2011年11月07日
溶けるほど愛して【GTV編】 情熱の極点で見たものは・・・
この週末、たちの悪い風邪に罹患し、M3をピカピカに仕立て上げて臨んだFamilieへの参加を断念し、療養に徹するも、ウィルスが抜け切らないどころか体内で鋭意培養中のバイオハザードなメタラーでございまして、
今朝も、どうしても休めない因果な仕事があり、GTVのドアを開け、MOMO製のベージュレザーに体を沈めるべく巨大なスカットルを跨ぎかけた時、なにやらフロアマットに転がるプラスチック片を発見。
「今度は一体なんだ・・・」
フロアマットの上に、なにか落ちていたことはこれが初めてではなく、これまでに、ボルト、破断した樹脂の止め具などが自然落下していること数回。
ネジ一本にしてもしかるべき役割を与えられているM3で、もし、こんなことが起きたら、機能的な問題が発生いること確実につき、最初は肝を冷やしましたが、結局、どこから転がり落ちてきたのか分からず、今日まで、なんの差障りもないため、ドングリ程度のものと牧歌的放置を決め込んでおりました。
その類かと思って、何気なく摘んで拾い上げてみると、ただでさえ血色の悪い顔面から、見る見る引いていく血の気(滝汗)
マジンガーZのブレストファイヤーを浴びて溶解する機械獣か、ビグザムのメガ粒子法を喰らって原形をとどめないほど殲滅させられたボール部隊に匹敵するこの溶け方・・・
そうです、飴細工のように溶け落ちたヒューズの頭でした。
脳内に住み着いている怠け者のハムスターをけしかけ、ニューロンとシナプスを高速回転させて考えること約1分。
・・・・一体いつ落ちてきたのだろうか。
・・・・果たして、エンジンは掛かるのか。
・・・・そもそも、どこかで発火仕掛かっていた可能性があるのでは。
・・・・いや、待て、肝心な電極部分はどこだ!?
などなど思案するも、今からハンドル下にあるヒューズボックスを開けて確認する時間はおろか、公共交通機関に切り替える余裕はない。
諸兄のお叱りを承知で、一か八か、祈るようにイグニッションを捻り、リアシートの下の燃ポンの動作音を確認後、思い切って火を入れてみると、、、、、、
何事もなかったようにアイドリングを開始するアルファV6ユニット。
そして、インパネの警告灯は順次消灯し、焼け焦げるような異臭もなく、いつもと全く変わらぬ様子のGTV。
しかしながら、過去のメジャー級トラブルを経験しているため、アイドリングが安定するまで、グローブボックスから取説を引っ張り出して、ヒューズの場所を確認すると、幸いにも30Vのヒューズは1箇所のみで、リアガラスのデフォッガーと判明。
そういえば、先週、気温が下がり、びっしりと結露したリアガラスの、リアワイパーがないことから、視界確保のために何度か使用したことがございました。
走行に支障がないと分かったところで、そのまま午前のアポへ。
クライアント先の会議が終わり、その中休みに、駐車場にてヒューズボックスを開けてみると、ど根性ガエルもびっくりな光景が・・・
自らを覆うプラスチックの鎧が溶け落ち、その身を焼かれようが、過電流に耐え抜いて、リアデフォッガーに電力を供給し続け、なおも通電している電極が、健気に鎮座しておりました(もらい泣き)
というか、さっさとここが溶断していれば、こんなことにならなかったじゃねえか、、、 と、ヒューズの耐圧規格に毒づきながら、トランクから予備のヒューズを取り出し、上着を脱いで作業開始。
電極を引き抜くと、ヒューズボックスにも相応のダメージがありましたが、ショートしておらず、デフォッガーも二度と使用しないため、このままヒューズを挿して処置を終わらせることにいたしました。
GTVのフロアに頭を突っ込み、無理な体勢で作業をしていると、「Vさん、またですか??」と嬉しそうに話掛けてくるのは、某国産高級車のハンドルを握る少し上の世代の営業担当役員。
うちのGTVに起きた大小様々なトラブルを、ことのほか喜んで聞いてくれるのはいいのですが、
『やっぱりイタ車ですなぁ。』と決めつけてしまうステロタイプ的なところがございまして、
『頼むから、ほっといてくれ。』と喉まで出かかるのをグッと堪え、
「またとは、ご挨拶ですね。ヒューズですので、全然問題ありません。」と努めて紳士的に対応すると、
「いやいや感心しますよ。私でしたら、絶対無理ですもん。先に頭のヒューズが飛んでしまいます。ダハハハハ。」
「どうぞお構いなく。私の頭の中のヒューズはもともと飛んでますから。」
とまあ、会議でやり込められた腹いせなのか素なのか分からないながら、好き勝手言われている内に、昼休みに入り、ほかの社員たちに混じって、ワラワラと出てきた綺麗どころの女子社員の一人が、私の方を見て、こんな一言を。
「アルファロメオ、素敵ですね~」
「故障中だよ、これ。」と言わずもがなの一言を口にする、おいさん役員。
『こんにゃろぉぉぉぉ』と電極を摘んだラジオペンチを握り締め、立ち上がろうとすると、
「ええ、でも、憧れちゃいます。」と女子社員のナイスフォロー♪
本当なら駆け寄って抱きしめてあげたいところでしたが、世知辛い世の中ですので、フロアに突っ込んだ顔を出して、
「ありがとう。」と伝えると、
「頑張ってくださいね。」との、爽やかなやり取りに俄然出てくるやる気。
それを聞いて、「確かに、魅力的だ。それは認める。でも私にとって蛮勇なんだよなぁ。」とつい本音を漏らす、おいさん役員に、
「蛮勇、結構じゃないですか。ものは試し、いかがですか?」といざなってみると、
「う~ん、、、」と腕を組んで考え込んでしまいました。
30Vのヒューズをはめ込み、10分程度で作業終了。
曇りを取る熱線のはずが、自らを溶かすほど情熱的だったうちのGTV。
ブラマンジェのようにとろけるほどスイートなV6と乗り味は、味わったものしか分からず、その内面は、本人の気がつかないところで蕩け落ち、極点では、もはや分離不能なほどに溶着しているという。。。。
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GTV | 日記
Posted at
2011/11/07 18:28:42
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