青森県では、青森市だけでなく昨日の弘前市等、県内各地で「ねぶた祭り」「ねぷた祭り」が行われます。
五所川原は「立佞武多」といい、縦に長い(背の高い)ねぷたが特徴です。
大きいものだと高さが二十数mと、8階建てのビルくらいあるねぷたは迫力十分で、以前、テレビでちょうど五所川原の立佞武多を見た時に、画面越しにもその迫力を感じました。

駅から徒歩数分の所にある「立佞武多の館」ではその立佞武多が展示されており、非常に興味がありますが、あいにくと来年6月まで改修工事のため閉館中、とのこと。

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駅舎内にも「金魚ねぷた」が…

今回は駅前を見ただけでしたが…五所川原の街、今度は是非とも街歩きをしてみたいものです。

ホームに戻ると、先ほどの、向かいの席に座っていたおばあさんが、出口に向かうところでした。おそらく、長い停車時間を利用して、缶コーヒーを飲み終えるまで車内にいたのでしょう。空き缶となった缶コーヒーを手にゆっくりと歩いています。
こののんびりとした時間感覚…好きです。

五所川原駅を発車
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津軽鉄道の列車。車体には「走れメロス」とあります。

走ること30分あまり、鯵ヶ沢駅の手前で海沿いに出ます。ここからしばらくは、間近に海のある車窓が続きます。

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五能線沿線指折りの景勝地、千畳敷駅付近の奇岩。
五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ」号に乗車すると、ここで15分ほど停車するのでゆっくり観光もできますが、今乗っている列車はわずかな停車時間で発車します。

今の時季、海も比較的穏やかですが、冬季の荒天時には大荒れの海となり、岩にも波が打ち付けて少しずつ形が変わっていくそうです。また、崖から大きな氷柱ができている様子も見られるとか…気候的に厳しい季節ですが、この風景も興味があります。

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遠く水平線まで海は続き…

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間近に海岸と大きな岩を眺め…

何も考えず、ただ目の前の車窓に次から次へと現れる景観に心奪われる…そんな列車の旅が続きます。

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千畳敷駅の次の停車駅は深浦駅。五能線の主要駅の一つ。北前船の寄港地、風待ち港として栄えていました。

快速列車ですので、いくつかの駅は高速で通過。先ほどの難読駅名「驫木」「艫作」も通過していきます。

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ウェスパ椿山駅。お土産館が併設されています。

次の停車駅、十二湖駅は、世界遺産・白神山地の麓にある広大な林の中に点在する湖の総称で、ハイキング地としても人気があります。また、白神山地への登山口にも近いからでしょうか、大きなリュックを背負った登山客がここで降りていきました。

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岩舘駅で、「リゾートしらかみ」とすれ違います。「橅」編成かと思いましたが、どうやら「青池」編成のようです。

楽しかった五能線の旅も終わりに近づいてきました。海が遠ざかり、水田が広がってきました。

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秋田県能代市の中心、能代駅に到着。バスケの強豪校として知られる「能代工業高校」がある「バスケの街」です。

10時37分、終点の東能代駅に到着(トップ写真)

岩木山とリンゴ畑にはじまり、ノスタルジックな駅前と立佞武多が迫力の五所川原、広大な日本海、巨岩奇岩の千畳敷と、見どころいっぱい、あっという間の3時間50分の鉄旅でした。

その5 に続きます。


Posted at 2025/08/16 20:26:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2025年08月11日 イイね!

