ポルシェ 911について 2 回に分けてブログを書いて終了とするつもりでしたが、予定変更で、補遺として、もう一度だけ取り上げたいと思います。
以前のブログで、「クルマはだんだん大きくなっている?」と題して、クルマの経時的かつ継続的なサイズの暫増傾向についてお話をしました。今回、911 についてブログに取り上げるためにいろいろと収集したデータを利用して、前回は、メルセデスとトヨタの数車種について行ったのと同様の解析を試みてみました。その結果が、以下のグラフになります。縦軸が、全長x全幅x全高、横軸が登場年でプロットしています。各点の横に書いてある数値は、モデル番号になります。
如何でしょうか。一点を除きほぼ直線上に乗っているのが分かると思います。登場以来 50 年近くほぼ一定の割合で大きくなっているのは驚きではあります。 911 はピュアスポーツカーですので、不必要な拡大化は避ける方向での考慮が設計段階で働くと推察されるのですが、それにしても着実に大きくなっていることは、余程の強い拡大化に向かう力が一連のモデル進化の過程で働いていることを示唆しているに違いありません。またこうした傾向は、メルセデス、トヨタ、BMW の各車種にも見られており、911 だけではないことから、割と普遍的な力であること、また拡大化のペースが約 50 年間で全く変化していないことから、安全技術の進歩等、特定の新規技術の導入に依存するものではないことも示唆されます。残念ながら原因については、まだ明らかにできていないのですが、非常に興味深い現象ではないかと考えています。
なお、上記の拡大化の傾向のなかで、タイプ 964 だけが例外なのですが、このような外れ値を取る理由も不明です。各タイプのデータは wikipedia を中心にネットから収集したのですが、過去モデルについてはなかなか正確なデータを見極めるのに苦労しました。タイプ 964 についても複数のデータがあり、どれが本当か分からず、もしかしたら解析に用いた数値が間違っているのかもしれません。なので正しい値をプロットしれば直線上に乗ってくる可能性はあります。ちなみに採用したのは 4250 mm X 1660 mm X 1270 mmですが、もし間違っていたらご教授ください。
今回はグラフではお示ししませんでしたが、各モデルの車体重量と登場年度をグラフ化すると、体積とほぼ同じように(ここまで綺麗ではありませんが)直線上に乗ってくることも確認されました。ただし、興味深いことに、最新型のタイプ 991 はこの直線から外れて、大きさの割には随分軽量であることが分かりました。実際、紹介記事を読むに、タイプ 991 ではアルミ部品が大幅に導入されたとのことで、この点は歴代モデルに比べて 991 の最大の特長といえるかもしれません。
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ということでポルシェの話題はこの辺りでお終いにしたいと思います。先日、妻に「子供の手が離れたら、最後の車はポルシェがいいよね」とさりげなく振ってみたのですが、「何時になったら手が離れるかも、これからどの位教育費がかかるかも分からず、それに年金もどうなるか分からないこのご時世に、クルマなんかにそんなにお金を使えるわけがない」、と一蹴されました(笑)。
クルマ好きとしては、長年一所懸命働いた最後に、中古でも良いからポルシェくらい手に入れて、妻と二人でドライブするような時間が持てる世の中であって欲しいと思いませんか?
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Posted at
2012/01/04 08:40:14