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2017/06/08

車速感応ドアロック装置の取り付け その1 - 概要・配線図と自作ハーネス作成①

カテゴリ : 電装系 > 電装パーツ > 自作・加工

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この整備手帳は車速感応ドアロック装置取り付けの整備手帳です。

車速感応ドアロック装置とは、ざっくりと説明すると、車を発進してある程度の速度 (約15km/h) に車が達すると、すべてのドアを自動的にロックする機能を追加します。

また、シフトレバーを P レンジにいれたり、サイドブレーキを引いたりすることで、ドアロックを自動的に解除します。

手動でドアロックを掛ける必要がなくなるって事ですね。

ここでは、パーソナル CAR パーツ 製品で作業を進めますが、前車 WISH の時に使用していたガレイラの製品も接続をしたことがあるため、接続図だけはガレイラの接続図も追加写真に追加しています。

取り出す信号や配線の接続場所などは他社もおおむね同じかと思いますので掲載している情報がお役に立つのでは?と思います。

装置の取り付けには、車に張り巡らされた電気配線から必要な信号を取り出して、装置に教える…接続する必要があります。

この写真は信号の取り出し場所と配線箇所のイメージです。

文中の HV はハイブリッド車を意味します。

信号を取り出す場所は写真右から、

GE1 (HV:JH1) から3本…6番 桃 UL、16番 水色 L、20番 薄紫地に水色 UL
※20番 UL はドアロックモーター (アクチュエーターの UL) で、6番とは異なります。

EL4 (HV:HN5) から1本…10番 紫 FRCY

(2024/03/07 追記)
FRCY は、運転席ドアのカーテシスイッチのコネクターからも分岐できます。

具体的には運転席側Bピラーの内装を外すとコネクターがありますのでそこから分岐します。

別作業で、反対側の助手席側をBピラーの根元や左右リアドアの各カーテシスイッチ根元から分岐した整備手帳がありますので好みで選択してみてはいかがでしょうか?

【関連整備手帳】
・車速感応ドアロック装置の取り付け 番外編2 - ドアロック条件を増やしてさらに快適・安全に! その2
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/5365080/note.aspx
※必要なコネクターなどのパーツも整備手帳の関連パーツレビューからたどることができます。

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L16 (HV:N13) から1本…3番 青 DBKL

E90 (HV:H10) から1本…5番 薄紫 P ※後期のみ。前期にはこの配線がありません。(=Pレンジでのドアロック解除は、エンジンルームから信号を取る関係で作業が難しいため。)

ハイブリッド車は P (パーキング) スイッチの裏にある、H10 コネクターの 7番 赤 IND- で問題無いと思われます。(車速感応ドアロック装置のメーカーさんの プリウス / PHV (ZVW3#) の説明ではこの配線になっており、オーリス HV と配線のアサインが同じであればここです。)

E16 (HV:H23) から3本 1番 黒 PKG、2番 青 IG、3番 薄紫 SPD
その他、車体に留めてあるボルトなどに-線 (アース)などを接続します。

オーリス HV で実車での動作確認ができないため、作業をされる場合は自己責任でお願いします。

車速感応ドアロック装置はサイドブレーキの横、ちょうどSPORTモード、TRC OFF、アイドリングストップオフの3連スイッチ (コンビネーションスイッチ ASSY) の下に納めるために、配線はすべてここへ引き回してユニットにコネクターやギボシで接続するように集めました。

(2021/05/18 23:39 追記)
配線が薄紫地だった場合、電線の素材がアルミの場合があるようです。 (具体的には GE1 (HV:JH1) 20番 薄紫地に水色 UL が該当する可能性がある。)

トヨタの配線図をお持ちの場合、配線色に LA-○ と書かれている場合がアルミ線です。 (LA = 青藤色) ちなみに GE1 (HV:JH1) 20番 UL の場合、配線色は LA-SB の表記。


その場合、エレクトロタップのサイズを間違えたりすると配線が断線する場合があるようです。取り扱いには注意してください。詳細は関連リンクとして記載しておきますのでそちらをご覧ください。

【関連リンク】
・車の配線でアルミ線が増えていることは、電装DIYにも影響がある問題 -DIY ラボ
https://www.diylabo.jp/column/column-1256.html

・車の配線でアルミ線が増えていることは、電装DIYにも影響がある問題(対策編)- DIY ラボ
https://www.diylabo.jp/column/column-1256-2.html
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全体の配線図です。
…なんかすごいことになっていますが。

(ガレイラ製 GSP-TAL01 or GSP-ITL04 を取り付ける場合の配線図は追加写真にアップしています。また整備手帳内の表記はパーソナルCARパーツさんの製品で進めますので取り付けに必要な情報は読み替えていただきますようお願いします。)

私は、車の配線にエレクトロタップなどで割り込んだりして、配線を傷を付けるのが好きではないなので、オーリスになってからは極力自作ハーネスを作成して作業を行うようにしています。

