2005年05月17日
リチャード・ニスベット氏が行った心理学的実験に「パンダ、サル、バナナ」から仲間二つを選ぶと言う実験がある。
ほとんどの日本人ならサルとバナナを選ぶ。中国人もそうだ。ところが、これがアメリカ人だと、パンダとサルが多くなる。欧米人はものごとをカテゴリー化してとらえるのに対して、東洋人は関係性や文脈に注目するという結果が出ているということだ。
この実験の結果で、あなたは西洋タイプ、東洋タイプと遊ぶゲームがあった。ただ、むしろ重要なのは、両者が違う世界の見方をしていると気づくことだと思う。
同じ桜を見て「きれいだね」とうなづきあったとしても、一方は一面を覆う色合いを誉め、一方はやがて散るはかなさゆえの輝きを愛でているかもしれない。
東洋と西洋の違いを生んだのはどんな自然環境、社会環境だったか。何千、何万年の過去に思いをはせるとき、私たちは少し、相手に対して優しくなれるのではないか?
今この瞬間の違いを取り立てるより、互いが違う世界を見ていると知った上で、ともに生きていく。それができるのも人であろう。同じ桜を前に違う意味で「きれいだね」と言ったとしても、互いを受け容れていれば、肩寄せ合うひとときはあたたかいと思うのだ。
言葉で遊ぶ、ネット社会。ここカービューのみんカラだって、みんな同じではない。純東洋人もいれば、親欧米人だっているだろう。同じ文字を見ても同じことを考えるとは限らない。だからそれを容認する必要があるのだ。人のブログや、コメントに反論することを考える前に、その辺のことをちょっと考えてもらいたい。
この実験には続きがある。
「パンダ、サル、バナナ」から仲間二つを選ぶとき、東洋人はサルとバナナを仲間と答える傾向があると前述した。しかし、これをpanda,monkey,bananaと英語でやるとどうか。と言うものだ。いったん母国語に置き換えない程度のバイリンガルな中国人の場合、pandaとmonokeyを選ぶ比率が高くなる。
私たちの思考様式や行動は、このように言語の影響下にあるのかもしれないと仮説が立てられている。サピア=ウォーフの仮説として知られている考え方だ。ウォーフ氏はその論文で、「現実の世界」は言語習慣の上に形作られるという言葉を引用している。提唱されて半世紀、支持と反論が続いているようで、前述の実験をしたリチャード・ニスベット氏も、言語より育ってきた文化の影響の方が大きい事例もあると報告している。
答えはまだ出ていないのかもしれない。いや、出ないのかも知れない 。
オーストラリアの原住民語グーグ・イミディル語を話す人に、左向きの矢印を見せて同じ絵を描いてほしいと頼むと、人によって違う方向の矢印を描くという。グーグ・イミディル語には右、左という言葉を持たなけい。見せられた絵をたとえば北向きの矢印と理解するわけで、その人が座る向きによって違う方向の矢印を描くことになる。
これは、色の世界ではもっと顕著であり、色彩語の研究で有名な米国のポール・ケイ氏は、同じカラーチップを見せたときに、それを2色に分ける言語も12色に分ける言語もあるが、分節の仕方にはある程度のパターンがあることを見出している。日本語の色の表現をよく考えてみて欲しい。信号の青は、本当に青か?たとえ言語が違っても、自然界の色彩の波長配分まで組み変わるわけではない。人がどう分けたかだけなのだ。
言語は確かに、世界の認知に深く関わっている。ここでいう世界とは国際ということではない。狭く言えば、地域や職場も一種の世界なのである。言語が違えば考え方が変わるのは事実だろう。しかし、同じヒトとしてこの世界で生きている以上、互いにコミュニケーションできないほどに異なることは無い。その、違うけどわかるよね、とでもいった気持ちよさを感じるとき、人は優しくなれるのだろうと確信する。
Posted at 2005/05/17 18:14:21 | |
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雑学 | 日記
2005年05月17日
5月17日にはこんな方が生まれています。
★1749年 エドワード・ジェンナー Edward Jenner(イギリス:医師、博物学者、牛痘種痘法を発明)
(1823年1月26日没)
