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2020/12/18

車両標準装備の20分タイマー付き常時電源を利用した不具合修正と有効活用の検討 その1 - 原因究明

カテゴリ : 電装系 > 電装パーツ > 自作・加工

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とある平日の夜。

窓から空を眺めると、車庫側がなにやら光っている…。

E.T. がうちにやってきた!? いや、デロリアンが突っ込んできたに違いない!

…とか、そんな事はもちろん無く、なぜかポジションランプとテールランプが光っていました。

これは、ドアロック時にキーを持って近づいたり、普通にドアロックを解除して、ルームランプが光るシーンの時にポジション&テールランプが光るように自作パーツ (ユニット) を作って改造 (後述の関連整備手帳のリンクを参照) したからなのですが、問題なのは光ることではなくて、なぜそれが動作しているのか?ということ。

作ったときは問題無く動作していたのに…。

それにキーロックをしたときはちゃんと設計通りにライトがオフになったのに。なぜ?

ロックをし直して、しばらく時間を空けて車を見に行くとまた勝手に点灯している。なぜだぁ~!

一応、機能をオフにするスイッチを付けているので、とりあえずは OFF にしましたが、それだとなんの解決にもなっちゃいない。

そこで翌日から数日かけて調べてみたところ、次のようなことが分かりました。

・以前はこんなことは無かった。最近起こり始めたので、最近変えたパーツ、または最近のいじりが関連している可能性がある。または自作のウェルカムポジション&テールランプのユニット部が壊れた?


ウェルカムポジション&テールランプの機能はルームランプの配線から分岐しているため、ルームランプまわりを調べることにしました。

・フロントのルームランプをドア連動にしないようオフにするとウェルカムポジション&テールランプはこれまで通りの動作で問題無く動作する。(=時間が経っても勝手に点灯することはない。)

・フロントのルームランプをドア連動オフにして、単体 (手動) で点灯した場合も問題無い。この時、標準機能のバッテリー保護機能 (20分でライト関係が自動でオフになる。) も問題無くオフになる。

・バニティランプはこの問題に影響をうけないし、影響を与えない。(オンでも、オフでも関係ない。)

・どうやら20~30分ぐらい待つと勝手に不具合点灯している。

さてどうしたものか。

【関連整備手帳】
・ウェルカムポジション&テール with ストップランプ全灯 (7灯) 化作業 その1 - 配線図編
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4937877/note.aspx
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もうこうなったら、まずは回路図を見なおして、再度標準動作の仕組みを理解するところから始めようと電子技術マニュアルの回路図を見直しました。

ちなみにこれはフロントルームランプ (パーソナルランプ) にイルミ連動+調光機能を追加 その1 - 回路検討編 の整備手帳 ( https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/5436205/note.aspx ) のときにルームランプの動作を理解するために掲載した図そのままです。

図の中央がフロントで、その左右がリアのルームランプを示してます。(グレードによって仕組みが異なるためこのような図になっています。)

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まず図の説明ですが、一番右の2つがサンバイザーのところにあるバニティランプです。

右から3番目が、メーカーオプション (MOP) のパノラマルーフあり車または150X “C パッケージ” に取り付けられているリアのドームランプです。

標準車との違いは…
標準車はリアシートの足元上…天井の真ん中あたりにあり、灯体もパーソナルランプとなっていて左右別々に点灯することができます。

しかし、パノラマルーフあり車の場合は天井がガラスなので、ルームランプを取り付けることができず、後のルームランプはラゲッジの上あたりにあります。そんな場所でパーソナルであってもほとんど意味がないため、パノラマルーフあり車の場合はパーソナルランプになっていません。(ドームランプになってます。)

150X “C パッケージ”の場合は後の足元上に普通にありますが、単純にコストカットか、グレードの差別化のためだと思います。

左から二番目がフロントのルームランプです。

そして一番左が、標準車のリアのルームランプ。

今回のカスタマイズでバニティランプは全然関係ないのですが、一応説明用として追加写真1に追加しておきました。

ここでもバニティランプの説明をしておくと、回路は単純で常時電源をスイッチでマイナスとつなぐことにより電流がプラスからマイナスに流れて灯体が光ります。小学生の理科に出てくるものと同じシンプルな回路です。

バニティランプはライトオートカットの対象になっているため、この常時電源がコンピューター側で制御されて時間が経過したら (20分) 通電しない仕組みになっています。マイナス側は何もついてなくて、電流はボディー → バッテリーのマイナス端子…と言う順番で流れます。

ルームランプに使われてる常時電源はタイマー付き常時電源とでもいいましょうか。

【関連リンク】
・常時電源でもACC/IG電源でもない、新種のタイマー電源に注意! - DIYラボ
https://www.diylabo.jp/column/column-530.html

ルームランプが同じで、常時点灯…好きなときにいつでも点灯させる場合、2代目オーリスだと透明のレンズを押したらスイッチがマイナスにつながりルームランプが光ります。こちらもランプオートカットの対象です。

