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2016年01月31日

原点回帰へ挑む <走りのR31スカイラインへ>

原点回帰へ挑む &lt;走りのR31スカイラインへ> スカイラインは、走りの性能を磨き続けて創られてきました。

ですが、時には時代に翻弄され、多少揺れてしまったことも皆無ではありません。

今回の主役であるR31も、その揺れてしまったケースです。

デビューは1985年。

この頃、市場を席巻していたのは、この車でした。



X70系マークⅡです。

1980年代に入り、ソアラに端を発したハイソカーブーム。

マークIIもX60系より上手くその流れに乗り、大ヒット!
(うちのおじさんもマツダ一辺倒だったのが、ここでマークIIに乗り換えました)

それまで、他のクラスはどうあれ、それまでLクラスセダンでは販売トップを死守していた日産。

マークⅡに形勢逆転されてしまっては「意識するな」ということ自体、到底無理なお話。

そんな時代に誕生したR31スカイラインですから、当然この様になりました。



マークIIと同じ土俵で真っ向勝負です。

これでは、ローレルとの住み分けは? なんて思いましたが。

ただ相手もマークII3兄弟ですから。

スカイラインも、このくらいローレルと被って連合を組まないとダメだったのでしょう。


外観から走りの予感は希薄でした。

それでも、落胆するにはまだ早い。

待望の「DOHC 24バルブエンジン」の復活です。

スカイラインにとって、この言葉は非常に意味あるものでした。



DOHC 24バルブといえば、それはGT-Rと同義語。

たとえハイソカーであっても、エンジン形式はGT-Rと同じです。

きっとこれは、帰ってきた「羊の皮を被った狼」だと。

そう信じておりました。

ましてや、トヨタの1G-Gに先んじられていたので、なおさらです。



しかし発表後の試乗記を雑誌で読むと、さにあらず。

走りを忘れたスカイライン・・・そんな印象でした。


当時、担当主管はこの方でした。



伊藤修令(ながのり)さんです。

R31の開発主管というよりは、R32の方で有名な方です。

伊藤さんがR31を担当された頃は、車両がほぼ完成して実際担当されたのは認証業務くらいだけだったそうです。

そうとは言っても、担当主管。

伊藤さんが、批判の矢おもてに立たされることになりました。


走らない、と言われる原因は・・・

DOHCなのに、高回転時にパワーがない・・・。

なんだか詰まっている様な、そんな感じだそうです。

いろいろ調査の結果、主な原因はここでした。



NICS (Nissan Induction Control System)です。

これはRB20DETから採用された、世界初の技術。

吸気マニフォールドにバルブを設けて、低回転、高回転の切り替えをします。

この考え方自体は、すでにトヨタのT-VISで採用済。

日産は、それを長さの違う低回転用、高回転用の専用部品にしています。

その為、4バルブにありがちな低回転のトルク不足は、解消されています。

ですが高回転時に、その管長の長い低回転用マニフォールドがネックとなり、それで詰まった様になっていた訳です。


伊藤さんは、早速吸気周りにメスを入れます。

マニフォールドの見直し、スロットルバルブの大径化等が主なところ。

もっと端的に言ってしまえば、吸気設計やり直し。

2年マイナーチェンジ時に適用するべく、開発開始です。



ですが実のところ、改善すべきことがわかったとしても、すぐに部品交換は出来ません。

日産もNICS導入にあたり、専用部品を専用の生産設備で作っています。

その費用を、4年のモデルライフで回収出来る様に、製品価格を決めています。

それを2年マイチェンで切り替えるということは、費用の回収が出来ない、つまり赤字の部品になることを意味します。

当然、会社上層部は反対です。

ですが、伊藤さんはこう説得します。


スカイラインにとって、大切なものは世界初のメンツなのか?

そんなことよりも、今走りの性能を復活させないと、このままではスカイラインが死んでしまう。

R31の復活でもありますが、R32への先行投資だと考えて下さい。



これで、異例のマイチェン時に吸気部品の総交換が実現。

高回転時のハイパワー化に対応して、NICSはこうなりました。



短い1本のマニフォールドを、バルブ手前で2本に分け、片側にバルブを追加。

要は、トヨタT-VISと同じです。

この新エンジンを得たことで、本来の走るスカイラインに大転換。

また前期で追加された2ドアクーペでは作れなかったモデルも、これで出来る様になりました。



GTS-Rです。

グループA制覇を目論んだホモロゲモデルです。

これに搭載されたRB20DET-Rでは、チューンを排気系にまで広げ、更にパワーアップしています。


世間の評価が低いR31ですが、創り手の熱い思いで後期では復活しました。

こんな熱い思いで支えられているスカイラインだから、そこに魅きつけられてしまうんですね。
ブログ一覧 | スカイライン | 日記
Posted at 2016/01/31 16:30:42

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この記事へのコメント

2016年1月31日 16:54
こんにちは。

今回も熱いブログですね!!

