
上部艦橋あたりまでだいたいの形が出来てきたので、このあたりで船体へ設置します。そして艦橋前面と中部艦橋をつなぐ斜めの外板を設置。

これだけバシッとハマると気持ちいですね♪
そして90式見張方向盤を製作。1/700では直径1.8mmのはずですが、そのサイズの丸棒がないので少し小さい1.5mm丸棒で作りました。
艦橋両側には斜め後ろ向きの排気口がありますが、それと艦橋壁面との取り合い部分が直角に接合されているのかRが付いているのか分かりませんでした。
しかしなんとこのタイミングで鳥海の動画が公表されるという僥倖!
旧海軍の巡洋艦鳥海とみられる映像発見 将校が撮影、魚雷発射訓練も
その動画の中で排気口との取り合い部分がはっきり写っていました。

直角でもRでもなく、斜めの板で接合されていると判明したので、そのように再現してみました。
さらにその他の細かい装備品などを付け、いったんここで艦橋の製作を中断します。

若干工作が粗いものの、艦橋フルスクラッチは自己満足度高めで推移しています♪
ここで上甲板のリノリウム押さえを施工します。
リノリウムは幅1.83m、長さ27.3m、厚さ3mmの薄い板で、主に乗組員の歩行による疲労軽減の効果を狙って甲板に装着されたものです。
ただ、↓の記事によると、被弾等によって破壊された場合、リノリウムは細かい破片になるので、乗組員の負傷防止にもなるため多用されたとのことです。知らなかった…。
リノリウム甲板って何?(タイムクラフト造船所)
リノリウム板は帯状の押さえ金具によって甲板に固定されます。今回、その幅と色について調べてみました。
まず幅ですが、こちら↓の記事によれば実物は4cm程度、1/700だと0.06mmということだそうです。
1/700 冬月 リノリウム甲板(25)(北鎮海軍工廠)
ほとんど見えないくらいの太さですね。
そして色ですが、多くの艦船模型作品ではゴールドで表現されています。しかし何かの記事で灰色と見たような記憶が…。
改めて調べてみました。するとこんな記事を発見。
高波1942 その四(ブリキ缶建造記)
なんと、艦政本部の法規集のなかに、リノリウム押さえ金物を昭和13年12月付で黄銅製から亜鉛メッキ鋼板に代用改正する旨の記載があるとのこと。
またこちらの記事にも同様の記載がありました。
EXPLANATION(企画室S&Sホームページ)
文中には「昭和12年頃から(原材料としての)銅の統制が始まり真鍮製部材の他材質への変更が検討され亜鉛メッキ薄鋼板を使用となったものです。」とあります。
これらを前提とすると、第一次ソロモン海戦時の鳥海に装着されたリノリウム押さえは金色の真鍮製ではなく灰色の亜鉛メッキ鋼板だった可能性が高いと思われます。
しかしながらリノリウム押さえをゴールドでなくグレーとすると模型としての見栄えは大幅に違ってきます。よって今回は史実と異なる可能性が高いことを承知の上でゴールドとして工作することにします。
リノリウム押さえはリード線をほぐすと出てくる極細真鍮線を利用し、これを先に甲板にデザインナイフで入れておいた細い溝へ貼り付けます。真鍮線は手持ちの0.1mm金属線と比較すると同じくらいの太さだったので微妙にオーバースケールくらいの感じです。
真鍮線はプラ用接着剤を使って甲板側のプラを溶かして接着する方法もありますが、接着力が弱いためマスキングテープの粘着力に負けてしまうらしいので、瞬間接着剤を使います。
まずは真鍮線の7割がたの長さを甲板に接着します。次に残り3割をデザインナイフで立ち上げておきます。

セリアで手に入れた瞬間接着剤用ハケを使って3割部分に接着剤を塗布し、甲板へ設置。

ひたすらこの繰り返しを行います。
ちなみにセリアのハケはすごく使いやすいです。これで100円は安い♪
途中で気分転換も含めて、艦尾付近の洗い場と靴底消毒槽の壁をプラペーパーで立てました。
若干ガタついているのは見なかったことにしてください(汗)

鳥海動画にも両者はちらっと写っています。
更にリノリウム押さえを貼り続けます。特に運搬軌条周りはかなり短い真鍮線を貼り付けるので、なかなか大変…。約4日の作業を経て、甲板全体への施工を完了しました。
鳥海動画では艦尾端も写っていたので、以前に検証した鉄甲板の範囲を再検証してみました。

これを見ると、鉄甲板の範囲は倒された旗竿の長さと同じのように見えます。
図面から算出した旗竿の長さは11.3mm。
私が施工した範囲は12mmなので、ほぼ正解だったことになりますね。ほっ(^^)
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2025/11/02 11:41:34