こんにちは、こんばんわ、おやすみなさい
霧ちゃんです。
ちょっと調べてみて考察して思った一言
ジェネレーターの配線繋ぎ変え加工は
百害あって一利なし
(ただし12V車に限る)
チョイノリやガンマなど50ccのバイクの電源って基本ACですよね
よく「レギュレーターを対応品に換えて、ジェネレーターの全波整流化」とかいう加工を見かけますが、あれは
完全に間違いです。
だれが言い出したのか知りませんし、既に浸透してしまっている表現なのでどうしようもありませんね。
よく「半波整流のコイルと全波整流のコイル」とかって比較ありますが、ジェネレーターコイルは整流回路じゃねーよ。(レギュレーターも整流回路じゃねーよ)
そもそもレギュレータの入力電圧は交流やがな
交流の定義は一定周期で極性が入れ替わる電圧(要約)であって、その定義に半波とか全波って書いてないからね?
バイクやと測定したら中途半端な電圧波形かもしらんけど(要検証)
最後に考察を書いてます。
先に読んでから説明を見ると少し混乱するかも知れませんが、書き記した理由です
説明しよう!!(山寺宏一さん風に)
全波整流とか半波整流以前に正弦波交流ってなんやねん。
そこから説明が必要かもしれません。
画像のまんまです。
これが「交流」です
実効値とか最大値は今は無視してください(最後にチラッと書きます)
家で言うコンセントがそうです
直流はずっと変わらないプラスはずっとプラス
電池がそれです
交流がわかったところで本題。
よくあるのはこの結線のうち、アースにつながってる部分をぶった切って、そこを真ん中に繋がってた線(画像で言う黄)に繋ぎかえるって加工ですね。
小学生レベルの電気知識を勉強していればわかるはずなんですが、こんな加工で全波整流になるわけありません。
白と黄色で繋がっているコイルに磁界の変化(≒ローターの回転)を与えれば両端から正弦波交流が出力されますよね。
ややこしい部分を消します
超簡単ですがこれがコイルの中身と端子部分と思ってください
真ん中と上の間で12V (便宜上)の最初から交流が取り出せます。
この回路には2系統の交流回路が存在します。
1枚目の結線図で言う黄色ーアースで構成される灯火系12V
それと、白ー黄のレギュレーターからバッテリーへの12V
この二つの交流回路があり、「それぞれから正弦波のAC12Vが取り出せます」
このことを最後まで決して忘れないでください。
レギュレーターはRegulator。
語源としては 調節装置、整調者などの意味があります
電気回路では電圧を一定に保つ回路を指します
ジェネレーターにもレギュレーターにも整流する機能はありません。
それを「全波整流」するか「半端整流」するかを決めるのは整流回路を内臓したレギュレートレクチファイアです。
レクチファイアが整流回路のことを示します。
レギュレートレクチファイアは名の通り整流して電圧を一定に保つものです。

これは変圧回路ですが基本は同じです。
コイル(トランス)の部分をジェネレーターだと思ってください。
レクチファイアが担当するのは右のダイオードorブリッジ回路です
このレクチファイアの構造で整流方式が「全波整流(=ブリッジ回路)」か「半波整流(ダイオード)」のどちらかが決まります。
これだけ綺麗に担当する仕事が分かれてるのに、コイルの結線をいくら変えようが、整流方式はレクチファイアの構造で決められるので「ジェネレーターコイルの全波整流化」なんて存在しないのです。
そして結線を変えると発生する事象として、それまでジェネレータから取り出した交流を直接使ってた電球などが玉切れするやつ。
原因を考えて見ましょうか。
そこでもう一度この画像とさっきの言葉
「それぞれ12Vが取り出せます」
上と真ん中の端子間でAC12Vが出力されます
真ん中と下の端子間でも同じくAC12Vです

ではこの結線から白とアース間に発生してる電圧をもとの回路にぶち込んで見ましょう。
交流12Vが「それぞれ取り出せる」結線にしていたのが、2つを直列に繋げばAC24Vです
そりゃ12Vで設計された電球は玉切れしますよね
はっきりいいます。
結線加工はやるだけ無意味です。時間と材料と労力の無駄です
ちなみに、巻き直しも無意味です。
コイルに使う線の太さと巻き数で電圧が決まりますから、同じ太さでなら巻き数増やすと出てくる電圧が上がるので。
ジェネレーターを作りなおして三相交流化するなら大いに価値があります
そしてもうひとつ弊害が起きます。
熱問題。
今までAC12Vと言ってきましたが、これはあくまで実効値です
実効値とかの説明はめちゃくちゃ長くなるのでグーグル先生に聞いてください
簡単に言うとコンセントの100vが実効値です。最大値は141.4vになります。
最大値は実効値12vの√2倍なので16.97V程にまで上昇します
これを何やかんやして14V程度に抑えるわけです
切り落としてはみ出た分の約3Vはどうなるでしょう(厳密にはブリッジ回路で約1.7V下がるので15.27Vとなりあふれるのは1.2V程度...ですが便宜上です)
熱にして捨ててるんです。
交流を無理やり直流にしたので波のある電圧ですから、当然目標電圧を下回ってる時間もありますよね
さっきの全波・半波整流の波形です
じゃこれが二倍の電圧になったら?
実効値AC24Vですから約33.94Vです
そこから14Vまで落とすとなると20V近くカットしないといけませんね
もうPenD顔負けの爆熱です。(わかる人しかわからない例えやめろ)
そりゃアマゾンのレビューで「ジェネレーターとあわせて全波整流化したら半年でレギュレーター飛んだ」「1ヶ月で端子焦げた」「ヒューズ飛びまくり」
とかってあっちこっちで見かけるわけですよ。
多分回転が低いとLED化したときにライトがちらつくっていう現象だけで端的に交流回路に半波が流れてるって勘違いした人が言い出したんでしょうね
低回転は単に周波数が回転数に依存するからってのと、コイルが磁石の中心になくて磁界の変化が均等じゃないので使用した画像や家庭のコンセントから出てくる電圧波形ほど綺麗な正弦波じゃないのも原因じゃないですかね。
あと、磁界変化がゆっくりだとコイルに発生するエネルギーも低いですから、電圧が上がらないのは当然です(車もアイドリングでバッテリー電圧が下がるのはこのせい)
今度暇があればオシロで波形とってみます。
追記
もしかしたら6V車の12V化が発端かもしれないですね
6V車全部が全部そうじゃ無いかもしれませんが、この理論で言うと繋ぎ変えることで12Vの電源が取り出せるわけですから。
当時は本当に半波整流で、それを全波整流式のレギュレートレクチファイアとコイルの結線変更をセットで全波整流化って謳ってたのが、短くなって「コイルの全波整流化」ってなったのかも?
車のエアクリをむき出しに変えたら「渋滞やアイドリング中の」吸気温度上がるで言う「」の中が抜け落ちて広まった的な……
じゃまた機会があれば。