レイルウェイ 運命の旅路

コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田広之。
なかなかのキャストだけど、話題にならない角川映画での配給。

映画「戦場にかける橋」で描かれていた泰緬鉄道で、捕虜として鉄道建設に従事させられたエリック・ロマークスの自叙伝が原作。

日本軍占領下のタイで捕虜として、非人道的な扱いを受けたエリック。
心の闇を抱えて生きるエリックと支えようとする妻パトリシア。
かつて自分を拷問した日本人通訳の永瀬が生きていることを知ったエリックは、永瀬と対峙すべくタイに向かう。

日本軍の非道さ、残忍さが描かれていて、Japaneseとしては観るのはやはり辛い。
途中から半日映画のような様相だったけど、いろいろ考える映画だったわ。

人に殺されたくないし、殺したくもない。
それを国によって強制された時代があった。
あの場の日本軍にいたとしたら、きっと何もできなかっただろう。
拷問をするような人間になってしまうかもしれない。
戦争は人間を変えてしまう、だから悲劇なんだ。

映画として残念だったのは、エリックと永瀬が再開してからの心模様の描き方が弱かったこと。
加害者側の永瀬も、被害者側のエリックもそれぞれトラウマを抱えていて、それを乗り越える過程がこの映画のメインテーマとなるべきなんだが、美しい川の流れや、ゆっくりとした列車運行を観ているうちに、なんだかうやむやに解決させちゃった感じで、なんとも。
80点。 ある意味、踏み絵のような映画。