私もスイフトに乗る前は日産車ばかりでした。

やはりどこかに「技術の日産」への
想いがあったのかもしれません。

「やっちゃえ日差」も良いですが、
先人の技術者が培ってきたモノを
正しく受け継いでいってもらいたいですね!!
コメントへの返答
2016年1月31日 17:33
こんばんは。
毎度コメントありがとうございます。

スカイラインネタ、過剰に力が入ってしまいます。

ビフォアゴーンさんの日産は、採算度外視でもよりよい技術で車創り、という姿勢が見えていました。

アフターゴーンさんになると、市場の声も技術者の声も反映されず、ただ利益の出しやすい車を作る、そんな風に見えます。

ほんとは車好きじゃないでしょう?
なんて言いたくもなる、今の日産です。
2016年1月31日 21:38
いつも、ありがとうございます!

R31スカイライン。当方はペーパークラフトで、ほんと表面的なものの再現でしかありませんが、くまとっどさんのブログを拝見して技術面での葛藤と、挑戦など、深いものがあるのですね。

コメントへの返答
2016年1月31日 22:42
こんばんは。
コメントありがとうございます。

すみません、ネタ被りました。
ペーパークラフト完成、おめでとうございます。
何もないところから仕上げていくなんて、到底真似など出来るものではありません。

R31スカイライン、ここではよくネタにされてますよね。
時代に振り回されて迷走してしまった故に、応援したくなるんでしょうか。
2016年2月1日 8:15
V6で勝負に出たはずの日産ですが、
継子・スカイラインがあるために直6もという感じでした。
RBはローレルから導入され、ケッコウ良かったんですが、
ブログの通り、肝心のDOHC24バルブがさっぱりで ・・・ 涙。
コメントへの返答
2016年2月1日 9:40
おはようございます。
コメントありがとうございます。

当時日産ディーラーに勤めていた友人から「おすすめはRB20E搭載車」と言われ「?」だったにですが、こういうことだったのですね。

R32 GT‐Rは直6になりましたが、もっとストイックに勝ちを狙った場合、果たして同じ選択になったのかな? と。

スカイラインだから、「勝てるエンジン」より「勝ちたいエンジン」を優先した結果がRB26なのかな、とも思います。
2016年2月14日 9:52
おはようございます。
なるほど、そういった原因があってツインカム車の方が重い感じだったんですね。
当時RB各種運転したことはあるんですが、シングルカムが一番軽やかに回った記憶が有ります。
R31、当時の私はスカイラインファンでしたので、トヨタにコテンパンにされてるのが悔しかったですね〜
やっぱり世間同様「31はダメだな〜」なんて言ってましたが…
ここ最近、当時の31が訴求していた年齢層に近いせいか凄く良いクルマに思えてきました。
この頃はやっぱり「スカイライン」ってクルマなんですよね(^^)

今回拝見してR31にこんなドラマが有ったとは…
ますます好きなスカイラインになってきました。
若い頃に友人が格安で買ったGTSを乗ってましたが、要らなくなったっていう時に譲って貰えばよかったです。

見応えあるブログ、ありがとうございました♪
コメントへの返答
2016年2月14日 10:12
おはようございます。
コメントありがとうございます。

R31は、結果的に迷える日産を象徴するモデルとなってしまいました。

スカイラインはこうあるべき、と主張する技術者、マークIIに一矢報いたい営業者。
そこのバランスがうまくとれなかったモデルなんですよね。

その反動か、とことん技術者、伊藤修令さんの主張を貫いたのが・・・名車R32です。

友人の影響、修令さんの話で俄然好きになったR31。
ほしいと思った頃には、もう買える価格を超えてました。
不人気だったせいか、市場淘汰が早かったですね。

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「@中島乗り さん 片山さんって、渡米前から有名人だったんですね。」
何シテル?   08/21 21:22
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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