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2025年04月18日

日産 WRC 最後の優勝車

日産 WRC 最後の優勝車 私の幼少期だった、1970年代。

日産と言えば「技術の日産」でした。

他社とは一線を画した、技術オリエンテッドなクルマ作り。

「世界の恋人」が流れる企業CMと共に、私の中ではそのイメージが刷り込まれています。

もちろん、今も「技術の日産」ですよ。

その方向が、ドライビング プレジャーから自動運転に代わりましたけれど。


あと「技術の日産」たらしめたる所以、それは海外ラリーでの活躍でしょう。

510型ブルーバードによるサファリ総合優勝は、さすがにリアルタイムで観てはいませんでしたが・・

その後のPA10型バイオレットでのサファリ4連覇は、私にとって正に「技術の日産」の象徴でした。


そんな「ラリーの日産」、そういえば日産のWRC最後の優勝車ってなんだろう?

まさか、このバイオレットではないと思うのですが・・・

サファリ4連覇はグループ 2/4時代。

その後、グループ Bの時代に代わります。

日産車のグループ B車両は、この車両でした。






240RS

クワトロショックで幕開けした、グループB。

勝利の選択肢としては、ターボ + 4WDは必須となります。

そうは言っても、日産、ひいては日本車の場合、グループBは即ちサファリ仕様。

スピードよりも耐久性を重視していました。

2つの技術を同時搭載は難しいけれど、ターボはチャレンジ。

トヨタは、この方法を選択しています。

結果、生み出したグルーブBホモロゲ車両。

それが限定生産された、セリカ ツインカムターボ(TA64)でした。


片や国内初のターボを市販した、日産。

トヨタ同様に、ターボは必須と考えていた様です。

そこで高熱による耐久性問題を検証すべく、実戦にターボのテスト車両を投入。

導き出した結論は、時期尚早としてターボは見送りとなりました。

その為、日産は、パワーを排気量によって得る方法を選択します。

設計されたのは2.4L DOHC4気筒、FJ24でした。

その240RS、サファリでの最高位は、1985年の4位。

それ以外でも1983年ニュージーランドで2位と、残念ながら未勝利で終わります。

それでは、グループAはどうだったのか?

グループAに参戦していたのは、このクルマ。






パルサー GTI-R

WRCスタンダードとも言える、ターボ + 4WD車両を遂に投入します。

軽量コンパクトな2BOXボディに搭載したのは、4連スロットルで武装した2Lターボ、SR20DET。

スペックだけ見れば、他社に引けを取りません。

これだけのクルマを、ラリー経験豊富な日産が投入すれば、今度そこWRC勝利が・・・。

満を持して投入したデビュー戦、1991年のサファリ。

ここでは優勝ならずの5位。

翌1992年では、雪のスウェディッシュで3位と、これが最高位。

パルサーのワークス参戦は、この2年間だけで終了となりました。

コンパクトなボディにハイパワーエンジンは、WRCでは常套手段のはず。

ですが、物には限度があった様でして。

ちょっとコンパクト過ぎたが故に、エンジンルームに隙間なし。

熱の逃げ場もありません。

同じくコンパクトの弊害で、ホイールストロークの確保が難しい。

また大径ホイールも入らないので、ブレーキも小さい。

熟成も新車投入もなく、日産ラリーの歴史はここで途絶えてしまいました。


という事は、日産最後のWRC優勝は、1982年のサファリ?

流石にそれはないだろうなぁ・・・。

いろいろ調べてみると、日産初のGr Aは、パルサーではなかったんです。





200 SX

Gr A移行初年度、1987年。

ターボ + 4WDで参戦したくとも、日産に該当する市販車はなし。

そこでGr Bの240RSと同様に、FRをベースに選択します。

このクルマの国内仕様シルビアには、FJ20ET搭載のRSターボがありました。

という事は、ここで遂にターボ投入?