★1904年 ジャン・ギャバン Jean Gabin(フランス:俳優「大いなる幻影」)
(1976年11月16日没)
★1936年 デニス・ホッパー Dennis Hopper(アメリカ:俳優、映画監督)
★1937年 安部譲二 (小説家「塀の中の懲りない面々」)
★1953年 島田楊子(島田陽子) (俳優)
★1961年 エンヤ Enya(アイルランド:シンガーソングライター)
★1968年 城之内早苗 (歌手(おニャン子クラブ))
★1970年 坂井真紀 (俳優)
Posted at 2005/05/17 06:31:09 | |
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誕生日 | 日記
2005年05月17日
5月17日にはこんなことがありました。
1620年 トルコの博覧会で世界初のメリーゴーランド設置
1641年 江戸幕府が平戸のオランダ人を長崎の出島に移住させる
1809年 間宮林蔵が樺太に単身で渡り樺太が島であることを立証。間宮海峡と名附けられる
1870年 屯田兵が北海道に入植
1875年 第1回ケンタッキー・ダービー開催
1938年 支那事変(日中戦争)・徐州会戦で西住小次郎戦車小隊長が戦死。支那事変初の軍神に
1945年 富山地方鉄道・越中三郷駅附近で列車が正面衝突。死者43人
1956年 石原慎太郎原作の『太陽の季節』封切り。「太陽族」が流行語に。慎太郎の弟・石原裕次郎が映画デビュー
1962年 大日本製薬がサリドマイド系睡眠薬の出荷を自発的に停止。前年11月に畸形児出産の恐れがあると指摘されたがこの前日まで出荷を続ける
1964年 慶応大の渡辺泰輔投手が東京6大学野球初の完全試合を達成
1968年 押しボタン式の電話機発売。翌年4月にプッシュホンと命名
1973年 米上院がウォーターゲート特別委員会で公聴会開始
1978年 自衛隊の飛行艇が高知県沖に墜落。13人死亡
1979年 雑誌『ヤングジャンプ』創刊。青年漫画雑誌ブームに
1981年 ライシャワー元駐日大使が、日米間に核持ち込みの口頭諒解があったと発言
1983年 レバノンとイスラエルがレバノンからのイスラエル軍の撤兵協定に調印
1983年 一人乗り小型ヨットの世界一周レースで多田雄幸が優勝
1985年 北海道の三菱南夕張鉱でガス爆発。死者62人
1987年 ペルシャ湾で米艦「スターク」がイラク機の攻撃を受け炎上。37人死亡
1989年 中国・北京で100万人規模の民主化デモ
1990年 大昭和製紙名誉会長・斉藤了英がゴッホの『医師ガシェの肖像』を約125億円の史上最高値で落札
1996年 京大医学部附属病院で母親から2歳6か月の子供への日本初の小腸の生体移植手術を実施
1999年 イスラエル首相公選でバラク労働党党首が当選
Posted at 2005/05/17 06:30:38 | |
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出来事(歴史) | 日記
2005年05月17日
今日の記念日
■世界電気通信の日(World Telecommunication Day)
国際電気通信連合(ITU)が昭和43年に制定しています。国際デーの一つです。
日本では日本ITU協会が実施しています。
1865年、ITUの前身である万国電信連合が発足しました。1932年に、1906年発足の国際無線電信連合と統合して現在のITUが発足、1947年に国連の専門機関となりました。
世界中の国と、より速く、より正確に連絡をとる手段としての電気通信の普及と理解を深める日ということです。
■パック旅行の日
1961年、イギリスで世界初のパック旅行が行われました。
■生命・きずなの日
日本ドナー家族クラブが制定しています。
生命の大切さ、生命の絆について考える日。
■自然保護の日
いろいろ考えさせられる日です。このブログも通信媒体無しには成立しませんし・・・
Posted at 2005/05/17 06:30:02 | |
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今日の記念日 | 日記