そのため、この配線図は自作ハーネスの配線まで含めた配線図です。

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※HV 車は 文中、図中のそれぞれのコネクターを次のコネクターに読み替えてください。(とはいえ、一部を除き、名称の違いだけでコネクタ位置、ピン番号は同じであるため、あまり気にされなくてもよいかもしれません。)

・GE1 → JH1
・EL4 → HN5
・L16 → N13
・E16 → H23
・E90 → H10 ※コネクタ形状が異なるため、このコネクターだけピン番号が異なりますので注意。(5番 薄紫 → 7番 赤)

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ただ、今回は2カ所、合計4本の配線だけはエレクトロタップで割り込んで作業を行っています。(GE1 (HV:JH1)
×3本、EL4 (HV:HN5)×1本)

理由は部品が販売中止、市販されていないなど、どうしても部品 (カプラ / コネクター) の手配ができなかったためです。(オス側カプラは購入できたが、既存配線を受けるメス側カプラがそろわなかった。)

そのため自作ハーネスを作成せずに実車にエレクトロタップで割り込む作業手順で進める場合だと、配線図はもっとシンプルになります。

(2021/01/29 21:43追記)
auto-eparts さんが EL4 コネクターと同等品を2020年12月15日から取り扱いを始められました。

https://auto-eparts.ocnk.net/product/1033

かん合相手もあります。
https://auto-eparts.ocnk.net/product/1032
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(2024/03/07 追記)
GE1 に割り込む自作の延長・分岐ハーネス作成に必要なコネクターの同等品が判明しました。(購入してみたのでパーツレビューを作成しました。)

(オスコネクター (メスターミナル))
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/12829002/parts.aspx

(メスコネクター (オスターミナル))
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/12829006/parts.aspx

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また トヨタ純正ナビでは走行中に TV / DVD / 外部入力映像を見ながら走行することは通常できませんが、E16 (HV:H23) の自作ハーネス時にその対策も織り込んでいます。

合わせて、将来取り付ける予定の装置用としての分岐や、分岐しておくとあとあと楽かな~と思った配線も将来用として織り込み分岐しています。

図の配線色は、実際に使用した配線と合わせてあります。

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GE1 (HV:JH1) では、運転席ドアの集中ドアロックスイッチを操作することで、ドアのロック (16番 L) 、アンロック (6番 UL) に電気を流して、各ドアのロアロックモーター (アクチュエーター) を動作させます。

装置はこの信号に割り込み、装置自身がそのスイッチの役割を果たすことで、ロック / アンロックを実現するわけです。

また、GE1 (HV:JH1) の20番に装置の配線を接続することで、ドアロックモーターが動作してアンロックしたか…つまり集中ドアロックスイッチを使用して手動でアンロックを行ったかの判断もしています。

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この装置は、ドライバー (運転者) が ドアノブ
(インサイドドアハンドル) にあるドアロックを手動で外す、またはロックを外さずドアノブを引いてドアを開け※、再度乗り込み発進した場合を検知して、再ロックを掛けます。

※前車 WISH の時もそうでしたが、運転席だけドアノブを引いてもロックが外れてドアが開きます。緊急時対応のため…なのかな?

EL4 (HV:HN5) 10番は、運転席ドアの開閉を判断するために接続します。

ちなみにこの装置では運転席以外のドアを手動でドアロックをはずしドアを開けた場合を検知する配線は備えていません。

また、古い車では運転席とそれ以外…という配線になっていて、ドアが開いてますよ~とだけメーター内の1つのランプで教えてくれていましたが、オーリスの様なメーター内のディスプレイにどこのドアが開いてると個別にわかる場合は、当然ですがスイッチ、配線すべて独立しています。

装置の改善点として、すべてのドアの開閉を検知、対応する場合、リレーなどを駆使して他のドアを開閉状況を検知するように別途配線や装置がいる…ということになります。

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L16 (HV:N13) はシートベルト信号です。シートベルトをしたか、していないかバックルのスイッチで判断します。

(たしか、ここはシートベルトをしている間だけ、バックルスイッチがオフになり 12V になる配線です。)

なぜこの配線を拝借するかといいますと、トヨタ車では、シートベルトをしている状態では、GE1 (HV:JH1) の 6番 UL、16番 L 配線の電気信号入力が無効 (無視?) される仕様になっているそうです。

そのため、一瞬だけバックルスイッチになりすまし、スイッチをオン (マイナスパルスを出力) にしたことにして、その間にロック、アンロック実行します。

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2代目オーリス後期はシフトレバーパネルがシフトレンジに応じて LED ランプが光るようになっています。(前期はそのような機能がありません。)

つまり、P レンジにしたら、電気が流れる配線があるということです。

そのコネクターが E90 (HV:H10) です。ここの5番 P から P レンジ信号を拝借します。それにより、Pレンジに入れたときにドアのアンロックが可能になります。(HV は P スイッチを押した時に光るインジケーターランプ 7番 赤 IND- から拝借します。)

