威力業務妨害と偽計業務妨害罪

　今話題のネットカンニング、ニュースなどでも盛んに報道されていますが、
ついに、大学側が偽計業務妨害で警察に告訴したようですね。
そもそも、人の人生がかかるような試験会場に、通信機器が持ち込めることのほうが問題だと思うのですが
どこのメディアもその辺はあまり追求しないのですね。

で、今回、話題となった業務妨害罪ですが、刑法上、
虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて人の業務を妨害する行為を偽計業務妨害罪（233条後段）、
威力を用いて人の業務を妨害する行為を威力業務妨害罪（234条）としています。
今回は偽計業務妨害罪でした。この偽計と威力の区別がよく解らないんですね。

　判例上、ラーメン店に数ヶ月間に何百回も無言電話をかける行為や
デパートの売り場の布団に大量の針を入れる行為は偽計によるものとされており、
弁護士の業務用かばんを奪取し隠匿する行為や、
店の前に薄汚い宣伝車置いて間延びした軍歌を大音量で流し営業を妨害する行為は
威力によるものとされています。

　それでは問題。
漁場の海底に障害物を沈めて魚網を破損させる行為は、偽計、威力のどちらと思いますか？

正解は偽計。
判例では、障害物が目に見える状態にあったか、犯行が隠密に行なわれたか、公然と行なわれたか
等によって区別するようです。

とまあ、判例に頼らざるを得ないので、曖昧と言えば曖昧なんでしょうね。
っておちになっていないな？