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イイね!
2017年08月30日

21年目のびわ湖バレイ

21年目のびわ湖バレイ 8月最終の日曜日に、1996年から続いている小さなオフ会を行って来た。
友人とその周辺で、三々五々愛車で集まって、午前から午後を過ごすものである。

今年は、850クーペが戻ってきたので、例年より多い参加者があった。
クルマに乗れないので、電車で来てくれた、友人もいた。




集まったクルマは、アルファのスパイダー、フィアット600と私の850、2CV、スマートクーペ、シビックRS、現代車がカングーとAR147である。それとNS-Xも来て頂いた。




本当はびわ湖バレイに入って駐車場でやる予定が、最近のPRで会場が予想を超える大混雑で、使えずに、近くの湖西線の駅前で集合した。こんなことは初めてである。



今年も何とか開催出来た。感想はそこから書き始める。

びわ湖バレイ周辺も、湖西道路も、過去にない大混雑である。
自動車離れが進んでいるといっても、情報が流れると一点集中する。
ここはロープウェイで山上にあがれば、下界の暑さが嘘のように涼しい。

始まった当初は、会場はがらがらで、誰も知らないマル秘のスポットに近かった。
湖西道路は、出来かけで、まだ湖水浴の観光客で、賑わっていたが、近年は夏の水泳レジャーが減り、道路も走り易くなっていた。


いま私たちは、大半が50代になり、社会の後ろ側に立っているような気がする。
といって、豊潤な自動車体験があるのが、この辺りまでで、古いクルマは面白そうと、下の世代に関心は示されても、乗り込んで来る若者は少ない。

私たちは幸運だったことは認めよう。
自分たちの青春期が、自動車産業の成長期であり、どこを切っても楽しかったことに尽きる。
自動車の雑誌、取り上げた歌や映画に、テレビドラマ。
そこで思ったのが、あの時代は「おぎやはぎ」見たいな取り上げられ方(回顧録)は当時無かった。

現在進行形で、クルマは進歩していたし、社会環境の変化は、もっと若者を育て、主役に守り立ていく流れだったと記憶する。

学者的な書きかたをすれば、自動車価格(中古を含めて)の平準化、入手しやすさが最大になった時代に自動車に乗れたこと。チョイス出来る項目バラエティーが実に豊富で面白かった。
だからヨーロッパの旧車に乗るなんて「冒険」が20代の若者に許されたのである。

あと、感覚的にシャープな若者が、時代をひっぱっていた。
スタジオミュージシャンなんて職業で稼いで、憧れの輸入車に乗れた人も多い。
クルマに対する関心度が高まり、雑誌は百花繚乱を呈した。それが83年のNAVIが出て来て、90年代いっぱいまで続いたのではないか。



今回一番驚いたことがあった。1994年夏に取材を受けた「NAVI」の記事を、初参加の人が持参して来てくれたのである。

この人は電車で来た友人の同僚で、850クーペに乗るkotaro氏だけで、私のことだとピンと来て、雑誌を探し出して、コピーを進呈していただいた訳である。
23年も前のことで、雑誌は長い時間に紛失し、このような写真であったことも失念していた。
小さな写真に両脇に抱く二人の子どもは、いつしか大学を出て二人とも社会人に育った。

私はあっと思った。瞑目もした。
この年の取材は夏の8月後半で、それから間もなく9月2日に闘病中の父が他界した。私は35歳だった。
明けて翌年の1月17日に震災で借りていた家が全壊した。取材の背景になっている家である。

その時に物品の救出に来て頂いた友人が同じ雑誌に載っており、彼の紹介で雑誌初登場になった訳である。この雑誌記事が回り回って、23年後の私がここにいるのも不思議な気がする。
そして、その友人の恩に報おうと、彼の足っての希望だったフィアットのツーリングイベントを震災の年の遅くに開き、翌年から準備の要らないびわ湖バレイのオフ会を始めて、現在に到っている。



今年は、私が850クーペに乗り始めて、30年になる。
あれから、いろんなことがあり、今の私は欲もなくなったが希望も小さくなった。

最近の自動車の世界には、あまり着いて行けないし、50代や60代で運の良い人は、まだ高級なクルマを買おうと、消費行動されるのをみても、興味が持てなくなった。
ここまで醒めた気分になることは、予想していなかった。

今の時代で、面白いことは少なくなり、分かりにくくなっていると思う。
やり方や切り口を変えれば、まだ面白いものは転がっていると思うが、誰もこれが面白いと言える自信は無いし、キャッチフレーズの通用する時代でもない。

今回は書かないが、ネット検索と、用意され易い答えの出し方=アルゴリズムのような世界が、大いに人間の好奇心や欲望を、反対に萎えさせてしまったのではないか。



30年前に何の情報も無く、新聞の中古車広告欄だけを見て、買いに行ったクルマに乗り、私はここまで、ひとつのエネルギーを保てたことだけが、何かの真実なのかもしれない。
しかし世界には情報が溢れている。そんなことを考えながら、午後の山道を越えて、遅い帰路を、私と愛車は辿って家に戻り着いた。