しかし、この200SX、搭載エンジンはVG30E。

V6 3L、SOHCのNAです。

またしても日産、ターボを回避しています。

NA + FRという、結局は240RSと同じコンセプトを踏襲します。

Gr Bでは、トヨタがセリカ ツインカムターボ(TA64)でサファリ3連覇。

ターボの信頼性は実証済みです。

それでも、またしても日産は、大排気量NAを選択しているのです。


デビュー戦のサファリでは8位。

実戦で熟成を重ねた、翌1988年のサファリでは2位と3位。

そして迎えた、第11戦コートジボアール。

ここはマニファクチャラーズ タイトルが、掛かっていません。

その為、ランチア、トヨタ、フォードと言ったワークスチームは、不参加。

それでも、アウディ クーペクワトロ、マツダ 323(ファミリア)が、プライベートで参戦しています。

ワークスと言えどもFR + NAの200SXでは、決して楽なラリーでがありません。





アフリカの大地で開催される、このラリー。

サファリ同様のタフさが、ここでも要求されます。

そんな過酷な状況の中、序盤からリードをしていたのは200SX。

しかし、アウディ、マツダも、僅差で食らいついて来ます。

先にアフリカの洗礼を受けたのは、ライバル勢。

マツダは駆動系トラブル、アウディはコースアウトと、徐々に遅れが目立ち始めます。

これで200SXも安泰かと思いきや、まさかの牛に激突。

フロント損傷し満身創痍となりながらも、トップで帰って来たのでした。


1988年コートジボアール、ワークス不在とは言え、WRCの1戦には変わりありません。

結局、これが日産車最後のWRC優勝となったのです。

ちなみにこの勝利は、WRCにおけるFR車最後の優勝でもあります。



疑問は解決したものの、ちょっと気になったのは、参戦車両。

V6 3Lの200SXって、どんな素性の車なんでしょう?

TA64セリカの様な、ラリーホモロゲ用の専用車両なんでしょうか?

調べてみたら、こんなものが出て来ました。





これは、200SXのFIAホモロゲーションの公認書です。

形式名はRVS12。





確かにエンジンは、V6 2995ccとあります。





実はこのV6、ラリー専用のホモロゲモデルではなく、北米で市販されているクルマでした。


同じく気になったクルマ、ライバルのアウディ。

車名は「アウディ クーペクワトロ」とありました。

これって所謂、アウディ クワトロ?

でもあれはGr Bでしたので、Gr Aでホモロゲ取れる程は生産出来ないはずでは?

これも調べてみました。






う〜ん、あのラリー常勝のクワトロでは無さそうです。

ブリスターフェンダーではないですし。

やっぱりこれ、あのクワトロとは別物の様です。

クワトロなので4WDなのですが、エンジンはNA。

アウディのGr Aって、セダンの200クワトロしかないと思ってました。



それにしても、日産最後のWRC優勝が37年前とは、ちょっと寂しいですね。

ラリーの日産復活・・・って、今の日産を見ていると、無理だろうなぁ。
ブログ一覧 | 日産 | 日記
Posted at 2025/04/18 10:05:06

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この記事へのコメント

2025年4月18日 22:32
世界的な販売戦略ゆえの車種選択だったのでしょうけれど、U12ブルーバードを持ち出していたらどうだったんでしょうね。E3#ギャランのようにはいかなかったかも知れませんけど、もう少し何か出来たかも・・・・・・なんちゃって。
コメントへの返答
2025年4月19日 8:16
おはようございます。
コメントありがとうございます。

日産にとっても、ラリー=ブルーバードのイメージは強かった様です。
U12ではSSS-Rを出しましたので。

240RSの時も、910ブルーバードと比較検討していた様です。
サファリ対策で4独よりも頑丈なリジットリアサスを選択し、240RSになったみたいです。

ギャラン、レガシィも程なくダウンサイジングされたので、それを見据えると、ブルーバードは大きいかな?となって、パルサーになったのかも知れません。

U12、国内参戦だけというのは、勿体なかったですね。
2025年4月20日 9:37
こんにちは

200SXがFJ20ETではなくVG30Eを選択したのは、ICが搭載されていなかったからでは無いでしょうか?
FJにICが搭載されたのはDR30後期(鉄仮面)でS12は非搭載でした。
FJの開発は荻窪でしたからね・・・・
Gr.A規定ではIC追加は許されませんし、旧日産側でS12に搭載できる高出力Eng & 北米人気のV型 という事で、北米仕様にVG30Eが設定された というのが背景の様に思います。

パルサーGTI-R、車両サイズはデルタと同等なんですよね。
エンジンルームもキチキチですが、ICが前置きだったのが良かったんでしょうね。
タイヤも15インチでしたし。