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カーナビ裏には動作に必要な信号として、車がどのくらいのスピードで動いているか、スピードメーターを動かす信号と同じ車速信号、サイド / フットブレーキがされているかわかるための信号、リアカメラ映像を映すため後退 (バック) 状態であるかを知るための信号が来ています。

E16 (HV:H23) コネクターはこれらの信号がまとめてありさらに、エンジンがかかる直前、かかっている間に通電される IG 線も含まれています。

今回は、このコネクターからパーキングブレーキを引いたかわかる、1番 PKG、装置を動かす+側電源線として 2番 IG、車が動いている、スピードが約15km 以上になったことを検知する 3番 SPD を取っています。
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まず最初に作成したハーネスは、L16 (HV:N13) 運転席側シートベルトの配線です。

先ほどの全体の配線図で言うと、右下の自作ハーネス①の部分。

左側がメスカプラで端子(矢印)側から見た場合、右側がオスカプラで左側の電線側から見た配線の並びになっています。

その部分を抜き出した配線図がこちらなのですが、ここから1つだけ信号を拝借。

割り込むのは、3番 DBKL (ドライバーバックルの略かな?) です。

ちなみに、2番 白地に黒は E (アース) です。

ハーネスの作成は基本的に、既存の信号をそのまま流す必要があるため、2番→2番、3番→3番といった配線も必要です。

そこに、
・エレクトロタップで割り込む。
・被覆を一部向いてその切れ目に配線を巻き付け、はんだで接続後絶縁する。
・被覆を一部向いてその切れ目に配線を巻き付け、スプライスでかしめて、絶縁する。
・端子作成時に一緒にかしめる。※今回行った方法。
…等の方法で分岐します。

【参考リンク】
・エレクトロタップ(配線コネクター)の正しい使い方
http://www.diylabo.jp/basic/basic-30.html

・ハンダで配線同士を接続する方法
http://www.diylabo.jp/basic/basic-39.html

・スプライス端子で配線を接続する方法
http://www.diylabo.jp/basic/basic-21.html

・配線の分岐方法。プロ流はスプライス端子
http://www.diylabo.jp/basic/basic-42-1.html

(その他参考になる記事)
・エレクトロタップによる断線に注意!
http://www.diylabo.jp/column/column-219.html

・配線コードの太さ(スケア)の選び方
http://www.diylabo.jp/basic/basic-33.html
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コネクターの場所は運転席下にある白いコネクター。

ちなみに、グレード、オプション装備により黄色いコネクターがある車がありますが、これはシート内にあるサイドエアバッグ用の配線です。

何かあるとまずいので触らないようにしてください。

また、120T、ハイブリッド車にはシートヒーターRH の配線があると思います。写真と異なるコネクターの形状ですので、間違えることもないかと思います。(4ピン中3つが使われていて、2番 HI ピンク、3番LO 赤、4番 E 白地に黒の配線です。)
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できあがりのイメージを確認。

この部分のハーネス作成に必要なカプラ (コネクター)と端子 (ターミナル)は…

・住友電装 025型TS/メス5極カプラ (025TS-05F)
・住友電装 025型TS/メス端子 (025TS-TF)

・住友電装 025型TS/オス5極カプラ (025TS-05M)
・住友電装 025型TS/オス端子 (025TS-TM)

が必要です。各パーツの詳細は関連パーツレビューのリンクからたどってください。
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ケーブルの被覆を向き、端子をかしめていきます。

写真は、L16用ではなく、このあと作成する E90 を作成しているところの写真です。違う写真を載せてすみません。

(実は整備手帳で似たような写真が並ぶのを避けるためと、作業スピード向上のため、あえてかしめるところの写真はほぼすべて撮っていません。(^^ゞ )

実際は、分岐するために準備した水色の線と電気をそのまま受け流す青のケーブルを一緒にかしめています。
端子のかしめ方の説明は割愛しますが、手順は参考リンクなどをご参照ください。

【参考リンク】
・細線をまとめてカプラー化! 細線用コネクターが便利 - DIY ラボ
http://www.diylabo.jp/basic/basic-59.html

・細線用電工ペンチは、普通の電工ペンチとどう違う? - DIY ラボ
http://www.diylabo.jp/column/column-127.html
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端子を押し込む前に、リテーナーを少し起こして (持ち上げて) 端子を差し込みます。

通常は、端子を押し込むことですっ~と入ったあと、カチッとちいさな音がします。差し込む時は向きがあるので注意してください。端子の出っ張りが、コネクター側穴の溝に入るように差し込みます。

必要な配線をすべて差し込み、あとはリテーナー (ロック部) を押し込んで、元に戻せば完了なのですが、うまく入らない場合は、写真のようにいったんリテーナーをはずして、精密ドライバーなどで押してあげるといいかもしれません。
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リテーナーを押して完了したところ。

これは、メス側コネクター (オス端子) 側ですが、逆のオス側コネクター (メス端子) も同じように作成します。

(その2 ( https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4289167/note.aspx ) につづく)

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