人間の値打ち

イタリアのアカデミー賞で7部門受賞した、イタリア映画。

クリスマスイヴ前夜、イタリア・ミラノ郊外で起こったひき逃げ事故。これをきっかけに、経済格差のある３つの家庭に隠された秘密と欲望が浮かび上がる。投資ファンドで一攫千金を夢見る男。自分の居場所を見いだせない富豪の妻。愛に懐疑的な女子高校生。彼らは事故が起こったその晩、どこで誰と一緒にいたのか、真実を知る者は誰なのか？

上流階級のセレブな生活が垣間見える、上質な社会派サスペンス。
原作はイタリア語で「Il Capitale Umano」、日本語訳では人的資本、つまりその人が生きていることでどれだけの価値を生み出せるかを可視化した概念、ヒューマンキャピタルのこと。
お金にまつわる問題が人々にどのような問題をもたらすのか、異なる階級では全く見えかたが違っていたりして…

富豪の妻カルラを演じたヴァレリア・ブルーニ・テデスキが素晴らしかった。
展開が全く読めず、様子見で観ていたけど、途中から一気に物語に引き込まれていく秀逸なストーリーテリング。
88点。セレブの乗る車たちもなかなかの見どころ。