
最近。
「外部アンプ」が流行っています。
まぁ、インストールは、基本「バッ直」ですね。
ですがこれ、毎回危ない思いをされているかと思います。
具体的には、「オーディオ用ヒューズ入れると火花」のアレ。
アレの回避方法を、今回は軽くまとめます。
切っ掛けは、昨日のziro!さん向けBlog。
アレ、改造は実は「キャパシターのチャージカード」って奴です。
キャパシターは、ガツンと電流が流れてしまうので、電流制限してジワジワ電圧を上げる必要があります。
ま、最悪、爆発するぞ!、って云っているのは、そういうこと。
ガツンと電流が流れるってことは、例えば配線とか、もちろんキャパシター内部の構造とかに瞬間的な負荷がガツンと掛かる、ってことなのです。
これを、弱電用語では、「ラッシュ電流」、強電用語では、「突入電流」と云います。
まぁ、電気回路の電源設計で、毎回問題になる案件です。
で、これ、「キャパシターを物理的につけなければ起こらない」現象か、と云えば、そうではありません。
ぶっちゃけ、デジカメだのテレビだの携帯だの、所謂「ふつーの電気製品」には常に付きまとう問題です。
やりざまとして、「じんわり電流値を上げる」のが一番の対策です。
実際、組み込み機器のDDCには、「ソフトスタート」という機能があり、「じんわり電流上げていく」機能がついています。
ではなぜ、そもそも「ラッシュ」が起こるのか。
FETやTR、ICなど、スイッチング素子の電源には、まぁ必ず「コンデンサ」をぶらさげます。
これは、スイッチされた時に「いきなり0Vから規定電圧まで電流を流す」事が必要で、その為にはDDCの応答を待ってられないので、「とりあえずコンデンサから電荷放出してDDCの立ち上がりを稼ぐ」為です。
逆に云うと、電源の負担を減らすためでもあります、「ガツン」がマイルドになるのですね。
んで、問題はこの「コンデンサ」、ICとかの場合は「パスコン」とかいう言い方もありますが。
まぁ、放置していると、「電荷溜まっていない状態」です。
んで、電源を繋ぐと、「全力で電荷を溜めに」頑張ります。
ですが所詮コンデンサ、すぐにお腹いっぱいになり、「電荷溜まっちゃったのでもういいや」となります。
この「全力で電荷を溜める」ことが、所謂「バッ直でオーディオヒューズ入れると一瞬火花」の原因です。
これに耐えられるよう、ヒューズは「低速応答型」になっていると思います。
じゃないと、ラッシュで切れちゃうので。
つまり、「火花散っている時は、ヒューズや配線定格よりも遥かに大きな電流が流れている」事になります。
これ、あまり良くありません。
一瞬とは言え、各箇所に負担を掛けますし、設計が悪い/バランスが崩れている中古とかのアンプの場合、コンデンサ負荷に耐えきれずにどっかで燃えるかも!。
まぁそうですよね、あの「火花」好きで見てるヒトって、よっぽどのヘンなヒトだと思います。
んで、普通の機器は、特にカー用機器は、元の電圧が安定していないので、DDC→各素子、という接続です、ECUとかナビとかね。
そこの保障用はDDCで何とかするので、まぁ1次系、「バッ直ライン」にあまり負担掛けません。
んが、アンプは違います。
写真はパイオニアの「PRS-A900」の中身。
真ん中のデッカイコンデンサに目がいきがちですが、問題は「左の黒いコンデンサ」です。
コイツがまぁ、アンプの脈動保障用のキャパシタです。
まぁ、普通のアンプは、こんな風に「入口側」にコンデンサを持っています。
で、買った時は「空」の状態。
オーディオヒューズ入れて火花を飛ばすのは、コイツに電荷を溜める為、なのです。
ではこの現象、どーやって抑えればいいのか。
答えは簡単、「最初いきなりバッ直じゃなくて、そこに電流制限を入れればOK」です。
無制限に数十アンペア~数百アンペア流れるので、「火花」が飛ぶのです。
電流制限すれば、これを「じんわり」充電することが出来るので、まぁ火花飛びません。
んで、昨日のziro!さんBlogで値を出しましたが。
50Ωの抵抗を挟むと、電流値は「300mA弱」まで制限されます。
この状態であれば、充分「じんわり」です。
ziro!さんのは大容量スーパーキャパなので、充電に500秒とか結構凄い数値を出しましたが、普通のアンプの保障用コンデンサは「多くて0.1F」くらいかと。
ま、1/100、5秒くらいで充電終わります。
充電したかどうかは、抵抗挟んで「電圧差」をテスターで測れば分かります。
「0V」になっていればOKです。
300mAでも多少火花るかもですが、あの怖い「バチン」さ加減からは解放されるかと。
んで、丁度良さげな「5W、50Ω」な抵抗、イグ大先生が在庫を持っています。
そんなに高いモノじゃないので、一つ持っておくと、色々便利かと。
#まぁ、コーヒー一杯で譲ってくれるかと。
ま、ぶっちゃけ、「バチン」火花を許容する設計にアンプとかなっていると思いますので、それはソレでアリです。
ですが、あの火花さ加減が怖いアナタは、イグさんから抵抗を入手するといいでしょう。
もちろん、電流制限されるので、「まさかのGNDと12Vがショートしている」とかいう怖いアンプでも、大事故にはつながらないです。
ま、一つお持ちだとイイ!、と思います。
あと、「バッテリー上げちゃったときの救援」にも使えます。
この場合、相手にも負担がかかるので、一度抵抗挟んで12Vブースターつけると、安全な気がします。
時間は5秒くらいで充分かと。
ま、つーわけで。
アンプを安全にインストールするご提案、でした、とさ。