ブログ一覧 | 思うこと | クルマ
Posted at 2017/08/30 14:55:07

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この記事へのコメント

2017年8月30日 19:37
こんばんわです
考えさせられる内容でした、

今日昼間聞いていたラジオで
どなたか同様のコトを
言っておられました
「ネットで検索してソレ見て
納得してしまう」
「紙の本を読まずにネットだけ見て
ソレで知った気分になり
納得してしまう」みたいな、

そうなんだよなと独りつぶやきました(笑)
本を読んで調べて知るのと
ネットで知るのは大きな違いがあると、

クルマ文化も体験するのと
聞くだけじゃ大違いですし、

知ってるか知らないかだけでも
興味ある、ナシでもエライ違いですしね、

私は自分なりですが
何とか紆余曲折しながらも
楽しい方向へ行ってる気がしますし
アチコチ蛇行するのも
楽しいモノだと考えています。
(笑)
コメントへの返答
2017年9月16日 12:58
こんにちは。
ようやく涼しい秋になりました。

いつもcanon様の文章も、興味の対象と、本に拘られることに、力を置かれています。

私は、読む力も、書く方もそろそろ衰えて来ているのかと、感じます。
返信を書くペンを執る気に、なかなかなれなかったように。

クルマの文化は、ちょっと通り過ぎてしまい、今は惰性で回る部分。それとTSUTAYAが提案するような、評価されること、みたいな分かれ方になり、古い人間の出る幕は無いと感じています。

ここのところ850クーペで外出をよくしています。
個人的な小さな幸福感だけに、包まれるだけですが、失うものが多かった5年間に、ようやく戻って来た青い鳥のようです。

今から先のことを考えても、残り時間程度ですし、仮にお金持ちになれたとして、クルマにエネルギーはあまり燃やさないと思います。

90年代を挟んで、コレクションのクルマたちに乗れたことは、活力もあったから正解だったと思います。

ブログ再開して、書くネタはあるのですが、例えば女性とドライブして、それを披露する時代ではないでしょう。
反対に今の時代なら、何を取り上げるべきか。
海外にも目は向けています。

SNSとは違う、やりたいことを今は探している途中のようです。
2017年8月30日 22:44
こんばんは
NAVIの10年10万キロコーナーは当時中学生の頃から毎月楽しみにしていました。免許証を持ってからはどんなクルマでも運転するのが楽しく、ココロの中でNAVI風の文章を作っていたかもしれません。
今、この様なご時世となっても、毎日の通勤快速、週末のメンテを楽しめるのは、他にはない、この雑誌の感覚と想像力に訴える誌面に出会えたおかげでしょう。
確か、CGが売れているから、やわらかいのを、と企画された副産物。その後、本家を超え、2010年4月やむなしと。
日本の自動車趣味環境はそんなところでしょう。
でも、たまに駐車場で「出待ち」されたりすると、少しでもいい状態で走り続ける事は自分のためだけでもないと思います。
kotaroさんの個性的な御経験と、今を走り続ける姿は間違いなく文化です。第2章の今後を楽しみにしています。
コメントへの返答
2017年9月16日 13:10
コメントありがとうございました。

返信が遅くなりましたこと、お許し下さい。

NAVIが作り出した自動車雑誌本流でない文化は、鈴木編集長がENGINEに行き、さらにGQに移り、かすかに続いています。今尾副編も、行動をずっと共にしていると思います。

生活の中で自動車部分を、輝かしく見せることは、バブルに留まらない、新しいスタイルに繋がりましたが、NEKOなどの「ガレージライフ」に行ってしまい、結局工務店提案みたいなリア充ビジネスに、落ち込んでしまいました。

そこがかの雑誌が、解散した由縁かもしれません。

私はそれほど高く評価される存在でもないですが、新聞に連載を書いた体験もあり、表層的でないカーライフ論を考えることは好きでした。

2017年の秋に、何を思ってクルマに乗り続けるのか。
少しアイデアが出て来ましたら、次の記事を書くことをお約束いたしましょう。
有り難うございます。
2017年8月31日 9:16
私は本もネットも好きです。
古い本は中々手にはいりませんが、ネットなら昔の情報も入ります。怪しいのもありますから上手く活用したいと思います。m(_ _)mクルマ文化は深いですね。
コメントへの返答
2017年9月16日 13:13
ご無沙汰しております。
ネットを使ったカーライフ、自動車趣味は、私も海外情報中心に、すっかり比重が移りました。
自分のようなタイプはむしろ海外に多いような気がします。
これからの日本に、希望が出るような記事を、書いていければと、思っています。

プロフィール

「50cc原付の廃止と元新潟鉄工の破綻 http://cvw.jp/b/176891/48701621/
何シテル?   10/09 14:35
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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