U12ブルが国内専売でなければ、WRCデビューしていたかもしれません。
パルサーで酷評されているIC位置(もはやインターウォーマ)ですが、U12ではCA系⇒SR系になる時点で空気が抜けやすくなる様に位置を変えていますので、少なくともパルサーよりは マシ な状況に出来たかと。
ただしU12もタイヤが14インチなんで、ギャラン、レガシィ程の活躍は見込めなかった様にも思います。
https://motor-fan.jp/mf/article/124411/
コメントへの返答
2025年4月23日 0:03
こんばんは。
コメントありがとうございます。

先日、那須ミーティングに参加しまして。
そこで、この200SXが話題になりました。

S12、シルビアでもホモロゲを取っています。
これはFJ20E、NAです。

那須での話で「そうかもなぁ」と納得したのは、日産はコンベンショナルなメカを選ぶ、と言う事。
S12は、やはりターボ自体の信頼性問題が払拭出来ず、VG30EのSEを選択したのではないかと思います。

S12のホモロゲがNAなのも、その影響なのかなと。

でも80年代にターボがないかと言えば、さにあらず。
S110シルビアは、Fj20EとZ18ETでホモロゲ取っています。

あとFJ20E、これも何かあるのかなと思います。
純コンペティションEGのFJ24とは、そんなに共通性がないと聞きますし。
FJ20Eは、レース、ラリー共に、あまり活躍していません。
Gr5のスカイラインも、外観はRSですが、エンジンはLZ20です。
RSルックなのにLZって、不思議でなりませんでした。

U12ブルーバード、個人的にはこれでWRC参戦して欲しかったですね。
ただ、なぜ排気量が前期は1.8Lだったのか?
DET-Rとは言えど、ライバルより200cc少ないエンジンは、かなりのハンデになったはず。
パルサーから見れば大柄ですが、当時のライバル、ギャラン、レガシィと比べれば、妥当なサイズだと思います。

やっぱり、日産ラリー=ブルーバードですよ。
2025年4月20日 11:49
グループAのアウディクーペクワトロ見たことあります。
テレビ朝日で放送していた1988年のモンテカルロラリーでモナコ在住のスピリオティス夫妻がこの車でエントリーしていました。
YouTubeでもアップしているのでお時間のある時に見てください。
コメントへの返答
2025年4月23日 0:11
こんばんは。
コメントありがとうございます。

知ってました? Gr Aのクワトロ。
Gr Aは、200クワトロだけだと思っていました。

200クワトロは、ターボ + 4WDとは言え、外観は普通のセダン。
これにサファリで負けたのは、非常に残念でした。

ちなみにクーペクワトロ、ワークスは使っていなかった様です。
2025年4月20日 11:58
矢張り くまとっどさんのブログは読みごたえのある愉しい内容で、タダで拝読させて頂くには勿体ないくらいですw
特捜最前線の番組の後?だったか、流れるグループ社のテロップの関連会社の多さに無敵感がありましたね。
どこから外れた?のでしょうかね。。。
コメントへの返答
2025年4月23日 0:22
こんばんは。
コメントありがとうございます。

お褒め頂き嬉しいです。
でもこのネタ、ちょっとマニアックに振れ過ぎかと。
居酒屋クルマ談義で繰り出してみても、「だから、何?」と言われかねません。
みなさん、そんなにラリー好きでもないですから。

「世界の恋人」が流れる、日産グループのCM。
土曜日9時のテレ東を思い出します。
CMの後に続く番組は?

私の場合は「テレビあっとランダム」。
かみさんは「大江戸捜査網」だそうです。

当時の日産グループ、今はどうなっているんだろう?
実はほとんどの名前が変わっています。

なんと言っても最大の会社、日産ディーゼルの名前はありません。
その他、カルソニック、ゼクセルの名前も、今はありません。
海外逃亡したあの方が、グループ系列をズタズタに壊し、海外メーカーに譲り渡してしまったから。

私も就職試験を受けようかと思っていたグループ会社も、今は海外メーカーの看板を掲げています。

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「本業は9連休ですが、バイトは今日からお盆3連勤です。昨日スーパーを見た感じ、特に多そうではなかったです。今日も頑張りましょう!」
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