図はフロント、リアともに運転席側を点灯した場合の例です。(リアがドームランプの場合だと、単純に常時点灯させた場合の例です。)
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次はルームランプがドア連動の場合。

ドア連動の場合は、先ほどの常時電源のスイッチがオフであっても電流は流れる仕組みで、流れる先のマイナスが異なる (変更される) のが特徴です。

常時点灯のスイッチは実は回路の切替スイッチってことですね。

そして、ルームランプにあるスライドするスイッチでドア連動かオフにするのかを選べます。ドア連動にしなくても (オフにしても) レンズを押していつでも点灯させることができるのはマイナス側の経路が違うから実現できるんですね。

図でいうと、いつでも点灯する場合は白地に黒線の通常のアース線 (GND、E) に流れて、ドア連動の時は青線の CTY に流れます。

ちなみに、ドアを開けたとき、またはエンジン停止の時にじわっと点灯する機能はコンピューターがこのマイナス側を制御することで実現されてます。

今回、リアのルームランプはいじらないので関係ないのですが、せっかくなので説明しておくと…

この回路図だと標準車はリアとフロントの 青線 (CTY) が、フロントのルームランプとつながっています。(電気の流れは破線の矢印で示しています。)

そのため、標準車はフロントのスライドスイッチが “ドア” になっていないとリアをドア連動で点灯させることができません。

しかし、リアがドームランプ車の場合は、フロントのルームランプを経由していないため個別にオン / オフができます。(フロントがドア連動になっていなくても (オフでも)、リアだけドア連動にすることができます。)

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ここまでは、別の整備手帳のほぼコピペでした (^_^;)
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さて、本題に戻って。

今回のトラブルで最初にやったのは、ウェルカムポジション&テールランプの自作ユニットのなかに収めた構成部品を1個づつ新品に交換してはテストを繰り返しました。

具体的には、
・エーモン工業 出力変換ユニット (1557)
・エーモン工業 ユニット用リレー (1558)
を上から順番に新品に交換しましたが、結果は変わらず不具合発生。

時期的にピカキュウのルームランプ用 LED に変えてからおこっているような…。

そこで 前に使っていた IPF の LED との違いを考えて見ると…

・明るい (*^_^*)
・極性のありなし。(ピカキュウのものには極性ないが、IPF のものには極性があった。)

どうやらこのあたりがくさいな。

そう考えて、また IPF の LED に戻したところ…


症状がなくなりました!!



…いや、それだと何の解決にもなっていないし、そこそこの価格がするピカキュウの極性なし LED をあきらめるわけには。

そこで、仮説を頭の中で考えて、いくつか実験をおこなうことに。


自分が頭の中で考えていることが正しければ…

先ほどのドア連動をやめると症状が消えるというのも理解できますので、もう一度試してみると…はい!不具合なし!

つぎは電球を抜いて…OK! 不具合なし。

さて、ピカキュウの極性なし LED にしてみると…はい! 発生!

直接の原因はこやつにあるな。しかし、こやつをはめて不具合が出るような回路設計をしている私にも問題ありだ。
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そのまえに、 LED について。

LED はダイオードという素子の仲間です。 ( Light Emitting Diode 発光ダイオード )

それで、光らない一般的な普通のダイオードは電気の流れを制限するときに使います。

一般的にはプラス (A:アノード) 側からマイナス (K:カソード) 側へ電流を流すことができますが、逆のマイナス側から、プラス側に電流を流すことができません。

これは LED も同じで 図のように LED も同じで逆に流すことができません。一応 LED もダイオードですから。

これはクルマのランプで LED を使っていれば同じです。

しかしそれだと使いづらい。(取り付け時に極性チェックが必要になる。)
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そこで考えられたのが、電流の流れをダイオードで制限してマイナス側に誤って接続したプラスを正しいプラスの方向に流してしまう回路です。

中央に LED と抵抗があります。

この図はプラス側にプラスを正しく接続した場合の電流の流れ方。

一部は水色のように戻ってくるような回路になっていますが、通常は電流がが流れている間はほぼ流れていない状態なので無視します。
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今度は逆にマイナス側にプラスを接続した場合。図6とプラスの位置が入れ替わっていることにご注目。(プラスが下にあります。)

この時は、水色の様に電流が流れて、 LED の正しい方向から電流が入ってくることが分かるかとおもいます。

市場にある極性がない LED にはおそらくこれに近い回路が搭載されているはずです。
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さて、LED の仕組みが分かったところで、次はルームランプの仕組みを。

図3と全く同じ内容になりますが、ドア連動だとこのような電気の流れが起こり、ルームランプが光ります。

真ん中のマップランプ ASSY がフロントのルームランプで、この場合は図の左側の赤 → リレー → ピンク → 赤と流れてルームランプをてらします。

ドア連動を OFF にした場合は、 スイッチが図のように DOOR につながってるものが、OFF 側に移動することでドア連動が OFF になります。

(白 / 黒の線はマイナス線です。)

(その2 につづく)

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