大晦日は格闘技三昧じゃ～！

■ＤＲＥＡＭフェザー級王座戦、好勝負の打撃戦必至！

　都内・ＤＥＥＰオフィシャルジムで１７日、「元気ですか!! 大晦日!! ２０１１」（１２月３１日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ）に関する会見が行われ、ＤＲＥＡＭフェザー級タイトルマッチとして王者・高谷裕之vs.挑戦者・リオン武の一戦が発表となった。

　昨年大みそかに前王者ビビアーノ・フェルナンデスを破り王者となった高谷は、７月に宮田和幸を降して初防衛に成功。今回はそれ以来５カ月ぶりの試合であり、連続でのタイトルマッチとなる。
　高谷は「格闘技界が元気ないので、来年に向けて元気づけるような試合をしたい。そう思いつつ、でもスッコスコにぶっ飛ばして、気持ちよく新年を迎えたい。それだけです」と“番長節”で気合い十分。会見後の囲み取材でも「防衛戦なんで絶対負けられない」と続け、勢いに乗る挑戦者リオンに対しては「自然にいい試合になると思う」と、相手にとって不足なしといった様子であった。

　挑戦者のリオンは昨年９月のＤＲＥＡＭ第１戦こそ宮田和幸に敗れたが、今年に入って３戦３勝３ＫＯと絶好調。今月６日にはシュートボクシングにも初挑戦し、エース宍戸大樹から投げでのシュートポイントを上げ勝利している。国内総合を見渡しても“勢い”においては随一と言ってよい選手だ。
　リオン自身も追い風を感じており、「今は誰が来ても負ける気しないです。勝つイメージが湧いているので、ＫＯ勝ちして格闘技界を盛り上げたい」と、川尻達也、宮田和幸ら会見に出席した他の選手の表情が硬かったのに比べ、終始明るい表情だった。
「殴り合いになるだろうけど、僕だけ殴って終わりにしたい。高谷選手の対策はもうやっていて、もらわないように当てる練習をしています。もらえば倒れるけど、当てれば倒せる自信はある」とリオン。強打を持つ高谷が相手でも、打撃勝負を避ける気は全くないようだ。

　ともに日本ＭＭＡが誇るストライカー同士による対戦。相手を沈める強打はもちろん、戦略・作戦に優れた同士の対戦でもあり、熱戦の期待される好カードが実現となる。

■お祭りムードなし、川尻vs.宮田はシビアな生き残りマッチ


 
　言葉少なに「いい試合を見せれるよう頑張ります」と意気込みを語った宮田に対し、川尻は「僕は世界しか見ていないので、圧勝じゃなきゃダメだと思ってる。相手の心を折って“もう川尻とはやりたくない”と思わせるぐらいの試合をして勝ちたい」と語気を強める。
　カード発表会見で、この“挑発”とも取れる言葉を受けた宮田だが、終了後の囲み取材では「自分は世界に通用すると思っているし、（階級を落としてきた川尻にも）力負けしないと思っている。力だけじゃないってところを見せたい」と熱くなることなく受け流した。
　一方ライト級時代はもとより、キャリアの早い段階から“最強”を目指しての戦いを標榜していた川尻は、「ここでつまづく訳にはいかない。僅差の判定じゃやってる意味がない。しっかり差を見せていかないと、今後やっていく意味がない」と、この日は自身に発破をかけるかの厳しい言葉と表情に終始した。

　ともにテークダウンを主軸とするファイターとして、大きな分類においては同じタイプに属する２人。前回、王者・高谷に敗れている宮田は勝てば挑戦者候補に踏みとどまり、フェザー級転向第２戦となる川尻は、勝てば挑戦者の座に大きくジャンプアップを果たす。
　大みそかのお祭りムードを吹き飛ばす、シビアなフェザー級生き残りマッチだ。