バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015年アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞受賞。

「客が大好きなのは血とアクション。しゃべりまくる重苦しい芝居じゃない」、と映画の中でバードマンが言っていたな。
そんなしゃべりまくる重苦しい映画だったw
予備知識入れずに観に行って、映画タイトルの意味は最後までわからなかったけど、結構ストレートに、でもかなりブラックユーモアも盛り込んで丁寧に描かれた作品。

こんな脚本の作り方もあるんだ！って感心させられるストーリー。
全編ワンカットの長回しのに見えるような美しい映像、近年稀に見る素晴らしい撮影。
あと、BGMというか、バックで流れ続けるドラムが最高にクールだった。

主演はマイケル・キートン。
ティム・バートンのバットマンシリーズで主演だった人。
正直、アメコミヒーローものは苦手分野なので、バットマンもテレビ放送のをちょっと観たくらいでよく知らない。
アメコミヒーローものの好きな人にはたまらないキャスティングのようだ。

バットマンならぬバードマンというスーパーヒーロー映画で、一躍スターダムにのし上がった俳優のその後。
ブロードウェイで脚色・演出・主演を務めるという挑戦により、かつての栄光と決別し、どん底から這い上がろうともがき、苦しみながらも前に進む…というストーリー。
アカデミー賞主演男優賞は獲れなかったけど、苦悩の男の姿を、魂の演技で魅せた！そんな感じ。

全部ひっくるめてアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が凄い。

92点。心にドスンとくるダークファンタジー。人生の苦悩を知る大人向け。