【2025年夏 遠征記その3】弘前散歩(街歩きと弘前の夜)

【2025年夏 遠征記その3】弘前散歩(街歩きと弘前の夜)その2 からの続きです。

時間を少し前に戻します。

弘前市観光館では、他にも弘前のお祭り「弘前ねぷた祭り」の関連の展示がありましたので、洋風建築見学の合間にそちらも見学。

春の「弘前城さくら祭り」と同じく有名な、夏の「弘前ねぷた祭り」。

こちらでは通年、色鮮やかな「ねぷた」が展示されています。お祭り自体は青森も含めて見たことが無く、ここで実物のねぷたを見てその鮮やかさや精巧さ、そして大きさには驚いてしまいます。

青森のねぶたと弘前のねぷた、祭りの進行やねぷた(ねぶた)の造りに違いはありますが、どちらも代表的な夏の風物詩ですね。

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駅方面、桜大通り、土手町の商店街を歩きます。

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交通量も多く、お店が建ち並んでいます。

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ふと、横道を見やるとレトロな看板が。
「かくみ小路」という通りで、ちょっと隠れ家的な雰囲気の飲食店が並んでいました。

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迂回しながら桜大通りに戻る途中に、旧中三百貨店が見えます。
弘前中心地の賑わいの中心となっていた百貨店ですが、昨年惜しまれつつ閉店しました。

これまで色々な街を歩いてきて、このような地方の百貨店が頑張って営業しているのを見ると嬉しくなり、入店して何か買えそうなモノが無いかを探したりもしています。一方で、このように閉店間もない百貨店を見ることも最近は多く、ついつい、華やかなりし頃を偲んで寂しい気持ちになってしまいます。

地方の百貨店や商店街を取り巻く状況が非常に厳しいのはよくわかります。
何か、少しでも力になれたら良いのですが…

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桜大通りから少し外れて50mほど進むと、ここにも近代洋風建築「日本聖公会昇天教会」があります。こちらは大正時代の建築。

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市内を流れる土淵川沿いに、弘南鉄道の中央弘前駅があります。
大鰐温泉へ向かう大鰐線の始発駅です。

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再び、桜大通りを歩いていると、どこかで見たことのある金魚が…

そう、春の遠征で山口県の柳井市を街歩きした時に、柳井の街のあちこちで見かけた、あの金魚ちょうちんが、遠く離れた弘前の街でも随所で見かけることができます。
ちなみにこちらでは「金魚ちょうちん」ではなく「金魚ねぷた」と呼ばれます。

ではなぜ、柳井と弘前で同じような金魚があるのか?
以前、柳井散策の後に調べたところ、弘前(青森)と柳井(山口)を結んでいる、といえば北前船。
北前船に乗り込んだ商人によって、青森のねぶた(ねぷた)が柳井に持ち込まれたのがきっかけ、とのことでした。しかし、弘前でもこれだけ見かけるとは思ってもみませんでした。何か、不思議な縁を感じそうですが、理由を聞くと納得。品物だけでなく、それとともに風習や文化も運ばれていくのですね。

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えきどてプロムナード
弘前駅と土手町を結ぶ歩行者専用の街なか遊歩道で、お店が並び思い思いのショッピングができます。

時刻はすでに夕刻が迫ってきました。
一旦、宿に戻ってチェックインし、改めて夕飯に出かけます。

宿でもらったサービス券つきのチラシを頼りに、近くの居酒屋さんへ。
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まずはご当地グルメ、「十和田バラ焼き」。
牛バラ肉と玉ねぎを、甘辛タレで炒めたもの。これに地酒の冷酒

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続いて白身中心のお刺身3点盛りと、青森と言えば、のホタテバター焼き。
お酒は2杯目の焼酎水割り。お通しは地元産「津軽漬け」。

地元グルメに満足し、心地よい酔いの中、日暮れの弘前駅周辺をもう少し散策。
祝日だからか、人の流れは少な目。そんな中でも、観光客や若い人のグループが目立ちます。

駅ではお土産屋さんでお土産を買い求め、明日からの乗車券も一緒に買い求めておきます。

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弘前駅構内。

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呑んだ後の締めは、駅構内の立ち食いそば屋さんで天ぷらうどん

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明日の朝も早いので、早めに宿に戻ることに。

こうして、弘前の夜は更けていきました。

その4 に続きます。

Posted at 2025/08/15 20:16:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 街歩き | 日記

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